猫の食欲がない時の食事ポイント。美味しく食べてもらうための一手間

ゴハンを食べない猫を見ると、飼い主さんは「病気かな」と心配になってしまうかもしれません。ですが、それは実は病気ではなく、ほかのことが原因かもしれないのです。

猫の食欲がないときに簡単にできる、食事の工夫のしかたをご紹介します。

猫の食欲がないとき、気をつけて見てあげたいポイント

猫の食欲が落ちたとき、あきらかに体調が悪ければ動物病院に連れて行きますよね。

ですが、動物病院に連れて行かれるのは、猫にとっては大きなストレスです。むやみに病院に連れていくのはできるだけ避けたいものですね。

まずはしっかり猫の様子や変化を観察してください。

食欲が落ちている猫の観察ポイント4つ

病気が原因で食欲が落ちているのであれば、ゴハンを食べない以外にも、なんらかの症状が見られる場合が多いものです。

まずは、食欲以外に変調をきたしていないか、次の4つの猫の様子を観察してみましょう。

  • 激しい嘔吐はしていないか
  • お水を飲み過ぎたり、飲まなすぎたりしていないか
  • お腹を触ると痛がったり、苦しそうだったりはしないか
  • オシッコやウンチがちゃんと出ているか

このほか、体重がいきなり大幅に減っている様子などがあれば、動物病院へ相談したほうがよいでしょう。猫の体は小さいので、脱水症状や体重の減少が、大きなダメージにつながる危険があります。

病気以外で、食欲低下の考えられる原因

ほかの変化はそれほど見られず、食欲が落ちているだけならば、「自宅でもう少し様子を見てみようか」とすることも多いことでしょう。その場合にも、できるだけのことをしてあげたいと思いますよね。

病気ではなくても、食欲が落ちることはあります。代表的なものを挙げてみましょう。

  • フードが気に入らない
  • 発情期を迎えかけている
  • 騒音や気温の変化などの環境が、猫のストレスになった
  • 飼い主がかまいすぎて、ストレスになった
  • 飼い主がかまってくれない寂しさが、ストレスになった

もちろん、これ以外のことが理由である場合も考えられます。猫の普段の様子をよく知っている飼い主さんが、猫の様子をしっかり観察してあげましょう。

食欲が落ちている猫には、こんな工夫をしてあげよう

「病気ではなさそうなのに、食欲が落ちている」なんてときには、猫の性格分析が重要になります。繊細な猫ほど、ささやかなきっかけで食欲が落ちたり体調に異変が現れたりすることがあるからです。

食欲が落ちている猫には、ゴハンにひと工夫してあげることで、食べるようになる場合もあります。愛猫がお気に召す方法を模索しながら、一手間かけてあげましょう。

あたためてあげる

猫は、とても匂いに敏感な生き物です。猫のフードは、あたためることで、香りが引き立ちます。嗅覚は、食欲を引き立たせる大切な要素のひとつですから、「おいしそうな匂いがする!」と思わせれば、食欲が湧くかもしれません。

ドライフードが好きな猫は、ドライフードをラップなしで軽く電子レンジにかけるだけで、食いつきよく食べてくれるようになることがあります。匂いのほかに、湿気がとんでカリカリ食感がひきたつことも、理由のひとつのようです。

トッピングをしてあげる

いつものフードに飽きてしまった猫には、ちょっと変わったトッピングをしてみてはいかがでしょうか。猫用の削り節や小魚のほか、トッピング専用にこまかくくだいたふりかけも販売されています。

普段ドライフードを食べている猫には、ペースト状やスープ状のおやつをトッピングしてあげるのも良いですね。

フードを変更してみる

いつも同じフードを食べていたのに、ある日突然ピタリと食べなくなる猫がいます。もしかしたら、同じフードばかりで、飽きてしまったのかもしれません。そんなときには、違うフードを与えてみましょう。

おなじドライフードでも、肉味や魚味、パウダーつきなど、さまざまなタイプがあります。まずは、ごくちいさな小分け袋になっているもので試してみましょう。これなら、猫に気に入ってもらえなくても、無駄になることはありませんよ。

フードを変えたら食べなくなった場合は、いつものフードに戻す

おなじフードに飽きる猫もいれば、こだわり続ける猫もいます。「違うフードに変えたら、猫が食べなくなってしまった」なんてことは、よく聞く話です。飼い主がよかれと思ってフードを変更しても、猫が気に入ってくれないこともあるのです。

「気に入ってくれなかったフードがもったいない」と思ってしまうかもしれませんが、気に入らないフードを押し続けられるのは、猫には大きなストレスになってしまいます。

新しいフードに慣れてくれるのを待つ手もありますが、できるなら、猫が気に入っているフードに戻してあげましょう。メーカーの生産中止などでやむを得ない場合は、新しく気に入るフードが見つかるまで、根気よく接しましょう。

フードを食べてもらうための工夫は、どれも簡単な一手間でできるものばかりです。特別な体調不良が認められないなら、このような工夫をしながら、様子を見てみてもよいかもしれません。

愛猫には、できる限りの愛情と手間をかけてあげよう

日本人の平均寿命は、男女とも80歳を超えています。対して猫の寿命は、平均で15歳程度。飼育環境によっては、もう少し長かったり、逆に短かったりします。どちらにしても、人間よりはずっと短い命です。

縁があって手元に招いた猫なのですから、幸せな時間をともに過ごせるように、できる限りの愛情と手間をかけてあげましょう。完全室内飼育の猫は特に、飼い主から与えられるものが、その生活のすべてになります。

そそいだ愛情のぶんだけ、猫はあなたに愛らしい姿を見せてくれるでしょう。かけがえのない愛猫と過ごせる時間を長いものにするために、できるだけのことをしてあげましょう。

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