猫が隙間に入りたがる理由5つ。通り抜けられるのは何センチ?

猫が隙間を見つけては体を滑り込ませる姿が可愛い!そう感じるのは私だけではないはずです。

驚くほど狭い隙間に入っていく猫や、なぜそこに入ろうと思ったの?と聞きたくなるような隙間に入る猫と、面白くて不思議な猫が隙間に入るシーンを目にしますよね。

いったいなぜ猫は隙間を見つけては吸い込まれるように入っていくのでしょうか?その理由には、はるか昔に自然界で身に着けた生き抜くための知恵が隠されていたのです。今回はそんな、猫が隙間に入る理由をご紹介しましょう。

猫が隙間に入る理由5つ

猫が隙間を好むのは、昔から続く猫の生態やと特徴、さらに猫の体の構造に関係があります。具体的に猫が隙間に入る理由とは何かをまずはご説明します。

本能

猫が隙間を好む理由は、イエネコの祖先であるリビアヤマネコ時代にまでさかのぼります。リビアヤマネコは狩りが上手で獲物を自分で捕らえて生きていました。

その遺伝子が根強く残り、現在のイエネコもアクロバティックな動きや行動で私たちを驚かせているのですが、猫の欠点は瞬発力はあるものの持続力がないということです。

高い瞬発力と運動能力はあっても、獲物を長時間追いかける体力がないため、イエネコの祖先であるリビアヤマネコは、狩りをするときに、隙間に身を潜めて獲物が射程距離に入るまでジッと耐えるという方法で狩りを行ってきました。

その名残で猫は隙間を見つけては、本能的に体を滑り込ませて隙間から見るという行動を取るのです。

もし、隙間から見る愛猫の姿を見かけたら、本能的に獲物が来るのをジッと待っているかもしれません。そのタイミングで猫じゃらしなどのおもちゃで遊んであげると、とても喜びますので是非試してみて下さい。

落ち着く

イエネコの祖先であるリビアヤマネコは、狩りをする時以外でも木の隙間や岩の隙間に身を潜めて休息を取って過ごしていました。

というのも隙間は獲物を狙う時に身を隠しやすいのと同時に、外敵から見つかりにくく、仮に見つかったとしても大型の野生動物なら隙間に入れないためです。

そういった理由から、リビアヤマネコは落ち着いて休める場所として隙間を見つけては好んで入り休息を取っていました。

その名残で猫は隙間を見つけてはその中に入り、ゆっくりと休むようになったのと同時に、安心感を得られる落ち着く場所として本能的に感じるようになったのです。

野生時代に学んだ、隙間で休息をとるという生きるための知恵が本能に刷り込まれて、現在の猫達に受け継がれているのですから、動物の本能とはすごいですよね。

好奇心

猫は好奇心の塊のような動物です。絶対に無理だろうと思うようなことに挑戦したり、何故そんなものに?と思うような物を必死に追いかけたり、他の動物や人間に恐れることなく近づいたりとなんにでも興味を示します。

そんな猫ですから、ちょっとした隙間や狭い空間を見つけると「あの先に何か面白いものがあるかもしれないニャ」という気持ちになって、思わず本能の赴くまま吸い込まれるように隙間に入っていくのです。

そんな猫達の面白いところは、隙間に入ったその後のことを全く考えていないということです。

隙間に入ったはいいものの、方向転換もできず後ろに戻る事も出来ないでいる隙間にはまる猫。隙間に入ったら意外に落ち着いてそのまま眠ってしまう猫。隙間に入ってただボーっとする猫。隙間から出られなくなって途方に暮れる猫。

そんな猫らしいといえば猫らしい姿を見られるのも隙間があるからこそですね。

隠れるため

猫が隙間に入るのは飼い主から隠れるためでもあります。前述したとおり、猫は狩りをする時に隙間に身を潜めて獲物が射程距離に入るのをジッと待つ狩猟方法を取っていました。

その名残で、飼い主を獲物と見立てて隙間から飼い主を見て狙うことで狩りの疑似体験をしているのです。

面白いのは、飼い主を隙間から見る時、猫は見つかっていないと思っているということです。飼い主からすれば、家の中の隙間なんて目につきますし大体は愛猫の姿が見えていると思います。

しかし隙間から見る愛猫は飼い主を狙うために、ジッと隙間で身を潜めているつもりなのです。

ただし、隙間から見る時に飼い主を獲物に見立てて狙っているとは言っても実際に本気で飼い主を捕って食べようなんて恐ろしいことを思っている訳ではありません。

実際に飼い主を襲ったとしても、それは子猫同士がじゃれ合って遊んでいるような感覚なので、本気で噛むようなこともないのがほとんどですから安心して下さいね。

また隙間に隠れる理由としては、一人になりたいという理由も考えられます。

飼い主様や他の人に構ってほしくない時や、一人でゆっくりしたい気分の時に飼い主の手が届かない隙間に入ってゆっくりくつろぐこともありますので、そのような時は無理に構わずにそっとしておいてあげるようにしましょう。

体を癒すため

猫が隙間に入る理由でもっとも気をつけてほしいのが、病気や怪我をしている体を癒すために隙間に身を潜めている場合です。

猫にとって隙間は安心して体を休められる場所です。そんな本能から、猫は自分の体に異変を感じた時に部屋の隅や家具の隙間、押し入れの隙間などに身を潜めジッとして体を癒そうとする習性があるのです。

愛猫が隙間に隠れる以外に下痢や嘔吐、出血といった目に見えるあきらかな症状がある場合なら、様子がおかしいことに気付けるとは思います。

しかし、猫の病気は目に見えない症状や、発症から死に至るまで数時間しか猶予がない病気も存在します。

そのため愛猫が隙間でジッとしている場合や、呼んでも隙間から出てこようとしない場合は、「猫は隙間が好きな動物だから」と簡単に片づけるのではなく、体調が悪くないか?何か他に症状がないのか?注意深く観察してあげるようにしましょう。

その心掛けが愛猫の命を救うことになるのです。

猫が通り抜ける隙間は何センチか?

飼い猫でも野良猫でも隙間に入っていく姿をよく見かけますが、猫の中には「どうやってそんなところに入ったの?」と思うような狭い隙間に入る子もいますよね。

その姿から猫は軟体動物ではないのか?と世間では言われていますが、猫は実際にどれくらいの隙間まで通れるのかご存知ですか?

答えは「顔がすんなり通るくらいの隙間なら、難なく入れる」です。

つまり小顔であればあるほど、通り抜ける隙間も狭くなっていくということです。これは猫の体の構造が関係しています。

まず猫の体は柔軟性がありとてもしなやかな肉体をしていますよね。さらに、詳しく見てみると、猫の体には鎖骨がないのがわかります。この鎖骨がない体というのは、狭い空間を通るうえでとても重要な要素となっています。

人間と比べるとよくわかりますが、人間が狭い隙間を通ろうとする時、頭は難なく通ったとしても鎖骨が引っかかって通れないなんてことよくありますよね。

これは他の動物でも言えることで、狭い隙間を通れるか通れないかは鎖骨が引っかかるか引っかからないかが重要になってきます。

その点、猫は鎖骨がないため頭さえ通ってしまえばどのような隙間でも体をねじ込んで通り抜けられるのです。

たまにデブ猫だと頭が通ってもふくよかなお腹が引っかかって抜けられないというシーンを見ますが、あれは例外なので悪しからず。

ちなみに猫の頭の平均的な大きさから考えると、直径10㎝くらいの隙間なら成猫でも余裕で通れます。顔の小さい猫ならば6㎝くらいの隙間でも通り抜けられます。そう考えると、もしかしたら猫は本当に軟体動物なのかもしれませんね。

猫の侵入を防ぐ隙間対策

猫が隙間を好むのは本能ですし、仕方がないのですが電子機器の後ろや大切なものを収納している棚の隙間など、入っていかれたら困るような隙間に限って愛猫が入っていくとお悩みの飼い主様も多いのではないでそうか?

さらに少ししか空いていない窓や玄関の隙間から脱走を図る猫もいますし、家の中だとしてもその隙間の先が安全だとは限らない場合もありますので、家の中の隙間をどうにか対策したいと考えている方も多いはずです。

そんな愛猫の隙間対策を検討している方におすすめしたいのが、隙間を6cm以下にする対策とバリケードを作る方法です。

猫は信じられないような狭い隙間を通り抜けるとはいっても、通り抜けられるのは顔が入る幅が限度です。どのような小顔の猫でも成猫ならば6cm以下の顔の猫はまずいません。

そのため、部屋中の入られたくない隙間を6㎝以下にすることで隙間への侵入を防げるのです。

また、窓や玄関などの隙間から愛猫が脱走するのを防ぐ有効な方法としてバリケードを自作してみてはいかがでしょうか?天井から床までを塞ぐような大きなバリケードを作る必要はありません。

窓の大きさに合わせたゲートや、猫がジャンプをしないと超えられないくらいの高さのゲートを用意するのです。

そうすれば、猫が扉や窓の空いた隙間から脱走をするときに、そのゲートを通り抜けるために一旦、動きを止めてジャンプをする必要があります。その一瞬の隙に、愛猫が脱走するのを止められます。

▼マルカン-猫網戸脱走防止フェンス-L
猫用フェンスの商品イメージ

脱走防止グッズとして売られているこのようなものを窓に着けて隙間からの脱走を防いでもいいですし、突っ張り棒などを利用して人間が跨げる高さのゲートを自作してもいいでしょう。

猫が隙間に入るのは危険が伴う場合もありますので、安全対策という意味でも隙間対策を一度見直してみてはいかがでしょうか。

猫が隙間を好むのは本能!

猫が隙間を好む理由は、野生の名残を色濃く残している猫だからこそ見られる行動でもあるのです。猫が隙間に入っていく姿を見て癒されている方もいらっしゃるでしょうが、隙間に入っていく理由や入っている隙間の安全対策は万全なのか?

しっかりと考えるのも飼い主の大切な役目です。愛猫の安全や健康を守るためにもぜひ今回の記事を参考にしてくださいね。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ