優雅な雰囲気と美しい毛並み、ふわふわのたてがみや尻尾が魅力的なソマリは、長毛種の猫の中でも高い人気を誇っているんですよ。
ソマリはアビシニアンの長毛種なんですが、だからこそ性格や特徴なんかもよく似ていると言えるでしょう。それもあって「ロングヘアード・アビシニアン」と呼ばれたりもします。
ソマリの特徴や性格・かかりやすい病気などを詳しくご紹介していきます。さらにソマリはどんな人が飼うのに向いているのか?も知っておくと今後役立ってくれることでしょう。
ソマリの特徴
それでは、さっそくソマリの特徴について考えていきましょう。ソマリはアビシニアンの長毛種となっていますが、主にどのような特徴が見られるのでしょうか。
- 「ティッキング」という特別な毛並みによってキラキラと輝く被毛が作り出されている
- 鳴き声が小さく、鈴のような澄んだ声を出す
- 代表的な毛色はブルー・フォーン・ルディ・レッド
- 瞳の色はグリーンまたはゴールド
- 大きな耳とアーモンド形の目をしている
- 筋肉質でスリムな体つき
ソマリの毛並みは、1本の毛が何層にも分かれていることで光の加減や角度によって色合いがその都度変化するようになっています。この独特な被毛はティッキングと呼ばれているんですよ。
そしてソマリの鳴き声はとても小さいことでも知られています。その声質もまるで鈴のような澄んだ声で、すぐに「ソマリが鳴いてる!」と分かるような特徴的な音色なんですね。
ソマリの尻尾はボリュームがあって少しキツネのような特徴になっていることもあり、「キツネのような猫」という愛称もあるほどなんですよ。
ソマリとして代表的な毛色は「ブルー・フォーン・ルディ・レッド」の4つになっていて、この中でもルディとレッドは初期の定番カラー、ブルーとフォーンは認可されてからまだ新しい毛色ということもあり、人気の色となっています。
そして、やはりソマリといえば大きな耳とアーモンド形の目がをしていることもポイントですね。美しく筋肉質でスリムな体つきと、きつねのような尻尾とのバランスがとても綺麗です。
ソマリとアビシニアンの遺伝子について
ソマリはアビシニアンから生まれてきた猫種だということは上の項目でもお伝えしましたが、基本的にはこれらの違いは「短毛種か、長毛種か」ということだけなんです。
だから、子猫の頃のソマリとアビシニアンはパッと見ただけではほとんど見分けが付かない…とも言われているんですね。子猫時代はまだソマリも短い毛をしていますから。
このように毛の長さが全く違うソマリとアビシニアン。「本当にこれらは同じ猫なのか?アビシニアン以外の猫を交配に使っているのではないのか?」と疑問を持った人が遺伝子を大々的に調べあげた事があったのです。
その遺伝子検査の結果、「ソマリとアビシニアンの遺伝子は100%同じである」ということが分かったんですね。猫種としては違う名前なのに、遺伝子は全く同じだなんて…とても貴重な猫たちです。
ソマリの性格
ソマリは、具体的にどんな性格をしているのでしょうか。代表的な性格はどうなっているのか、考えてみましょう。
- とっても社交的で飼い主さんに対して甘えん坊
- 飼い主さんの言うことを聞いてくれる
- スキンシップ・撫でられることも大好き
- 活発に運動をする
- 好奇心が旺盛
- 環境の変化には弱い・人見知りの傾向もある
ソマリの場合アビシニアンの血を引いていることもあってか、基本的にとっても人懐っこい性格をしているんですよ。
飼い主さんとのコミュニケーションが大好きで、犬のようにじゃれてきてくれる猫もいるくらいなんですね。猫にとって弱点であるお腹でも触らせてくれるほどの甘えん坊でもあるんです。
ソマリは賢いので飼い主さんの言いつけもよく守ってくれますから、飼い主さんからしても飼いやすい猫種だと言えるでしょう(お手など、少しの芸もできるほどなんだとか!)。
そして活発で好奇心が強いタイプでもあるので、飼い主さんが遊びに付き合ってあげる必要もありますね。常に動きやすい環境を整えてあげることも大切です。
飼い主さんにはとてもかわいく甘えてくれるソマリですが、知らない人がやってきた時には強い警戒心を見せることもあります。
さらに、引っ越しや外での騒音がするなど、環境の変化にも弱いのでストレスが溜まらないように飼い主さんが注意しておく必要があるでしょう。
ソマリの性格は毛色によっても微妙に違いが出ることがある
ソマリの代表的な毛色は4色あるということは上の項目でも触れましたが、実はこれらの毛色によって性格にも微妙に違いが出ると考えられているんですね。
- ブルー…少しだけ神経質
- レッド…甘えん坊で飼い主さんに構ってほしいタイプ
- ルディ…活発で元気いっぱいに走り回る
- フォーン…優しくて落ち着いている
このように、4色の中のどの毛色であるかによって性格が少しずつ違ってくるんです。もちろん、ソマリの性格は「基本的に飼い主さんが大好きで甘えん坊だけど、少し神経質な傾向もある」というものです。
(年号は毛色が認可された年)
ですから、このベースの性格に加えた性格になるのであくまでプラスアルファ程度になることは覚えておいてくださいね。毛色によって同じソマリという猫種でも性格の違いが出やすくなる…というのはとっても興味深いと言えるでしょう。
ソマリの体重や寿命はどのくらい?
ソマリの平均体重や寿命について考えてみましょう。まずソマリの雌猫の平均体重は2.5キロから4キロ程度、雄猫の場合は3キロから5キロ程度となっています。
一般的な猫種の平均体重よりも少し小柄になっていると言えますよね。
続いてソマリの平均寿命ですが、これは一般的な猫と同じくらいの「11歳から15歳程度」となっているんですよ。やはり8歳くらいからシニアの時期に入り、1日の間で寝ている時間がかなり増えてくるようになります。
さらに運動する量が減ったりしてくるので、なるべく飼い主さんがスキンシップを取りながら遊んであげる時間を取るようにすることができるでしょう。
さらに体重が増えすぎてしまわないように、ごはんの管理をしっかりしていくことも大切ですね。トイレなどのチェックも、同様に毎日欠かさずにしてください。飼い主さんの日々の積み重ねが長生きの秘訣になるでしょう。
ソマリの歴史
ソマリといえば美しくキラキラとした毛並みが特徴的ですが、アビシニアンと似ていると思いませんか?それもそのはず、ソマリはアビシニアンから生まれてきた猫種なんですよ。
1940年代にアビシニアンがイギリスからニュージーランドやオーストラリア、北アメリカなどに輸出されましたが、その時にアビシニアンの長毛タイプが自然に発生したとされています。
1963年にカナダのブリーダー(メアリー・メイリング)が、初めて長毛タイプのアビシニアンをペットショーにエントリーしたことで、その時に審査員をしていた人物(ケン・マックギル)がメアリーから猫をもらい受け、繁殖を始めたんですね。
そして1978年には長毛タイプのアビシニアンが登録されることになったのですが、この時はアビシニアンとしてではなく、まったくの独立種として1991年に正式に「ソマリ」が登録されたんです。
まだ歴史の浅いソマリですが、とても人気がある猫種なんですよ。
ソマリを飼うときの注意点
ソマリを初めて飼う場合、どんなことに気を付けていけば良いのでしょうか。
- ソマリは寒がりなので、風邪を引かないように気を付ける
- 毎日のブラッシングを欠かさないようにする
- しっかりと一緒に遊んであげる
- 猫が運動しやすい環境作りをする
- 水による事故が起こらないように気を付ける
- ストレスが溜まらないように気を付けておく
- 罰としてケージに入れないようにする
ソマリは長毛タイプなので寒さには強そうに見えますが、実は見た目よりも寒さに弱いんですね。ソマリが風邪を引いてしまわないように、冬の時期には暖房を入れて気温を調整したり、ブランケットや猫用のコタツなどを準備してあげましょう。
ソマリの毛並みはティッキングという特別な仕様になっているためとても綺麗ですが、それを保つためにマメにブラッシングをするようにしてください。
さらに濡れたタオルで拭きあげることによって、いつも綺麗な毛並みを保つことができるでしょう(長毛であるため、毛玉防止としても役立ちます)。
ソマリは基本的に飼い主さんが大好きなので、一緒に遊んであげると喜んでくれますし、コミュニケーションと運動を兼ねることもできるので良いですよね。日頃から身体を動かす習慣を付けておきたいところです。
さらに一匹でも走ったり上下運動ができるように、キャットタワーを準備してあげましょう。ソマリはアビシニアンと同じように水を怖がらない性格をしています。
それゆえにお風呂場に入って湯船に落ちてしまう…などの事故の危険性もあるのです。「初めから湯船に水を張らない・お風呂に入らないように鍵をかけておく」などの対策をしておく必要があるでしょう。
そしてソマリは賢いゆえにストレスも溜まりやすいとも言えるので、優しい話し方になるように飼い主さんは常に意識してあげてください。
ソマリが悪いことをして「ダメだよ」と叱るのはいいですが、罰としてケージに入れるのはやめておきましょう。
いつもその流れでケージに入れていると、「ここに入るということは、悪いことをしたということ」とソマリが理解してしまい、肝心な時に入ってくれなくなるからです。
ソマリを飼うのに向いている人とは?
ソマリと一緒に暮らしていくのに、向いているタイプはあるでしょうか。
- しっかりと猫のお世話ができる人
- ソマリとのコミュニケーションを定期的に取れる人
- ソマリに細かく気遣いをしてあげられる人
まずこれは一般的な猫種全般に言えることではありますが、猫の毎日のお世話(ごはんやトイレや)は必ず行う必要がありますよね。特に猫はきれい好きですから、決められた時間に毎日掃除をしてあげるようにしましょう。
さらに、ソマリは基本的に人懐っこい性格をしていて飼い主さんとのコミュニケーションを取るのが大好きです。ですから飼い主さんも日頃から猫とコミュニケーションの習慣を続けていける人である必要があります。
そしてソマリは神経質な一面を持っているので、「つねに猫の気持ちになって考えられるかどうか」も重要になるでしょう。言葉を話せない猫ですから、飼い主さんが猫のストレスが溜まらないように日頃から気を付けておく必要があるのです。
ソマリがなりやすい病気
ソマリが発症する可能性のある病気には、どんなものがあるのでしょうか。対策法を知るためにも、飼い主さんはぜひ知っておいてください。
- ピルビン酸キナーゼ欠損症…赤血球内のピルビン酸キナーゼという酵素が欠損することで、赤血球の寿命が縮んで貧血になる
- ビリルビン胆石症…ビリルビン(ヘモグロビンの代謝の働きをする)が体内で過剰に増えてしまうことで結石になってしまう
- 進行性網膜萎縮症…目の中にある網膜部分が年齢とは関係なく劣化を始めてしまい、最終的には失明してしまう
- 腫瘍…体内の細胞が異常に増殖してしまうことで出来てしまった塊で、これが他の臓器に悪影響を与える場合には「悪性腫瘍」となり、がんと呼ばれる
- アビシニアン関連疾患…基本的にソマリはアビシニアンと同じ猫種なので、アビシニアンに危険性がある病気にも気を付けておくべき
ソマリがかかりやすい病気はたくさんあるので、飼い主さんがしっかりと気を付けておくべき必要があるでしょう。
さらにソマリはアビシニアンの長毛タイプであることから、アビシニアン関連疾患(マイコバクテリア症・猫伝染性腹膜炎・杆体錐体異形成・重症筋無力症・細菌性尿路感染など)にも注意しておいてください。
ソマリの価格
ソマリの平均的な価格は、10万円から20万円程度になっていますが、それぞれの個体によっても違いはあります。特にソマリの中でも人気が高い毛色であるフォーンやブルーになると価格が上がりやすくなっているんですよ。
基本的に「子猫」か「性別」によっても価格は変化しますし、ショーに出るタイプになるとさらに値上がりすることがあります。さらに時期によっても価格変動がありますよ。ペットショップやブリーダーによっても価格は結構違ってきます。
ソマリをお迎えする方法
ソマリをお迎えするには、主な選択肢が3つあります。
- 里親募集に応募する
- ペットショップで購入する
- ブリーダーから直接購入する
やはり一番最初に検討してもらいたいのは、里親募集している所から探してみることです。ソマリは一般的な猫に比べて里親募集で出会える確率はどうしても低くなりますが、それでも探していれば出会えることもあるでしょう。
最近はインターネットを利用して情報を検索することもできますから、ぜひ探してみてください。
さらにペットショップやブリーダーから購入することもできますね。ペットショップに比べれば、ブリーダーの元で生まれた子猫は親兄弟たちと共に過ごせている分コミュニケーションの能力が高い傾向になりやすいとも言えるでしょう。
きちんと猫の生活している環境を見せてもらい、質問などにもしっかりと答えてもらえる信頼できるブリーダーからの購入ができるようにするべきですね。
ソマリは美しい毛並みと飼い主さんに甘えてくれる性格がかわいい猫
ソマリはアビシニアンの長毛タイプである猫種で、とても美しい輝きをもつ毛並みが特徴的な猫であることが分かりましたね。
さらに飼い主さんが大好きでコミュニケーションが取りやすい性格をしていますが、その一面で神経質でストレスを溜めてしまうことがあるので、飼い主さんは注意してあげましょう。
ソマリと一緒に生活をする上で飼い主さんが気を付けるべきこともあるので、お迎えする前にはしっかりおさらいしておいてくださいね。