耳が垂れていて、ほんわかとした丸いフォルムとクリクリした丸い目がなんとも言えず猫好きの心を解きほぐす、スコティッシュフォールド。
猫の中でもとっても人気が高い猫種でもあり、飼いやすいという特徴もあります。
これならスコティッシュフォールドをお迎えしたい…と考えているならば、ぜひどんな猫なのかを詳しくリサーチしておくことをオススメします。
ここではスコティッシュフォールドの歴史や細かい性格、さらに一緒に生活する上での注意点などもご紹介していきます。
かわいいスコティッシュフォールドの特徴をしっかりとお勉強しましょう。
この記事の目次
スコティッシュフォールドの歴史
スコティッシュフォールドの特徴は、なんといってもかわいらしく垂れた耳ですよね。
この猫の起源は、1960年にイギリスのスコットランドの農村にて突然変異で耳が垂れさがった雌猫が発見されたことです。
このスコティッシュフォールドという名前には、「耳がおりたたまれた」という意味があるんですね。
1971年に聴力と骨格に異常が見られたため、一時的に繁殖を中止することになりました。
そののち改良が進められたこと(スコティッシュフォールドの個性を残しつつ遺伝による疾患の影響を少なくする)で、1977年には正式な猫種として認められるはこびになったんです。
それでも遺伝による疾患が起こりやすい猫種ではあるので、アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアとの交配が認められている場合も多いんですよ。
スコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドは短毛タイプと長毛タイプがあり、その毛色もたくさんあるんですよ(詳しくは下の項目で説明しますね)。
毛色のパターンがとても多い理由は、スコティッシュフォールドはどんな色や模様であろうが認められるからです。なので、一般には知られていない色柄などもあるかもしれませんね。
スコティッシュフォールドは、雄ならば4キロから6キロ程度、雌ならば2.7キロから4キロ程度になります。
スコティッシュ(折れた耳)という名前の通り、かわいらしく折れた耳が特徴的なんですが生まれてすぐの時には皆耳は立った状態になっているんです。
そこから生後3週間から1ヶ月くらいになると、耳が折れてくるようになります。しかしすべてのスコティッシュフォールドが折れ耳になるわけではなく、その割合としては3割程度だとされています。
意外と少ないんですね。ペットショップなどでもスコティッシュフォールドの立ち耳タイプの猫を見かけることがあるのではないでしょうか。
立ち耳の場合にはサイズでいうと、一般的な猫よりも少し小さな三角形の形になっていてかわいいです。
耳折れタイプだとやはりペットショップで売られる値段も高くなります。さらに毛色で言うと、キャリコのスコティッシュフォールドだと珍しいことから値段が高くなる傾向があるんですよ。
スコティッシュフォールドの性格
スコティッシュフォールドに見られる性格はこちらです。
- 鳴き声が小さめ
- 遊ぶことが好き
- どっしりとした性格(環境の変化にも対応しやすい)
- 飼い主さんが好き
- かしこい
- ひとなつっこい
飼い主さんが好きでかしこくて、環境の変化にも対応しやすいということで、基本的な性格としてはとても飼いやすい猫であることが分かりますね。
▼飼いやすい猫としてもスコティッシュは選ばれているんです
初めてでも飼いやすい猫の種類5つと、飼いやすい雑種猫の特徴
スコティッシュフォールドは雄と猫、色柄によっても結構性格が違うことがある
同じスコティッシュフォールドでも、雄と雌で性格にかなりの差があることがあります。
個体差があるのであくまで傾向になりますが、それぞれの性格を知った上で雄か雌どちらにするか参考にしてはいかがでしょうか。
雄の性格に多い傾向
雄の場合によく見られる性格はこちらです。
- 甘えん坊
- やんちゃで活発に動き回る
- ごはんをよく食べる、素直に催促してくる
雄の場合、子猫の頃は上記のような性格になりやすいです。成猫になると、独立心が芽生えてくるのでシャキッとキリッとした雰囲気になりやすい傾向もあるんですね。
雄猫が去勢をした場合には、上記のような甘えん坊な性格のままでいられることも多いんですよ。
ごはんをかわいくおねだりされるとついあげてしまいそうですが、ついそれが続いて猫が肥満体型になってしまう恐れもあるので毎日の注意が必要です。
さらに、雄猫は雌猫に比べて活発的になるのでストレスが溜まりやすい傾向にあるでしょう。飼い主さんが遊んであげたり、遊べるためのキャットタワーもあると安心ですね。
雌の性格に多い傾向
スコティッシュフォールドの雌猫は、雄猫とは微妙に性格に差があります。
- 甘えるときとそうでないことがある、いわゆるツンデレ
- のんびり、ゆったりしている
- 喜怒哀楽があまりない
先ほどの雄の性格と比べると、ずいぶん穏やかなイメージがありますよね。喜怒哀楽があまりないので、ちょっとクールに見えるかもしれません。
かといって全く甘えないという訳ではないです。スコティッシュ自体が甘える猫種ではあるので、ツンデレが楽しみたいという人にはぴったりではないでしょうか。
そして雄の場合は去勢によって性格が変わりますが、雌の場合避妊をしても、ほとんど性格は変わらないという特徴があるんですよ。
雄に比べて雌はおとなしい性格であり、その一方で器用な一面もあわせ持っています。
ちょっと危ない物を狭い隙間から引っ張り出してしまっていた…なんてこともあるので、日頃からの注意が必要です。
さらに、喜怒哀楽があまりないのでストレスが溜まっていても気づきにくいということもあります。
喜怒哀楽が分かりづらいだけで、色んなことを感じてはいるわけですからね。飼い主さんが雌猫の感情表現に気づいてあげて、すぐに対処してあげることが大事になるでしょう。
体毛の色によっても性格に差がある
上の項目でスコティッシュフォールドには色んな色柄がある、ということをお伝えしましたが、その色柄によって性格の違いなどもあるのでしょうか。
- シルバータビー(サバトラ)…最初は神経質だけど慣れたら友好的に
- キャリコ(白・黒・茶色の3色カラー)…ほとんどが雌なので、気が強くて気分屋。だけど1度受け入れたら優しい
- ダイリュートキャリコ(色が薄めのキャリコ)…甘えん坊で優しい
- 黒…多頭飼いに向いてる。かしこくて優しいけど神経質でもある
- レッドタビー(茶色×白)…甘えたがりだけど臆病なところも。同じ失敗を繰り返しやすい
- 白…とっても頭が良い。甘えん坊だけど気が強い1面も
- クリームタビー×ホワイト(薄いレッドタビー)…甘えん坊で平和主義
- トーティ(ブチ柄)…人懐っこく甘えん坊
このように、色柄によってスコティッシュフォールドの性格にはかなり差があることが分かりました。
雄か雌によっても性格の違いがあるので、そちらとも照らし合わせてみてくださいね。
スコティッシュフォールド、多頭飼いしても大丈夫?
スコティッシュは基本的にひとなつっこく、おだやかな性格なので飼いやすい猫だと言えるでしょう。
でも、単独飼いではなく他の猫と一緒に多頭飼いをするのはどうなのでしょうか。トラブルなどが起きたりはしないでしょうか。
結論から言うと、先に住んでいる猫がスコティッシュフォールドである場合にはほぼ問題はないでしょう。
誰とでも仲良くできる性格なので大丈夫ですが、甘えん坊な性格なので新しくやってきた猫にジェラシーをしてしまわないように気をつけてあげてください。
先に住んでいる猫が他の猫種で、新人猫がスコティッシュであった場合にはどうでしょうか。
お互いに子猫同士ならばすぐに打ち解けることができますが、お互いに成猫であったりどちらかがシニアである場合には対立してしまう可能性も出てきてしまいます。
猫によって相性もありますが、いきなり2匹を対面させるのではなく少しずつ~無理なく距離を縮めていくようにするのが成功の鍵とも言えるでしょう。
▼頭多飼いをする時にはこちらを参考にしてみてください
猫の多頭飼いのメリット・デメリット。2匹以上の猫と一緒に暮らすコツ
さらに、2匹が仲良くなってもそうでない場合でも、先に住んでいる猫をいつでも優先させるように統一してください。
ごはんの時でも、抱っこをする時もです。猫は見ていないようで実は様子をうかがっているんです。 「やっぱり自分が1番なんだな!」と思えれば猫も安心することでしょう。
スコティッシュフォールドの寿命は?注意したい病気についても知っておこう
スコティッシュフォールドの寿命は10年から13年ほどです。他の猫種と比べて少し短めに感じるのは、スコティッシュが病気になりやすいことも関係しているんですよ。
スコティッシュフォールドの特徴といえば、やはり内側に垂れた耳ですよね。しかしこの猫種は上の項目でも触れていますが、発祥理由がスコットランドで突然変異として生まれた…ということが関係しているんです。
あのように耳が垂れているのは「骨が形成異常を起こしている」ことが原因になっているので、猫の体内では耳だけではなく他の部分(骨や関節)にまで異常が起きているかもしれない、と考えられるのです。
耳以外だと鼻や四肢にも症状がでることがあり、鼻だと鼻血が出てしまったりします(鼻血の場合はこの病気だと気づきにくいことも)。
▼スコティッシュフォールドの遺伝性疾患についてはこちらをご覧ください
スコティッシュの病気とは?遺伝的な問題点を確認しておこう
また四肢の場合は痛くて歩きたがらなくなったり、ジャンプをしなくなったり痛みで鳴いたり…という辛い症状がおきることになります。
このように遺伝によって、スコティッシュフォールドにはかかりやすくなっている病気があるんですよ。
- 骨軟骨異形成症
- 心筋症
- 腎不全
- 遺伝性難聴
これらは、スコティッシュフォールドゆえに遺伝によってかかりやすいとされている病気なんです。
すべてのスコティッシュがこれらの病気にかかるというわけではありませんが、どうしてもリスクは高くなってしまうでしょう。
猫のかわいさを追い求めたゆえに人間が猫を苦しめてしまっているというのは、やはり悲しいことです。
スコティッシュフォールドがかわいいということはテレビでも報道されますが、垂れた耳に危険性があることも報道されるべきではないかと感じます。
▼反対に立ち耳のスコティッシュフォールドにはメリットがあります
メリットだらけの立ち耳スコティッシュフォールド。その魅力とは?
スコティッシュフォールドと暮らす時に飼い主さんが気をつけてあげるべきこと
スコティッシュフォールドは生まれながら遺伝によって病気になりやすい性質があることが分かりましたが、飼い主さんが日頃から気をつけてあげることは何でしょうか。
- スコティッシュフォールドがかかりやすい病気の診断を定期的に受ける(生後数ヶ月から1年が特に注意するべき)
- 肥満にならないように、ごはんの量に気をつける
- 去勢・避妊の手術は必ずしよう
- 耳のケアをしっかりしてあげることで、耳に病気を予防する
- いつもと違った様子はないかを日頃から常にチェックしておく
やはり、定期的に検査を受けることで何か異常があった場合でも早期発見することができます。
特にスコティッシュフォールドは生後1年までが特に病気になりやすい時期とされているので、特に注意してあげる必要があるでしょう。
もともとあまり運動量が多くない猫種なので、ごはんの量に気をつけて肥満にならないように配慮することも大事です。
去勢や避妊は必ずしておくことで、病気になることも防げる場合があることを覚えておいてください。
そして垂れ耳のスコティッシュフォールドの場合は通気性が悪いこともあって耳の病気になりやすいので、日頃から飼い主さんがケアを欠かさないようにしておきましょう。
▼特に耳の病気には注意しておきたいですね
猫の耳の病気。ケアせず放置すると変形や異臭、運動障害まで!?
いつも元気にしていたといても、スコティッシュは病気になりやすいことを忘れずに日頃から健康チェックをしておくことも大切なことですね。
スコティッシュフォールドを迎える時にチェックしておきたいこと
スコティッシュフォールドを家族として迎えたいと思ったなら、どこからお迎えするのか?ということをまず考えなければいけません。
- 里親募集や保健所など
- ブリーダー
- ペットショップ
猫をお迎えする場所は、主にこの3つになるでしょう。さすがにスコティッシュフォールドとなると、里親募集や保健所などでは滅多に出会えないかもしれません。
ペットショップやブリーダーさんからお迎えする場合なら、出生先を知ることができるというメリットはあるでしょう。
ただし、悪質なブリーダーの場合は垂れ耳同士のスコティッシュフォールドを交配させている場合(タブーとされている行為です)もないとは言えないので、注意が必要です。
どこからお迎えするにしても大切な命には変わりないので、しっかりと命を預かるという覚悟をしてから家族になってもらいましょう。
▼ブリーダーの中にもさまざまなランクがあるのです
悪質ブリーダーの実態。実際に出会ったときの断り方や通報先は?
スコティッシュフォールドに、近年どんな動きがあるのかも知っておこう
とても愛らしい見た目や性格をしていることからとても人気のあるスコティッシュフォールドですが、近年問題になっていることがあるんです。
それは上の項目でも紹介しましたが、スコティッシュフォールドはその垂れた耳ゆえに病気になりやすいということが分かっていますよね。
これを繁殖させることは、あまりにも残酷であるという声が動物愛護団体から出ているんです。
スコティッシュフォールドが健康面で問題を起こしてしまうことはよくあることで、耳を交配によって垂れさせることで病気の状態をとどめているとも考えられているんですね。
確かに生まれながらに骨などに疾患があり、それによって苦しんでしまうのはとても可哀想で残酷なことですからね…
見た目のかわいさを取るのか、猫の健康を取るのか。これから先、垂れ耳で愛嬌のあるスコティッシュフォールドには会えなくなってしまうかもしれません。
▼スコティッシュフォールドにまつわる問題について、詳しくはこちら
垂れ耳の猫が消える日?耳折れ猫スコティッシュの悲しい真実
スコティッシュフォールドの特徴をしっかり理解した上で飼い主さんが注意してあげよう
猫の中でもとても人気があるスコティッシュフォールドの歴史や性格、特徴について考えてきました。
雄と雌で性格にかなりの差があることや、遺伝性の病気があることも知っておくべきでしょう。
スコティッシュフォールドをお迎えしたいと思った場合には、しっかりと出生について確認する必要があります。
見た目も中身もとてもかわいい猫ですが、それだけではないことも飼い主さんが理解しつつ覚悟をしてしておくべきでしょう。