【目をそむけないこと】これが殺処分の現状。毎日約150匹の命が…

現在、日本では1日あたりに換算して約150匹の犬や猫が殺処分されています。

殺処分される犬や猫に罪はありません。それなのに、なぜ人間の決めたルールで命を奪わなければならないのか、誰が悪いのか、動物をかわいがる人が増えているのに殺処分が一向になくならないのはなぜか…

動物の殺処分問題は、あまり触れたくないような、目をそむけたくなるような重いテーマではありますが、ぜひ一緒に考えてみていただきたいと思います。


殺処分とは。保管期間から処分、遺灰の処理まで

「殺処分」とは、事情があって飼育や管理ができなくなった動物を致死させ廃棄することです。

処分しているのは、全国の自治体にある保健所や動物愛護施設(動物愛護センター)の職員や獣医師などです。

殺処分とは
保健所や動物愛護センターは、持ち主から飼えなくなった犬や猫を引き取ったり、迷子の犬や猫、野犬や野良猫を収容し、一時的に保護します。

犬や猫は、2~7日間ほど保管します。期間は各自治体の条例によって異なり、0日~数カ月以上のところもあります。

その間、職員は犬や猫がもとの飼い主の元に戻ったり里親(新しい飼い主)に引き取ってもらったりできるよう努力をします。

しかし、収容されている間に持ち主が見つからない時、飼育が困難と判断される時は、保健所または動物愛護センターで殺処分・死体の焼却が行われ、遺灰は産業廃棄物として処理されます。

もちろん、この仕事にたずさわっている職員の皆さんは、好きで動物を処分しているわけではありません。

殺処分は動物を殺害することには変わりないのですが、人間がむやみに動物の命を奪うこととは異なります。法律に従い、職務として殺処分をしなければならないのです。

殺処分の方法は炭酸ガスによる窒息死と薬による安楽死

保健所や動物愛護センターで引き取った犬たちや猫たちは、法律に基づいて適正な形で管理・処分が行われます。

動物の殺処分方法に関する指針

環境省は「動物の殺処分方法に関する指針」を告示しています。

「動物の殺処分方法に関する指針 」より

第1 一般原則

人が、殺処分の対象となっている動物によって、身体や財産を侵害されたり生活環境を汚損されることが起こらないよう、防止しなければなりません。

管理者や殺処分者は、動物の生理や生態、習性を理解し生命の尊厳性を尊重したうえで、殺処分をする時には動物に苦痛(痛みや恐怖など)を与えないように努めます。

第3 殺処分動物の殺処分方法

化学的、または物理的方法によって、殺処分動物にできるだけ苦痛を与えない方法を用います。「動物の意識を喪失状態にして心機能や肺機能を完全に停止させる方法」または「社会的に容認されている通常の方法」を用います。

第4 補則

殺処分動物を保管する場合は「動物の飼養及び保管に関する基準」の趣旨に沿い、適切に措置するよう努めなければなりません。

参照…環境省「動物の処分方法に関する指針」

この指針では、具体的な方法は記されていません。殺処分の方法は各自治体によって異なりますが、全国の自治体で現在とられている殺処分の方法には、次の2種類があります。

  • 炭酸ガス(二酸化炭素)による窒息死
  • 麻酔薬の注射

殺処分の方法:炭酸ガスによる窒息死

動物に高濃度の炭酸ガス(二酸化炭素)を吸入させると、中枢神経が麻痺し、やがて死に至ります。

炭酸ガスによる殺処分は、経済的で職員の精神的・肉体的な負担を少しでも軽くする利点があり、日本で最も多く採用されている方法です。

保健所などに一定期間収容された後、誰かに飼育してもらえる見込みがないものは「殺処分室」という狭い部屋や「処分機」と呼ばれる金属製のボックスに入れられ、この中で炭酸ガスによって息絶えていきます。

同じタイミングで収容されてきた犬や猫たちは、まとめてこの中に入れられます。職員がボタンを押すと炭酸ガスが出て密閉した空間に充満し、犬や猫たちは窒息で昏睡に陥り、死に至ります。

ただし、子猫や子犬は呼吸の量が少なく体に炭酸ガスがまわりにくいため、死ぬのに時間がかかり、苦痛が大きくなりやすいといわれます。

炭酸ガスを出すのは30分程度ですが、特に子猫は小さいために1度で死にきれないものもいて、職員がもう1度炭酸ガスを吸入させたり、薬を注射して息の根を止めることもあるそうです。

殺処分の方法:薬の注射による殺処分

獣医師が、1匹ずつ動物の殺処分用の麻酔薬を注射して死亡させます。

主に使われているのはペントバルビタールナトリウムです。麻酔作用により、急速に呼吸中枢が停止して死に至ります。

動物が暴れるなど、職員が危険を伴うこともある方法ですが、炭酸ガスよりも短時間で死に至らせることができるため、動物の苦痛を抑える配慮から、麻酔薬による殺処分に切り替える自治体も増えてきています。

犬や猫は安楽死している?

保健所等で行われる殺処分は、一般に安楽死できるものというイメージが持たれがちでした。しかし近年は、実際は安楽死できているとは言い切れない実態が浮き彫りになってきています。

炭酸ガスによる窒息は、即死できるものではなく、動物たちは充満した空間の中で、鳴き叫びもがき苦しみながら死んでいきます。これは、安楽死といえるものではありません。

また殺処分される前から始まる恐怖も大きな苦痛です。

檻の中で保護されている動物の多くは、知らないところに連れてこられた不安と死の予感による恐怖で、ひどくおびえたりうつ状態になったりするといわれます。

保護用の檻と処分する空間は隣接しているため、処分機から感じ取る動物の死臭で、これからわが身に起こる運命を察しているようです。

動物を殺処分する方法にはこのほかに、毒殺や殺傷といった動物にも殺す側にも大きな負担を与えるものがあるので、これらの方法に比べれば残酷さはかなり軽減されています。

それでも、檻に収容されてから完全に死に至るまでに動物たちが感じる悲しみ・恐怖・肉体的な苦しみは、私たちの想像を絶するものです。

人間たちは、罪のない動物に残酷なことをしているのです。

日本で犬や猫の殺処分はどれくらい行われている?

実際に、動物の引取り数、殺処分数はどれくらい行われているのでしょうか。環境省が公開しているデータを参考にしてみましょう。

平成28年度に全国で引き取られた犬の数は41,175匹、猫は72,624匹、合計113,799匹となっています。その80%以上が、所有者不明の犬や猫、いわゆる野犬や野良猫でした。

犬の場合、子犬の引き取りは少なくほとんどが成犬です。迷子や脱走してきた犬もいますが、捨てられたと思われる病気の犬や老犬も目立ちます。法の改正により、ブリーダーやペットショップによる犬や猫の持ち込みは減っています。

一方、猫の引き取りでは、ほとんどが野良猫の産んだ離乳前の子猫です。

日本では昭和48年に「動物の愛護及び管理に関する法律」が制定されてから、動物愛護の取り組みが少しずつ進み、非常にゆるやかながら犬や猫の引き取り数、殺処分数は減少していくようになりました。

さらに、平成24年に法令の一部が改正され、平成25年には「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」が起ち上がると、引き取り数、殺処分数は大幅に減って譲渡率は高まり、生きるチャンスをつかんだ動物がたくさん増えるようになりました。

全国の犬・猫の引取り数の推移のグラフ
(出典:環境省環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」全国の犬・猫の引取り数の推移)

昭和48年度の犬や猫の殺処分数は約121万匹、平成18年度は約34万匹、平成28年度は約5万6千匹です。そして平成29年度には4万3千匹と、初めて5万匹を切ったのです。

殺処分数は昭和48年度と比べると1/4まで減らすことができています。

殺処分率は、昭和48年度で約98%、平成18年度でも約91%と、かつてはほとんどの動物が殺処分にまわされていました。しかし、平成29年度には約57%まで減らすことができているのです。

ただし、いまだ多くの犬や猫が落としていること、そのため殺処分を担当する多くの職員を苦悩させていることに変わりありません。

環境省の起ち上げた「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」の目的は殺処分を減らすことですが、最終的な目標は「殺処分ゼロ」なので、年間の殺処分数が4万3千匹という結果は喜ばしいことではないといえるのです。

そのため、引き続き、殺処分を減らすための取組みを強化することが必要とされています。

東京都知事、多くの著名人、動物愛護団体は「東京でオリンピックが開催される2020年までに日本の殺処分をゼロにしよう」と呼びかけています。世界中から注目される年までに、日本が人だけでなく動物へのやさしさにもあふれる国になると良いですね。

外国の殺処分をめぐる状況は?動物保護先進国の事情

動物保護の先進国イギリス、ドイツ、アメリカに比べると、日本のレベルはまだ遅れていると言われています。

これらの国は、自治体だけでなく民間の団体も主力となって動物保護活動を行っており、動物の虐待防止、動物の殺処分ゼロまたは殺処分を減らすための取り組みに力を入れています。

日本より進んでいるのは、基本的に健康な犬は殺処分せず、やむを得ず殺処分する場合は苦痛のない安楽死を用いるところ、ドイツとイギリスで犬にマイクロチップ(個体を識別するためのチップ)装着を義務付けているところです。

イギリス、ドイツ、アメリカそれぞれの動物愛護活動、殺処分の事情を比べてみましょう。(各国の殺処分に関するデータについては、国立国会図書館「諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況」を参照しています。)

イギリス

イギリスでは、1911年に動物保護法が制定され、動物全般の虐待が禁止されています。日本と比べてペットの販売に対する規制が厳しくなっており、ペットショップはライセンス制で、繁殖は犬のみが認められています。

ヨーロッパで制定されている「ペット動物の保護に関する欧州条約」に基づき、動物の殺処分は基本的に安楽死が行われています。

公的なデータはありませんが、2010年ごろの統計では、年間に最大で引き取った犬や猫の約1割にあたる4万2千匹くらいが殺処分されていることが推定されています。

日本に比べると引取り数、殺処分率は少ないですが、動物を収容する施設の不足が殺処分をなくす足かせになっています。

ドイツ

ドイツは、早くから動物保護に関する法律が制定されている国で、動物の保護は手厚いです。犬の飼育に対する規制は厳しく、犬を飼う時だけは税金がかかるようになっていて、安易に犬を飼い始める人が増えるのを抑えています。

動物愛護活動を行っているのは、ドイツ動物保護連盟をはじめ750以上存在する民間団体で、あらゆる種類のペットを対象にした愛護のほか、動物実験をなくす取組み、野良猫の不妊手術にも積極的に取り組んでいます。

ドイツには「ティアハイム」という保護施設が500か所以上あり、飼い主のいない動物を保護したり譲渡が行われています。

病気で苦しむ動物のみ安楽死が認められますが、基本的には殺処分ゼロです。

ただし、法律により狩猟動物を保護する目的ならば、狩猟者は野犬や野良猫を駆除することができるので、殺処分数に関する公的なデータはありませんが、実際には多くの犬や猫が処分されていることになるといわれています。

問題は、寄附や遺贈で運営されているティアハイムが動物の受け入れを制限していないため、持ち込まれる動物が増えすぎてしまい、多くが資金難に陥っている点です。

アメリカ

アメリカでは、各州が動物保護に関する条例を制定し、保健所(シェルター)は公共施設と民間施設があります。野良猫が増えないよう早くから繁殖防止に力を入れています。

ペットショップは、動物福祉法によりライセンスがなければ動物が販売できません。しかし悪徳なパピーミル(子犬工場)やブリーダーが増え、不幸な子犬が増えていることが問題になり、近年は動物の販売を厳しく規制する州も出てきています。

アメリカには、州が運営し殺処分を行うシェルター、民間でなるべく殺処分を行わない、または殺処分施設を所有しないシェルターが存在します。民間のシェルターは動物の譲渡に努め、殺処分を減らす取り組みに力を入れています。

法による規制や動物保護団体の努力によって、殺処分される犬や猫の数は減ってきています。1970年代は年間1~2千万匹の犬や猫が殺処分されていましたが、2010年ごろでは、年間で、引き取った犬や猫の約4 割にあたる約270万匹となっています。

アメリカはペットが非常に多いため、シェルターに収容される動物があふれかえってしまう時、凶暴で危険と判断された犬がいる時は、やむを得ず安楽死による殺処分が認められています。

なぜ保健所に引き取られる猫が多いのか

日本の犬や猫の殺処分数、殺処分率はここ30年で大幅に減少しました。しかし、犬と猫の殺処分数を個別に見てみると、犬の殺処分数は順調に減ってきているのに対し、猫の殺処分数は横ばいのままで減っていません。

全国の犬猫殺処分についてグラフ
(参照…内閣府特定NPO法人ConoasS「全国の犬猫殺処分について」)

里親に引き取られる犬と猫は確実に増えてきていて、犬の殺処分ゼロに成功する自治体もみられるようになりました。しかし、猫は引き取り数自体が多いため、譲渡が間に合わず、多くの猫を殺処分にまわすことになってしまうのです。

また、収容される猫のほとんどが離乳前の子猫ということも、殺処分が減らない原因のひとつになっています。平成28年度に殺処分された犬猫の約半数が子猫です。

子猫は、大人の犬や猫に比べ世話に手間がかかるため、職員やボランティアの対応が間に合わなければ、生かすことをあきらめなければなりません。

猫の殺処分を減らすには、まず保健所等に収容される猫そのものを減らす必要があるのです。

なぜ犬に比べ猫の引き取り数はこれほど多くなっているのでしょう。

近年は空前の猫ブームが起こり「飼うなら犬よりも猫を選ぶ」という人が増えてきています。マンチカンやスコティッシュフォールドなど高価な血統種も人気です。

しかし「ペットブームの裏で、飼い主や業者が不要になった猫を保健所に持ち込むケースも増えている」というわけではありません。

猫の引き取り数が多い一番の理由は、野良猫がどんどん子猫を生んでしまうためなのです。保健所に収容される猫の多くは、野良猫が生んだ子猫です。

これは、猫が犬と違って放し飼いされ、外で自由に繁殖してしまい、野良猫をどんどん増やしてしまうことが一番の理由になっています。

野良猫にえさをやる人がいるのも良くありません。野良猫の栄養状態が良くなると、ますます繁殖しやすくなるためです。

猫の殺処分をなくすにはまず野良猫を減らすこと、そのためには野良猫から子猫が生まれないようにすることが必要なのです。

殺処分をなくすため実際に行われている取り組み

殺処分をなくすため、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

動物愛護法

法律では、環境省が「動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)」を制定しています。

私たちは動物に愛情をもち、その命を大事にしなければなりません。しかし、ただ可愛がるだけでは動物が幸せになれません。大切なのは、全ての人間と動物が適切に共存できる環境を保つ努力です。そのため、この法律が制定されています。

動物愛護法は「動物を愛護すること」と「動物による危害や迷惑を防止すること」について、それぞれ細かく規定が記され、 動物の飼い主や管理する人が動物を適正に飼養・管理できるよう、その責務を定めています。

その基準として「動物の飼養及び保管に関する基準」がもうけられ、その中には、殺処分に関する指針も含まれます。

ペットの愛護、犬や猫の引き取りに関する部分を抜粋し、容易な表現でまとめると次のような形になります。

第7条より
動物の所有者・占有者は、責任を自覚して動物の愛護・管理を適正に行い、動物の健康や安全を保持するよう努めなければなりません。

また、飼養している動物が人の生命、身体、財産に害を加え、そのために生活環境が保てなくなったり人に迷惑を及ぼすことがないよう、努めなければなりません。

第35条より
都道府県等の自治体は、犬や猫の引取りを求められた時、それらの動物を引き取らなければなりません。

ただし、動物の販売業者から引取りを求められた場合、理由によっては、法に基づいて拒否することもできます。

都道府県知事等は法に基づいて、引取った犬や猫に対し、殺処分がなくなるよう努める必要があります。

動物の所有者を発見して返還するよう、また、所有者がいない犬や猫については、飼養希望者を募集して譲り渡すように努めます。

第37条より
所有者は、生殖を不能にする手術やその他の措置をとって犬や猫のみだりな繁殖を防止し、適正な飼育ができなくなることを防止するよう努めなければなりません。

人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト

平成25年には、 環境省「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を起ち上げ、殺処分ゼロの人と動物が幸せに共存できる社会づくりの取り組みを始めました。

プロジェクトに賛同している有名人には、浅田美代子さん、デヴィ・スカルノさん、山本“KID”徳郁さん、山田花子さんなどがいます。

このプロジェクトでは、国、都道府県や市町村、飼い主、動物愛護団体や獣医師など、ペットショップやブリーダー、企業、そして国民ひとりひとりに取り組んで欲しいアクションをプランを組み、推進を呼びかけています。

自治体や動物愛護団体が行っている取り組み

具体的におこなわれている取り組みには、次のような事例があります。

動物愛護教育
子供達を対象に教室を開き、犬猫の殺処分問題も含め、動物愛護について理解してもらいます。
動物ふれあい教室の実施
学校に犬を連れて行って触れ合いを通し、動物を愛護する気持ちを養ってもらいます。
ボランティアによる譲渡の推進活動
営利を目的としない団体のボランティアによって犬や猫の譲渡会を開き、1匹でも多く新しい飼い主を見つけていきます。
地域猫の推進活動
野良猫の繁殖を防いで適切に管理を行い、野良猫による住民の苦情を減らしていきます。
譲渡する犬や猫の去勢不妊手術
譲渡する予定の犬や猫の去勢不妊手術を行い、飼い主が望まない繁殖を防ぎます。
子猫の一時預かりボランティア
ボランティアを募集し、離乳していない子猫が譲渡が可能な月齢になるまで預かって世話をしてもらいます。
マイクロチップ装着の推進
犬や猫の飼い主に向け、個体の情報を識別するマイクロチップの装着を推進します。

全国の自治体でさまざまな取り組みが行われているので、お住まいの地域でプロジェクトによるイベントや事業があったら気軽に参加してみてくださいね。

殺処分をなくすため、あなたにもできること

殺処分をなくすには、

  • まず、引き取られる犬や猫の数を減らすこと
  • 引き取られた犬や猫の飼い主を見つけること

が必要です。

殺処分は、国や自治体、原因を生み出している人達だけの問題といわけではありません。

「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」にもあるように、殺処分ゼロを実現するには、きちんと猫を飼っている皆さんや動物を飼っていない人も含めた全ての国民が、できることに取り組むことが大切なのです。

具体的に私たちができることには、どのようなことがあるのでしょうか。

これから猫を飼おうとしている人ができること

猫を飼ったことのない人だけでなく、すでに猫を幸せに飼ってあげている人も、おさらいしておきたい心得です。

飼う前によく検討する
これから猫を飼おうとしている人は、猫の世話をするための経済的、体力的、時間的な余裕があるかどうか、猫がストレスなく過ごせる環境が提供できるかどうか、十分に検討する必要があります。

責任を持って最期まで飼えるかどうか、よく考え家族で話し合うなどしてから猫を入手します。猫を追加する場合も、同じことが言えます。

無理をして飼い始めてはいけません。冷静によく考え、ペットショップで十分に説明を受け、もし責任をもって飼えそうもない場合は、あきらめる決断も必要です。

保護施設からの譲渡を検討する
これから猫を飼うなら、自治体の保護施設が保護している猫を引き取ることも検討してみます。1匹でも動物の命を救うことに貢献できます。

新しい飼い主を募集している犬や猫の情報は、各自治体が後悔しているので、ウェブサイトや電話でこまめに確認してみるとよいでしょう。

猫を飼っている人にできること

去勢不妊手術を受けさせる
必要に応じて去勢不妊手術を受けさせるなどし、無秩序な繁殖を防ぎます。

「かわいそう」と考える人もいますが、不妊手術をすると繁殖しなくなるだけでなく、発情しなくなる、性格が穏やかになる、生殖器の病気が予防できる、といったメリットも得られます。

猫は室内で飼う
基本的に、猫は室内で飼います。

外に出すと、周辺の環境に迷惑を掛けたり、ケガや感染症にかかる可能性が出てくるためです。特に不妊手術を受けていない猫は、子供を作ってしまう可能性があるので注意が必要です。

首輪やマイクロチップで迷子を防ぐ
大切に飼っている犬や猫が何かのはずみで保健所に収容された場合、飼い主に再会するまでに殺処分されてしまうという悲しいケースもあります。

外に出てしまった時のことを考え、首輪やマイクロチップで連絡先を明示しておくと、猫が迷子になってもすぐ引き取ることができます。

マイクロチップは、動物病院から7千円ほどの費用で装着できます。日本では推奨のみで義務付けられてはいませんが、注射のようにチクッと注入するだけで、健康の害もなく識別情報が分かるようになるので安心です。

適正な飼育を心がける
当たり前のことですが、飼い主はペットが幸せを感じながら健康に過ごせるよう、適正な飼育を心がけなければなりません。

愛情をもって、基本的な管理やしつけをきちんと行いましょう。ペットはそれに応えて「うちの大切なかわいい子」になってくれます。猫が寿命をまっとうするまで、人間と猫の良い関係を保ってくださいね。

誰でも協力できること

猫の飼育歴や好き嫌いに関係なく、すべての人に意識して協力していただきたいことです。

動物愛護について知る
動物愛護の必要性を理解しましょう。

動物愛護は、単に「動物を可愛がること」ではありません。どの動物も人間から不当な扱いを受けることのないよう、動物のことを理解し、大切にしなければならないことを意味しています。

猫には餌を与えない
私たちは、外で猫を見かけても餌を与えてはいけません。猫にえさを与えることは、地域住民が望まない猫の定住や野良猫の無秩序な繁殖を助長するおそれがあるためです。
野良猫に去勢不妊手術を受けさせる
野良猫を捕獲した人が、その猫に去勢不妊手術を受けさせると、野良猫の繁殖防止につながります。

野良猫に去勢不妊手術を受けさせ、もとの場所に猫を戻す取り組みを「TNR」といいます。手術代は自己負担ですが、申請することで自治体から助成してもらえることが多いです。

TNRについては不妊手術をしている野良猫が分かる?桜型の耳のヒミツもご覧ください。

ボランティア、寄付に協力する
自治体や動物愛護団体が募集しているボランティア活動や寄附に協力するのもおすすめです。

ボランティアでは、猫の譲渡を推進する、地域猫活動に参加する、子猫のミルクボランティアに協力するといった方法があります。

ボランティアが難しい場合でも、募金やふるさと納税を通して寄附をしたり、犬や猫の管理に必要な物資を寄付することも大変喜ばれます。

ふるさと納税についてはふるさと納税で猫の保護活動に協力できる!取り組みとその魅力とはで詳しく説明しています。

情報を共有、拡散しよう
国、自治体、動物愛護団体、企業が行っている動物愛護活動のキャンペーンやイベント、里親の募集情報などをチェックし、周囲の人に教えて共有したりSNS等で拡散することも、支援につながります。

ボランティアや寄附はハードルが高い、と感じている人でも気軽に実践できますね。

殺処分の現状を映像や書籍で知ろう

私たちはまず、殺処分の問題を「知る」ということが大切です。動物の命、殺処分をテーマにした書籍や映像、写真展などが多く公開されているので、ぜひ閲覧したり周りの人に紹介していただきたいと思います。

ネットで検索すると、目をそむけたくなるような殺処分現場の写真や動画も容易に見つかりますが、ここではショッキングな画像が苦手な方でもなるべく閲覧しやすいものを紹介しております。

犬の殺処分を描いたてづくり絵本「ある犬のおはなし」

殺処分される犬の目線で描かれた悲しいお話。kaiseiさんが描いた絵本が話題になり、有志によって動画化されたものです。

kaisai氏もこの動画の拡散を希望していますので、よかったらブログやSNSに動画を載せてみてください。

小学校高学年向けの書籍「さくら猫と生きる 殺処分をなくすためにできること」

さくら猫と生きる本の商品画像

「さくら猫と生きる 殺処分をなくすためにできること」(著:今西乃子 写真:浜田一男 ポプラ社)は、殺処分にされる不幸な猫をなくすため、私財を投げ打って地域猫活動に取り組む人々のドキュメントです。

「さくら猫」と呼ばれる猫のこと、TMRについて知ることができます。(小学校高学年向け)

大人向けの書籍「ペット殺処分 ドリームボックスに入れられる犬猫たち」

ペット殺処分本の商品画像

「ペット殺処分 ドリームボックスに入れられる犬猫たち」(河出文庫 小林照幸著
)は、動物愛護センターで殺処分業務にあたる職員の苦悩をつづったノンフィクション。

犬や猫が引き取られてから命を終えて焼却されるまでのことが丁寧に書かれています。大人の方、獣医師や動物関係の仕事を目指す学生さんに読んでみていただきたいです。

ペット業界の闇をアニメで紹介する動画「しあわせなおかいもの」

ペットをこれから購入しようとしている人に見ていただきたい動画。

女優の杉本彩さんと公益財団法人動物環境・福祉協会Evaが「動物たちにやさしい世界をProject」の一環として作成・公開している動画「しあわせなおかいもの」です。

もちろん、動画に出てくるような業者ばかりではありませんが「ペット流通の闇」の存在も知っておいていただきたいと思います。

映画「ひまわりと子犬の7日間」

「ひまわりと子犬の7日間」は、宮崎県の保健所で起こった実話をもとに製作、2013年に上映された映画(DVD)です。主演は堺雅人さん、共演は中谷美紀さん、オードリー若林正恭さんなどです。

保健所に努める主人公達が、殺処分の期限が迫る野犬の母子を守るため奮闘する姿を描きます。必死に生きようとする犬の姿にも心打たれます。

動物が好きな人もそうでない人も動物愛護を意識して協力を

「愛護」は、もともと動物の虐待をなくすために始まった運動のことです。

一部の動物好きな人が動物を可愛がる活動を意味するのではありません。不当な扱いを受けている動物に目を向け、救いの手を差し伸べてあげることも愛護だと考えて良いでしょう。

住宅事情や動物アレルギーなどの事情でペットが飼えない人も、もちろん協力できることはたくさんあります。動物を飼育していない人、動物があまり好きでない人も、殺処分の問題に目を向け、協力できることを増やしていただけると嬉しいです。

みんなのコメント

  • 匿名 より:

    家で飼えるレベルまで懐けばいいけどね。
    野良の子猫を保護し数カ月経過しても一切懐かず飼い主を威嚇。
    掃除したトイレも気に入らず布団や廊下に糞尿垂れ流し。
    先代、先々代の猫と20年近く生活していましたが現在、住み着いてる(飼ってるのではない)猫には我慢が出来ません。

    外飼いに切り替えましたが家に入りたがるのであれば迷わず保健所に連れて行きます。
    少なくとも家族とは思えません。
    ただの野良猫が家に入って来ただけと割り切ります。

  • 匿名 より:

    地域猫活動?
    餌をやるだけやって糞尿の処分は誰がしてるの?
    街を汚染する地域猫活動は悪そのもの。
    毒餌で猫が殺されるなんて話も頻繁に聞きますがなぜそういう痛ましい事件が後を絶たないのか?それはこの地域猫活動が動物愛護法に反しているからに他なりません。
    動物愛護法では地域環境の保全を義務づけていますので、糞尿が回収されていない時点で法律違反です。現状地域猫は法律違反も甚だしい状態で、動物虐待の温床となっています。

    まとめますと地域猫は毒餌などの動物虐待死を誘発、加担、支援しているのが実情です。

    地域猫は即刻廃止し、活動家は法律に則り刑罰を受け猫の糞尿被害などの補償をしましょう。

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