里親条件は厳しいのに、ペットショップでは購入条件がないのはなぜ?

これから猫を飼いたいと考えている人は、どのような手段で猫と出会う予定でしょうか。ひと昔前なら猫を飼うなら、誰かに譲渡してもらうかペットショップで購入するか…という感じでしたよね。

それが最近では「保護猫」という言葉がかなり広がってきています。それによって保護猫の命を救うために動物愛護センターや保護猫団体などから譲渡してもらう、という選択肢がプラスされました。

全国で保護されている猫たちはとても多く、新しい飼い主さんが見つからなければ殺処分されてしまうことも残念ながら現実に起こっていることなのです。

これから猫を飼いたいと思っている人は、保護猫の里親になることでこのような命を救うことができるでしょう。

このことから「ペットショップでは猫を購入しないで、保護猫を救おう」という見解が世間一般にも少しずつではありますが浸透してきているんですね。

しかし、「保護猫の里親になるための条件はかなり厳しい」というのも事実なんです。どうしてこれほどまでに保護猫の里親になるための条件があるのか、そして逆にペットショップでは購入条件が特にないのでしょうか。

保護猫施設や団体で里親になるための、よくある条件とは

基本的に保護猫の里親になるためには、動物愛護センター・保健センターや保護猫団体、さらに個人で里親探しをしている場合などさまざまなパターンがあります。

できれば個人でやり取りするよりも、保護猫団体や愛護センターなどで里親の申し込みをする方がトラブルを回避しやすくなるでしょう。

それでは、「かなり厳しい…」と世間から言われている里親になるための条件とは、実際にはどのようなものなのでしょうか。

  • 身分証明書の提示(年収なども提示する場合もある)
  • 家族構成の確認(単身者か・小さなお子さんがいるか・高齢者であるかなど)
  • ライフスタイルの確認(猫の留守番の時間はどのくらいになるかなど)
  • 事前の猫アレルギーの検査結果
  • 終生にわたって猫を飼い続けることができるか
  • 譲渡の際には実際にお宅まで訪問して、猫が暮らす環境を確認する(猫の生活環境として適しているか・脱走の可能性はないかなど)
  • 譲渡に必要であると団体で定められている諸費用を支払うこと(去勢や避妊手術・ワクチン・ウィルス検査などの費用・協力金も含まれる)
  • 実際に飼い始めてからも定期的に写真などを送って近況報告をする

まず最初に個人情報や家族構成を聞かれることになるでしょう。その上で単身者であるか、高齢者か?お子さんの年齢は何歳か?などにも答えていきます。

単身者の場合はどうしても猫の留守番の時間が長くなってしまいますから、その時点でお断りされてしまうことも残念ながらあるようですね。

さらに高齢者(基本的に60歳以上に設定されている所が多いです)になると、里親になるのがどうしても難しくなります。

ただし、単身者や場合は子猫ではなく成猫をオススメされるなど、団体によっては対応してもらえる場合もあります。

高齢者の場合は後見人がいればシニア猫を飼うことができたり、ライフスタイルによって色んな対応をしてくれる所もあるんですよ。

小さなお子さんがいる家庭では、どうしても猫のストレスになる行動をしてしまったり、お子さんが小さいことで猫の世話まで手がかからなくなるのではないか…という懸念からお断りされてしまうことが結構あるんですね。

この他にも毎日猫がどのくらいの時間1匹で留守番をすることになるか、さらに家族が全員アレルギー検査を受けておかなければならないという条件がある場合もあります。

猫を実際に譲渡してもらう時には自宅までスタッフさんがやってきて飼育環境をチェックすることも多いです。譲渡の時に支払うことになる料金の中に避妊・去勢手術やワクチンの代金や協力金なども含まれています。

そして、里親になれたらそれで終わりではありません。定期的に猫の近況を団体に報告していく必要があったりもします。

もちろん、これらすべての条件はそれぞれの施設によって異なるので、あらかじめ自分で条件を調べてから申し込みをすることができるでしょう。

保護猫施設や団体で里親になるための条件が厳しい理由

上の項目で「保護猫の里親になるための条件がとても厳しい」ということが分かりましたね。どうしてこれほどまでに、厳しい条件が定められているのでしょうか。それには、こんな理由があったのです。

  • 身分証明書の提示…のちほど猫の飼育に関するトラブルが発覚した際に猫を救出することができるため
  • 収入までも聞く…猫を経済的にしっかりと養っていけるのか
  • 単身者…どうしても家を開けるイメージがある
  • 小さなお子さんがいる家庭…子どもによる猫のストレス・子育てに費用がかかるため、経済的にも心配な点もある
  • 猫アレルギーの検査…実際に飼い始めてから症状が出ると困るから
  • 猫を終生飼えるか…これまで一生懸命団体がお世話してきたのに、また野良猫にされては辛いから
  • スタッフが猫を家まで届けに行く…猫の飼育には向いていない環境でないか、事前に確認するため
  • 協力金なども支払ってもらうこと…この先の活動も支援してもらうため
  • 里親になってからも定期的に連絡をする…猫が本当に幸せな毎日を送れているかをスタッフが把握するため

里親になるための条件は一見すると厳しいものに感じられますが、こうやって見てみるとそのすべての条件にはちゃんと理由があることが分かりますよね。

保護猫団体のスタッフさんたちが必死で救出して保護してきた猫達だからこそ、「今度こそ本当に幸せになってもらいたい。もう2度と辛い思いはしてほしくない」と考えていることがひしひしと伝わってきます。

それでも団体の中にはかなり厳しすぎる条件を提示している団体もありますし、スタッフさんの言動が問題視されていたりすることも残念ながらあります。しかし、もちろんすべての保護猫団体がそうであるわけではありませんよね。

やはり猫の幸せを本気で願うがために、里親になるための条件が厳しくなっていると言えるでしょう。

ペットショップで動物をお迎えするときの流れ

保護猫の里親になるためには、多くの条件が設定されていることが分かりましたね。それでは続いて、ペットショップで犬猫などの動物をお迎えする時の流れについて再確認しておきましょう。

  • ペットショップに行く
  • どの猫をお迎えするのかを考える
  • 猫が決まったら店員さんからの話(猫の保証などついて)を聞く
  • 初めて猫を飼う場合には不安なことなどを聞いておく
  • ペット保険などの説明を受けて猫の代金を支払い、そのまま猫を連れて帰る

まずペットショップに足を運び、ショーウィンドウの中に展示されている猫たちを見て、気になる猫がいれば店員さんに声をかけて直接ふれあいをさせてもらいます。

この時点で猫の性格などを店員さんから聞いたりして相性を確認していきます。

家族としてお迎えする猫が決定したら、そこで再度猫のこれまでの病歴や欠点などがないか…ブリーダーからの報告なども聞いておきましょう。ペット保険の話も聞いておくと安心ですね。

そして、猫の代金を支払うときには1回目のワクチン代やマイクロチップの登録料金、さらに寄生虫の駆除代金なども支払います。生体としての保証代金なども必要になるので、しっかり話を聞いておいてください。

やはり、ペットショップで動物をお迎えする場合は保護猫里親になるのに比べて非常にシンプルな行程になるんだということが感じられますよね。

ペットショップでは購入条件が特にない理由

保護猫施設では譲渡を受けるための条件がたくさんあるのに、ペットショップでは購入条件が特にないのはどうしてなのでしょうか。

このようにして改めて見てみると、保護猫の里親になる時のように「単身者は飼えない」とか「これから先きちんと猫を飼っていけるかのチェック」などが逐一入ることもありません。

しかし、それは逆に考えて「猫の命に対して責任がない」ということも言えるのです。ペットショップでは猫は「商品」として販売されているのも事実ですよね。

悲しいことではありますが、「商品なんだから売れればそれでいい」という経営方針も悲しいことですが実際にそんなにペットショップは存在しているのです。

ペットショップにも色々な店舗がありますが、悪質なパターンになると初心者に大型犬をオススメしたり、猫を飼うことのメリットだけを全面的に伝えようとする所もあるんだとか。

とにかくペットショップは経営として猫を販売しているわけですから、どんな状況で猫が飼われることになっても正直なところ関係がない…というのが悲しい現実だと結論付けることができるでしょう。

里親に厳しい条件があるのには、ちゃんとした理由がある

保護猫の里親になるためには、それぞれの団体ごとにいくつもの条件がしっかりと定められていて、それをクリアすることができなければ譲渡してもらうことはできません。

一般的にも「里親条件が厳しすぎる」という声も多く上がっていますが、実際に里親の里親になることとペットショップで猫を購入すること…この2つにはどのような条件の違いがあるのか?ということもご紹介しました。

そして、条件を出すのには理由があることも分かりましたね。厳しい条件が設定されているのは、これから先の保護猫の幸せを願っているからこそのものだったんです。

保護猫の条件になるためには時間も手間も、さらに精神力も必要になると考えられますが、これから家族として迎える猫のためにも保護猫の里親
になることを検討してみてはいかがでしょうか。

みんなのコメント

  • さとる より:

    人間を一番信用してないのは、動物たちではなく保護施設。

  • トシ より:

    保護団体は“犬猫に再び辛い思いをさせない為”として厳しい・且つ高圧的な態度で臨んでくるが、人間も再び不快な思いをしたくないので、里親を諦めてショップやブリーダーから迎えいれることになるのが分かっていない。

  • 猫好き より:

    保護施設から猫をお迎えしたいけど、単身者だから絶対に断られる。
    実家で猫を飼っているので、万が一私に何かあっても大丈夫だが、単身者というだけでNG。
    だからペットショップに行こう思ってる。
    猫のために厳しいのはわかるけど、ペットショップのことをよく思ってない保護施設はまずは単身者だからではなく、人となりをみて判断して欲しい。

  • 匿名 より:

    所謂「保護団体」は
    ・自分達の立場を正しく認識出来ていない
    ・猫の価値を正しく認識出来ていない(異常なまでに高く見積もっている)
    ということですね。

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