猫もおならします。意外と知らない猫のおなら事情と病気のサイン

猫のおならと言われても、ずっと一緒にいる愛猫のおならの音すら聞いたことがないという方は多いのではないでしょうか?実際に猫はおならをしない動物だと語る愛猫家をときどき見かけます。

しかし猫は、おならをする動物です。しかも、猫のおならは非常に臭いと言われています。いったい猫のおならが臭い理由とは?また、猫のおならの音を聞いたことがあるというヒトが少ない理由とは?

本日は謎に包まれた猫のおならについてご紹介しましょう。

猫のおならが無音なのはどうして?

猫と一緒に暮らしている方なら経験をしたことがあるかもしれませんが、愛猫のお尻の近くにいたときに突然臭いニオイが漂ってきた!なんてことありませんか?

猫のお尻の近くですから、いいニオイがすることはなだろうけど、何で突然臭いニオイが漂ってきたのだろう?なんて不思議に思っている方、実はその突然漂ってきた臭いニオイこそ、愛猫がおならをした瞬間だったのです。

何も音がしないので、おならと言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、ヒトでも音は出ていないのにおならが出ることありますよね。それと同じような状態で猫ちゃんはおならをしているのです。

おならの音が鳴らないのはお尻の形

おならといえば「プッ」というあの音を想像するでしょうが、そもそもおならはなぜ鳴るのか皆様はご存知ですか?

あのおならの独特に音は、左右のおしりの皮膚がぶつかることでなるのです。

そのためおならの音は肛門から出ているというよりは、ガスが噴出されるときにお尻の皮膚が振動して鳴っている音だといえます。そこで考えてほしいのが猫のお尻です。

猫のお尻写真

こちらは我が家の愛猫のお尻の画像なのですが、見てもらうとわかるように猫のお尻は皮膚が重なっておりません。そのため、猫はおならをしても皮膚が振動することはなく音は鳴らないということです。

おならの音が鳴らないのは天敵から身を隠すため

その他にも、猫がおならの音を出さないのは今まで生きてきた環境によるものだとも言われています。

かつて野性の世界で生活をしていた猫は、狩りをするとき、天敵から身を守るとき、自分の体を休めるときに、ちょっとした物陰や狭い空間に身を隠して自分の存在を隠していました。

その際、自分の居場所が相手にバレないように体臭を消すために時間があれば毛繕いをしたり、バレないようにジッと音を立てないように息をひそめて過ごしていました。

そんな猫にとって、おならをするときに音が鳴ってしまうとなると死活問題になりますよね。

そのため、生理現象であるおならで敵に自分の存在がバレないように音を鳴らさないという説もあります。猫はペットの中でも野生の本能を色濃く残している動物です。

敵から身をひそめなくても生きていける飼い猫でも、おならの音を立てない子が多く存在しているのは野性の本能が原因なのです。

おならの音が鳴る猫は安心している証拠?

猫はおならの音を鳴らさないとはいいますが、現在家で飼われている猫達の中には可愛らしい音を立てておならをする子も存在しているようです。

▼YouTube動画 「子猫の おなら」

こちらは大変貴重な猫のおならの音を収めた動画です。猫のおならはヒトのような音ではなく、本当に空気が抜けるような控えめな音ですね。

しかし、猫は通常音を鳴らさずにおならをするはずなのに、なぜ気にせず音を出しておならをする子がいるのでしょうか?

その理由は諸説ありますが、現在の家に飼われている猫は天敵に襲われる心配も、狩りを行う必要性もなく、自分の存在を気付かれないように隠れる必要もありません。

そのため野生の本能が無くなるのと同時に、おならの音を鳴らしても敵に襲われる心配がないと安心しているために、このような行動をとる猫が増えてきているといわれています。

愛猫が音もなくおならをするのは家で安心できていない証拠ということはありませんし、多くの猫は音を鳴らさないように静かにおならをするので心配をする必要はありません。

ただ、おならを豪快にするという猫はそれだけヒトを信頼しきっている証拠だとも言えますね。

猫のおならが臭いのはなぜ?

おならの音を立てない猫ですが、そのニオイは驚くほど臭いようです。いったいなぜ、猫のおならは臭いのでしょうか?次は、おならのニオイについて探っていきたいとおもいます。

おならはなぜ起こるのか?

猫のおならが臭い理由を探る前に、まずはおならがなぜ起こるのかについて知っておきましょう。

おならは簡単にいうと「小腸で消化できなかった繊維質や食べ物のガス」です。口から摂取された食べ物は、歯で噛み砕かれたあと、体のさまざまな消化酵素によって分解されながら体全体に栄養として行き渡ります。

このとき不要になったカスが便となって排出されるのですが、このときに発生したガスや食べ物と一緒に飲み込んだ酸素がおならとして肛門から放出されるのです。この仕組みは猫もヒトも同じです。

ただし、猫は完全肉食動物なので雑食であるヒトとはずいぶんと腸の長さが違うようです。そのため、猫は食物繊維や穀物類を大量に食べてしまうと上手に消化ができなくて下痢や嘔吐をしてしまいます。

猫の便通をよくしてあげるために食物繊維の多い食材を与えてあげようとする飼い主様をときどき見かけますが、猫にとって多量の食物繊維は悪影響を及ぼしますので注意をしましょう。

猫のおならが臭い理由は肉食動物だから

猫のおならは驚くほど臭いといわれています。その理由は、猫は完全肉食動物だからなのです。猫の普段の食生活を見ているとお魚やお肉を食べています。

この肉類は消化されるとき、臭いニオイの元となるアンモニアやインドールやスカトールという非常にきつい物質を大腸で発生させます。

そのため、猫のおならのニオイは硫黄が腐ったようなニオイと言われることもあります。

猫のおならで見る病気の可能性

猫は音もなく静かにおならをするため、愛猫がおならをした瞬間を見たことがないという方も多くいらっしゃるでしょうが、猫のおならは健康のバロメーターの役割も果たしてくれます。

おならのニオイがいつもよりも臭い、お腹がはっているような気がする、おならをしない、苦しそうにしているなどの症状が見られたら次のような病気を疑ってみてはいかがでしょうか?

腸閉塞症(イレウス)

いつもならたくさん出ているおならが出ていない、お腹が異常なくらいパンパンに張っている、餌を食べてもすぐに吐き出してしまう、そのような症状が見られたら腸閉塞症を疑いましょう。

腸閉塞症は、消化器官に腸の内容物が詰まってしまい腸を塞いでしまう病気のことです。腸を塞がれてしまうと、発生したおならや便を排出できなくなります。

腸閉塞症になると詰まった内容物によってお腹が張って固くなったり、排便姿勢をとっても便やおならが出ないといった症状が見られます。

大変苦しくて、痛い病気でもあるのでこのような傾向が見られたらすぐに獣医師に相談をするようにしましょう。

膵外分泌不全症

膵臓で作られる消化酵素が、何らかの理由で出されなくなり消化器官がうまく働かなくなる病気です。この病気になると、悪臭のするおならを出すほか下痢といった症状も見られるようになります。

また、しっかりと餌を食べているにもかかわらず体重が減少するという症状も見られますのでおならのニオイが気になったなら獣医師に相談をするようにしましょう。

慢性小腸性下痢

小腸にトラブルが発生し、ニオイの強い下痢を引き起こす病気です、この病気になると悪臭を放つ下痢や水様便が出るほか、嘔吐、食欲不振などの症状も見られます。また体重の減少もこの病気の特徴です。

悪臭を放つおならをしているのと同時に、激しい下痢や嘔吐が見られたら慢性小腸性下痢の可能性を疑ってみるようにしましょう。

愛猫のおなら対策は?

猫は肉を中心に食べているためおならが臭いのは仕方がないことですが、できればニオイを抑えたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

猫のおならは基本的に臭いため、無臭にすることは不可能ですがニオイを極力抑えたいならば胃腸の動きが悪くなるような食生活は控えてあげるのが理想的です。

例をあげると、消化をするのが苦手な食物繊維や穀物類、添加物が使われているおやつやヒトの食べ物など、猫用ではない食材もおならを臭くする原因です。

また消化を良くしたいならば、水分を多く摂ることも重要です。あまりにもおならのニオイが気になるならば、水分を多く摂れるようにドライフードをウェットフードに変えるなどの工夫をしてもいいでしょう。

猫のおならは健康のバロメーターです。もし対策をしたにもかかわらず、悪臭があまりにもひどいというときは迷わずに獣医師に相談をするように心がけましょう。

猫のおならで健康をチェックしてあげよう

猫のおならは音が鳴らないことがほとんどなので、四六時中共に生活をしている飼い主様でも気づかないことが多い生理的現象です。そのため、普段から注意深く観察をしていないとおならの変化には気付けない可能性もあります。

ただ、いつもは気にならないのに急におならを臭いと感じるようになったり、お腹が張って苦しそうにしているならば、上記にあげた病気の可能性を疑って獣医師に相談するようにしましょうね。

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