猫カフェを開業するには。押さえておきたいのは資金面と経営プラン

猫好きなら「猫と毎日過ごせる猫カフェを開業したい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

やりたくもない仕事を毎日繰り返すよりも、猫に囲まれ、猫好きのヒトと楽しく過ごしたいと思っている方も多いでしょう。そんな猫好きの夢、猫カフェを開業するためにはどうすればいいのか気になりますよね。

そもそも、猫カフェを開業するためにはどんな申請が必要で、どのような準備をすればいいのか?また開業をしたあとは、どのような仕事内容になるのか?そんな気になる猫カフェを開業する方法と猫カフェ経営の現実について今回はご紹介しましょう。

猫カフェを開業するために必要な資格は

猫カフェを開業しようと思った方が、まず疑問に思うのは猫カフェを開業するのに資格や免許は必要なのかということではないでしょうか?

猫カフェを開業するにあたって資格や届け出がどれくらい必要になるかは、猫カフェをどのような営業形態で運営するかによって変わってきます。

しかし、どのような営業形態になったとしても、動物を扱う場合は「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届け出が必要となります。

動物取扱責任者

動物取扱責任者は、猫に限らず動物を扱うお店ならば必ず必要になる資格です。動物取扱責任者には一定の条件を満たせば取得できます。

  • 営もうとする第一種動物取扱業の種別ごとに半年以上の実務経験があること
  • 営もうとする第一種動物取扱業の種別に係わる知識及び技術について一年間以上教育する学校法人、その他の教育機関を卒業していること
  • 公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって営もうとする第一種動物取扱業の種別に係わる知識及び技術を習得していることの証明を得ていること

つまり猫カフェで半年間働くか、ペット関連の専門学校で1年以上通うか、民間機関で資格取得をする方法があります。

この3つのうち、どれか一つでも満たしていれば取得は可能です。実際に猫カフェで働きながら技術や猫カフェのノウハウを学んでも良し、ペット関連の専門学校に通い猫について一から学ぶも良し、民間資格を取得するのもよし。

どの方法で取得をしてもいいので、自分の生活スタイルにあった方法を選びましょう。

動物取扱業

動物取扱業は動物を扱う場合に、各自治体に届け出るものです。

届け出る項目は自治体によって様々ですが主に「業務内容」「飼養施設の構造と規模」「販売の実施法」です。

この他にも自治体によって届け出る内容は細かく決まっているため、実際に届け出るときは届けなければいけない項目を自治体に問い合わせてみましょう。

食品衛生責任者資格

開業した猫カフェで、飲み物や食べ物を提供する場合はこちらの資格が必要になります。猫カフェに限らず、飲食業を行うのであれば必ず必要になる資格で、お店でカフェメニューを作って提供をする場合は必ず取得しなければいけません。

名前だけみると、とても難しそうに感じますが、自治体で開催される講習会に出席し、公衆衛生学徒衛生法規と食品衛生学などの講習を受け、簡単な小テストを受るだけというわりと簡単に取得できる資格でもあります。

一日で取得ができますので、猫カフェで飲食物を提供するつもりなら取得をしておきましょう。

なお、猫カフェでも猫と遊べるスペースを開放しているだけで、ドリンクメニューを提供しないカフェならば取得は不要です。どのような営業形態にするか考えてから資格取得を検討しましょう。

飲食店営業許可

猫カフェで飲食物を提供するならば、店舗が完成したあとに保健所の衛生状況の検査を受け消防署に届け出を出す必要があります。

この許可については特に勉強は必要ありませんが、保健所によっては衛生管理の決まり厳しくなかなか許可が下りない場合があります。

猫カフェは猫と触れ合いながら飲食を楽しむ場所ですが、地域によっては猫のいるスペースと、飲食のスペースを完全に分けなければいけない場合もあります。

猫カフェを開業するときは、どのようなサービスを行い、どのような猫カフェを展開したいか、しっかりと考えてその経営が可能な地域を探すことが重要となってきます。

猫カフェを開業するときは、自治体の決まりや地域性などを事前に調べるようにしましょう。

猫カフェを開業する費用

猫カフェを開業するには資格や許可のほかにも資金が必要になってきます。どのような営業形態で、どのような経営をしていくのかにもよって必要な資金は違ってきます。

さらに、開業をしたあと経営が苦しくても、猫カフェスタッフとして働いてくれる猫達のご飯代やトイレなどの生活必需品は必ず必要になります。

また、開業をしたあとに経営がうまくいかず閉店となった場合、その後従業員として働いていた猫を一人で飼育していく、あるいは里親を探すための資金も考えておく必要もあります。

閉店をしなくても、猫は生き物ですから病気をすることもありますし、何らかの事故でけがをしてしまう可能性もあります。そのような緊急時にしっかりとした治療を受けさせてあげる費用も事前に確保をしておく必要もあります。

猫カフェを開業するとは言っても、商品として扱うのは猫という生き物です。ただの物を扱う事業と違い、猫カフェは命のあるものを飼育しないといけなことをしっかり考慮をしましょう。

その点も含めて、猫カフェを開業するために必要な費用の内訳はこのようになります。

  • テナント契約費
  • リフォーム代
  • 家具
  • 事務用品
  • 広告宣伝費
  • 資格と登録代
  • 猫の受け入れ費
  • 猫の購入費
  • 餌代
  • トイレなどの生活必需品
  • 医療費
  • ワクチンや検査費
  • キッチン用品
  • 食材費
  • 当面の活動資金
  • 行政費

猫カフェを開業したからといってすぐに経営が軌道にのることはほとんどありません。むしろ、猫の餌代や生活費、医療費がかかってきますので数か月は赤字が続くこともめずらしくはありません。

収入はなくても医療費や餌代など猫の飼育費は変わらずにかかってきますので、猫カフェを開業してしばらく赤字が続いても問題が無い程度の軍資金は事前に用意をしておきましょう。

これらの事情を考慮したうえで用意をしたい開業資金の目安は400万~1000万程となります。

都心で開業をするならばそれだけ多くの資金が必要になりますし、都心部から離れればテナン代は安く抑えられるため資金も少なくて住みます。

また物件選びも、できるだけ手を加えずに開業できるものを探すことでリフォーム代を浮かせます。猫カフェを開業するにしても、食品を扱うか、猫は保護猫にするのか純血種で揃えるのかにもよって初期投資額は大幅に変わってきます。

開業資金は多ければ多いほど、費用は多くかければかけるほど、自分の納得いく猫カフェを安全に始められるため、猫カフェ開業費はしっかりと用意をしましょう。

猫カフェを開業するうえで押さえておきたいポイント

猫が好きだから猫カフェを開業したい!そのような単純な理由で猫カフェを開業するのもいいでしょうが、猫カフェはただ猫が好きというだけでは成り立たないこともあります。猫カフェで扱う商品は猫という生き物です。

命があるものを商売として使うならば、ときには大好きな猫の死に立ち会う場面もあるでしょうし、自分たちの力ではどうしようもない現実に無力感を覚えることもあります。

どれだけ苦しい経営状況に陥っても、働いている猫達を路頭に迷わせるようなことは絶対にできないため自分の生活費を切りつめても猫を養わないといけない状況が発生することもあります。

また、猫は生きていますから歳をとります。病気もします。お金もかかります。一般の事業とは違い、動物を扱う事業はそうした複雑な事情が絡んでくるため、普通のカフェやお店を開く感覚で開業をしては後悔をする羽目になります。

また、猫ブームによってテレビで連日のように猫カフェの特集が組まれているため、猫カフェは儲かるのではないか?と、考えるヒトがいますが、実際はそんなに儲かるものではありません。

上手く経営ができればいいのでしょうが、一度に店舗に入れるお客の数はたかが知れていますし、続々と猫カフェがオ‐プンしている今の時代では、よっぽど立地と経営がうまくできないとはやることはありません。

むしろ経営が苦しくて1年も経たずに閉店する例もめずらしくはありません。

猫が大好きで猫とずっと一緒にいられる仕事をしたい!その思いはわかりますが、猫が好き!猫と一緒にいたい!という思いだけでは、動物とかかわる仕事をするのは難しいこともあります。

もし、猫カフェを開業したいと思っている業界未経験の猫好きさんは、一度猫カフェなど猫にかかわる仕事をアルバイトでもいいので経験しておくことをおすすめします。

生き物を扱うという責任とは何か?猫カフェを開業して本当に後悔はしないか?猫が死を迎えたときに立ち直ることはできるか?猫カフェを開業して本当に豊かな人生を手にすることはできるのか?

猫カフェを開業する前に自分に問いかけてください。

猫が好きという安易な気持ちだけで開業をすると、猫にとってもヒトにとっても不幸な結果を招く可能性が高いということだけは覚えておいてくださいね。

猫カフェ開業に大切なのは十年先まで見据えた経営プランをたてよう

猫カフェを開業するなら、猫カフェで働く猫を養うためにも、自分の生活のためにも成功させたいですよね。しかし、猫カフェの経営は大変難しく思うように業績が伸びないのもめずらしいことではありません。

そのため猫カフェを開業するならば十年先まで見据えた経営プランをしっかりと練ることが大切です。

魅力的なイベントや営業形態はもちろん、どのような層をターゲットにするか、どこで開業をするか、テナントの広さはどうするか、飲食メニューを作るか、どのようなコンセプトにするかなど、猫以外の部分でも考えることはたくさんあります。

猫が好きだから猫のことだけ詳しくなればいいというものではありません。猫カフェを開業するならば、先を見通した経営プランを考えるようにしましょう。

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