猫ブームに潜む光と闇。ネコノミクスがもたらす経済効果と問題とは

日本は空前の猫ブーム。飼い猫の数は犬の飼育数を追い抜き、テレビや雑誌ではタレント猫を頻繁にみかけるようになりました。その経済効果は絶大で、2016年には「ネコノミクス」なる言葉も生まれました。

しかし、そんな猫ブームはいつから?さらにどのようなきっかけや理由で起こったのでしょう?また猫ブームがもたらす経済効果や猫ブームの裏で巻き起こっている捨て猫の問題とは?今回は猫ブームの理由と合わせて考えてみましょう。

猫ブームはだいたい2015年から火が付いた

猫ブームといわれる明確な時期はありませんが、猫の人気が高まりだしたのは2015年ごろです。

2015年始め頃からネットの検索ワードを独占し始め、店舗では猫グッズの特設コーナーが徐々に増えだし、猫と触れ合える猫カフェが次々とオープンしています。

ただし、猫を飼う人が急激に増えたのかと言われたらそうでもないようです。もちろん、徐々に猫を飼う人が増えているのは間違いありませんが、急激にその数を増やしているわけではないのです。

ではなぜ、猫が犬の飼育数を超えたのかというと犬の飼育頭数が2011年から急激に減り続けているからなのです。

一方で猫の飼育数は同じ推移を保ちながら徐々に徐々に増えてきているため、猫の飼育数が犬の飼育数を超える結果となったのです。

ちなみに猫の火付け役は、和歌山電鐵貴志川線貴志駅で猫駅長として飼われていた「たま駅長」だといわれています。

客招き猫として、日本で初めて駅長に任命された猫でその愛らしさと可愛さを一目見ようと日本中から人が押し寄せました。

猫ブームが巻き起こっている理由

犬の飼育頭数が減っている一方、猫の飼育頭数は一定の水準を保ち続けているのが猫ブームを巻き起こしたきっかけとも言えますが、そもそも猫ブームが巻き起こっている理由について考えたことはありますか?

もちろん、猫が可愛い、癒されるというのが猫ブームを巻き起こした理由に大きな役割を果たしているのは間違いないでしょうが、その真の理由は現代人の生活スタイルが大きく関係しています。

しつけに手がかからない

猫は犬と違ってしつけに手がかからいというのが現代人に合っているといえます。猫を飼っている人がご存知の通り、猫はトイレを教えるときも簡単ですし、無駄吠えをするという心配もありません。

そもそもしつけをする必要性も何かの芸を仕込むこともない猫は現代人のスタイルにあっているといえます。

散歩をする必要がない

犬でもっとも手のかかることは「雨の日も風の日も散歩に連れて行かないといけない」ということではないでしょうか?犬は散歩に連れていくことでストレスを発散するだけではなく、トイレも済ませます。

そのためよっぽどのことがない限り、犬を散歩に連れて行かないという選択肢をとることはありません。それに比べて猫は完全室内飼いを推奨されていますので、外に出すことがまずありません。

さらに散歩に行く必要もなく、遊んであげるのも室内のみで済みますから不規則な生活を送る人や、外に出るのが困難な高齢者でも飼いやすいのが人気の秘訣でもあります。

お金がかからない

猫は犬に比べてお金がかからない動物だといわれています。犬を飼育している人を見ていると、犬と遊びに行けるドッグランやドッグカフェ、犬と泊まれる宿泊施設に連れていき楽しむ人が多いですよね。

それとは異なり、猫は自分の縄張りから出るのを嫌う動物なので自分の縄張りである家から別の場所に遊びにいくのはストレスになります。

そのため猫と過ごしたいと思うなら必然的に家の中となり、結果的にお金をかけることなく過ごすようになります。

さらに犬だと、おしゃれのための洋服代やトリミング代などがかかってきますが猫は服を着たりトリミングをするのが苦手なので、せいぜいかかるとしても家で遊ぶおもちゃ代くらいで済みます。

そのお金がかからないというのも、この不景気の時代に適している理由でもあります。

お留守番が上手

猫の種類やその個体の性格によって変わってはきますが、猫は犬に比べて独立心が強くいつもいつも飼い主とべったりとくっつくのは嫌う傾向にあります。

そのため、一人暮らしの人やお出かけが多い人でも飼いやすいといえます。ただし、いつも一匹でお留守番をするのは猫に寂しさからくるストレスを与える原因となります。

お留守番が上手だからとはいっても、一緒に過ごす時間をできるだけ多くしてあげましょう。

猫がもたらす経済効果

猫がもたらす経済効果を意味する言葉「ネコノミクス」は、近年の猫ブームによって莫大な経済効果をもたらしました。

その経済効果は2兆円を超えるともいわれ、猫関連グッズの売り上げなどを合わせると2020年に開催される東京オリンピックよりも大きいとまで言われています。

経済効果をもたらしているのは猫を飼育する家庭が増加していることによるキャットフード代や動物病院代、猫の飼育には必須ともいえる猫の飼育グッズ関連はもちろんのこと、猫をモチーフにしたグッズや猫の写真集など様々です。

また近年続々とオープンしている猫カフェもネコノミクスに大きな影響を与えています。最近では猫がいる喫茶店というものではなく、内装にこだわった猫カフェや特定の猫種のみを扱った専門猫カフェなど個性的な猫カフェが増えています。

猫ブームは一時期に比べて落ち着いてきたとはいわれていますが、ネコノミクスの経済効果はまだまだ衰えなさそうです。

猫ブームの裏で増える捨て猫たちの問題

猫ブームにより猫を飼う家庭は増え、ペットショップでも人気の猫種をひんぱんに見かけるようになりました。しかし、猫の人気に伴い悪徳ブリーダーによる無理な繁殖が横行し不幸な猫が増えたのも事実です。

猫ブームによって猫の需要が高まったため、人気の猫種を繁殖用の猫として狭いゲージに閉じ込め一生子猫を産ませ続けるのです。

さらに劣悪な環境で飼育したとえ繁殖用の猫が病気になろうと衰弱しようと気にも留めず物のように捨てる悪徳ブリーダーによって不幸な猫が増え続けているのも猫ブームの裏に潜む闇といえます。

また猫ブームにのって軽い気持ちで猫を飼ったはいいが、育てられないという理由で簡単に捨てる心ない飼い主や、保健所にて殺処分をしてもらうために持ち込む信じられない人も存在します。

信じられないでしょうが、現実はもっと悲惨なのです。猫は所詮ペットといわれてしまえばそこまでなのかもしれませんが、猫はものではなく命です。

はやりだからと軽い気持ちで購入し、旅行に行くから、思ったよりなつかないからという理由で捨てるのはいいことだとは言えません。

もし猫を飼う場合は、これから20年近くともに生活をすることはできるのか?万が一飼えなくなる状況になったら、責任を持って里親を探すことはできるのか?落ち着いて考えてみるようにしましょう。

もう一度いいますが猫は物ではなく、生きている動物です。そう簡単に捨てられるものではないのを事前に理解しましょう。

猫ブームは猫好きを幸せにするだけじゃない

猫ブームによって猫関連のイベントや猫グッズがたくさん発売されるのは、猫好きにとってうれしいことですよね。しかし、猫ブームは猫好きを幸せにするだけではなく日本に大きな経済効果をもたらし、日本の景気に大きく貢献しているといえます。

猫ブームによって不幸になった猫や、捨て猫がたくさんいる一方で新しい家庭に迎えられイエネコとして幸せな猫生を手にした猫もいます。

願わくはこの猫ブームによって犠牲になる猫のいない、猫も人間も幸せになれる本当の意味の猫ブームが訪れるのを祈るばかりです。

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