ネコヨガ体験レポート。猫がいる空間で心身ともにリフレッシュ

健康増進やシェイプアップ、心身のリフレッシュなどを目的として、老若男女から人気のヨガ。ひと口にヨガと言っても、オーソドックスなものから、パワーヨガやホットヨガなど、さまざまな種類があります。

今回紹介するのは、その名も「ネコヨガ」。はたしてどのようなヨガなのか。日本ドッグヨーガ普及協会・ネコ部部長の池迫美香さんが指導するレッスンにお邪魔してきました。

保護猫たちと一緒にヨガ

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ネコヨガとは、保護猫カフェや保護猫シェルターなどで、猫の存在を身近に感じながら楽しく行なうヨガです。

猫特有のしなやかな動きをイメージしたオリジナルのポーズも混じえながら、バリエーション豊かなさまざまなポーズをとっていきます。特別むずかしいポーズがあるわけではないので、ヨガ初心者でも心配ご無用。

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「ポーズの完成形にはこだわらなくてもだいじょうぶ。身体の状態を知り、いまある機能を最大限に生かすようにポーズをとりましょう。重要なのは呼吸を意識すること。もし呼吸が浅くなっていることに気づいたら、猫ちゃんたちを眺めてひと息リラックスして、身体の緊張をゆるめてみましょう」と、インストラクターの池迫さんが優しくアドバイスしてくれます。

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通常のヨガとの大きな違いは、言うまでもなく、室内に猫がいること。レッスンの最中に自分の近くに猫がやって来たら、ポーズをしながら猫を眺めてもいいし、ポーズをやめて猫に触れたり、スマホで写真を撮ってもいい。人間も猫も自由そのもの。

猫がまわりにいることで、レッスン中も自然と笑みがこぼれ、余計な力が抜けていく感じがします。温かで穏やかな雰囲気のなかでレッスンは進んでいきます。

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レッスン中には、猫たちが室内を歩きまわったり、突然追いかけっこを始めたり、物音を立てたり、思わぬ行動をとって、参加者たちに「試練」を与えることも。猫たちは、レッスンを見守り、ときには癒やしを、ときには試練を与えてくれる存在でもあるのです。

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ヨガマットが敷かれて早々に爪とぎを始め、ここが気に入ったとばかりにどっかりと居座っています。

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結局、猫さまに場所を譲って、自分はヨガマットの外へ。でも、こんな邪魔がうれしいのです。

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くんくん。いい匂いがするにゃあ。

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これがお手本!とばかりに素晴らしい柔軟性を目の前で披露してくれています。

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すっかり落ち着いて昼寝を始める子も。

最後は合掌しながら祈りと感謝を捧げて、約70分のレッスンが終了。レッスンのあとは、30分ほどのフリータイムがあり、思い思いに猫たちとふれあったり、写真を撮ったり、美味しいドリンクをいただいたり、猫好き同士で楽しく猫トークに花を咲かせたりして過ごします。

ネコヨガに込められた想い

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ネコヨガのインストラクターとして(そして、通常のヨガインストラクターとしても)忙しい日々を送っている池迫さん。現在の活動の原点となっているのは、初めて飼った愛猫うみちゃん(現在9歳)との出会いでした。

幼い頃からいろいろな生き物とふれあい、現在は3匹の猫たちと暮らす大の動物好きの池迫さんですが、2008年にうみちゃんと暮らすようになったことで、自然と動物に関するニュースが気になるようになりました。

なかでも、特に強く衝撃を受けたのが、犬や猫の殺処分についてのニュース。この悲しい現実をどうにか変えるために、なにか自分にできることはないだろうか。そう考えて、海外の動物愛護に関する勉強や、猫の保護活動のボランティアなどに取り組みはじめました。

そんな折、日本ドッグヨーガ普及協会の存在を知ることに。ドッグヨーガとは、飼い主が愛犬と互いに絆を深めながら一体となって行なうヨガです。

もともとヨガが好きだったこともあり、また、その理念に共感して、池迫さんはドッグヨーガのインストラクターの資格を取得。そして、その数年後の2014年2月22日にネコ部を立ち上げ、ネコヨガの活動を始めました。

以来、少しずつ活動の範囲を広げていき、現在は、東京と神奈川の保護猫カフェや保護猫シェルターで定期的にレッスンを行なっています(以前紹介した東京・三軒茶屋にある猫本専門書店「キャッツミャウブックス」)でも開催しています)。

レッスンは約70分で、3900円(1ドリンク付き)。参加費の一部は保護猫への支援金として寄付されます。つまり、参加者は楽しくネコヨガをして、心身ともにリフレッシュしながら、同時に猫助けもできてしまうというわけです。

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「ネコヨガを通して、保護猫のことを考えるきっかけとなり、さらには自分のできることから行動に移してくださる方がひとりでも増えていったら……そしてひとつでも多くの命の救いとなれば幸いと思っています」と語る池迫さん。

「猫を助けたいけれど事情があって保護猫の活動をすることが難しい方が、ネコヨガに参加することで支援につながるという場を提供させていただき、猫助けの現場でがんばられている方の応援にもつながったらいいな、というのもネコヨガを行なっている理由のひとつです」

ネコヨガ自体の魅力だけでなく、池迫さんのこうした想いや、優しく親しみやすい人柄に惹かれて、リピーターとなっている参加者も多いようです。

遠方にお住まいでネコヨガのレッスンに参加できない方には、こちらの本がオススメ。

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『のび猫ストレッチ』池迫美香著、現代書林刊、1200円+税。

ネコヨガのレッスンでも行なわれている14種類のオリジナルのポーズを詳しい図解入りで紹介。ポーズのお手本とも言えるようなかわいい猫たちの写真も多数掲載されていて、写真集としても楽しめます。

ネコヨガのレッスンの募集情報に関しては、下記の公式ブログなどをご覧ください。

「日本ドッグヨーガ普及協会・ネコ部」
公式ブログ:にゃんと!!YOGA
公式Facebook:https://www.facebook.com/nekoyoga/

猫カフェ ブラン

今回の会場となった「猫カフェ ブラン」は東急田園都市線江田駅から徒歩12分ほどの場所にあります。

ガラス張りで、明るく広々とした空間に、10匹ほどの保護猫たちがのんびりと暮らしています。こちらの猫たちは、動物愛護団体「ちばわん」から預かっている保護猫で、里親募集中です。

店内は猫たちとふれあうスペースとカフェスペースが分かれており、ガラス越しにかわいい猫たちを眺めながら、美味しいコーヒーや紅茶などをゆっくり味わうことができます。

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『のび猫ストレッチ』の表紙でじつに気持ちのいい伸びのポーズを見せてくれているチョビくん(3歳)。

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優雅な風格が漂う富士子さん(3歳)はお店のチーママ修行中(里親の募集はしていません)。

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この日は特別に出勤してきてくれた副店長の柴丸くん(13歳)。穏やかな物腰で、猫好きさんたちからも大人気。

「猫カフェ ブラン」
神奈川県横浜市青葉区荏田町1150-40 白亜館2階
045-878-1151
11:00〜20:00(L.O.19:00)
月・木休(祝日の場合は営業、翌日休業)
※臨時休業の場合もあるので、来店の際はホームページで確認してください。
https://www.neko-cafe.info

自分なりのやり方で楽しく猫助けを

空前の猫ブームのなか、ペットショップではなく、動物愛護団体から保護猫を家族に迎え入れようという動きが広がってきています。

実際に保護猫の活動を行なっている人たちがいる一方で、さまざまな事情からハードルが高いと感じている人も多いことでしょう。

まずは、今回紹介したネコヨガのように楽しみながら猫助けを始めてみてはいかがでしょうか。

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