猫とうさぎを一緒に飼う。仲良くなれる組合せだけど注意点もある!

猫とうさぎが一緒に飼われている写真や動画は、とってもほほえましいですよね。猫は肉食、うさぎは草食なのに、種を超えて当たり前のように寄り添う姿は、感動すらおぼえます。

「うちもこんな感じで猫とうさぎがいたら、楽しいだろうなあ…。」と想像して、ほおがゆるんでしまう一方で、猫とうさぎは本当に一緒に飼って大丈夫なのか気になってしまいますね。

そこで、興味がある方のために、猫とうさぎを一緒に飼う場合の注意点についてまとめてみました。

種類が違ってドキドキ…でも!猫とうさぎは一緒に飼える

そもそも猫とうさぎは一緒に飼っても大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、猫とうさぎは一緒に飼うことができます。ただし、猫とうさぎがトラブルなく過ごすには、飼い主さんの工夫が必要です。

どの動物でも、多頭飼いのほうがストレスを感じやすくなります。種類の違う動物どうしならば、なおさらです。種類が違うため、気が合わなかったり攻撃したりする可能性も出てきてしまいます。

ご存じのとおり、肉食の猫と草食のうさぎは種類も習性も全く異なります。ですから、猫とうさぎを一緒に飼うには、互いがストレスなく良好な関係で共存できるよう、それぞれの動物のことをよく勉強しておく必要があるのです。

うさぎの性格、食べ物、飼いやすさ。猫との大きな違いはどこ?

猫とうさぎの同居を考えるうえで、まずはそれぞれの生態についてきちんと理解しておきましょう。うさぎがどのような動物なのか、うさぎの習性を簡単に紹介します。

うさぎとは

私たちが目にするうさぎは、飼いやすいように改良されたカイウサギで、公式に認定されている品種は49種類があります。

1歳までに大人になり、寿命は6~8歳と猫より短命です。最近は12~14歳と猫くらい長生きする子も増えてきています。

うさぎの1日のサイクルを見ると、活動的になったりえさを食べたりする時間帯はだいたい早朝と晩で、日中と夜中は寝ていることが多いです。猫と同じ「薄明薄暮性」の過ごし方といえるでしょう。

うさぎの大きさ

体の大きさは、小さいものだと、人気の高いネザーランドドワーフで0.5~1.5kg、一般的なもので1~4kgと猫より小型です。

しかし、白うさぎと呼ばれるジャパニーズホワイトや垂れ耳のロップイヤーほか、個体や品種によっては5㎏を超え、猫より迫力あるうさぎさんもいます。

うさぎの食生活

うさぎは草食動物で、巨大な盲腸を持ち、食糞をするところが独特です。

雑食のヒトや肉食のネコは、食物繊維が消化できませんが、うさぎは一度出した柔らかい糞を食べてコロコロした糞を出す「食糞」をして、食物繊維を盲腸で消化・吸収し栄養に変えています。

そのかわり植物以外の肉・魚、乳製品などは消化できないので、猫とは食べるものが異なります。

えさは牧草です。ペレット(ラビットフード)や野菜も食べ、甘いものが大好きなのでおやつには果物を与えると喜びます。猫とうさぎでごはんを取り合いすることはなさそうですね。

うさぎの性格

うさぎの性格は、品種や個体によっても多少異なりますが、基本的にはかなりマイペースで、どちらかというと犬よりは猫に近いです。実際に飼っていて「中にねこが入っているんじゃないか」とたまに思うほど、わりと猫っぽいです。

また、どのうさぎも警戒心が強く臆病です。これは、うさぎという動物が捕食される立場にあり、ペットのうさぎでも常に「外敵から身を守らなければならない」という本能がはたらいているからです。

ですから、人間やほかのペットと仲良くして見える時でも、常に頭のどこかには「もしかしたら食べようとしているのかもしれない、なにかあったらダッシュで逃げよう。」という気持ちがはたらいています。

とはいえ、家畜・愛玩用に改良されているカイウサギは友好的な性格で、人にはよくなつくので、上手に飼育してあげれば警戒心も多少はやわらぎ、ほかのペットとも一緒におだやかに暮らすことができます。

また、おとなしく従順と思われがちなうさぎですが、意外にわがままでよく怒ります。

声帯がなく鳴けないかわり、不快なことがあると後ろ脚をうるさく踏み鳴らしたり、食事が気に入らないと食器をひっくり返したりと、自己主張は激しいです。

おとなしいとはいえ威嚇や攻撃をすることもあり、うさぎがご立腹の際は猫もたじたじしてしまうかもしれません。

うさぎの遊び

猫ほどおもちゃに興味は示すことがなく、うさぎは一緒にいてもつまらない動物と思われやすいのですが、好奇心が旺盛で部屋の探検や運動は好きです。また、かまってほしい時は人の足元を走り回り、うさぎ用のおもちゃで遊ぶこともできます。

動物どうしでじゃれることはほとんどないと思います。ただ、猫のことが気に入ればうさぎのほうから積極的に寄っていったり、猫が迷惑がるのにつきまとうこともあるようです。

うさぎの飼いやすさ

基本的には、トイレやおうちのルールも覚え、鳴かず、体臭がないので、ペットとしては飼いやすい動物といえます。

一方、次のように飼いにくいと思うところもありますが、飼い主さんの工夫によって飼いやすく変えていくことは難しくありません。

  • 部屋に放すと、コードや家具などをかじるおそれがある
  • 犬や猫よりも診察してくれる獣医師さんが少ない
  • 排泄は基本的にトイレでするものの、トイレ以外でも糞をポロポロ落としてしまう
  • あまり芸やしつけを覚える気がない

猫とうさぎを一緒に飼うコツ

猫とうさぎは、マイペースで1日の過ごし方も割と似ているので、同居はしやすい組み合わせかと思います。

気になるのは、猫がうさぎをおそわないか、互いの存在がストレスにならないか、ということですよね。

猫とうさぎを一緒にすると、猫は時に狩猟の対象にしたり「じゃれたい」という欲求がわき、うさぎにとびかかろうとすることがあるでしょう。

しかし、うさぎはとびかかられると「食べられる!」と思って大パニックになってしまいます。

基本的には、猫がうさぎにストレスをかけないことに重点を置いて対策をとる必要があります。

うさぎをどこで飼うか考える

猫またはうさぎを連れてきたばかりでまだ仲良くない時、猫とうさぎをいきなり近づけると、どちらも興奮や強いストレスを感じ、体調を崩す可能性があります。

同じ屋根の下で猫とうさぎが住む場合は、互いの距離のとり方に注意します。特に猫がうさぎ怖がらせる可能性があるので、うさぎが安全に過ごせるパターンを考えましょう。

猫は部屋で放し飼いをすることがほとんどだと思いますが、うさぎは飼い主さんのライフスタイルによっていろいろな管理の仕方が選べます。

  1. 常にケージやサークルの中で飼育する
  2. 基本はケージで飼育し、決められた時間だけ部屋に放して遊ばせる
  3. 部屋やベランダで放し飼いする

多いのは1か2ですが、もしもうさぎを常にケージの中で飼育していて、猫とうさぎが鉢合わせすることもなければ、同じ屋根の下で飼うことは特に問題ありません。

また、うさぎをケージから出して遊ばせる時は、猫をケージやサークルに入れておくか、別々の部屋で過ごさせると安心です。

うさぎが猫のいる部屋で過ごす場合は、必ず人もその場にいて、うさぎと猫が不穏な雰囲気になった時に猫とうさぎをすぐ離すと、トラブルを防ぐことができます。

相性が良くないとわかっても、途中でどちらかを手放すことはありません。別室に隔離して飼育を続けましょう。(どうしても飼育できない場合は、里親に譲渡するなど、責任をもって手放してください。)

後から猫を飼えばうまくいきやすい

たいていは、猫とうさぎを同時に飼い始めるというよりは、猫またはうさぎを飼っている人が新しく猫やうさぎを追加するというケースかと思います。

その場合、動物どうしは、飼われ始めた順で上下関係が決まりやすく、先にいた動物より後から来た動物のほうが立場が弱くなります。

ですから、猫とうさぎを一緒に飼う場合は、捕食される立場のうさぎが先に飼われていて、狩猟する側の猫が後から来るパターンがいちばん円満におさまりやすいです。猫よりうさぎのほうが立場が強いと、猫がうさぎを狩猟の対象として見なくなります。

猫を飼っているお宅がうさぎを飼い始める時は、うさぎが怖がって強いストレスを受けやすいので、猫とうさぎはしっかり隔離することをおすすめします。

猫とうさぎを一緒に飼う時に注意したいこと

猫とうさぎを一緒に飼う時には、次に挙げる点に注意が必要です。

うさぎの大事な縄張りに猫は入れない

うさぎは縄張り意識が強く、寝場所などの自分の大切な縄張りを邪魔されるのを嫌がります。(飼い主が掃除しても怒ることがあるほどです。)

うさぎの大事な縄張りに猫が入ってくると、落ち着けずに体調を崩したり、猫を攻撃してケガをさせる可能性があります。うさぎのケージなど、猫の立ち入れない場所は、うさぎがリラックスするためにも必ず確保しておきましょう。

うさぎの誤食に注意

猫が爪を研ぐのと同じように、うさぎの前歯は伸びるので物をかじって削らなければなりません。そのせいか噛んではいけない物までかじることがあります。

猫用のおもちゃ、トイレの猫砂などはうさぎがかじって飲み込むと胃や腸に詰まってしまうことがあるので、うさぎの誤食には注意が必要です。うさぎが部屋で過ごす時は、かじられては困る物は片づけましょう。

おしっこのにおい付け競争に注意

ほかの動物と共存していると、自分のなわばりを主張したい気持ちが高まり、トイレ以外の所でおしっこをしてしまうことがあります。

特にうさぎのオスは、おしっこを振りまく「スプレー」をして縄張りを主張することがあるので、注意が必要です。

スプレーをやめさせるしつけは難しいので、汚れてもこまめに交換できるシートを敷区などして様子を見て、うさぎのオスは縄張り意識を弱めるため去勢手術を検討してもよいでしょう。

猫とうさぎは十分に仲良くなれる組合せ

猫とうさぎは一緒に飼うことができます。一見相性が悪そうに見えますが、飼い主さんの工夫次第で十分に仲良くなってもらうことも可能です。

肉食の猫と草食のうさぎは食べ物が違うというお話をしましたが、最後に、猫とうさぎが仲良く食べられる「おやつ」を紹介しましょう。それはエン麦(猫草)です。

エン麦は、猫がときどき食べたくなるあの細長い草で、うさぎの牧草でもあります。ホームセンターやペットショップに種や苗が手ごろな値段で売っていて、土にまくだけで簡単に栽培できるので、ぜひおすすめです。

種類の異なる動物どうしが仲良く共存できるのは、ほんとうに素敵なことです。興味のある方は、慎重に検討したうえで猫とうさぎを一緒に飼ってくださいね。

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