唸る猫のきもち。唸り方でそれぞれ心理は微妙に違うんです!

突然ですが、ウチの猫、唸ります。

猫が攻撃的になるときには「シャーッ!」と威嚇音を出しますが、猫が唸るという話はあまり聞いたことがありません。まあ猫には猫らしい唸り声もあるのかもしれません。

しかしウチの猫はまるで犬のような唸り声をあげます。なんというか、地の底から湧き上がるようなかなりドスの効いた、猫ばなれした声です。そうかといって、犬のように牙をむき出しているでもなく・・・

猫の唸り声のなぜ、探りたいと思います。

猫が唸る理由は?その心理と対処の方法を知りたい!

猫の威嚇音である「シャーッ!」を唸り声とする場合もあるようですが、あれは理由も心理もなんとなく理解できますよね?あれはまさに「威嚇」の心理であり、表情も牙をむき出しにした険しい表情になります。

しかしウチの猫の唸り声は、表情には気づくほどの変化はなく、特に牙をむき出すこともなく、「うーーーー・・・」と唸ります。「うー」のようでもあり「おー」のようでもあります。あいうえおのどれでもない不思議な音です。

なんというか、ご機嫌猫がゴロゴロいうときのあのゴロゴロ音がばかデカくなったような唸り声なんです。同じ唸り声でも、種類が異なるようですね。

シャー!と唸るときの猫の心理をおさらい

猫が口を大きく開いて牙をむき出しながら「シャー!」と唸り声をあげるのは、猫にある一定のプレッシャーがかかったときであることがよく知られていますね。だいたい

  • 強い恐怖心
  • 強い敵対心
  • 自分に弱みを感じているとき
  • (飼い主など親しい人や動物に)近寄ってほしくないとき

が挙げられますね。たとえば大きな犬が突然ぬっと現れたりしたら、それは猫も強い恐怖を覚えるでしょうから、まともに闘ったらかなわぬ大型犬に対しても「シャー!」と威嚇することでしょう。

▼猫が威嚇する時の気持ちについてはこちらです
猫のシャー!は威嚇や怒りとは限らない。猫の気持ちはとっても奥深い

これに対し、自分の縄張りによその猫が断りもなく侵入してきたりすると、今度は「敵対心」が起こりますね。猫どうしの喧嘩の際に「シャー!」の唸り声が発せられるのはそのためです。

一方で、自分に弱みがあるときにも相手を威嚇するために、一喝するような「シャー!」の唸り声が浴びせられます。これに呼応する相手の猫も「シャー!」と唸りますが、これは敵対心によるもの。

売られた喧嘩は買う!というスタンスの好戦的な猫の場合、どうしてもそういうことになりやすいですね。同じ「シャー!」でも、人間でも時おり起こる「売りことばに買いことば」といったところでしょう。

ところで、猫にとっての「弱み」とは何かというと、これはやはり

  • 自分の子を守る
  • 自分がケガや病気で弱っている

ときなどに相当します。人間に置き換えても、この気持ちはよくわかりますよね?たとえ親しい間柄の飼い主や多頭飼いの猫、猫以外の動物に対しても、自分に弱みがあるときは威嚇の唸り声を発します。

▼出産前にもやはり敏感になりますよね
【猫の出産】飼い主が最低限知っておくべきこと、準備しておくもの

シャー!の唸りだけでなく、尾にも変化がみられることがあります。「猫のきもちと尾の関係」については猫の習性の記事「とにかくかわいい猫の習性4つ。あの動作にはこんな意味があった」にまとめてありますので、興味ある方はぜひご覧ください。

さて、筆者が個人的に問題視したいのが、シャー!ではないほうの唸り声です。まるで犬のように「うううう・・・」と低い声で唸るアレはいったい何なのか・・・考察を進めます。

「ううう・・・」と低く唸るとき、猫はいったいどんな気持ちなの?

我が家の猫の話で恐縮ですが、ウチの猫は「シャー!」の唸りは発しません。どこかで発しているのかもしれませんが、見ている限りでは発しません。母猫はしょっちゅう発します。

娘猫に跳びかかられたときには必ずシャー!といって威嚇します。身体が自分の倍以上もあるだけに、娘ながらも敵対心と多少の恐怖心もあるようです。ただ、多くは「めんどくさいから寄るな!」のサインに思われます。

基本的には仲が良い母娘なので、母猫のシャー!は「(めんどくさいから)近寄ってほしくない」という気持ちのあらわれでしょう。でも、娘猫の「シャー!」は一度も聞いたことがありません。

そのかわり、「うううう・・・・」という、少々気味の悪い唸り声はたまに発します。どういうときに発せられるかというと、こんなときです。

  • 抱っこしているとき(95%)
  • 家の外に何者かの気配を感じたとき(5%)

まあ基本的に抱っこがキライな猫なので、明らかに抱っこに対する抗議をしているのだとは思います。しかし別に降りようと暴れるわけでもなく、いきなり唸られるのはちょっとびっくりします。

そしてふつうに部屋の中を歩き回っているときに突然「うううう・・・」と唸るのは、だいたい家の外に何者かが来ている気配を筆者も感じます。何者かはよくわかりません。何かがいるようです。ちょっと気味が悪いです。

いろいろ調べてみたところ、コレ!という明確な理由までは残念ながら判断できませんでした。ただ、「ううう・・・」の唸り声も、シャー!のときとよく似通った心理状況で発せられていることもわかりました!

あまり「うー・・・」と唸る猫は多くないようですが、そういう唸り声を発する猫もいます。ウチの猫だけが特別というわけではなかったです。まあそんな特別ならないほうがマシですが。

で、うーーの唸り声は、シャー!同様、強い警戒心や不審に思うとき、ストレスを感じているときなどに発せられることが多いです。ただ、2タイプの唸り声が発せられるタイミングには、微妙なちがいがあります。

シンプルにちがいを表記してしまうとあまり差を感じないかもしれませんので、この「微妙なちがい」を際立たせるために、両者を表にまとめて比較してみたいと思います。

うー・・・ シャー!
強い警戒心 強い恐怖心
不審の心境 敵対心
ストレスを感じている 自分に弱みがある
痛みや息苦しさを感じている(強いストレス) 親しい人でも寄ってきてもらいたくない、触られたくない

いかがでしょうか?唸り声としては両者がまったく異なるようにも感じられますが、唸り声をあげるときの猫の心理状況は、「うー」の状況がさらに悪化することによって「シャー!」へと変わるのではないか・・・

という推理がどうやら成り立ちそうですよね?まあすべての猫にこの「微妙なちがい」がすっぽり当てはまるかどうかはそれこそ微妙ですが、傾向としては、両者の差は確かにあります。

強い警戒心(うー)が高じると恐怖に変わり、何かの加減でシャー!の唸り声が発せられるでしょう。何かが不審と感じられ(うー)、それが敵対する何かであると判断されると「シャー!」と言って飛び掛かる。

ウチの猫の例では、好きではない「抱っこ」にストレスを感じ(うー)、もしそれでもしつこく抱っこを続けていれば、もしかしたら「シャー!」といって威嚇されるのかもしれません。

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かわいそうだからというのと、おっかないからという理由で「うー」が出たらすぐに抱っこから解放してあげますが。ちなみに家人はそのまま抱っこを続けた結果、あごを噛みつかれていました(汗)

特に「シャー!」はなかったですが、パクッ!と噛みついていましたね・・・まあ一般的には「シャー!」なのかもしれませんが。ちなみに母猫は抱っこしても問題なし。いつまでもおとなしく抱っこされています。

唸る猫の心は穏やかではない!しかし唸り方で微妙な心理のちがいがわかる

猫にもいろいろな表情がありますが、人はもちろん、犬とくらべてもあまり口数が多い動物ではない印象があります。まあウチの猫がよほどのことがない限り鳴かない猫なので、そのせいもあるのかもしれませんが。

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しかしそんな猫が自分の感情をむき出しにするタイミングが、今回お話してきた「唸る」というシーンですね。唸り声を発するときは、猫にとってありがたくない状況なので、その原因を把握して、その状況から解放してあげたいものです。

ウチの猫ばかりでなく、抱っこがキライな猫はけっこう多いそうなので、飼い主の欲求を押し付けるのもほどほどに、猫が唸り声なり身じろぎするなり何らかのSOSを発したら、すぐに解放してあげましょう。

猫はストレスがダメージとなりやすい動物です。要はストレスに弱い動物です。言い換えれば、「イヤなことがこころに残る」ことが多いのが猫の1つの大きな特徴であるということになります。

いわゆる「トラウマ」ですね。ネコ、トラ、ウマとややこしいですが。むしろ猫はほかの動物よりもトラウマに陥りやすい動物です。それだけに、飼い主がその原因にならないようにはしたいところですね。

やっぱり猫とのより良い関係性を築くためには、猫とある程度の距離を保つことが大切なのかな、という気が改めてします。かわいいからついつい触れたくなりますが、かわいいからこそ「人間の我慢」が大切ですね。

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