猫が後ろ足ですくっと立つ&ててて…と二足歩行する理由4つ

普段は四足歩行で生きている猫は、身体が柔らかくくねくね動き、高所から落ちてもその優れたバランス感覚で着地できてしまう生き物です。触ってももちもちとした触り心地を伝えてくるので一見そうは見えませんが、実は優れた筋肉を持つ生き物です。

自分の身体の数倍上の位置にある場所めがけて、高ジャンプが行えることからも、それが伺えます。

そしてそんな猫たちは、ふいに立ち上がることがあります。そして、立ち上がった後に、二足歩行を行ってしまう猫たちも、近年では見ることができます。猫が二足歩行を行てしまう理由には、どのような可能性があるのか。今回はそれを紹介していきます。

猫が後ろ足で立ったり二足歩行したりする理由4つ

実は猫が後ろ足だけで立ち上がることは、それほど珍しいことではありません。あまり知られていないかもしれませんが、犬とは違って、猫は二本足で立つことが得意な部類に入ります。

猫が立ち上がると、尻尾で身体を支えることが多々あります。それは尻尾でバランスを取り、楽にすることができるからです。

その姿が、あまりにもジャコウネコ科の「ミーアキャット」に似ていることから、猫の立ち姿を「ミーアキャット立ち」という程の知名度を誇ります。彼らが後ろ足で立ち上がることには、明確な理由があります。

では、猫はなぜ立ち上がるのでしょうか。そして、なぜ二足歩行で歩くのでしょうか。

周囲を良く見渡すための、威嚇や警戒

猫は喧嘩を行うときに、自分を大きく見せて威嚇するために、後ろ足で立ち上がることがあります。立ち上がって前足を振り上げ、熊のような格好で口を開いて、ふぎゃー!っと威嚇を行うのです。

猫社会では「自分を大きく見せる」ということが、相手に対して優位性を示す基本中の基本です。そのため、喧嘩に勝とうとする強きな猫や、好戦的な猫は、よくこの手を使って立ち上がります。

そして、前足をブンブン動かして威嚇することもあり、それに夢中になると勢い余って二足歩行になることがあります。この時の猫の意識は完全に喧嘩一辺倒です。おそらく自分が二足歩行をしているという意識もないかもしれませんね。

喧嘩相手の猫は、敵が急に大きくなったように見えて、怯えて恐る恐る後すざりをし始めることもあります。しかしその反面、相手も好戦的で勝気な猫ならば、お互いに威嚇をし合って相撲のような状態になることもあります。

また、それだけではなく聞きなれない音を聞いた時に、猫は急に立ち上がることがあります。

その時は耳をピンっと立てて音に集中し、周りの音に耳を澄ませます。そして、もっと音を聞こうと警戒心が強くなったり、危険を察知すれば、すくっと後ろ足で立ち上がることが多々あります。

立ち上がった方が視界が広がり、よくよく周囲を見渡すことができるからです。これは、ミーアキャットの理屈と同じ理由です。野生の頃から身に着けた、外敵から身を守るための習性が強く出た姿と言えます。

此方も威嚇の時と同様に、集中し過ぎて後ろ足で二足歩行をすることがあります。並々外れたバランス感覚がなせる業ですね。

興味を持ったものを観察したい、好奇心の現れ

猫は好奇心旺盛な生き物です。そのため、何かに興味を持った時、もっとそれをよく見たいと観察するために後ろ足ですくっと立ち上がることがあります。

その時には、高い場所から見るためになるべく胴体を伸ばしたり、触ろうとして手を伸ばしてバシバシ降ったり叩くこともあります。このように好奇心から見たいものを見るとき、猫は三段階の行動をとっていきます。

最初に上体を起こして首を上げ、それで見えない場合は後ろ足で立ち上がり胴体をぐーっと伸ばします。さらにそれでも見えないならば手を伸ばしてジャンプします。この時に、後ろ足で二足歩行をしてしまうことがあります。

猫は好奇心が満たされれば満足します。逆にいえば好奇心が満たされない、つまり見ることができないとストレスが溜まり、大暴れをすることもあります。猫が興味を持った好奇心の対象を見たい時は、抱き上げるなどして手伝いをしてあげましょう。

もちろん、手伝いなんぞ不要!と手伝いを拒否するプライドの高いお猫様もいます。そういう時は、好奇心の対象を推論して、近づけてあげるなどちょっとしたさり気無い行動で助けてあげましょう。

特に、室内飼いの猫が外の景色や音に興味を持ったときに、すくっと立ち上がることが多いようです。

人間はこれが好きだよね?おねだりポーズ

おやつや玩具。猫にとって誘惑の対象であり大好物なこれらの代物が欲しい時には、後ろ足で立ち上がったり、二足歩行をする猫がいます。これはつまり「おねだりポーズ」として、立って二足歩行を行ってしまうのです。

その理由としては、おやつや玩具がもらえるから。結論としていえば飼い主である人間が可愛い!と喜んでほしいものをくれるから、自発的に行うこともあるようです。

無意識に行ってしまう猫もいるようですが、その祖先を辿れば猫はハンターです。おやつや玩具という獲物を獲得するために、確信犯的に行っているかもしれません。心当たりのある方がいるならば、貴方は立派に猫の罠に嵌っているのです。

もちろん、おやつや玩具を上げることが悪いことではありません。猫が一生懸命考えて行っているポーズです。もし差支えがなければ、欲しいものをご褒美に上げましょう。これを繰り返せば、立派な「芸」の一つになります。

ですが、差支えがあるならば、ぐっとがまんしてください。特にダイエット中の猫ちゃんの場合、あの手この手でおやつを求めて策略を人間に与えてきます。どれだけ可愛くても心を鬼にして、猫ちゃんにおやつを与えないようにしてくださいね。

前足が使えないから、後ろ足だけで動く

猫は器用に足を使う生き物です。前足で何かを掴んだまま、どこかに行こうと行動をすると、物を持ったまま二足歩行を行える猫がいます。持ったまま移動できるということが楽しいと学習すると、猫はちょくちょくこういう行動になるかもしれません。

もしくは、人間が物を持って二足歩行をしている姿を見て、真似をしているのかもしれません。効率よく四足を使える方法だと、ちゃっかり学習しているのかもしれませんね。

いずれにせよ、全身を器用に使うのが猫という動物です。時々は人間の真似をして行動することもあります。それを見て可愛いと飼い主が喜んでくれたならば、もっとやってあげようと思った猫もいるかもしれませんよ。

猫は自由気ままに立ち上がることもある

このように、猫は理由があって立ち上がり二足歩行することもあります。しかし理由もなく、急に二足歩行をしたり後ろ足で立ち上がることもあるのです。

特別な理由もなく、すくっと突然立ち上がると私たちは驚いてしまいますし、その理由を探したくなるものです。

しかし、人間が気まぐれに散歩をしたり運動をするように、猫にとっても後ろ足で立つことと二足歩行は気まぐれに行った行動かもしれません。

かわいい動作で思わずカメラを向けたり、動画を撮ったりしたくなりますよね。そういう時は、猫を驚かさないように、慎重に行動してくださいね。

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