高い猫には理由がある。高額の基準とお値段ランキング

猫を飼いたいと思ったとき、あなたが思い浮かべたのは、どのような猫でしょうか。

大雑把に分類すると、その猫独特の特徴を持った血統書付きの高価な猫と、さまざまな毛色や模様がまざった雑種の猫に分けられます。

高い猫と、高くない猫。その違いは、どこにあるのでしょうか。両方の特徴を比較しながら見てみれば、双方が持つ別々の良さに気付けるはずです。

高い猫には理由がある。値段がつけられる理由を知ろう

生き物に値段をつけて売り買いすることを、嫌悪される方もいます。ですが、その価格には、相応の理由があるのです。まずは、その価格の根拠を知りましょう。

その猫種だからこその特徴を持っていること

猫の種類は、100種類以上もあると言われています。ペットショップで見ることができる猫だけでも、実にさまざまな種類がいますね。

被毛の模様や長さ、耳の形や大きさ、しっぽの長さや体格、目の色や顔だちなど。血統書付きの純血種の猫には、「この猫といえば、これ!」と言える特徴が必ず備わっています。

それが、高い猫の理由のひとつです。

猫の祖先は、リビアヤマネコであると言われています。人間が人為的に猫を選んで交配させ、ある特徴を際立たせることで、その特徴を受け継いだ猫が生まれるように工夫を重ねてきました。

純血種の猫は、その特徴がなくなったり、他の特徴が混ざったりしないよう、登録や管理をされています。つくりだされたその猫種が途絶えたりしないように、手間をかけられているのです。その分だけ、混血である雑種の猫より高価になります。

血統書は、その特徴を受け継ぐ遺伝子を持っているという、血統の証明書です。

希少であること

希少な猫は、当然、その分だけ価値があがります。

猫はふつう、一度に多くのこどもを生みます。また、一年に二回の発情期があるので、繁殖力はそれなりに高いと言えるでしょう。

ですが、猫によっては、一度に生むこどもの数が少ない種もいます。また、血統によっては、病気をもって生まれてしまうリスクが高い猫種もいます。それ以外にも、純血種でも、その血統の特徴を持って生まれる子猫が稀である場合もあります。

それから、限られた場所でしか繁殖されていない猫種もあります。動物を飼育できる基準は国によって違うので、そのせいでもありますね。その国では繁殖をおこなっておらず、輸入しか入手手段がない場合などは、やはりその分高価になります。

人気があること

純血種の猫は、その猫ならではの特徴があります。それゆえに、その特徴を求めて特定の猫種を欲しがる方も多くいます。となれば、人気のある猫は、必然的に高価になります。

毛の長い猫を好まれる方、被毛の柄を選びたい方、飼育のしやすさを重視する方など、好みによっても分かれます。その時人気になっているなど、流行にも左右されますね。

ですが、猫は大きさがほぼ同じくらいで、容易に入手できる猫種も限られています。犬よりも人気がある種類がばらけることはなく、おおむね有名どころに人気が集まる傾向がありますね。

ぜひ知っておきたい、高い猫ランキング

「いくら高価といっても、所詮は猫でしょう?」と思う方もいるかもしれません。猫というのは、古来より人間のごく身近にいる生き物です。特別な価値があるというのも、にわかに考えにくい方もいるでしょう。

では、「高い猫は、いくらくらいするのだろうか」という疑問にお答えしましょう。

最も高い猫は、数千万円クラス

最も高い猫は、ずばり、オスの三毛猫です。

とても珍しいということを、聞いたことがある方は多いでしょう。それゆえに縁起が良いとされ、特に船乗りにとっては重宝されています。

三毛猫のオスが珍しい理由は、遺伝子の配列によるものです。猫の毛色を決める遺伝子は、性別によって数や種類が決まっています。オスの猫では、三種類の毛色を持って生まれてくることは、本来ではありえないのです。

三毛猫のオスが生まれてくるのは、ふつうの猫よりも、持っている遺伝子がひとつ多いからです。これはクラインフェルター症候群と呼ばれ、遺伝子異常のひとつです。オスの三毛猫は血統によって管理することはできず、だからこそ希少になります。

ひとくちに三毛猫のオスといっても、色の配分はさまざまです。模様の出方によって価格は左右され、三色がバランスよく現れている猫が高価とされるようです。

二番目に高い猫は、数百万円クラス

外国の猫には、数百万円もする猫がいます。サバンナキャットやアシェラ、サーバルキャットなどです。

サバンナキャットは、サーバルキャットやイエネコなどをかけ合わせてつくられた猫です。体重が15kgほど、体長は50㎝から75㎝ほどですから、猫としては大柄ですね。

アシェラとは、アジアンレパードキャットとイエネコなどをかけ合わせてつくられた猫です。こちらもサバンナキャットと同様に、体重15kgほどまで成長するようです。

サーバルキャットも、大柄の猫科動物です。サーバルキャットの生息図はアフリカに分布しており、大きく育つ個体だと、やはり体重18kgにまでなるようです。

サバンナキャットもアシェラもサーバルキャットも、その被毛の美しさが特徴です。まるで野生のヒョウのような見事な斑は、思わず感嘆の声がこぼれてしまうことでしょう。

もし「この猫を飼いたい」と思ったのなら、忘れてはいけないことがあります。それは、購入手段が輸入しかなかったり、飼育するのに特別な許可を要したり、その許可を得るために特別な環境を用意する必要があるということ。

個体の価格だけでなく、飼育する条件を整えるためにも、別途莫大な費用がかかるのです。

3番目に高い猫は、20万円から50万円ほど

ベンガルは、ヤマネコとイエネコをかけ合わせてつくられた猫です。

こちらも、ヒョウと見紛うばかりの美しい被毛の模様が特徴です。ヒョウ柄によく似た斑点模様のベンガルもいれば、マーブル模様のベンガルもいます。ブラウン系の色が一般的ですが、シルバーのベンガルもいますね。

大人になったときの大きさは、大きくても6kgから8kgほど。多少大き目ではありますが、家庭でも飼育しやすい大きさですね。

価格に幅があるのは、被毛の柄や色、血統、育ち具合などによって変わるからです。最近ではペットショップでベンガルの姿をみることも増えました。このくらいの価格になると、「飼えるかもしれない」と思いますよね。

一般的には、数万円から20万円ほど

人気や流行にもよりますが、一般的にペットショップで販売されている猫は、数万円から20万円ほどの価格帯です。

折れ耳やスコ座りで有名なスコティッシュフォールドや、ふかふかの毛並みのラグドールやメインクーン、マーブル模様が見事なアメリカンショートヘア―、グレーの毛並みが美しいロシアンブルーなどが有名ですね。

価格は、猫の種類の他にも、その猫の血統、販売されている時の月齢、健康状態などに左右されます。人気の種類にも関わらず、同じ種類の他の猫と比べて価格が安い場合には、ぱっと見ではわからない疾患を持っている可能性もあります。

生体を購入するときは、絶対に、「安いから」という理由だけで購入してはいけません。その価格がつけられている理由を聞き、納得した上で購入しましょう。それは、猫を家族として迎えるうえでの飼い主の責任でもあります。

高い猫だけが良い猫ではない。値段のない猫の魅力を知ろう

ここまでの記事を読んで、生き物の命にお金の価値をつけることや、その価値を人間が決めることに、違和感を感じた方もいるでしょう。

そんな方はぜひ、いわゆる「雑種」といわれる猫の魅力も、どうぞ知っておいてください。多くの場合は値段がつかない猫たちですが、だからといって、その魅力は高価な猫にも劣りませんよ。

猫の大きさは、だいたい同じ

まず、家庭で一般的に飼われている猫の大きさは、ほぼ3kgから7kg程度です。稀に2kgにも満たない猫や13kgを超えるような巨大な猫もいますが、それでも犬ほどの幅はありません。犬は、小型犬と大型犬で30kg以上の差がありますからね。

2匹の猫の写真

画像の猫は二匹とも、親猫の血統も特定できない雑種です。左の猫が4kgほど、右の猫が6kg超ほどの大きさです。大きさに幅がある犬と違い、猫は大体の大きさが決まっています。雑種だからといって、その大きさにものすごく差が出ることはありません。

雑種の猫の柄は種類が豊富

雑種の猫の魅力のひとつに、被毛の柄がさまざまであることが挙げられます。

サバ柄の猫ひとつとっても、靴下を履くように手足だけが白かったり、しっぽの先だけが白かったり、エプロンをしているようにおなかが白かったりします。まるでアサリの貝殻のように、さまざまな模様をしているのです。

なかには、ちょびヒゲが生えているような位置にブチがあったり、マロ眉や七三分けヘアのような模様の猫もいます。大人になるにつれて模様が変わる猫もいるので、成長を楽しみにすることもできますよ。

ドラマチックな出会いは思い出に残る

雑種の猫を飼うきっかけは、得てして予想しない場面で訪れます。

日常のなかで、不意に思いがけない猫との出会いを経験される方もいるでしょう。「職場の裏手で子猫が鳴いていた」、「雨に濡れた段ボールに、死にそうな子猫が捨てられていた」など、あなただけの猫との出会い方をされることでしょう。

捨て猫などがあまりいない地域でも、雑種猫を入手する方法はあります。譲渡会や保護団体にコンタクトをとるのです。最近では、ネットで譲渡情報を管理している団体も多いですね。ここには、猫を救いたいという、人の善意のつながりが生まれます。

ペットショップでの購入を否定するわけではありません。ですが、雑種猫には雑種猫の出会い方があります。それはそれで素敵なめぐり合わせですよ。

命の価値は値段では決められない。あなたの猫を大切にしよう

ここまでに、高価な猫をたくさんご紹介してきました。高い値段がつけられる理由や、高い猫ならではの魅力についても、いくつか例をご紹介しました。

ですが、「高い猫でなければ、良い飼い猫にはならない」訳では、決してありません。「高い猫でなければ魅力がない」なんてこともありません。

猫の個体につけられた価格は、人間が勝手に評価して決めたものです。あなたが家族として迎えることを決めたのなら、あなたにとってのその猫の価値は、お金には代えられないものになっているはずです。

販売価格の高い安いではなく、あなたにとってのその猫の価値を見出してあげてくださいね。

みんなのコメント

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ