【猫の出産】飼い主が最低限知っておくべきこと、準備しておくもの

猫に限らず新たな命が生まれる出産はとても神秘的でうれしいことですよね。愛猫がいよいよ出産となると、飼い主としては不安で心配でいても立ってもいられませんよね。

出産という一大イベントに立ち向かう愛猫に私たち飼い主がしてあげられることとは?またどういったところに注意してあげたらいいのでしょうか?

詳しく解説してまいります。

猫の出産時期と妊娠期間

猫はとても繁殖力が高い動物です。交尾をすれば90%の確率で受精し、雌猫は一度の妊娠で多くて8、9匹を同時に妊娠します。さらに猫の発情期は年に3回も訪れるのです。

ギネスの最高記録では、1年間に19匹出産した猫が登録されています。

猫の出産についてご説明する前に、猫の妊娠についてまずは簡単にご説明します。猫は交尾をしてから60日ほどで出産します。つまり猫の妊娠期間はわずか2ヶ月しかありません。

そのため飼い主様が「愛猫のお腹が大きくなっている、もしかして妊娠!?」と気付いた時にはすでに出産1ヶ月前なんてこともよく聞く話です。

猫が妊娠したときにみられる兆候

猫は妊娠20日で兆候が見られます。まずは乳首がピンク色に変わり食欲が落ちます。この時点で妊娠に気づく飼い主様は少ないです。

妊娠30日以降でお腹が膨らみ始め乳房の膨らみも目立ち始めます。妊娠40日以降で落ちていた食欲が増していき、妊娠50日目で胎動を感じるようになります。そして妊娠60日で出産となります。

その妊娠から出産までの経過はジェットコースターのように早く、飼い主の心の準備ができていないまま愛猫が増えた!なんてこともあります。猫の妊娠、出産は計画的にするようにしましょう。

猫が出産するのに適した場所

猫の出産場所に適している条件は以下のようなものがあげられます。

  • 四隅に囲まれている
  • 狭い空間
  • 乾燥している場所
  • 明るすぎない場所
  • 人通りがなく落ち着いた場所

室内で出産をする場合、ダンボールや木箱を用意してあげるのが一番適しています。用意したダンボールの中に清潔な毛布やタオルを敷いてあげて人があまり入らない温かいお部屋、もしくはお部屋の隅に置いておいてあげましょう。

ダンボールの中に愛猫の匂いのついたものを入れてあげるとさらに安心して出産に望めます。出産直前になると部屋の中をウロウロして営巣行動と呼ばれる巣や床を掘り返すような行動を見せます。

その時にダンボールで作った産箱を気に入ってくれたらその中で出産準備に入ります。時には飼い主の意に反して産箱とは違う場所で出産準備に入る場合もあります。

その時はよっぽど不潔な場所ではない限りタオルを敷いてあげたり囲いを作ってあげたりして臨機応変に愛猫の出産のフォローをしてあげるようにしましょう。

また子猫が全員生まれたら出産で汚れた箱から清潔な箱に移してあげる必要もありますので同じような産箱を2箱始めから用意してあげとくと、いざという時に焦らなくて済みます。

いざ出産!産まれる24時間前からみられる前兆と、出産の流れ

出産24時間前から出産の前兆となる行動が現れ始めます。

  • 食欲の急激な低下
  • 警戒心が強まり攻撃的になる
  • 落ち着きがなくなる
  • よく鳴く
  • トイレが近くなる
  • 床を掘る
  • 出産場所を探しウロウロする

このような行動が見られたらいよいよ出産間近です。また猫は出産24時間前になると体温が1℃下がるという特徴もあります。

普段から体温を測っているとその変化にも気づきやすくなるので、愛猫の妊娠がわかったら定期的に体温を測り平熱を把握してあげるようにしましょう。

陣痛

猫にも人間と同じく陣痛があります。陣痛は20~60分程続きます。この間は苦しそうに呼吸をしたり、股を舐めたりして落ち着きがありません。

膣からは透明でネバネバした液体が分泌されますが、この粘液が透明ではない、強い匂いを発している場合は細菌感染や死産の恐れがあります。愛猫が苦しんでいる姿は見ているこっちもつらいですが注意深く見守ってあげてください。

また陣痛が60分以上続く場合は難産の可能性があります。もしもの時は獣医師に相談できる準備だけはするようにしましょう。

開口期

子猫が産道を通過し、膣の入り口で止まる時期です。羊膜が破れるのもこのタイミングです。この時に大量の出血、子猫の頭が見えているのに5分以上出てこない場合は緊急事態です。すぐに獣医師に相談しましょう。

算出期

いよいよ子猫とご対面です。15~30分間隔で子猫が生まれてきます。子猫が生まれるたびに母猫は生まれた子猫の羊膜を取ったり、へその緒を切ったり、呼吸を促したりと、とても忙しく母親としてのお仕事をこなします。

これは誰に教えられたわけではなく本能で分かっているため、飼い主が出る幕はほぼありません。さらに出産のときはとてもデリケートな場面なので大声をあげたり不用意に触ったりせず静かに見守りましょう。

もし何か異変があればすぐに対応できるようにだけはしておいてください。特に初産の猫の場合はあまり慣れていないので、子猫をしっかりと舐めなかったり、子猫をへその緒がついたまま引っ張ったり押しつぶしたりといったことがあります。

母猫も初めてのことで慣れていないこともありますので、そのようなことがあればそっと手を貸してあげる様にしましょう。人間が出産を手伝うと、育児に興味を失う母猫もいますので手を貸すのはあくまでも緊急時のみとしましょう。

後産期

子猫が生まれると胎盤が出てきます。胎盤は子猫の数だけ存在して子猫→胎盤→子猫→胎盤と順番に排出されます。

この胎盤は栄養補給と巣の清掃を兼ねて母猫が食べてしまいます。無理に止める必要はないので自然に任せて食べさせても健康に害はありませんので安心してください。

子猫が全員無事に生まれたら胎盤の数をしっかりと数えることもお忘れなく。子猫の頭数と胎盤の数が合わない場合、身体の中に胎盤がまだ残っている可能性があります。

これは胎盤停滞と言って子宮感染の原因となりますので、獣医さんを受診し相談するようにしましょう。

難産

陣痛がおきてから1時間以上たつのに生まれてくる気配がない場合、難産の可能性が高いです。胎児が大きすぎる、母猫の骨盤が小さすぎる、子宮無力症、子宮疲労といった原因が考えられます。

長時間生まれなかった場合お腹の中の子猫も母猫も危険が伴います。場合によっては帝王切開も必要となりますので、獣医師に早めに相談し指示を仰ぐようにしましょう。

猫の出産前と後におこる出血への対応

猫の妊娠期、出産期で心配になる症状の1つに出血があります。大切な愛猫が出血していたらただでさえ驚くのに、妊娠期、出産期のデリケートな時期だとさらに驚きますよね。

ですが、妊娠前の出血と出産後の出血は少量ならよく見られる症状です。

しかしあまりにも長期間続く、大量の出血を伴っているといった場合は重篤な症状が隠れている場合があります。

このデリケートな時期だからこそ症状を適切に把握し適切な治療をうけられるように電話でもいいので獣医師に相談しましょう。獣医師の指示に従い、必要であれば診察を受ける様にしましょうね。

猫の出産後の注意点と過ごし方

母猫には食べ物やトイレ、新鮮な飲み水を近くに用意してあげましょう。出産後で非常に疲れていますし、子猫の世話で忙しい時期なので過度な接触は控えそっとしてあげるようにしましょう。

飼い主にできることは、母猫がちゃんとご飯を食べているか、子猫は元気に育っているか、悪露や出血に異常は見られないかを見守ることです。何か少しでも異変を感じたらすぐに行動に移れるようにしておきましょう。

産後の母猫の症状でよくみられるのが発熱、けいれん、食欲不振です。これらの症状が見られたら獣医師に相談するようにしましょう。

また子猫の成長に異変を感じた場合も獣医師に相談する必要があります。子育ては母猫に任せつつ飼い主は母猫に品質のいいご飯を食べさせてあげる、清潔な環境で過ごさせてあげるといったサポートに徹するようにしましょう。

猫の出産は静かに見守るのが大切

愛猫の出産とはいえ、基本的に人間の介入は必要ありません。

非常にもどかしいですし気になりますし心配ではありますが、愛猫のためにもここはグッと我慢し愛猫の事を信じて静かに見守りながら子猫が無事に生まれてくることを祈りましょう。

ただ万が一の場合に備えて、いつでも緊急時に対応できる準備だけはしっかりしておくことが大切です。また産後の母猫のケア、離乳期に差し掛かった子猫のお世話も飼い主の大切な仕事です。

これから忙しくなりますのでまずは新たな命の誕生を喜び、愛猫をいっぱい誉めてあげてくださいね。

みんなのコメント

  • さくら より:

    最大の出産数は5ではありません…。゚(゚´Д`゚)゚。
    なんていい加減な…

  • にゃん太 より:

    読みやすく、初めてでも猫ちゃんのことを知ることができて助かりました。
    可愛いページですね♡

  • リンまま より:

    愛猫の出産のために、有益な知識を得ました。ありがとうございます(^ ^)

  • プニfight より:

    愛猫は今日、明日に出産予定です。
    初産で5匹確認済です。
    無事に出産できるのか不安です。
    とても参考になります。
    落ち着いて見守りたいと思います。
    有難うございます!

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