猫の視力はどのくらい?猫が見ている景色はこんなにも人間と違う

猫の目って本当にかわいらしいですよね。透き通ったその目は、ビー玉のようになっていて不思議な光を放ちます。じっと見ていたら、その美しさに引き込まれそうになります。

とても神秘的な猫の目ですが、実際にはどのくらいの視力があるんでしょうか。

飼い主さんなら、愛猫が自分のことをどれくらい鮮明に見てくれているのか…そこはすごく気になるところだと思います(私も同じくです!)。

猫の目には、とても驚くべき機能があるんですよ。

猫の目ははかり知れないもの。人間の目とは構造が全く違うのです

こんなにも人間の世界に入り込んで、仲良く共存している猫。でも、同じ空間にいても見えている景色は全然違っていたのです。

猫の視力には驚きの機能がたくさんあるのです。ではどんな働きをしているのか、調べていきましょう。

猫の世界の色は、人間の色合いとはかなり違います

私たち人間ならば、全ての色彩を感じとることが出来ていますが、動物はそこまで全て識別できている訳ではありません。

実際に猫になって周りの景色を見たわけではないので確定はできないのですが、現代の研究においては猫の色彩について驚くべき結果が導き出されているのです。

そもそも目の中には錐体細胞というものがあります。この細胞の働きのおかげで色彩を感じとることができているのですが、人間に比べて猫の錐体(すいたい)細胞は少ないということが分かっています。

つまり、人間のように虹のカラー7色をきちんと識別できてはいないのです。特に緑と青は識別することができても、赤色は識別できないと言われています。

猫が識別できる色イラスト

赤い色はすべて灰色に見えているともされていますが、猫の世界はどのようなものなんでしょうか。

そもそも猫というのはもともと夜行性ですし、夜に獲物を捕まえていたわけです。

夜には色はありませんから、色を識別する力がそれほど強くなくても特に困ることはなかったんですね。

猫の視野は人間と比べて、ぼんやりと広い場所が見えています

人間と猫の見えている広さにも違いがあります。人間の視野は180度程度ですが、猫は200度もあるのです。しかし、その全てが人間のようにはっきりと見えているわけではありません。

猫が見ている世界をあらわした画像
(出典:This Is How Cats See the World)

上側が人間、下側が猫の視点です。

全体的にぼんやりとした雰囲気で見えているので、6メートルまで近づいて初めてはっきり見えるというわけなんですね。

猫の目は、視力にあてはめて考えると0.1から0.2くらいしかないという事も分かっているんです。

だから、飼い主さんを見ている場合でもあまり遠く離れていると見えていないことがあるということです。

ちょっと遠くにいる猫が、首をかしげているところを見たことがあるかもしれません。あれは見えにくい飼い主さんを見ようと目の角度を変えているわけです。

かわいらしい努力に感謝しつつ、猫に見えるようにもう少し近づいてあげましょう。

暗闇の中では機能を発揮!とにかくよく見えています

猫は明るい場所ではぼんやりとしか物を捉えることができていませんが、暗闇の中になるとものすごい機能を発揮します。

人間の場合、暗闇ではどこに何があるか?などを識別することはできません。しかし猫には暗闇の中で見えている景色が人間と比べてとてもクリアなのです。

猫が見ている世界をあらわした画像2
(出典:This Is How Cats See the World)

上側が人間の視点で、下側が猫の視点です。この画像を見ても分かるように、猫は暗闇の中とはとても思えないくらいしっかりと周りの景色が見えていることが分かりますよね。

猫は人間よりも悍体(かんたい)細胞が多いので、暗闇の中でも光をしっかりと感じることができるというわけなんですね。

さらに、猫の網膜の裏側には「タペタム」という薄い膜があります。このタペタムがあることによって、暗闇の中にある少しの光を反射させて40%も増やして感じとることができるのです。

だから暗闇の中で猫の目がキラッと光っていることがあるんですね。やっと納得することができました。

猫の視力が暗闇の中でこんなに上がるなんて…本当にすごいです。これなら夜中の狩りの時だって、しっかりとパワーを発揮することができますね。

猫の時間分析脳は人間よりも優れています

人間が普通に見えるスピードと、猫が見ているスピードは違うんです。それはどういう事なのかというと、猫は人間の倍の時間を分析する能力が備わっているのです。

つまり、テレビ番組でいうならば人間には普通になめらかな動きをしているように見えている画面が、猫からするとカクカクとした動きをしているように見えているというんです。

テレビは人間が見るものですから、人間の目の感覚に合わせて作られているのは当然のことですよね。

1秒間に30枚の静止画をパラパラ漫画の原理で合わせていくことで、あの画像を作り上げているわけです。

しかし猫にとってはカクカクした動きになっているわけでして。猫が人間のようになめらかにテレビ画面を見ようとすると、1秒間に40枚の画像が必要になるんだとか。

猫によってはテレビに猫パンチをしたりすることもありますよね。あれは、カクカクした動きが猫からすると面白いのでオモチャを捕まえるような感覚でやっているのかもしれません。

猫の目は動くものにしっかりと反応します

基本的に猫の目は、止まっているものよりも動いているものに反応しますよね。

猫の目は動体視力がとても優れているので、1秒間にたった4ミリ動いただけでも関知することができると言われているほどです。

例えば、紙コップの中に大好きなご飯を入れて、シャッフルをします。早い動きで何度もシャッフルしていくと人間の目では識別することは難しくなってしまいますよね。

でも猫の目ならしっかりとそのご飯の行方を捉えていて、正解を当てることができるという話もあります。ご飯に対する猫の能力は無限大でもありますから、その能力やを充分に発揮したんでしょう。

猫はとてもすばしっこいネズミでも捕まえることができるわけですから、どれほど動体視力が発達しているのかということが分かりますね。

他にもある、猫の目にまるわる「へぇ~」な知識

視力とは少し違いますが、猫の目にまつわる多くの人が気になっていることを解説します。

猫によって目の色が違うのは、メラニンの量によって色合いが変化するから

猫といっても、みんな同じ目の色をしているわけではありませんよね。みんな個性豊な色合いがあって、とってもかわいい猫の目。

この猫の目の黒い部分が瞳孔。そして色んな色がある周りの箇所が光彩と言います。色を左右しているのは、猫が保有しているメラニンの量だったんです。

メラニンの量が多いと銅色に近くなり、メラニンの量が少なくなるにつれてグリーンに近づきます。グリーンの目は洋猫に多い目の色だと言えるんですよ。

逆に、銅色の目の色は日本猫に多いといえるでしょう。

生まれたばかりの子猫の場合は、メラニンの量が少ないためブルーになるようです(これはキトンブルーと呼ばれています)。

そこから少しずつ成長していくと、生後半年から1年の間で本来の目の色になるというわけです。一生のうちで目の色が変化していくなんて、猫の目はなんとも面白いですよね。

猫の目は周りの明るさによって形が変わります

猫の目って、真ん丸になっていると思えば線のように細~くなっていることもありますよね。あれはどうしてなんでしょうか。

暗闇の中では猫の目は真ん丸になります。この時は、猫の目が光を最大限に取り込もうとして瞳孔を開いているのです。

反対に、明るい昼間になると細くなっていますよね。これは、猫の網膜を保護する目的で瞳孔を小さくしているからこんなに細い目になるんです。

日差しが強い日ほど猫の目が糸みたいに細~くなっているのはこのせいだったんですね。

猫の視力には驚きの構造や機能がたくさんある

猫の視力自体はあまりありませんが、猫の目にはさまざまな驚くべき機能がたくさんあることが分かりました。

毎日人間と一緒に過ごしていても、見えている景色はちょっと違うようです。

こんな風に見えていたなんて!という驚きもあったことでしょう。改めて猫の視力や機能を知ることで、愛猫がさらに愛しく感じられますね。

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