猫にハーネスは必要。その理由と猫が嫌がらない付け方、選び方

ハーネスとは本来は馬具の一種で、馬をコントロールするものですが、最近では犬や猫にもハーネスをつけて散歩させる姿を見かけるようになりました。

犬は散歩をさせるからハーネスが必要なのはわかるけど、散歩をさせない猫には必要ないのでは?と思われるかもしれません。

しかし、散歩をさせないにしても、猫にハーネスは必要です。ここでは、その理由やハーネスの選び方、使い方について解説していきます。

自由に動けなくなるハーネスは、いかにも猫が嫌いそうなものですよね。でも、嫌がらないためにはちょっとしたコツがあるのです。

こんなときのために猫にハーネスは必要

散歩をさせなくても、病院に連れて行くときや、災害時に避難するときにはハーネスが必要です。

猫は大きな音などにびっくりしたときには、想像もつかないような勢いで走り去ろうとしますから、単に首輪にリードをつけただけでは、首輪が抜けてしまいます。

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ハーネスの2種類、紐タイプとベストタイプの特徴

ハーネスの種類には、紐タイプとベストタイプがあります。

手軽な紐タイプ

携帯しやすく、体を覆う部分が少ないため猫は動きやすいですが、脱げやすいという欠点があります。また、紐が体に食い込むことも。

行ってほしくない場所に行こうとしている場合に、飼い主はリードを引っ張りますが、あまり引っ張りすぎると、脊髄や神経を損傷してしまうこともあります。

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犬はしつけのためにリードをしますが、猫は基本的にはしつけのできない動物なので、リードは向いていません。

しっかりしたベストタイプ

猫の体を布で覆うため、紐による締め付け感がありません。しっかり固定できるため、脱走の危険性が少なくなります。

さまざまなデザインのものが販売されていて、選ぶのも飼い主さんの楽しみのひとつですね。

猫によっては、紐タイプよりも、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。においや肌触りを嫌がる猫もいます。

その場合、ハーネスというものを嫌いになったわけではなく、その商品が嫌というだけの可能性があるので、別の商品に替えたらすんなりいく場合もあります。猫が好む肌触りの生地を選びましょう。

ハーネスの選び方はとても重要

猫になるべくストレスをかけないため、そして脱走させないためには、正しく選ぶことが重要です。

猫の体のサイズに合ったものを選びます。体とハーネスとの間に指が1本入る程度のものが適しています。ある程度サイズ調整できることも必要です。

  • マジックテープなどで装着が素早くできるもの
  • 軽く柔らかい素材で体に負担のかからないもの
  • 猫が噛んでも破れないもの

であることも大切です。

猫が嫌がらないハーネスのつけ方

ハーネスは、買ってきてすぐに使うのではなく、1週間ほど猫のいる部屋にそのまま置いておきましょう。こうして、まずは慣れさせます。

ハーネスをつけさせてくれるようになったら、まず抱っこして安心させます。初めは一瞬で外しても大丈夫です。嫌がる気配を感じたら、すぐに外しましょう。そうして、徐々につける時間を増やしていきます。

ストレスを感じると、病気になったり、飼い主さんに不信感を抱いたりしてしまいます。絶対に無理強いしないことです。

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次のステップとして、ハーネスをつけたままの状態で遊びます。その次は、部屋の中を散歩させます。猫の行きたいところに行かせましょう。

慣れてきたら、行ってほしくないところに行こうとしたときにリードを引いてストップをかけます。それでも言うことをきかないときは、抱き上げて方向転換させてください。

ここまでできたら、いよいよ外に出ます。猫の行動範囲は半径200~500mですので、無理に遠くに行かせないようにしましょう。外に出したとき、突然の物音にびっくりして急に駆け出すことがあるので注意してください。

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少しずつ慣らしていけば大丈夫

うちの「きなお」は、朝のブラッシングの後がハーネスタイムです。ブラッシングが大好きなので、うっとりしているところに、抱っこしたままハーネスをつけます。

ハーネスをつけた猫のきなお写真

普段はやんちゃですが、このときは気分が良いからか、されるがままです。でも、ハーネスがまったく平気なわけではありません。

最初につけたときには、しばらく固まったあと、しっぽを巻き込んで嫌そうな顔をしていじけて、部屋の隅っこを壁伝いによろよろよたよた歩いていました。

ハーネスをつけたら、普段は行かない部屋を探検させたり、階段をのぼらせたりします。毎日そうしているうちに、だんだんスムーズに動けるようになってきました。

猫に散歩をさせるかさせないか

猫がハーネスに慣れたら、犬のように外を散歩させたくなるかもしれません。猫に散歩が必要かどうかは、専門家でも意見が分かれるところです。

外に出たがる好奇心旺盛の猫は、外を歩かせることで気晴らしになるでしょう。しかし、怖がりの猫に無理をしてまで散歩させる必要はありません。

もし、外を散歩させるなら、次のような事前の準備が必要です。

  • 室内でハーネスに慣らしておく
  • 感染予防にワクチンを接種しておく
  • 去勢・避妊手術をしておく
  • ノミ・ダニ対策をしておく

▼猫のワクチンを接種する時の注意点についてはこちらをどうぞ
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お互いのためにストレスにならないハーネスを選ぼう

いずれにしてもハーネスは必要なものですから、猫の心と体に負担のかからないハーネスを慎重に選びましょう。

ハーネスをつけていても平気になるように、徐々に慣らしていってくださいね。

みんなのコメント

  • 匿名 より:

    初めまして。ハーネスを着けると最初はバランスを崩すのですね。安心しました。お盆休み、実家に一緒に帰るため、今のうちに慣れさせようと思って着けてみると、立ち上がっても、上手く歩けず心配していました。

  • りょん より:

    家の子も先日ハーネスを付けたところ、歩けなくなり、ヨタヨタとした動きになって飛び上がったりも出来なくなりました。
    これはまずい?と心配になりその後外してしまったのですが、サイズはちょうど良さそうなのです。
    一日に何分かつづでも着せてならせていった方がいいんでしょうか?
    それともつけたままにして長く慣れさせた方がいいんでしょうか?

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