猫の鼻ちょんはスキンシップ?愛猫の仕草にはこんな意味が!

コロンとお腹を見せたり、ひざにすり寄ってきたり、猫の仕草はなんともかわいらしいですよね。

そのなかでも、猫が自分の鼻をちょんと飼い主にくっつけてくるあの仕草には、どんな意味があるのでしょうか。

猫同士でも行われるこの鼻ちょんの理由についてご説明します。

猫キス!?鼻ちょんをする理由とは

猫は視力があまりよくない分、においでさまざまなことを判断するといわれています。

鼻と鼻をちょんと近づける仕草は、キスをしているのではなく、実はにおいをかいでいるのです。では猫ちゃんはがにおいをかぐことには、どんな意図があるのでしょうか。

猫がにおいをかぐのは不安感をなくすため?

猫は嗅覚が非常にするどい生き物です。その感度は、なんと人間の10万倍ともいわれています。

フードも、色や味覚よりまずはにおいで食べていいものかどうか判断します。

さまざまなことをにおいで認識するため、知らないにおいや不快なにおいは猫にとって強いストレスになることも。

引っ越しなど知らない場所へ猫が連れてこられたとき、猫は1日中家のなかのにおいをかいで回り、そこがどんな場所なのか確認しようとします。

また、家に知らないお客さんが来たときは、持ち物や身体のにおいをかいだり身体をすりつけ、自分のにおいをつけようとします。

猫にとってにおいをかぐことは、情報を集めてすこしでも安心したいという気持ちの表れなのです。

猫同士の鼻ちょんの意味とは

鼻ちょんは私たち人間にしてくれることもありますが、もともとは猫同士で行われるコミュニケーションツールです。

猫の世界では、相手の情報をにおいで察知します。

鼻ちょんは私たち人間でいうと、手を握ってあいさつをする行為と同じです。仲間の猫同士だけでなく、初対面の猫でも鼻をかぎあってあいさつします。

猫にとっては軽いあいさつですが、きらいな相手にはしないので、相手の猫に敵対心がないという気持ちの表れです。

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きらいな猫同士が出会ったときはシャーっと声を出し合い、相手をなるべく近づかせないように威嚇します。弱い方が引き下がればそれでおしまいですが、お互いにひかなかった場合は、噛んだり引っかいたりのけんかに発展します。

敵対心がない猫同士の鼻ちょんは、まず身体を接近しすぎないように頭と首をのばします。そして鼻と鼻を近づけ、鼻や口周りのにおいをかぎあうのです。

鼻や口周りには、猫ごとに固有のにおいが分泌されています。

このにおいをかいで相手の情報を知るとともに、口臭から何を食べたかやお互いの健康状態など確認しあっているのです。

鼻ちょんはオス・メス関係なく行われます。猫同士では頻繁に行われるあいさつなので、その猫たちの親密度を確認することができます。

人間にしてくれる鼻ちょんの意味とは

猫が人間に鼻をちょんとつけてくれると、キスをしてくれたようでうれしくなりますよね。

人間にしてくれる鼻ちょんも、先ほどご紹介した猫同士のあいさつと同じような意味があります。

親しみをもっている人間に「こんにちは」「おはよう」あいさつしているのです。

猫同士のときと同じで、きらいな相手には行わない仕草なので、鼻にちょんとしてくれたら、 飼い猫はあなたのことを信頼し、好きな相手だと思っているのかもしれません。

また、猫は突起物をみるとにおいをかぐという習性をもっています。鼻ではなく指先をかざしても猫がにおいをかぐのは、そのためです。

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飼い猫が鼻と鼻をちょんとつけたあとに、身体をすりつけてくることがあります。これは飼い主に自分のにおいをつけて、安心しているのです。

猫の鼻ちょん、実はマーキング!?

猫のマーキングとは、自分のにおいを人や場所につけることで、自分の縄張りを主張する行為です。

外出から帰ってきた飼い主の鼻にちょんとキスをしてくれるのは、実はマーキングの可能性もあります。自分のものではないにおいに焦って、自分のにおいをつけようとしているのです。

鼻ちょんの場合は、猫の鼻や口周りから分泌されているにおいをつけています。

野良猫など、知らない猫を触って帰ったとき、飼い猫の様子がおかしかったなどということはありませんか?

外出先から帰ってきてちがうにおいをつけてきた飼い主を敏感に感じ取って、自分のにおいを飼い主にすりつけることで「この人は自分のものだよ」と周囲にアピールしているのです。

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うれしい鼻ちょん。でも衛生面は大丈夫?

猫が鼻ちょんしてくれると、自分が信頼されているようでうれしくなりますよね。

しかし、みなさんは猫や犬など動物から人へと感染する人畜共通感染症という症状があることをご存知でしょうか。

人畜共通感染症は別名ズーノーシスともよばれ、世界中で300種類以上あるといわれています。

猫の口のなかにはパスツレラ菌という常在菌が存在しています。猫にとっては無害ですが、 人間の身体のなかに入り感染すると、皮膚や呼吸器に症状の出るパスツレラ症にかかってしまうことも。

猫とキスするだけでなく、噛んだり引っかかれたり、食器を共有することなどによって感染率が高くなります。

もちろん、鼻をちょんとつけたくらいで感染するとは考えにくいですが、猫に触ったあとは必ず手洗いうがいをするように徹底しましょう。

特に猫風邪など、病気中の猫からの鼻ちょんは避けてください。お年寄りや子どもなど、免疫力が弱っている人も要注意です。

▼猫から感染する病気について知っておきましょう
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鼻ちょんで猫の体調を知ろう

猫の鼻の具合は、実は体調に直結しています。

通常の猫の鼻は、しっとり濡れている状態が健康の印です。

この濡れている鼻は、鼻腔内部からの分泌液が染み出たものです。鼻が濡れることでより多くのにおいの元をキャッチすることができます。

睡眠中は鼻の分泌液をつくる活動も低下するので、眠っているときや寝起きのときに鼻が乾いていても問題ありません。

それ以外のときに乾いていたら、体調が悪かったり猫風邪に感染している可能性も。

鼻ちょんをしたとき鼻が乾いているように感じたら、身体を温めてあげるなど、様子を見て快適な環境をつくってあげましょう。

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鼻ちょんは大切なスキンシップ

猫が人間の鼻にちょんとつけてくれる鼻ちょんは、親愛の証です。

いきなり顔を近づけるとびっくりしてしまうので、まずは指先から試してみましょう。猫は香水など人工的なにおいが苦手なので、できるだけつけないであげてください。

猫にとってにおいはとても大切なものです。知らないにおいはストレスの原因になることも。

いつものベッドやクッションなど、いつでも自分のにおいがするお気に入りの物をつくり、安心して暮らせる環境をつくってあげましょう。

猫の鼻ちょんは相手を知るためのスキンシップです。

かわいい仕草で癒してくれる猫ちゃんの体調を察知することもできる鼻ちょんで、コミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

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