猫が箱に入るのは本能。思わず入っちゃう理由と猫が喜ぶ箱の特徴

猫って、箱を見つけるととにかく入ろうとしますよね。というより、飼い主が気づいた時にはすでに入ってくつろいでいる……という感じでしょうか。

このなんとも可愛らしい「猫が箱に入る行為」ですが、どうして猫はこのような行動をするのでしょうか。そこには猫の生態、本能からくる理由があったのです。

今回はなぜ猫は箱に入るのか?と、用意しておくと猫が喜ぶ箱の特徴をご紹介します。

箱があるととにかく入りたいの。たとえ身体が全部入らなくても

きちんとした大きさがある箱ならばまだ分かる気もするけど、「それはちょっと無理じゃない?」というレベルの箱でも猫は果敢に挑んでいくんですよね。

箱に入った猫の写真

身体がだいぶ箱からはみ出していても、〈そんなの気にしないの~〉といった具合で幸せそうにうっとりとしているのが、なんとも愛らしいです。

どうして猫は箱に入ってしまうのか

どうして、猫は箱を見つけるとすぐに中に入ってしまうんでしょうか。

とってもかわいらしいあの行動の中にも、実は色んな説が存在しているんです。それは猫の本能や習性に大きく関係している、とても興味深いものでした。

箱の中が猫のパーソナルスペースになるから

猫は基本的に群れなどではなく、単独で行動することを望む動物です。だからたまには喧騒からちょっと離れて、1匹になりたい時だってありますよね。

誰にも邪魔されることなく、自分だけのお気に入りの静かな箱の中で休みたいんですよ。

箱の中が暖かくて快適だから

猫は、人間が快適だと感じる温度より少しだけ高めの温度を快適だと感じます。そういえば暑い日などでも、日差しがポカポカと当たって温度の高い場所で寝ていたりしますよね。

人間の場合、夏場なら25度から28度、冬場なら18度から22度の間を快適だと感じます。

これに対して猫は、27度から30度くらいまでが快適と感じます。人間にとっては〈少し暑いかな?〉と感じるくらいの温度が猫だと過ごしやすいんですね。

室温が猫にとってちょっと肌寒い時などは、やはり箱の中に入ることで、暖かくてヌクヌクの空間を保つことができますからね。

箱の中で丸まる猫の写真
段ボールの箱は、猫にとってのコタツといったところでしょうか。

とりあえず自分で箱を確認しておきたい

猫は、知らないものや新しいものを確認したくなる習性を持っています。

私は普段からよくネットを利用して買い物をしているのですが、荷物は大抵が段ボールの箱で届くんですよね。

だからしばらくリビングには箱が置いておかれる状態になるわけで、開封した後だとまず猫は段ボールの中に入っています。

やっぱり「外から運ばれてきたもの」ということで、猫自身の目できちんと確認しておきたい心理が働くんでしょう。

段ボールを崩した後だとご機嫌でバリバリ爪とぎをしていたりもしますし、とにかく猫は段ボールと相性がいいんだなぁ~と感じますね。

狩り生活をしていた頃の本能からくるもの

猫が箱の中に入るのは、その昔野生の中で狩りをしていた頃の名残です。

猫は自分が物陰などに隠れることで獲物を待ち伏せたり、捕まえたりしていました。

猫はネズミやイタチなどの小さな獲物を捕まえていたわけですが、箱の中にこれらの獲物がいるような気がしてつい入ってしまう……という説もあります。

▼猫が狭い隙間に吸い寄せられてしまうのも、同じ原理かもしれません
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猫の先祖であるリビアヤマネコの名残かもしれない

猫の先祖であるリビアヤマネコは、中東の砂漠で暮らしていました。

その時に砂漠で発見した、岩場の間にある狭いスペースを隠れ場にしていたと言われています。

しかしリビアヤマネコは熱帯雨林にも生息していて、砂漠だけでなかったので……これはあくまで「説」でとどめておくといいかもしれませんね。

箱の中に入ることで外敵から隠れて身を守るため

狩りをしている時には、自分も他の動物から見つからないように隠れなくてはならなかったわけですよね。

だから、隠れるのにちょうどいい箱を見つけるとすぐに中に入る習性があるんです。

2014年にオランダでは、箱を使った猫の実験が行われました。箱を与えられたグループと、与えないグループに猫を分けたんです。

箱を与えられた猫たちが新しい環境に3日で慣れたことに対して、与えられなかった猫たちはなんと2週間もの期間を要することになるという実験結果が出ました。

箱があるかないかでここまでの違いがでるなんて驚きですよね。それだけ〈箱の中の隠れられる空間〉というのが猫にとってとても大切なものであることが分かります。

ちょっとキツイくらいのスペースが猫にはたまらない

猫は〈身体の一部がどこかに触れていることで安心できる〉習性があります。

だから、できればギュウギュウのスペースで身体のどこかが箱に当たっているくらいのほうが、猫としては安心できるわけなんですね。

猫同士も寒いときにはくっつき合って寝ていたりしますから(うちの愛猫の先生とニセ蔵は常に冷戦状態なので、残念ながらくっついたりはしませんが)その延長かもしれません。

うちのニセ蔵も、ソファーで寝ているときはこんな感じで頭をくっつけていますね。
頭をくっつけてくる猫写真

他にも飼い主の身体に身体のどこかがくっついていたら安心できるだなんて……かわいすぎてキューンとしちゃいますよね。

▼飼い主さんの肩に乗ってくる猫もそんな心理なのかもしれませんね
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小さい箱でも猫なら大丈夫な理由がある

猫の身体よりも小さい箱に入っていると、「そんなに無理矢理入っちゃって大丈夫なの?」と少し心配になるかもしれませんが、そこは大丈夫ですよ。

猫ってお風呂でシャンプーした時には、身体がすっごく細くなりますよね。

毛が乾いている時には、モフモフとしていて大きめに見えるけれど、実際には意外とスリムなんです。

▼猫がモフモフであるのには理由があります
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さらに猫の身体はとても柔らかいです。だから狭いスペースに無理矢理に入っても、そんなに窮屈ではないんですね。

猫の関節も柔らかいので、自分の好きなように箱に入れるというわけです。そして、猫にとってはその窮屈さがなんともたまらないんですね。

猫のお気に入りの箱を常に用意してあげると喜ぶ

その理由は何であれ、猫は箱がとにかく大好きだということは分かりましたよね。

それぞれの猫によって〈この箱が好き!〉〈この具合がたまらない!〉というポイントがあることでしょう。

猫のお気に入りの箱や段ボールを、家の中に置いておいてあげると喜んでくれるでしょう。

猫は静かで落ち着ける空間を好むので、猫が箱に入っている時にはそこから出したりしないようにしてください(私の家のように、小さい子どもがいる場合は特に注意が必要です)。

▼玄関のチャイム音が苦手な猫も多いですからね
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箱に入った猫写真

猫がストレスを溜めていたり、リラックスしたい時に入るオアシスの箱になってくれることでしょう。

猫が大好きな箱に入ってもらって、その可愛さに癒されることにしよう

猫がどうして箱に入ってしまうのか、色んな説を挙げて考えてみました。

猫からしてみると箱に入るのは本能から来る行動なので、きっと何も考えずにさりげなく入ってしまう……というところなんでしょうね。

箱を愛してやまないかわいい猫のために、猫がくつろげるスペース(箱)を用意して、いつでも入れるようにしてあげてください。

そして飼い主もそのかわいすぎる箱入り猫の姿を見て、日々癒してもらうことにしましょう。

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