「えっ、閉めたはずなのに、なんでドアが開いてるの!?」
猫を飼っていると、突然猫のいる部屋のドアが開けられて猫が部屋から脱走してしまうことがあります。家族に心当たりがない場合、犯人はだいたい猫自身です。
ドアを開けた先に目的のものがあるとわかると、猫はドアが開くまで果敢にチャレンジします。もしも猫にドアを開けてほしくないと考えるなら、飼い主さんは断固としてドアが開かないように対策しなければなりません。
ドアの先の世界を知ると、猫はドアを開けるようになる
初めて猫がドアを開けるところを目撃してしまった飼い主さんは、きっとその器用さに驚くのではないでしょうか。
「これはもしかしてテレビに出られるのではないか」と考えたくなりますが、残念ながら猫がドアを開けてしまうのは珍しいことではありません。
もちろん全部の猫が必ずしも開けるわけではありませんが、「うちの子は多分開けないだろう」と思っているとある日突然猫はドアを開けます。
ドアの開け方は、
- 人間がドアを開けるのを見た
- ドアノブで遊んでいたら偶然ドアが開いた
- ドアを開ける他の猫の真似をした
ことによって覚えることが多いです。
ドアを開ければ必然的にドアの先に行けるので、普段立ち入ることのできない場所を探検することに味を占めると猫は積極的にドアを開けるようになります。
また、ドアの先にフードやおもちゃなど猫が喜ぶものが置いてあることを知っている場合もやはり開けるようになります。
猫vs飼い主。ドアを開けてしまう猫への対策
ドアへの対策は猫と飼い主の知能戦です。「これなら大丈夫だろう」と思ってもあっさりと開けられることがあり、全く油断できません。
また、猫が嫌う音や匂いなどでドアから遠ざける方法は、多くの場合ドアを開けたい好奇心の方が上回るので長期的な効果がありません。
ドアを開けられないようにするためには物理的な方法で、猫だけでなく人間が力を入れても絶対に開かないようにすることが重要です。具体的には以下のような方法が効果的です。
紐で結ぶ
シンプルながらもかなり効果があるのが、紐を使った方法です。
ドアの近くの壁にフックを設置し、ドアノブに結んだ紐をフックに引っかけます。飼い主さんはドアを開ける時はフックにひっかけた紐をひょいと外し、ドアを閉めて部屋を出る時にまたフックに紐をひっかけるといった具合です。
ただし、高いところに設置しておかないと猫が紐を引っ張って食いちぎることもあるので要注意。
またフックは小さいものだと負荷がかかりすぎ、猫の力に負けることがあるので大きく頑丈なものを用意しましょう。金属製のカーテン止め用フックがおすすめです。
画鋲で止めるようなものは猫が怪我したり誤飲する可能性があるのでやめた方がよいでしょう。
また滅多に開けないドアに使う場合は、わざわざフックを使わずとも、他の柱など頑丈な場所とドアノブを直接紐で結びつけるという方法もあります。毎回紐をほどかなければなりませんが、ほぼ100%ドアを開けられなくなるのでおすすめです。
ロックをつける
紐での対策の強化版として、ロックを購入しドアに取り付けてしまう方法もあります。ドアにネジで固定するかんぬきタイプの製品が簡単で効果も高くおすすめです。
より本格的な対策としては、鍵をかけられるドアノブに取り替えるという方法もあります。
マジックテープで止める
ドアと近くの壁をマジックテープで止めてしまうのも効果的です。1ヶ所では力業でこじ開けられる可能性があるため、猫がいたずらしにくいドアの上半分を中心に3ヶ所以上をマジックテープで固定します。
ただし頻繁に開閉するドアに設置する場合、
- マジックテープをいちいち剥がして止めるのが面倒
- 何回も剥がしたり止めたりを繰り返すことで粘着力が弱くなっていく
のが欠点。
マジックテープを使った固定はたまに猫にお留守番してもらう時、普段は開けているドアを閉めたいというような一時的な対策に便利です。あるいは押し入れなど頻繁に開けない扉に使うのもおすすめです。
ドアの前に物を置いて封鎖する
邪魔ではありますが、猫が通れないように、ドアの前にダンボールやコンテナを積み上げて封鎖するという手もあります。
積み上げるものはできるだけ重く、かつ万が一の怪我防止のために猫が暴れても絶対に崩れないように安定感のあるものにしましょう。
体重の4倍の重量があっても突破されるので気をつけましょう……。ちなみに4つ(48kg)にしたらさすがに突破されなくなりました。猫は意外と力持ちのようです。
突っ張り棒を置く
引き戸の場合は猫が扉のふちに爪をひっかけて開けることが多いので、引き戸の上から下に突っ張り棒を設置して猫が爪をひっかけられないようにするのも効果があります。
開き戸の場合は扉の向きによって使えない場合がありますが、扉と近くの壁などをつっぱることで猫が力を入れてもドアを押せなくなります。
ドアを二重にする
かなり本格的になりますが、廊下など狭い通路であればもうひとつドアを設置して二重ドアとしてしまうのもおすすめです。
市販の二重ドアを購入して設置する他、飼い主さんの中には日曜大工の腕に覚えがあり、ホームセンターで材料を揃えて手作りしたという人も……。
また、工事なしでもっと簡単に設置できるのは突っ張り式のパーティションです。人間が行き来できるようドアがついた、猫の脱走防止用のパーティションが販売されています。
市販の製品を購入するにしろ、手作りするにしろお値段は張りますが、玄関など「絶対に脱出してほしくない」場所への文字通り最後の砦として二重ドアは非常に効果的です。
地震対策グッズを使う
市販されている地震対策グッズの中には、「地震の際に食器棚などの扉が勝手に開かないように固定する」という製品があります。これを流用するのも有効です。
地震対策グッズなので大きな負荷にも耐えられ、ドアの開閉も簡単ですし長持ちします。
食器棚など両開きの扉向けの製品から、洋室のドアなど片開きの扉向けの製品までいろいろな種類がありますのでホームセンターを覗いてみるとよいでしょう。
乳幼児のいたずら防止グッズを使う
地震対策グッズと似ていますが、乳幼児がいる家庭向けのいたずら防止グッズも優秀です。小さい子供がいたずらしないよう、扉が開かないように固定するグッズを中心に簡易式から本格的なものまで様々な製品が出ています。
もとから人間の子供だけでなく、ペットのいたずら防止としても使えるように設計されている製品もありますので要チェックです。
入ってほしくない場所には最初から猫を入れないようにしよう
実は、猫は家の中で一度入って匂い付けした場所は自分の縄張りと認識する習性があります。自分の縄張りと認めた以上、猫は毎日縄張り全体をパトロールして、他の猫に荒らされたりなど異常がないかどうか確認しないと気が済みません。
これは本能なので、飼い主さんのしつけではどうにもならないことです。飼い主さんがどんなに対策しても猫がドアを開けて外に出る、あるいは中に入ろうとするのはこうした縄張り意識も理由にあります。
既に部屋に入ってしまって手遅れの場合は、ドアだけでなくドアを開けた先にある「入ってほしくない部屋」にも猫が入れないよう対策し、かわいそうではありますが、猫の縄張り意識が薄れるまで決して猫を入れないようにしましょう。
外へ脱出したがる猫には迷子防止の首輪もつけよう
猫がドアを開ける時、当然ながら「今いる部屋から脱出するためにドアを開ける」場合と、「他の部屋に侵入するためにドアを開ける」場合のどちらかとなります。
他の部屋に入り込むのも問題ですが、もっと問題なのは脱出のためにドアを開け、そのまま家からも脱出して迷子になってしまうことです。特に猫には飼い主さんが帰って来た時ドアの前で「お迎え」してくれる子も多いです。
猫が部屋にいると思って玄関のドアを開けた瞬間猫が飛び出して行方不明、なんてことにならないよう、脱出癖のある子には念のため首輪と迷子札をつけておきましょう。
猫がドアを開けないよう、根気強く対策し続けよう
猫が開けないようにドアへと施す対策は、多くの場合飼い主さんがドアを開ける手間も増やしてしまいます。しかし、もし猫がドアを開けなくなったとしてもドアへの対策は必要です。
というのも、猫は学習能力が高いので、対策が成功して一時的にドアを開けるのを諦めたとしても、飼い主さんが油断した隙に新しいドアの開け方を開発したり、今の対策を突破したりする可能性があるからです。
ドアに施した対策は日々点検し、猫がドアを開けなくなった後もできるだけ維持し続けましょう。
みんなのコメント
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毎日 夜中 3匹の猫に起こされます😅
お腹が空くんでしょうねー…とは言え この生活が数十年続くと 身がもたない(笑)
ドア対策…ベストな方法知りたいです🤣 -
私の家の猫も、ドアも開けるし、夜中も餌を欲しがり、食べすぎてまるまるして、ぶくぶくです(笑)
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9ヶ月のにゃんこを飼っていますが、最近開けてしまうようになりました。
ドアストッパーは意味なしだったので、突っ張り棒を試してみたいと思います!