猫のカーペットの選び方。安全で汚れにくい素材と、逆にNGな素材

猫は寝心地のいい場所には非常にめざといもの。カーペットを敷くとあっという間に乗ってきて、ころんと転がる猫の姿はかわいいですよね。猫はカーペットが大好きです。

その半面、猫のいる部屋でカーペットを使っていると、何かと汚れたりボロボロになったりするのもつきものですよね。もう少しお手入れしやすいカーペットはないのかとお悩みの飼い主さんも多いことでしょう。

はたして、猫がいる部屋でも使いやすいカーペットとは、いったいどのようなものなのでしょうか。猫も飼い主さんも嬉しい、汚れにくく安全で使いやすいカーペットの選び方をご紹介します。

選び方で差が歴然!猫のいる部屋でも使いやすいカーペットの条件

普通、カーペットを購入する際は見た目やお値段などで直感的に決めてしまうことも多いかと思います。しかし、猫を飼っている場合は単純に飼い主さんの好みで決めてしまうと、後悔することがしばしばです。

カーペットを購入する前にまず以下のようなことをチェックしましょう。

洗える

なんといっても猫を飼っていると、嘔吐や粗相などカーペットが様々なことで汚れやすくなりますよね。そのため、汚れた時に洗濯機でじゃぶじゃぶ洗えるカーペットを選ぶということはとても重要です。

多少安めのカーペットを何枚か用意して、頻繁に洗い替えると衛生的な環境を保てるのでおすすめです。

逆に洗えないカーペットを利用すると、猫が吐いたり粗相したりした時のにおいがとれません。においがついたままだと猫は再びそこで粗相を繰り返すことも多いので、あっという間にカーペットがダメになってしまいます。

猫がいると、「新品のカーペットを敷いたその日のうちに吐いて汚された」ということもしばしばです。洗えないとなるとどうしても汚れが目立ちますから、洗えるカーペットを購入して長く使う方がよいでしょう。

汚れにくい、汚れを落としやすい

そもそも汚れにくい素材、あるいは汚れを落としやすい素材を選ぶということも重要です。

例えば、表面がはっ水加工されているカーペットを選べば、さっとひと拭きで汚れを落とすことができるのでおすすめです。フローリングタイプのカーペットを選ぶのもよいでしょう。

また、抗菌・消臭加工が施されているものも衛生的で便利です。

毛がつきにくい素材や色

猫のいる部屋にカーペットを敷く以上、カーペットが抜け毛だらけになることは覚悟しなければいけません。

猫がどれだけゴロゴロしても平気なように、毛がつきにくいさらさらした素材のカーペットを選びましょう。ポリエステルが入っていると毛がつきにくくおすすめです。

また、抜け毛がついても目立ちにくい、愛猫の被毛に近い色のカーペットを選ぶ方がよいでしょう。例えば、色の濃いカーペットに白い猫の毛がつくと驚くほど目立ちます。しかも、掃除してもなかなか完全に取れません。

猫が一度転がっただけでもあっという間に抜け毛だらけになりますから、見栄えを気にする人は十分に注意しましょう。

爪とぎされにくい素材、ひっかかりにくい素材

タオル地などカーペットの素材によっては、猫が走り回った時、うっかり爪が引っかかってしまうことがあります。

特に猫じゃらしを追いかけてハッスルしている時など、猫は興奮して周りが見えなくなっています。また非常にスピードが出ていますから、爪を引っかけたまま自分の勢いで引っ張られ怪我をしてしまうこともあります。

遊び盛りの若い猫を飼っている飼い主さんは、できるだけ猫の爪が引っ掛かりにくい素材のカーペットを選んであげましょう。

  • 目の細かいカーペット
  • 毛足の短いカーペット

を選ぶのがおすすめです。また、カーペットで爪とぎをする癖のある猫を飼っている場合も要注意です。

特にざらざらとした凹凸のあるカーペットは、爪とぎ癖のある猫にとってたまらない素材です。爪とぎが激しいと当然カーペットがボロボロになりますし、やはり爪が引っ掛かって事故の元になります。

カーペットの中にはペット用として爪が引っ掛かりにくいことを売りにしている商品もあるので、そういったものを選ぶとよいでしょう。

滑りにくい

滑りにくい素材であるということも、カーペット選ぶ上でとても重要です。猫は家の中を猛ダッシュで駆け回りますが、勢い余って床を滑ってしまうこともしばしばです。

スライディングして獲物を取っていく様は見ごたえがありますが、猫の足腰には実は良くありません。あまり何度も滑っているようだとぶつけてしまう恐れもありますし、年をとった時に足腰を痛めやすくなります。

カーペットには滑り止めの効果も期待したいところですので、カーペットの素材は滑りにくいものを使用する方がよいでしょう。

また、表だけでなく裏に滑り止めがついているものも、猫がはしゃいでもカーペットがずれずに済むのでおすすめです。

猫の飼い主さん必見。タイル式のカーペットが便利!

猫を飼っている場合、特におすすめなのは取り外せるタイル式のカーペットです。ホームセンターはもちろん、100円ショップなどでも扱われるようになりました。

ジョイント式になっていて、敷きたいスペースに合わせて複数枚購入し、好きな形に敷き詰めて使うことができます。

なんといっても取り外せるので、汚れた時も、爪でボロボロになった時も、そこだけ取り外して新しいものに取り換えるだけでよく非常に経済的です。

さらに、洗えるタイプのタイル式カーペットもあるので、清潔を保てるのもポイント。またパネルの色を複数枚組み合わせて使えば、模様替えも簡単に楽しめます。

既にカーペットを敷いていて、

  • 特定の場所にだけ粗相するので、その部分だけ取り替えたい
  • 特定の場所からジャンプ、昇り降りを繰り返してそこだけカーペットが痛む

という悩みがある飼い主さんには特におすすめです。

ただし、タイル式が向かない場合もあります。タイル式が便利なのは、あくまで「汚れた部分だけを取り替えられる」からです。

そのため、例えば多頭飼いしていて激しい追いかけっこを繰り広げ、まんべんなくカーペットが痛むような場合は、タイル式のメリットがありません。

タイル式は一部を取り替えながら長期間使うものなので、全体を一度に取り替えるとかえって高くつきます。

またジョイント式であることから、タイルカーペット同士をつなぐジョイント部分が破損しやすくなります。一部が欠けてしまうこともあるので、なんでも口に入れてしまうような誤飲癖のある猫には向きません。

失敗した!猫を飼っている家に向かないカーペットの素材

実際の経験から、反対に「この素材だけはやめた方がいい」というカーペットの素材をご紹介します。

コルク

我が家ではコルク素材でできたタイルカーペットを一時期利用していました。しかし、コルク素材は失敗でした。

コルク素材のカーペットは、そもそもの最初から表面に細かいくずが目立ちます。また、使っているうちに劣化して、コルクがだんだんとほぐれてきてしまい、細かなごみが散乱しやすいのも欠点です。

破片を猫が食べてしまう危険性を考えると、コルクカーペットは使用し続けることができませんでした。

フローリング調(色が濃いもの)

ビニールコーティングしてあるフローリング調のカーペットも失敗でした。猫が走り回っていると、猫の後ろ脚のキックによりフローリングの一部が次第に剥げてきてしまいます。

特に色の濃いカーペットを使用していた場合、色が塗ってあるのはあくまで表面だけなので、爪でえぐれた部分から白い中身が飛び出てきて目立ってしまい、しかも毛羽立つので非常にみすぼらしく見えます。

本当に木製であればよかったのですが、残念ながらプラスチック製であったために失敗した買い物でした。

ただし、それ以外の手入れは非常にしやすかったので、あまり走り回ることのなくなった高齢の猫を飼っている場合はおすすめです。

い草

い草で出来ている畳のカーペットもおすすめできません。一見夏は涼しそうですが、嘔吐や粗相で汚れてしまった場合、掃除が非常に大変です。

特に長毛種の猫を飼っている場合は毛玉を吐くことも多いので全くおすすめできません。細かな目の隙間に汚れが入り込み、拭いただけでは落ちないのです。

毛足の長いカーペット

毛足の長いふかふかのカーペットは豪華に見えて憧れですよね。でも、毛足が長いと掃除が恐ろしく大変です。毛の根元まで汚れが入り込んでしまい、掃除機で吸ってもなかなかごみが取れません。

また、毛足に猫の毛が絡みつき取れません。コロコロを転がしても、あるいは洗濯しても完全に抜け毛が取れることはありません。猫の抜け毛が目立つ色だと一層悲惨です。

さらに、毛足の長いカーペットは、実はダニやノミの温床になります。寒い冬場の時期、外で生きていくことができないダニやノミは暖かい室内に入り込んで越冬します。

ダニやノミが好んで生息するのが、毛足が長いカーペットの中なのです。毛足の長いカーペットは保温性に優れており、また掃除されにくいために非常に繁殖しやすい環境となります。

室内飼いなのに愛猫が寄生虫に感染してしまったということにならないよう、毛足の長いカーペットはできるだけ避けるのがおすすめです。

ひと手間プラスでより便利に!カーペットを使いやすくするポイント

カーペットを敷く時は、以下のようにちょっとした工夫をしておくと猫も飼い主さんも快適に過ごすことができます。

中にもぐれない工夫をする

カーペットを敷いているとすかさず猫がカーペットをめくってもぐり込もうとする、というご家庭も多いのではないでしょうか。

「どうぞもぐってください」という飼い主さんも多いかと思いますが、反対にできるだけもぐってほしくないという飼い主さんもいるはずです。

特にカーペットの中に猫がもぐり込んでいると、人間がつまずいて事故の元になったり、上に乗っていた物をひっくり返してしまったりもしますから、もぐれなくする工夫がしたいこともありますよね。

もしもカーペットに猫がもぐって困るという場合は、両面テープがおすすめです。

  • 貼って剥がせるタイプ
  • 剥がしてものりが残らないタイプ

の両面テープを使えば、床を痛めることなくカーペットを固定できます。

ダニ取りシートを仕込む

愛猫をかゆがらせる嫌なダニ。カーペットはダニの繁殖しやすいところなので、あらかじめカーペットの裏にダニ取りシートを仕込んでおくのがおすすめです。

シートにダニが吸引されるので、猫が快適に過ごすことができます。ペット用のものを使えば安心です。

全面に敷き詰めない

カーペットを敷くとカーペットの上は暖かく猫も居心地がいいものです。しかし、だからといって全面にカーペットを敷き詰めてしまうと、猫が暑いと思った時逃げるところがありません。

特に猫は暖かいところが好きなわりに、暑さに強い生き物なので、暖かくしてあげてもわざと冷たいところに行ってしまうこともしばしばです。

涼みたい時のために、一部フローリングなど冷たいところを残しておいてあげるのがおすすめです。

猫がジャンプするところに積極的にカーペットを敷く

猫は上下運動が得意な生き物なので、家の中でタンスの上やキャットタワーなど積極的に登っていきますよね。

しかし、問題なのは実は降りる時。猫は肉球を持っていますが、それだけでは吸収しきれない衝撃が足腰に伝わると負担になる可能性があります。

特に室内飼いによって長生きになった猫は、体の機能が衰えたシニアの時代が非常に長くなります。

若い時と同じようなつもりで降りて打撲してしまうようなこともあるので、日頃から猫が昇り降りするところにはカーペットを敷いておいてあげましょう。

使いやすさが全然違う!お手入れしやすいカーペットを選ぼう

たかがカーペット、されどカーペット。何気なく敷いているものですが、少し素材に気を使って選ぶだけで、驚くほど使い勝手や掃除のしやすさが変わってきます。

猫に安全な素材、人間にとって掃除のしやすい素材であることをポイントにカーペットの生地を選びましょう。掃除の際は掃除機である程度ごみを吸ってから、カーペット専用のコロコロを使うのもコツです。

また、猫を飼っている以上はあまり汚されては困るような、高級なカーペットは避けた方がよいでしょう。安いカーペットをワンシーズンで買い替えるか、洗濯できる素材のカーペットを丁寧に使って長持ちさせるのがおすすめです。

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