愛猫の防災は事前準備ですべてが決まる!大切な家族を守るために

想像できない地震や火事、水害などの自然災害に対して、みなさんは防災計画を立てていますか?

いざ災害が起きてしまったとき、細かい防災のシミュレーションができていなければ、パニックとなった町のなかで途方に暮れてしまいます。

ペットを飼っている私たちにとって、防災は人間だけが準備しなければならないものではありません。

阪神淡路大震災では、兵庫県だけでも約4,300頭の犬と約5,000匹の猫が被災しました。

今やペットの防災は飼い主さんにとって当たり前の備えです。家族の一員である猫ちゃんを守るために、私たちはどのような準備をすればよいのでしょうか。

災害が発生!まずは自分の安全を確保して

災害はいつ起こるかわかりません。いざ起こったとき、突然の出来事にパニックになってしまうと思いますが、まずは冷静に自身の安全を確保しましょう。

地震が起こったときは、ガラスや倒れそうな家具から離れ、テーブルや机の下に身を隠してクッションや雑誌で頭を守ってください。

ガラスが飛び散っていたり、家具が倒れていることもあるので移動には注意が必要です。

何よりも自分と家族の安全が第一です。飼い主さんが無事でいることが、結果として愛猫を守ることにもつながります。

突然の災害に猫ちゃんもパニックになっています。興奮して暴れたり、おびえて部屋の隅から出てこないこともあるので、噛まれたり引っかかれないように注意して近づきましょう。

ひどいパニック状態のときは、まずは興奮をしずめることが大切です。普段通りの言葉をかけるなど、落ち着かせてからケージやキャリーバックに入れましょう。

怪我に気をつけながら猫ちゃんを確保し、もしも避難勧告が発令されているときは防災グッズを持って避難先へ向かいましょう。

また、災害が起こったとき家を留守にしている可能性もあります。これはやむを得ないことですが、もし家に戻れるようなら急いで戻り、愛猫の無事を確認して一緒に避難しましょう。

留守中に家の様子を見ることができるカメラも発売されています。

震災で壊れなければ、大変便利なツールなので、留守しがちな飼い主さんは防災グッズとして購入しても良いかもしれません。

災害時、基本的にはペットとの同行避難が推進されている

環境省は、災害時にペットとの同行避難を必要なこととしてガイドラインに定めています。

災害が起こったとき飼い主がペットを家に置いて避難し、離れ離れになってしまうと、見つけるまでの時間や労力がかかり、その後保護することもむずかしいといわれています。

なかなか見つけられないうちに怪我をしてしまったり、栄養失調で弱って死んでしまうことも。

そういったペットの悲惨な状況を避けるためにも、災害のときは同行避難が推進されているのです。

また、去勢・避妊をしていない猫ちゃんが家に置いて行かれ、外へ逃げ出してしまうことで、どんどんと繁殖し、数が増えていきます。

出産やフンで災害後の町が衛生的に問題を抱えるだけではありません。

猫ちゃんなら問題ないかもしれませんが、大型犬や人に危害を加える恐れのある動物が放浪すると、弱っている被災者へのさらなる被害が出かねないのです。

こういった理由から同行避難が推進されているのですが、ただ一緒に避難するだけでなく、ほかの避難者へ迷惑にならないための配慮が必要となります。

当たり前のことですが、避難者の方たちみんなが動物好きとは限りません。なかには動物が苦手な人やアレルギーを持っている人もいます。

東日本大震災で、避難所の方たちにアンケート調査したところ、ペットによる子どもへの危害を心配する声やノミの発生があったなど、避難所でのペットトラブルの実態が明らかになりました。

猫ちゃんを連れていることがほかの被災者の方たちのストレスにならないよう、事前の準備と避難所での配慮が必要です。

キャリーバックやケージなど、狭いところへ長い日数閉じ込められている猫ちゃんがかわいそうな気持もわかりますが、避難所内で野放しにすることは絶対にやめてください。

たしかに、環境省は同行避難を推薦していますが、ペットを避難所に連れてくるという行為が当然であるという態度をとらないよう注意しましょう。

動物の排泄は決められたところで行い、速やかに処理するなど、できる限り衛生に注意してください。

猫ちゃんには一匹ずつ個体差があり、必要な物もかわるので、その子にあわせた防災グッズを用意しておきましょう。災害が起こる前から、用具の準備は必要不可欠です。

災害時に家を留守にしていたり、やむを得ず猫ちゃんと一緒に避難できなかったときは、 自治体の動物担当の部署や警察などに相談してください。

できることからやってみる!日ごろの防災意識を高めよう

災害は地震だけではありません。津波や台風、ゲリラ豪雨など、私たちはいつでも自然による災害と隣り合わせなのです。

いざというときがいつくるかわからないので、日ごろから防災意識を高めることが重要になります。

まずは自分の住んでいる市や町のホームページや広報誌をチェックして、防災に関する情報を集めましょう。

環境省のホームページにある『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』も大変参考になります。常日頃から防災対策について意識するよう心がけてください。

災害時に猫ちゃんが怪我してしまったときのことも考えて、避難所の近くの動物病院を把握しておきましょう。

被害状況によっては営業できない状態になっているかもしれませんが、薬やペットについての知識も豊富な動物病院は、いざというときも頼りになる存在です。

避難所の場所や避難ルートについても調べておくことで、災害が起こったときスムーズに移動ができます。

一度、避難所まで実際に歩いてみましょう。所要時間についても確認してください。

避難所にペットを連れて行くときの注意事項は地域によってちがうこともあるので、事前に自治体に確認しておきましょう。

また、住まいの防災対策も必要不可欠です。家具の固定や割れやすいものを確認するなど、人間の防災が猫ちゃんの防災につながります。

普段猫ちゃんが寝ている場所に家具やガラスが落ちてこないか確認してください。

災害時には飼い主さんだけでなく、猫ちゃんもパニックになると考えられます。

理想は災害が起こり安全を確認できたら、すぐキャリーバッグやケージにいれて避難所まで運びたいのですが、暴れて入ってくれないことも。

猫は見慣れていない物に対して拒絶してしまいがちです。

普段からキャリーバッグに慣らしておくことでスムーズに運べるだけでなく、知らない人がたくさんいるはじめての場所である避難所でも、キャリーバッグのなかを安心できる場所にすることでストレスを減らすことができます。

普段から、災害時に持ち出す予定のキャリーバッグやケージをリビングなどにおいておくことで存在に慣らせたり、そのなかでリラックスしているときに褒めるなど、良い印象を与えることが大切です。

そのままキャリーバックやケージのなかが猫ちゃんの居住スペースになったり、寝てしまうようならベストです。

また、飼い主さんは普段から近隣の人たちと良好な関係を築くことで、ペット一緒に避難したときもスムーズにコミュニケーションをとることができます。

同じ猫を飼っている近所の人がもしいれば、一度ペットを連れた同行避難について話してみましょう。非常時に協力し、情報交換しあえる仲間が必要です。

もし避難先が動物を受け入れていない場合、非常時に猫ちゃんを預かってくれる実家や親戚、友人を探しておきましょう。

全員近くに住んでいて誰にも預けられないという飼い主さんは、一時的に預けることができるペットホテルもあるので、探してみてください。

災害時は動物病院やシェルターで一時的に愛猫を預かってもらえる可能性もあります。動物病院であれば猫に必要な環境や医療器具も整っているので、飼い主側としても安心ですね。

近くの動物病院を何ヶ所かピックアップして場所を把握しておき、災害時は避難所へ向かう前に問い合せてみるといいかもしれません。

2016年4月16日の熊本地震では「熊本地震ペット救援センター」や「熊本地震ペット救護本部」が設置され、ペットの医療支援や一時的に預かってくれる施設が運営されました。

こういった施設やボランティアの方に頼れることもありますが、ラッキーなケースよりも「悪いケースのもしも」を想定して防災の準備をすすめましょう。
 

災害が起こる前に。猫ちゃんとできる防災の準備

私たちは常に

  • 大雨
  • 暴風
  • 竜巻
  • 集中豪雨
  • 土砂災害
  • 落雷
  • 竜巻
  • 大雪
  • 火山噴火

など、さまざまな自然災害と隣り合わせで暮らしています。

選択して猫ちゃんを家族にした私たちは、責任をもって災害から猫ちゃんを守る義務があるのです。

災害が起こる前に猫ちゃんとできる防災についてまとめました。

毎日の健康が防災につながる!

猫ちゃんの健康を管理することが、災害時に猫ちゃんを守ることにつながります。

東日本大震災の避難所では、ペットによるノミ・ダニが発生し、避難者を苦しめるという被害がありました。いつもとはちがう環境に心労している避難者の方たちにとって、これは深刻な衛生問題です。

普段から予防接種やノミ駆除などを徹底することで、猫ちゃんの健康状態や衛生状態を保ちましょう。

人間と同じように、猫ちゃんも災害時のストレスや体力の低下で免疫力が落ちているときこそ病気になりやすいのです。毎日の健康がいざという状況に打ち勝つパワーになります。

もし災害時に猫ちゃんが逃げ出してしまい同行避難できなかったとき、不妊・去勢をしていないと、いたるところで繁殖を繰り返してどんどん数が増えていきます。

不必要な繁殖を防ぐための不妊・去勢手術も必要です。

また、パニックになって暴れる猫ちゃんに引っかかれたり、キャリーバックやケージのなかで爪を引っかけて怪我をしないように、爪切りも大切です。

災害時には猫ちゃんのお手入れまで手を回す余裕がありません。日ごろの衛生管理と健康の維持が、いざというとき役立つのです。

マイクロチップや迷子札の装着で離れ離れを防ごう

当たり前のことですが、猫ちゃんは迷子になっても自分で名前や住所を伝えることができません。

災害時に迷子になったとき、間違って保健所に連れて行かれてしまったり、家に二度と帰れなくなることを防ぐためにもマイクロチップの装着が推進されています。

マイクロチップと聞くとまだ現実的ではないように感じる飼い主さんも多いかと思いますが、ペットにマイクロチップを装着することが入国条件となっている国もあります。

災害時には非常に便利なマイクロチップとはどのようなものなのでしょうか。

マイクロチップとはいわゆる電子タグで、長さ8~12ミリの円筒形の小さな機械に飼い主さんのデータが登録されています。

15 桁の数字(個体識別番号)がその機械に記録されていて、マイクロチップリーダー(読取器)をあてるとその数字が表示される仕組みです。

保護された野良猫は、保健所でリーダーを使ってマイクロチップが埋め込まれているかを読み取り、飼い猫かどうか確認することがあります。自分の地域の保健所にもリーダーの導入があるかどうか聞いてみましょう。

マイクロチップは首の皮膚の下に注射器で挿入するので、首輪や迷子札のように落ちる心配もありません。

マイクロチップを装着することで、災害や迷子によって行方が分からなくなってしまった動物が保護されたとき、確かな情報を読み込んで飼い主さんのもとへ届けることができるのです。

マイクロチップを利用した犬・猫などの家庭動物の個体識別を普及推進するために組織されたAIPO(Animal ID Promotion Organization)という団体に登録することで、より確実な身分証明となります。

猫ちゃんは災害時にパニックを起こすことが多く、キャリーの破損や事故で逃げ出してしまうこともあります。

丈夫なキャリーを用意することももちろん大切ですが、さまざまな非常時の対策として、マイクロチップは注目されているのです。

電池の交換なども必要なく、半永久的に使うことができので、今後一般の家庭でもマイクロチップが当たり前になる時代がくるかもしれません。

マイクロチップがむずかしい場合は、迷子札をつけましょう。

飼い主さんの連絡先のほかに、猫ちゃんの

  • 名前
  • 年齢
  • 性別
  • 去勢・避妊済み

など、より詳しいことを記した迷子札が、非常時の助けになります。

例えば自分の愛猫がアメリカンショートヘアーだったとして、「近くでアメリカンショートヘアーのオスが見つかったよ」と連絡が入っても、それが自分の愛猫かどうかわかりません。

わざわざ遠くまで迎えに行っても、ちがう猫ちゃんの可能性もあります。

しかし、迷子札に詳しい情報を書いておくことで、離れ離れになった猫ちゃんが自分の元に帰ってくる確立も上がります。

災害が起こり、二度と会えないような悲劇を減らすためにも、迷子札やマイクロチップについて準備をすすめましょう。

事前の防災!準備しておくべきペットの備蓄品

みなさんはいざというときのための防災グッズを用意していますか?

災害時は、もちろん安全に非難することが第一ですが、その後の避難生活についても考えなければなりません。

猫ちゃんと避難所で過ごすときに必要なものを準備するとき、普段食べているフードのストックくらいではという認識かもしれませんが、被害の状況によっては何日も家へ帰れないこともあります。

もし猫ちゃんと同行避難をすることになれば、

  • フード
  • 食器
  • トイレ用品
  • 毛布・タオル
  • ウェットティッシュ
  • ビニール袋
  • ブラシ
  • 洗濯ネット
  • おもちゃ

など、それ相応の準備が必要です。ワクチンなど健康状態の情報や、かかりつけの病院の連絡先についてのメモも入れておきましょう。

これだけの準備をしていても、非常時にさっと持ち出せなくては意味がありません。

猫ちゃんのための防災グッズだけでなく、人間用の防災グッズも定位置にまとめておきましょう。
 

頑丈なキャリーバックやケージを用意して

避難指示に従って避難所へ向かうとき、慣れない状況にパニックになっている猫ちゃんは、いつもと同じようにおとなしく抱っこされているとは考えられません。

被災した町を安全に移動するためにも、リードやハーネス、キャリーバッグが必要です。

キャリーバッグやケージは、落としても壊れないように頑丈なものを用意しましょう。扉がきちんと締められるか確認してください。

ハードなキャリーは強度もあり、避難所でのベッドやトイレとしても使えるので便利ですが、重いので避難所まで運ぶまでが大変です。

布製だと軽くてかさばりませんが、狭いのでトイレは別にしなければならないなど、メリット・デメリットもさまざまです。猫ちゃんにあったものを用意してください。

猫ちゃんだけでなく防災グッズも持っていかなければならないので、手で持つものよりもショルダーやリュックタイプがおすすめです。

ガムテープがあれば、万が一キャリーやケージが壊れてしまったときに補修できるので、準備しておきましょう。

いくらおとなしい猫ちゃんでも、災害時は暴れてキャリーに入ってくれないこともあります。

そんなときに便利なアイテムが、洗濯ネットです。捕獲用に一枚あればとても助かるので、用意しておきましょう。

通気性があるので窒息の心配もなく、猫ちゃんからも飼い主さんからもお互いの様子が見えるので安心です。安く手に入るものなので準備も簡単ですね。

目の粗いものは爪が引っかかって怪我をしてしまったり、そこから破れて逃げ出してしまうことも。爪を切っておくことも大切ですが、洗濯ネットは目が細かく、引っかかりにくいものを選んでください。

もちろん、ペラペラなので外からの物理的な衝撃から猫ちゃんを守ることはできません。 あくまでも非常用の、一時的な保護として使ってください。

猫ちゃんが落ち着いたらキャリーバックやケージにうつしましょう。

また、避難所のなかが過ごしやすい室温とは限りません。

暑いときは保冷剤をいれたり、冬はカイロを置くなど、体温を調節できるように配慮してあげてください。ペット用のシートも必要です。

余裕があればおもちゃやお気に入りの毛布もいれてあげましょう。長い避難生活を少しでも快適に過ごせるよう工夫してあげてください。

防災グッズのマストアイテム!フードやお水はどうするの?

防災グッズでまず用意しなければならないものが、フードとお水です。

東日本大震災では、震災の初期にペット用の救援物資を運ぶ車両は緊急車両として認められず、なかなかフードが届きませんでした。

避難所に救援物資が届くまで時間がかかることもあるので、フードはいつも食べているものを最低でも5~7日分用意しておきましょう。

食器は重いものだと持ち運びが大変なので、シリコンや折り畳みのものを探してみてください。人間のお皿でも代用できます。

疾患のある猫ちゃんは、フードとあわせて薬や療法食も必要です。ペット用の薬は災害時になかなか入手することができないので、お医者さんにも相談して多めに用意してください。

いつも食べているのはドライフードかもしれませんが、缶詰やレトルトのパウチは長期保存もできてとても便利です。

猫ちゃんは避難所でのいつもとはちがう環境に緊張して、お水を飲んでくれなくなることもあります。ウェットフードを与えることで少しは水分をとることができるので、用意しておきましょう。

まだ子猫の場合は、猫専用のミルクや年齢にあわせたフードの準備も必要です。

私たちの飲んでいる牛乳は子猫の身体では消化できず、下痢・軟便の原因になるので、人間用の牛乳を与えないように注意してください。

夏場は体力が奪われやすく、熱中症になってしまう恐れもあります。こまめな水分補給が必要です。

水道が近くにある場所に避難できれば良いですが、水が出なくなり、配給となる場合も考えられます。人間用の飲料水と猫ちゃん用の飲料水も持っていきましょう。

ペット用のミネラルウォーターや、水道水でもかまいません。

日本では水質の管理が厳しく、私たち人間が飲んでも害がないほどきれいに殺菌されているため、猫ちゃんが毎日飲んでも身体に悪い影響がでることはありません。

しかし、私たちが普段飲んでいるミネラルウォーターは、カルシウムやマグネシウムが多くふくまれている、いわゆる硬水のものが多いといわれています。

人間にとってはダイエット効果もみられる硬水ですが、猫にとっては大きなデメリットがあるので注意してください。

猫がかかりやすい疾患のひとつである尿結石は、硬水にふくまれるマグネシウムやカルシウムが体内に溜まることによって引き起こされます。

キャットフードに必要量がふくまれているので、フードだけでなく水からも摂取してしまうと過剰摂取になり、体外に排出できないカルシウムとマグネシウムがどんどん溜まって尿結石となるのです。

ミネラルウォーターを与えるときは硬水か軟水か確認してから与えましょう。

避難所でのトイレは周りへのエチケットが大切

猫ちゃん用のトイレを持っていくのはなかなか大変です。折りたたみできるポータブルトイレが便利なので、用意しておきましょう。

災害時にポータブルトイレを用意しても、慣れていないトイレを使ってくれるかどうかわかりません。

普段使っているトイレを掃除しているときにポータブルトイレを使ってもらうなど、慣れてもらうことで災害時にも使ってくれるようにしましょう。

猫砂が運べないときは、新聞紙を細かくちぎって簡易トイレを作ってあげてください。

人の多い避難所では、周囲を不快にさせないよう徹底してマナーを守る必要があります。

慣れている私たちは平気かもしれませんが、猫ちゃんのフンや尿はにおいがきついので、エチケットとして消臭剤もあればなお良いです。

災害時、猫ちゃんと離れ離れになってしまったときは

災害が起きたとき、割れた窓から飛び出してしまったり、キャリーバックが壊れて逃げてしまうなど、パニックになった猫ちゃんと離れ離れになってしまうこともあります。

まずは、動物愛護センターや保健所へ連絡しましょう。どこかで保護されているかもしれません。

遠くまで逃げてしまったかもしれないので、災害時に支援してくれている動物保護団体も当たってみてください。怪我をして動物病院で手当てされているということも考えられます。

また、以外な場所かもしれませんが、警察署にも連絡してみましょう。

猫は落とし物として扱われるため、猫を保護してくれた人が警察署に届けている可能性もあります。

部屋のなかだけで暮らしていた猫ちゃんは、外の環境にまったく慣れていません。

パニックで遠くまで逃げてしまっている可能性もありますが、家の近くに身を潜めて恐怖で動けなくなっていることも。

家のなかだけで飼っている猫ちゃんの場合、いなくなった近辺を探してみてください。

携帯電話が使えるようなら、TwitterやFacebookなどのSNSで情報を集めるのもベストです。ネットではさまざまなペット専用のサイトがあるので、リアルタイムでの情報取集に役立ちます。

猫ちゃんの防災グッズとして準備しておくべきアイテムとして、迷子チラシがあります。

飼い主さんも生きていくことが精一杯の災害時、迷子チラシをつくる環境も道具もそろっていません。事前に制作しておくことで、スムーズに猫ちゃんの捜索にとりかかることができます。

大きな文字と目立つデザインで、目に留まりやすいポスターにしましょう。小学生でも読めるように、フリガナをふってもいいかもしれません。

  • 飼い主の連絡先
  • 猫の写真
  • 目立つ特徴
  • 性別

など、詳しい情報を掲載することで見つかる確率も上がります。

最終手段としてペット探偵への依頼もあります。ペット捜索のプロなので利用すれば見つかる確率も高まりますが、災害時に営業しているかわからないので確認してみましょう。

また、防災グッズのなかに、飼い主さんと猫ちゃんが写っている写真を必ず一枚は用意してください。

いなくなっていた猫ちゃんが見つかったとき「私がこの猫の飼い主です」と証明するための写真が必要になります。

携帯電話が使えなくなった時のために、写真として手元に置いておきましょう。

日ごろから防災の意識を高めて愛猫を守ろう

災害は突然起こります。

部屋の地震対策や防災グッズの準備も、いつかしなくてはと考えているだけでは、それが今起こったときに対処できません。

普段から防災について意識して暮らすことが、猫ちゃんだけでなく自分自身を守ることにもつながります。

まずは、災害が起こったときの行動について家族で話し合ってみましょう。家族間の連絡方法や集合場所を決めておくことで、スムーズに避難することができます。

多頭飼いの場合は、誰がどの子を担当するのかについても決めましょう。

ペットのいる家庭では、その分防災グッズも多くなりますが、何キロものフードを抱えて避難所まで歩くのは現実的ではないですよね。

あれもこれもと持っていきたい気持ちもわかりますが、いるもの・いらないものを厳しく取捨選択しないと、持ち運びできる量におさまりません。

フードが避難所になかなか届かないなど、災害時に人間が優先となることはやむを得ません。だからこそ、自分のペットを守れるのは自分だけです。

もちろん、災害が起こらないことが一番ですが、防災についての意識を高く持って早急に準備をはじめましょう。

もしものときに後悔しないためにも、大切な家族の一員でもある猫ちゃんをどう守り避難させるのかについて、一度考えてみてください。

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