猫がきゅうりにびっくりするのはなぜ?生態から理由、悪影響を解説

以前きゅうりにびっくりする猫の映像が注目され、飼い主さんが猫のうしろにきゅうりを置く動画がユーチューブ等動画サイトに相次いで投稿されるなど、ちょっとした話題となりました。

その映像は日本だけでなく海外でも話題となり、この映像がかわいくて面白いという意見と、猫にストレスを与えてかわいそうだという意見で論争になったこともあったようです。

そもそもなぜ猫はきゅうりにびっくりするのか、そしてびっくりすることで悪影響が出るのかを調べていきたいと思います。

きゅうりに限らず、得体の知れないものが急にでてきたらびっくりする

まず結論から先に書きますときゅうりに限らず、猫は急に背後に現れたものにはびっくりする、ということです。

猫により反応も様々で、きゅうりにびっくりする猫もいれば何の反応もしない猫、少しだけ興味を見せる猫など色々です。

中には、そのままきゅうりを食べてしまう猫までいます。

人間でも、急に後ろに見知らぬものがあったらびっくりしますよね?人間にとってきゅうりは見慣れた細い野菜ですが、猫から見ればそれなりの大きさに見えるはずです。

まして食事をしているうしろにおかれたら、びっくりして当然かもしれません。今回の場合は、そのびっくりするものの対象がたまたまきゅうりであった、と言えるでしょう。

沢山アップされている動画の中には、きゅうりだけでなくパイナップルにびっくりしたり、気づかない間に後ろに来ていた他の猫に驚いているものもあります。

以前話題になったきゅうりにびっくりする猫の映像は、無害のはずのきゅうりに驚くという意外性、猫が想像以上に飛び上がってびっくりする様子のかわいさからなるものだと考えています。

猫の視力はあまり良くないので、きゅうりが別のものに見えている可能性もある

また、猫の視力は人間の目のように遠くまではっきり見ることが出来ません。人間の視力の10分の1ほどしかないと言われています。

猫は生まれ持ってのハンターですから、一見視力が良さそうに感じます。

ですが、動いているものをとらえる動体視力は良くても、視力そのものはあまりよくはありません。

本来は夜行性ですから、暗闇の中で獲物を捕らえる機能が備わっていれば困らないわけです。

暗闇の中では鮮やかな色彩よりも、動くものをとらえる目の方が重要となり、猫はそのように進化をしてきたと考えられています。

人間をはじめとする霊長類は優れた色覚をもつますが、他の動物はフルカラーでものを見ることができないといわれています。

猫は緑色は認識できるといわれていますが、人間から見たきゅうりと、猫から見たきゅうりでは大分印象が異なっている可能性もあります。

きゅうりを蛇と勘違いしてしまっている場合もある

今回の動画に関して、きゅうりが蛇にみえてしまってびっくりした、という説をあげている人もいます。急に蛇がいれば大抵の人は驚きますがそれは猫も同様でしょう。

上記の通り、猫はあまり視力はよくないですし、色彩も人間ほどではありませんので、蛇に見えてしまった事も十分考えられます。

なお、かつての猫にとって蛇は競争相手でありました。

猫はアフリカ北部に生息するリビアヤマネコが、人間に飼育されるようになったのがはじまりとされています。

そのリビアヤマネコは砂漠に住んでおり、ネズミなどの小型の哺乳類や鳥類、爬虫類などを捕まえています。

砂漠には蛇も生息しており、蛇もまた猫と同じくネズミなどを捕食していました。競争相手が近くにいるのであれば、追い払わなければなりません。

そのため、リビアヤマネコは進化の過程で蛇のシャー!という音をまねするようになり、その子孫である猫も同じく威嚇する時にシャー!という音を出すようになったと言われています。

そのような理由から、猫にとって蛇は脅威であるのかもしれません。

実際の所は猫に聞いてみないとわかりませんが、先祖から受け継いできた習性は長年の間に環境が変わっても残るものです。

例えば猫は砂に排泄をしますが、それもかつて砂漠に住んでいたため、排泄し排泄物を砂で隠すという習性が残っているからと考えられています。

そう考えれば、きゅうりを蛇と勘違いしたという話もあり得そうなことです。

面白いからと言って猫へ何度もイタズラすべきではない

きゅうりに限らず、猫が驚く姿は可愛らしいものですが、だからといって何度も驚かしたりする事はストレスになる可能性もあります。

可愛いといじりたくなる心理というのは、人間の本性として備わっているといわれていますので、話題になればついやってみたくなるものです。

ですが誰でも、ほんのイタズラとはいえ毎日のように家族や友人に驚かされたりしたら、だんだんストレスになってきますよね。

可愛いとは言っても猫へのイタズラも、ほどほどにするべきでしょう。

猫も生物ですから、ストレスを与え続けると体に悪影響を及ぼします。人間にとっては何てことないことでも、猫には多大なストレスになることが沢山あります。

トイレをこまめに掃除していなかったり、知らない人が来たり、工事などの大きな音もストレスになりえます。そのように精神的によくない環境に置かれた猫は攻撃的になったり、大きな声で頻繁に鳴き続けたり、食事をとらなかったりします。

きゅうりのイタズラよりも、このような日常的に起こり得ることで、猫にストレスが溜まっていく方が問題です。

家の外で起こっている事は改善が難しい場合もありますが、出来る限り猫にとって良い環境を作ってあげることが飼い主の責任です。

日頃から猫の様子をよく観察し、行動やしぐさにおかしなところはないかを確認する事が大切です。

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