猫がマウンティングする理由と対策。猫の関係性を理解しやめさせよう

猫を多頭飼いしている場合などで、時折見られることがあるのがマウンティング行為です。

猫によっては飼い主さんが困るようなケースもあり、やめさせてもいいのか、そもそもなぜこんなことをするのか気になっている人もいるのではないでしょうか。

猫のマウンティングにもし困っているのなら、飼い主さんが工夫してあげることでやめさせることができる可能性があります。猫のマウンティングの意味やマウンティングをする理由、対処法などをご紹介します。

首の後ろをガブリ!猫のマウンティング行動

マウンティングは猫が他の猫などの上に乗り上げ、自分が相手より優位であることを示す行為です。英語のつづりでも「mount(乗る)+ing」と書きます。マウンティングの特徴としては、

  • 相手の上に乗り上げ、首の後ろの付け根を噛む(交尾のような体勢)
  • 腰を押しつけたり、擦りつけたりする

というようなものが挙げられます。この他、高い声で鳴いたり、前足や後ろ足で相手をふみふみしたりするような行為が追加されることもあります。

マウンティング自体は動物にとってよくある自然な行動です。ペットとして飼われている動物の中でも特に犬や猫、ウサギなどはマウンティングをよくすることで知られています。

そのため、マウンティングしたからといって特別病気などの異常を疑うようなことはありません。ただし、マウンティングのタイミングによってはストレスが関わっている場合もあるため、頻繁にマウンティングが見られる場合は注意が必要です。

モノが対象の場合も!?猫はあらゆる相手にマウンティングする

動物のマウンティングというとオス同士の縄張り争いや、オスとメス間での性衝動により行われるようなイメージを持つ飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、実際には様々な理由でメス同士で、あるいはメスがオスに対してマウンティングをする場合もあります。

あるいは猫同士ですらなく、物や飼い主さん相手にマウンティングしたり、猫以外に一緒に飼っている他の動物に対してする場合もあります。

「うちの子は子供っぽくて甘えん坊だから、マウンティングなんてしないはず」とか、「うちの子たちちょっと喧嘩してることが多いな」などと思っていると、実はマウンティングしているケースもあります。

また、1匹飼いであっても飼い主さんの腕をかじったりしてマウンティングしているケースもあります。猫が興奮している時は、よく行為や姿勢を観察してみましょう。

意外なものも?猫がマウンティングをする理由

では、猫はなぜマウンティングをするのでしょうか。大きな理由としては、以下の4つが挙げられます。

上下関係のアピール

一番の理由は、マウンティングする相手に対する上下関係のアピールです。つまり、マウンティングすることで相手より自分の方が立場が上であることを、相手に対して知らしめるのです。

地域のボス猫が他の猫にマウンティングをしたり、先住猫が新入り猫にマウンティングをしたりするケースが多くみられます。

あるいは飼い主さんにべったりの猫が、飼い主さんに可愛がられている他の猫にマウンティングしたりするというようなこともあります。

ちなみに、マウンティングする側が実際に立場が上かというとそうとは限りません。

負けても果敢にマウンティングし相手にされないケースもあれば、マウンティングした後にした側とされた側で何事もなかったかのように仲良く遊び始めるケースもあります。

擬似的な交尾

去勢、避妊手術をしていない猫の場合、当然ながら春や秋には発情期がやってきます。発情期になるとオス猫がメス猫の上に乗り上げ首筋を噛み、交尾しますが、この前兆のようなかたちでマウンティングが見られる場合があります。例えば、

  • まだ発情期を迎えていないオス猫が、毛布などに腰を擦りつける(交尾の練習)
  • 発情期のまだきていないメス猫に、オス猫がマウンティングする
  • オス猫がオス猫に対してマウンティングし、首筋を噛む

このようなマウンティングは性衝動の表れといえます。発情期がきていないまでも、発情期を予感して擬似的に交尾するのです。興味深いことに、オス猫同士で行われることもあります。

上下関係を示すマウンティングとの見分け方としては、

  • 上に乗っているのがオス猫かどうか
  • 首筋を噛んでいるか(交尾の時、メス猫を逃がさないため)
  • 腰を擦りつけるような行為があるか

などがあります。全体的にかなり交尾に近い行動が見られる他、どんなタイミングでマウンティングしたのかなども参考になるでしょう。

▼毛布を使ったマウンティングについてはこちらをご覧ください
猫がふみふみする時の気持ちって?する猫としない猫の違い

縄張りの主張

猫は単独行動で、自分の縄張りがはっきりとしている生き物です。そのため、もともと野良猫である、あるいは外歩きをしていて他の猫などに自分の縄張りを侵された場合、マウンティングをして縄張りを主張することがあります。

また、室内飼いであっても、特に多頭飼いしていると共有スペースの他にそれぞれのテリトリーがあることが多く、縄張りに入ってきた他の猫にマウンティングをすることがあります。

この場合は縄張り意識の問題なので、マウンティングする相手の性別は問いません。

▼猫の性別によって、縄張りの種類が違うんですね
縄張りはオスとメスで違う。猫界の縄張りの役割と範囲を知ろう!

転位行動

猫によっては転位行動のひとつとしてマウンティングをする場合があります。転位行動とは、簡単に言ってしまえば「気を取り直すためにする行動」「ストレスを発散するためにする行動」です。

ジャンプに失敗した時、飼い主さんに怒られた時など、しようと思ったことが上手くいかなかった時に猫は転位行動に出ます。毛繕いや爪とぎなどはその典型です。

飼い主さんに怒られた後、よく毛繕いをしているシーンを見かけるのは、この転位行動に出ているからです。

▼転位行動によって顔も洗ったりします
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猫によっては、あるいはその時どんな状況だったかによっては、この転位行動が毛繕いではなくマウンティングになってしまう場合があります。直前にどんな行動をしていたかによって、他のマウンティングと見分けることができるでしょう。

こちらも、交尾ではないのでマウンティング相手を問いません。

叱ってはダメ!猫のマウンティングをやめさせる方法

猫のマウンティングは、特に多頭飼いでは盛大な喧嘩の原因になることもあり、できればやめさせたいと考えている飼い主さんもいるはずです。

また、飼い主さん自身、マウンティングされて噛みつかれるなど、困っているという場合もあるかもしれません。

しかし、そんな時、猫のマウンティングを叱ってはいけません。叱ってしまうと、ストレスの元になるなど逆効果になってしまうこともあります。

マウンティング自体は本能的なものでもあるので、「いけないこと」ではありません。遊びの延長としてしている場合もありますし、一方で転位行動のようなストレスが原因でマウンティングしている場合もあります。

もしどうしてもマウンティングをやめさせたいのなら、以下のようにそもそも「マウンティングをしなくても済む」環境を整えてあげることが大切です。

去勢・避妊手術をする

マウンティングに一番効果があるといわれているのは、やはり去勢・避妊手術をすることです。手術を受けることで発情期が来なくなるため、疑似交尾などのマウンティングは起こりにくくなるでしょう。

交配の予定がないのなら、獣医さんに相談しながら去勢・避妊手術をしておきましょう。ただし、何度か発情期を経験した後の猫など、まれに手術してもマウンティングの癖が残ってしまう場合もあります。

▼猫の去勢・避妊手術の費用についてはこちらです
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ストレスになるようなものを減らす

ストレスなどが引き金になって、転位行動としてマウンティングをする場合もあるため、ストレスを減らすということも重要です。何がストレスになっているのかは猫によって全く異なるため、飼い主さんの観察と試行錯誤が鍵となります。

できるだけ猫がストレスに感じないような環境を整えてあげましょう。また、近所の工事など、直接ストレスの元を取り除くことができない場合は、おもちゃで遊んであげるなどでストレス発散させてあげるのがおすすめです。

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積極的に遊んであげる

マウンティングが頻繁に起こる時は、ストレスが溜まっていたり、体力が有り余っていたり、攻撃的な気分になっていたりするケースが考えられます。

そのため、積極的に猫じゃらしなどで飼い主さん自身が遊んであげることで、猫が満足しマウンティング行為が減る可能性があります。

普段あまり遊ぶ時間がとれていない、という場合や、多頭飼いしているので猫同士に任せているという場合は、ぜひ1日5分や10分でいいので遊ぶ時間を設けましょう。

毎日遊んであげることで、猫の運動不足やストレスの解消にもなり、マウンティング行為も減っていくでしょう。

ただし、マウンティングしたらおもちゃを取り出す、というようなことをすると、マウンティングすればおもちゃで遊んでもらえると覚えてしまい、かえってマウンティングが増えてしまうので気をつけて。

猫同士の関係性に配慮する

例えば、新入り猫がきた場合、新入り猫の可愛さについ、先住猫の目の前で新入り猫ばかりを可愛がるなどすると、先住猫が嫉妬しマウンティングに発展する場合があります。

このようなことにならないよう、飼い主さん自身が猫同士の序列を守りましょう。

名前を呼ぶときは先住猫からなど、先住猫を尊重しましょう。その上で、それぞれの居場所を作って新入り猫が馴染めるよう配慮するなど、それぞれの猫の関係に合わせた態度をとることが大切です。

序列を守りつつ、それぞれに居場所を作ることで、猫同士の不満が抑えられ、マウンティングも減っていく可能性があります。

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猫のマウンティングは異常ではない。上手に見守ろう

猫のマウンティングは本能に根ざした行為であり、異常なことではありません。ストレスが引き金になっている場合だけは注意が必要ですが、その他のケースでは飼い主さんが困っていないのであれば、見守るだけでもよいでしょう。

もし、猫同士が激しい喧嘩になるとか、飼い主さんに噛みついて困るという場合は、叱るのではなく、マウンティングしなくても済む環境を整えて徐々にやめさせていきましょう。

また、マウンティングで困っているのなら去勢・避妊手術はおおいに有効です。マウンティングを叱ってやめさせることはできませんが、やめさせる方法はいろいろあるので、状況に応じて上手に対処していきましょう。

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