猫の目が赤いと気づいたら!まずとってほしい行動と、よくある原因

いつもぱっちりと綺麗な愛猫の目、あるいは目のふちが、なんだか赤いと思ったら要注意です。健康な猫の目が、違和感を感じるほど赤くなるということはほぼありません。

眼球という繊細な場所でもあることから、たとえわずかな赤みだったとしても、いつもと違うのなら放置は禁物です。失明など取り返しのつかない事態にならないためにも、適切な対処をしていってあげましょう。

目が赤い時に考えられる原因や対処法、飼い主さんが普段から気をつけてあげたいポイントについてご紹介します。

猫の目が赤い時は、まずは病院へ連れて行こう

猫の目が赤くなった場合、多くは病気や外傷など何らかの異変があります。病院へ連れて行くことを大前提に、猫や、猫の目の様子をよく確認しておきましょう。

猫の目が赤い時は、特に猫の目の周囲(目のふち)が赤くなったり腫れたり、あるいは瞳の一部分から出血しているように見えるケースが多いです。

  • 猫の目のどの部分が赤くなっているのか
  • 出血したり、腫れたりしていないか
  • 涙を流していないか
  • まばたきの回数が増えていないか
  • かゆがったり、痛がったりする仕草はないか
  • 片目だけ目を瞑るなど、おかしな行動はないか
  • くしゃみや嘔吐など、他の症状はないか

といったことを確認しておき、獣医さんに報告できるようにしておくとよいでしょう。猫の目の病気には、結膜炎や角膜炎のような比較的よくあるものから、放っておくと失明に関わるような大きな病気まで様々なものがあります。

▼猫が何度も繰り返しくしゃみをしている場合には、何かしら原因があると考えられます
猫のくしゃみの原因6つ。危険なくしゃみの特徴はコレ!

素人がいきなり判断することはできませんし、自然治癒を狙うのも危険です。必ず病院で診察してもらいましょう。

猫の目が赤くなる原因

では、実際に猫の目が赤くなっている場合、どんな原因が考えられるでしょうか。大きく分けて、以下のようなものがあります。

外傷

猫で特に多いのが、猫同士の喧嘩や遊んでいる最中の事故などで目を怪我してしまい、目が赤く充血してしまうケースです。

他の猫の爪で引っかかれた際に、爪から目へと雑菌が入って結膜炎になることもあれば、引っかかれた刺激で角膜炎になるケースもあります。眼球自体に傷がついてしまうケースもあるので、よく猫の目を観察しましょう。

▼猫の結膜炎の具体的な症状についてはこちらをどうぞ
猫の目やにと結膜炎。原因と症状、目薬のさし方のコツを解説

異物が入っている

ゴミやほこりが目に入り、そのせいで目や目の周辺が傷ついて赤くなってしまうケースもあります。猫がかゆがる仕草をしていないかどうかも要チェックです。

アレルギー

アレルギーで目が充血する場合もあります。例えば、実は猫も花粉アレルギーを起こすことがあります。特に夏~秋は、ブタクサと呼ばれる、猫が反応しやすい花粉がよく飛ぶ時期です。

毎年特定の時期に目が赤くなるという場合は、アレルギーを疑った方がよいでしょう。あるいは、食べ物が原因でアレルギーを起こしていることもあるので、フードの切り換えにも注意が必要です。

▼猫にも花粉症が起こることがあるので、アレルギーの時期には特に注意してあげましょう
猫がしきりに目をこする。かゆくて辛い花粉症や目の病気かも!

病気

猫ヘルペスウイルスなど、いわゆる「猫風邪」と呼ばれる感染症でも目が赤く充血する場合があります。

この場合は目が赤くなるだけでなく、くしゃみや鼻水、咳や嘔吐など全体的に風邪の症状が出ることがほとんどなので、よく猫の様子を観察しましょう。

また、猫風邪のような感染症以外でも、他の何らかの病気が原因で目が乾き、擦っているうちに炎症を起こしてしまうというようなケースもあります。その他、直接目に異常が出る病気もあります。

おかしいと思ったらまず病院で検査を受けることが大切です。

猫の目に対する基本的な治療法

軽度の場合は軟膏や目薬が処方されます。また、風邪など基礎疾患がある場合はそちらの薬も併せて処方されるはずです。喧嘩で眼球そのものを損傷した場合など、重度の場合は手術の可能性もあるので注意してください。

大きな怪我でなければ、早めに病院へ行けば、簡単な治療で治せることがほとんどです。早期発見早期治療を心がけましょう。

また、「何ヶ月も同じ軟膏を処方され、ちゃんと塗っているのに治らない」というような場合は先生に相談したり、病院を変えるのも手です。

慢性化して治療が長期化すると、猫も薬を塗られることを覚えてしまい、逃げ出すようになってしまいます。警戒した猫に薬をつけるのは至難の業です。愛猫にも飼い主さんにも負担になるので、積極的に治療をしてくれる病院を見つけましょう。

リスクを下げよう!飼い主さんが自宅でできること

猫の目が赤くなる原因は様々です。しかし、飼い主さんが普段のお世話に少し工夫するだけで、猫の目が赤くなってしまう可能性を下げることができます。飼い主さんは以下のようなことに気をつけてあげるとよいでしょう。

空気清浄機を利用する

花粉やほこり、あるいはたまねぎなどの匂いなど、部屋の空気が原因で目が赤くなっている場合があります。この場合は空気清浄機を設置すると症状が改善することがあります。

数千円で購入できる機種もあるので検討してみるのもよいでしょう。ペット用と記載のあるものを選ぶと、猫の毛なども吸い取ってくれるためおすすめです。

アレルギーなどの場合は食事に気を使う

原因不明で猫の目が赤いという場合、もしかしたらアレルギーが原因かもしれません。特に、特定のフードを食べた時だけ目が赤くなるなどの場合はアレルギーの可能性が高いので注意が必要です。

アレルギーは劇的な症状が出ていない限り分かりにくく、また何に対してアレルギー反応を起こすのか特定しにくいのが現状です。病院で軟膏など対症療法しかしてもらえない場合もあります。

この場合は飼い主さんが率先してアレルギー対策をしてみましょう。フードを別のメーカーに変えたり、魚が主原料のものを肉が主原料のものに変えたりするだけでも、症状がぴたりと収まる場合があります。

掃除をよくする

猫の目が赤い時、病気のウイルスやダニなどの寄生虫が原因であることもあります。また、家の中に散らばっていた猫にとってよくない成分に反応してしまう場合もあります。

このようなことのないよう、家の掃除をまめにするようにしましょう。ほこりを吸い、窓や玄関など外との接触が多いところを掃除するだけでもだいぶ異なります。

多頭飼いの場合は他の猫の爪を切る

多頭飼いの場合、他の猫との喧嘩で目を怪我してしまう可能性もあります。猫の爪は全員分、まめに切っておきましょう。先端をわずかに切るだけで、怪我の可能性は大きく減ります。

また、例えばおもちゃや寝床を飼っている匹数より多めに用意するなど、そもそも猫が争わない環境を作ることも重要です。

怪我がもとで最悪、手術などになると大変な出費ですし、治療期間も長くなりますので、まめなお世話でリスクを減らしましょう。

▼猫の爪を切るときには、なるべく時間をかけずお互いに負担にならない方法を用いたいですね
猫の爪切りの頻度・コツ・注意点。嫌がる猫もリラックスする方法

怪我の原因になりそうな障害物を排除する

特に遊び盛りの若い猫の場合、興奮して走り回った末に、急ブレーキをかけられずものにぶつかってしまうようなこともしばしばあります。猫と遊ぶ際は間違っても怪我しないよう、危ないものや邪魔なものを片づけておきましょう。

また、台所など細かなもの、危険なものがたくさんある場所は、特に念入りに片づけるか、あるいは最初から猫を出入りさせないようにするという選択も大切です。

免疫力を高める

猫風邪をはじめ、様々な病気にかからないようにするためには免疫力が重要です。例えば、室内飼いの猫は常に一定の気温の中で生活しているため、季節の変わり目の寒暖差に弱い傾向にあります。

季節の変わり目には猫が寒すぎたり暑すぎたりしないよう気を配るだけでも、免疫力が落ちるのを防げるため、猫が病気にかかるリスクを減らすことができるでしょう。

その他、信頼できるメーカーが作った健康的なフードを与えたり、日頃からよく遊んであげてストレス解消に付き合ってあげるだけでも、免疫力を高める役に立つはずです。

▼猫が健康な毎日を送るために、良質なフードを飼い主さんがしっかりと見極めてあげる必要があります
猫の健康はタンパク質がつくる。フードのパッケージで見るのはココ!

予防接種をする

特にワクチン接種をしていない子猫の場合、猫風邪を引いてしまい、目の充血やひどい鼻水、せきやくしゃみなどに悩まされることもあります。

ワクチン接種をしていない状態での猫風邪は非常にやっかいで、特に重いケースでは猫風邪が原因で失明してしまう猫もいるほどです。このようなことのないよう、ワクチン接種は毎年病院できちんと行いましょう。

ワクチン接種をするだけで、目の充血や失明はもちろん、他の致命的な病気からも猫を守ることができます。

▼猫のワクチンについてはこちらをどうぞ。事前にワクチンを接種することで、さまざまな病気を予防することができます
【猫のワクチンQ&A】予防できる病気と打ったあとの注意点

目やにをケアしてあげる

健康な猫であっても、目やにはどうしても発生してしまうものです。また、体質的に目やにが出やすい猫もいます。目やにが溜まりすぎて猫が気にするようなことがないよう、日頃から目やにのケアはマメにしてあげましょう。

ぬるま湯に浸したティッシュでそっと拭ってあげるとよいでしょう。決してこすってはいけません。また、猫の目に異常がないかどうか、毎日猫の顔をチェックすることも早期発見のためには重要です。

エリザベスカラーに一工夫して、猫の負担を軽くしよう

もしも猫の目が赤く、病気や外傷にかかり治療が必要になった場合、活躍するのがエリザベスカラーです。猫が必要以上に目に触れないように装着しますが、エリザベスカラーは猫に安全な反面、ストレスになることも多く悩みの種でもあります。

猫がエリザベスカラーを嫌がって困るという場合は、エリザベスカラーが猫に合っていないのかもしれません。病院で貸し出されるエリザベスカラーは、汎用的なものなので1匹1匹の猫の体格や性格に合わせることができません。

気になる場合は、エリザベスカラーを手作りしたり、市販のものを購入したりすることで猫が楽になるでしょう。

▼詳しいエリザベスカラーの選び方については、こちらをご覧ください
猫がエリザベスカラーを嫌がる時は?飼い主さんができる対処法

猫の目が赤い時はまずは病院へ!後に残らないようケアしてあげよう

猫の目が赤いという場合、その原因は外傷や病気、あるいはアレルギーなどが主になります。放っておくと治らないばかりか、慢性化して一生の付き合いになることもあるため、必ず病院で治療を受けましょう。

早い段階で適切な治療を受けることができれば、きっと元通りの綺麗なぱっちりとした愛猫の目に戻るはずです。また、原因によっては再発する可能性があるので、お家の中の環境を整えるようなお世話もしてあげるとよいでしょう。

日頃から愛猫の目をよく観察し、綺麗な目を保ってあげましょう。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ