猫好きの中でも人気の高い部位、猫の尻尾!ふわふわタイプの尻尾にモフモフタイプの尻尾、クールでスレンダーな尻尾、猫によって様々ですが尻尾の無い猫ちゃんが存在するのを知っているかたは少ないのではないでしょうか?
今回は日本ではあまり馴染みのない尻尾の無い猫、マンクスのご紹介とよく似た猫、キムリックとの違いをご紹介します。
この記事の目次
見た目の特徴や毛の色など、マンクスの基本情報を知ろう
尻尾の無いこの不思議な猫、マンクスは日本ではあまり馴染みの無い猫ですがイギリスやアメリカでは【ラビットキャット】と呼ばれ人気の高い猫です。
まずはこの尻尾の無い猫の基本情報を知りましょう!
体重と身体的特徴
マンクスの体重は3Kg~6Kgと平均的な猫より少し小さいのが特徴です。丸みを帯びた身体に、前足より後ろ足が長くピョンピョンと跳び跳ねたように歩く姿からラビットキャットと呼ばれるようになりました。
ラビットキャットと呼ばれるだけあり、長い後ろ足を使ってのジャンプ力は高く他の猫と比べても相当のものです。頭や顔が丸いことからブリティッシュショートヘアと同じ祖先だと考えられています。
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被毛カラーと特徴
マンクスは元々短毛種で、ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、クリームといったカラーが存在しソリッド、タビー、シェード、スモークやバイカラーも存在します。タブルコートなので短毛ではありますが、抜け毛が多く定期的なブラッシングが必要です。
眼の色はブルー、グリーン、ヘーゼル、カッパー、オッドアイといった色が存在し被毛のカラーにより違いが出ます。
最大の特徴、尻尾で分類されるマンクス
マンクスの最大の特徴である尻尾。尻尾の無い猫としてご紹介していますが、実は尻尾が完全に無いマンクスは全体の数割しか存在しません。マンクスの種類は尻尾の長さにより4タイプに分けることができます。
ランピー |
マンクスの象徴でもある尻尾が全く無いタイプです。キャットショーなどで認められているのはこのランピーのみで、家庭で飼育されているマンクスもこのタイプが多いです。 |
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ランピーライザー |
触ると尻尾があるのが分かるくらいしか尻尾が無いタイプのマンクスです。尾のほんの1~2節程しかないのでランピーと見た目はほぼ変わりません。 その為、ランピーライザーは省かれることも多く4タイプではなく3タイプとして紹介される場合もあります。 |
スタンピー |
ごく短い株のような動かない尾をもつスタンピー。その短い尻尾は折れたりねじれたりしており、マンクスの個体により個性がでます。 |
ロンギー |
短い尻尾から長い尻尾をもつマンクスをロンギーと言います。しかし長い尻尾だからと言っても他の猫と比べると明らかに短いです。 |
どんな尻尾の子猫が産まれるかはわからない
尻尾に関して、マンクスは親の掛け合わせに関係が無いのでどのタイプのマンクスが産まれるかわかりません。
しかしどんなマンクスが産まれてきても可愛いことには変わりませんので、愛猫家の皆様はどんな尻尾の子猫が産まれるのか楽しみに待ちましょう。
マンクスとキムリックの違い
マンクスとそっくりな猫にキムリックという猫がいます。マンクスと違い長毛種なだけで見た目も尻尾の無い特徴も同じような気がしませんか?
それもそのはず、キムリックはマンクスの中で時折産まれる長毛種のことを言います。マンクスの中でも長毛種であるキムリックが産まれるのは希で、さらに個体数の少ない尻尾の無いランピーだった場合はさらに稀少価値があがります。
キムリックが産まれる理由としては、マンクスのはるか昔の祖先にノルウェージャンフォレストキャットが含まれているからではないかと考えられています。
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物静かで賢い、ちょっとだけ臆病なマンクスの性格
マンクスの性格は物静かでとても賢く聡明。そして臆病な性格をしています。引っ込み思案なので他人になつかないタイプの猫ちゃんです。
その反面、信頼関係をうまく築くことができた飼い主にはとてもなついてくれます。元々温厚で静かなタイプの猫なので穏やかな時間を共に過ごせます。
気を付けたいのが多頭飼いをしている場合です。マンクスはあまり多頭飼いに向いていないので、もし先住猫がいる場合は徐々に距離を縮めてあげるようにしましょう。
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マンクスを飼うときの注意点と、かかりやすい病気
とっても可愛いマンクスを実際に飼う場合に気を付けたいこと、普段のお手入れ、生活環境などを知っておきましょう。
ブラッシング
マンクスはダブルコートのため定期的なブラッシングは欠かせませんが、尻尾がないランピータイプは注意が必要です。
ランピーは尻尾のあった場所の付け根が非常にデリケートです。触られることをとても嫌がるので、お手入れをするときは注意するようにしましょう。
運動
マンクスは物静かな猫が多いですが、ハンター気質なので運動を好みます。後ろ足が長く走るのがとても得意で、元々は穀物庫を荒らすネズミなどを退治する仕事をしていました。
その為ジャンプも走るのも得意なマンクス、十分な運動ができるスペースとジャンプ運動ができるキャットタワーなどを用意してあげしょう。
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ちなみに丸いあの身体からは想像できませんが、マンクスは木登りが上手なのだそうです。また水を怖がらない珍しい猫でもあります。だからと言って泳ぐと言うわけではありませんので、無理矢理水のなかに入れたりしないようにしてください。
生活環境
マンクスは静かな場所を好み多頭飼いをあまり好みません。またマンクスは家出をよくする猫です。
とても賢い猫なので家のドアや窓を自分で開けて外に出ていったきり帰ってこないなんてこともあります。
マンクスを飼う場合は完全室内飼いにし、動物病院などに行くときはキャリーから脱走しないようにする。家の中は脱走防止策を徹底するなど、大事な愛猫の為に徹底しましょう。
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かかりやすい病気
マンクスのランピーの特徴である尻尾が無いという遺伝子は大変致死率の高い劣性遺伝です。この劣性遺伝は母猫と父猫両方から受け継ぐことにより発症します。
その為ランピー同士の交配、3代続けてのランピーの交配は禁忌とされています。 またマンクスが持つ尻尾が無い劣性遺伝は様々な遺伝疾患を引き起こします。
マンクス症候群と呼ばれるこの疾患は脊椎破裂、椎間板異常、膀胱や直腸の機能障害という様々な症状を引き起こし最悪の場合死に至ります。
このマンクス症候群を持っているかは、生後半年まで分からないのも特徴の1つです。他にも尿路結石にもなりやすく平均寿命も10~13歳と他の猫よりも短くなっています。
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マンクスの歴史と面白い逸話
マンクスはイギリスとアイルランドに挟まれた島、マン島というところで自然繁殖した猫です。
マン島という孤島で、突然変異で産まれた尻尾の無い猫が多種との交配をすることなく繁殖した結果、尻尾の無い不思議な猫マンクスが産まれたと言われています。
尻尾がないということは、猫の観点からいうと劣性遺伝となるので通常なら消えてしまうのですが、マンクスの尻尾に関しては優勢遺伝のようで子孫に受け継がれていきます。
しかし劣性であるはずの遺伝子をもつ猫が優勢で生まれてくるため、マンクスは奇形や死産が多く繁殖がとても難しい猫なのです。
ノアの方舟に尻尾が挟まれた?
実はマンクスはその尻尾の無い不思議な見た目から様々な逸話が囁かれています。その1つがノアの方舟に挟まれたというもの。
ノアの方舟は有名な話しなのでご存じの方も多いでしょうが、ノアが様々な動物の雌雄を方舟に乗せて出発しようとドアを閉めようとしたときでした。
慌てて駆け込んできた1匹の猫、その猫に気付かずドアを閉めてしまった船員は誤って尻尾を挟んでしまいました。ドアに挟まれた猫の尻尾は無くなってしまったそうですが、この猫こそマンクスだというのです。
毛皮にされないように尻尾を噛み千切った!?
中世マン島の戦士たちは兜を装飾する為に猫の尻尾を使うため、マン島の猫の毛皮を使っていました。
それを知ったある母猫は、我が子が毛皮にされないようにと産まれたばかりの子猫の尻尾を噛み千切り毛皮にされないようにしたのが尻尾の無い猫の始まりだという説もあります。
その後、自分の子猫達が殺されないようにその母猫は娘にこの知恵を授け、その娘も同じように尻尾を噛み切って・・・と、代々受け継がれていったそうです。
ウサギと猫の間に産まれた子猫!?
おとぎ話のような話ですが、マン島に住むメス猫とオスのウサギが恋をして産まれたのがマンクスだという説もあります。
種族を越えて結ばれた2匹の間に宿った新たな命。しかし、この2匹の子供をウサギにするか猫にするかという問題があがりました。
2匹で話し合った結果、顔は猫で足はウサギというふうになりましたが尻尾をどっちにするかと言うことで喧嘩になってしまいます。それを見かねた神様が、尻尾は無くすという案を出し現在のマンクスが産まれたというお話です。
どの説もありえない気がしますが、なんとなく説得力があるような気がします。1つ言えることはどの逸話も尻尾の無い摩訶不思議な猫、マンクスに魅力を感じ想像を巡らせたのだろうということです。
どの逸話が本当だとしてもマンクスの魅力には変わりありません。私は個人的にはウサギと猫の子供説が一番好きです。皆様はどの説が好きですか?
マンクスの購入方法と平均価格
マンクスは前述したとおりとても繁殖が難しくブリーダーも少ない猫種です。日本ではペットショップでも仕入れるのは困難なので、私たちがマンクスを見ることはなかなか難しいです。
それでもマンクスがどうしても飼いたいというかたにその方法をご紹介します。
海外のブリーダーから個人輸入する
実際にマンクスの子猫を購入する場合は、残念ながら私の調べた限り日本にはマンクスを繁殖しているブリーダーはいないようなので海外のブリーダーから個人輸入をする必要があります。
マンクスのブリーダーが多いのはイギリスやアメリカですが、それでも頭数は少ない大変貴重な猫です。
海外からマンクスを個人輸入する場合、まずぶつかる壁は英語でやり取りをしないといけないということです。
個人輸入なので間に業者が入らず、ブリーダーと直接やり取りをしなければいけないので何らかのトラブルが起きたときも自分で対処しないといけません。さらに、マンクスを海外から連れてくるときの輸送費も自腹となります。
マンクスの生体代は15~20万円台、そこに輸送費も足しての金額となります。もし個人輸入をお考えの方は購入前にしっかりと調べるようにしましょう。
ペットショップや里親募集サイトにも稀に出ることがある
稀にですが、ペットショップでの販売や里親募集サイトにてマンクスが出ることもあります。
マンクスを飼いたいけど個人輸入はハードルが高いという方は小まめに里親募集サイトや情報誌の里親募集欄、ペットショップをチェックするようにしましょう。
▼全国の保護猫施設情報はこちらからどうぞ
保護猫の譲渡を受けられる施設・団体の全国マップ
とても個性的なマンクスの魅力
尻尾が無い猫というだけでも珍しいのに、聡明で物静かな性格や個性的な逸話、ウサギのように丸い身体など知れば知るほど魅力的な猫ですね。
まだまだ珍しい猫ですが、これから先交配が進み遺伝疾患の無い強い猫になればもっと個体数も増えるはずです。
何年後になるかはわかりませんが、日本のペットショップでも頻繁に見ることが出来るようになれば人気が爆発すること間違いなしですね。