猫のくしゃみ。聞いたことありますか?そして鼻水。動き回ってまき散らしてしまう猫さんもいますよね。
これらの症状、ヒトのようにすぐ治ると思っていませんか?猫の場合、それは早く対処すべき病気のサインかもしれません。
くしゃみと鼻水の原因・対策・予防法と、実際にわが家の猫がくしゃみ鼻水の症状から猫風邪になったときのことをお話します。
猫のくしゃみと鼻水が同時にでているときの原因
かわいい猫のくしゃみ。わが家の猫はヒトのような立派なくしゃみをします。猫によってさまざまなくしゃみの仕方があるようですが、そもそもどうしてくしゃみが出るのでしょうか。
生理現象によるもの
猫もヒトと同じように生理現象としてくしゃみをします。ほこりやゴミが入った等の一時的なくしゃみで問題はありません。
アレルギーによるもの
ノミ・ダニ・花粉・ハウスダスト・食べ物からのアレルゲンによってでるくしゃみ。ヒトと同じようにその日のアレルゲンの量や季節、自身の体調によってくしゃみの頻度や症状はかわってきます。
▼猫にも食物アレルギーがあるんです。アレルギー症状によって愛猫が苦しむことがないように、餌選びもしっかりしてあげましょう
猫の食物アレルギーは油断禁物!正しいフードの選び方
病気によるもの
生理現象ではなく何日もくしゃみ鼻水がとまらない、鼻がつまり涙が出ているなどの症状がある場合、総称して猫風邪と呼ばれる病気やその他重篤な病気である可能性が高いです。
病気かな?と思ったら。こんな症状に注意!
以下の症状がある場合できるだけはやく動物病院へ連れていきましょう。
- 数日止まらないくしゃみ
- 涙・目やに・鼻水・鼻づまりの症状
- 元気がなく、ごはんを食べない
- 熱がある
くしゃみ鼻水で特に多い病気は猫風邪です。猫風邪とはヘルペスウイルスやカリシウイルスによって引き起こされる感染症の病気で、くしゃみ・鼻水・涙・目やに・熱・鼻づまりなどの症状があります。
ヒトと同じように安静にして放っておけば治ると思ってしまいがちですが猫の場合悪化してしまうことが多いのです。
更にヘルペスウイルスとカリシウイルスの場合は感染力が強く、一度症状が治まっても体力の低下など何らかのきっかけでまた症状が出ることがあります。
逆に猫風邪だろうと思っていても、実は別の重篤な病気だったとゆうこともあり得ます。安易に考えずなるべく早い段階で病院に連れて行ってあげてくださいね。
▼猫風邪の症状については、こちらもご覧ください
つらすぎる猫風邪の症状まとめ。くしゃみや鼻水が止まらない!
猫風邪は感染力がとても強いので、あっという間に猫風邪は猫へうつってしまいます。多頭飼いの方はすぐに隔離をはじめたほうがベストです。
感染経路はくしゃみ・鼻水など体液に含まれる病原体が、健康な猫の粘膜に直接触れて感染します。
ごはん・水の器やケージ、セルフグルーミングやアログルーミングを通しての感染や、子猫のときの環境など何らかの原因ですでに感染していたということも考えられます。
猫のくしゃみや鼻水を予防する6つの対策
愛猫に健康に過ごしてもらうために、できることから予防を始めておきましょう。
- 加湿器等で乾燥を防ぐ
- 掃除をする
- 野良猫に触れたあとは手洗いうがいをする
- 体力の低下を防ぐ為、ストレスの少ない環境作りや食事面にも気を配る
- 予防接種を検討する
- 猫は本能的に体調が悪いことを隠す習性があるので様子をよく見てあげる
すでに感染した猫がいる場合は、他の猫と共通して使っていたものを除菌しましょう。消毒用エタノールを乾いた状態でスプレーすることで消毒できます。煮沸消毒や、思い切って買い換えることも効果があります。
特にヘルペスウイルスとカリシウイルスは付着した状態で4~5週間は感染力を維持することができる強いウイルスなので注意が必要です。
▼猫自身の免疫力を少しでもあげていくことで、病気に負けない体になってもらうこともできますよね
猫の免疫力をあげる方法。免疫力アップで病気に負けない体を作ろう!
猫の風邪はヒトにはうつらない…でも人獣共通感染症に注意!
通常うつることはありません。猫の風邪がヒトにうつることもありませんし、ヒトの風邪が猫にうつることもありません。
ただし動物からヒトへ、ヒトからヒトへ、ヒトから動物へ伝播できる感染症も存在しています。人獣共通感染症(zoonosis)といいます。
人獣共通感染症(zoonosis)とは
細菌・真菌・原虫・寄生虫などから感染するもので、猫から感染する代表的な病気は以下のようなものがあります。
- サルモネラ症
- ねこひっかき病
- カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
- Q熱
- パスツレラ症
- トキソプラズマ症
- 回虫幼虫移行症
- 皮膚糸状菌症
他にもさまざまな感染症があります。
動物側は無症状でもヒト側は重症になる病気またはその逆もあり、病原体によってさまざまです。最近ではコリネバクテリウム・ウルセランス感染症で国内初の死者が出て注目されましたね。みなさんも気になっている病気ではないでしょうか。
▼特に野良猫の場合、これらの他にも色んな病原菌を保有している可能性が高いので気を付けてください
野良猫に多い病気まとめ。ヒトや飼い猫が感染に気をつけたい7つ
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症に感染した場合
咳やくしゃみ、風邪の症状、皮膚炎や粘膜炎症の症状が現れます。人間に感染すると風邪のような初期症状があり、重篤になると呼吸困難や皮膚変病を引き起こします。
治療法は抗菌薬が有効とされています。もしかしたらと思った場合は早めに病院へ行くことが大切です。すべての感染症に言えることですが、特に子どもや高齢者は免疫力が低いので注意が必要になります。
注意するポイント
感染しないために守りたい5つのポイントをご紹介します。
- トイレ掃除をしたあとは必ず手を洗う
- 猫(特に野良猫)に触れたときは手洗いうがいをする
- 室内飼い猫と野良猫の接触は避けたほうが良い
- キスなどの濃厚接触を我慢する
- 生活スペースはいつでも清潔に
ペットからの病気関連のニュースがテレビで放送されたりすると、私はよく両親に「猫なんて飼って大丈夫なの?」「飼わなければよかったのに」と言われます。でも大切なところはそこではないですよね。
猫が直接的に悪いのではなく環境や方法が間違っていたり、病気の猫を放置しておくことに問題があります。
大切なことは共通感染症や飼育の方法・環境についての正しい知識を持っておくこと。それが愛猫と健康で楽しい毎日をすごすことに繋がるのではないでしょうか。
▼日頃から飼い主さんが除菌をしておくことも大切な予防ですよね。オススメな次亜塩素酸水についてはこちらをどうぞ
次亜塩素酸水で猫の生活空間を除菌!その驚きの除菌力とは
【体験談】わが家の猫風邪事情
わが家には猫が2匹います。しろみ(白猫2歳♀)とろく(シャムトラミックス1歳♂)です。ろくがクリスマスにくしゃみと鼻水が止まらなくなり、動物病院の診断で猫風邪とわかりました。
熱・鼻水・鼻づまり・涙の症状で食欲がなく、手でごはんをあげるとやっと食べてくれる状態でした。
薬(抗生物質が出ました)を飲ませ、涙と鼻水が出ていればそのつど拭いて、できるだけ顔をきれいにしていました。くしゃみをたくさんして鼻水が周辺に飛び散るので除菌シート片手に猫のおしりをついてまわる日々でした。
あったかくするために私のお古のマフラーでぐるぐる巻いてあげて「なんでクリスマスやのに・・僕だけ・・」のような顔をして可哀想な姿でしたが、約2週間かけて回復しました。とても長かったですし、とても心配でした。
病院から戻った後すぐに隔離をしていましたが、時すでに遅し。2匹目の子もくしゃみをはじめ病院に行くことになってしまいました。多頭飼いの方は特に一刻も早い隔離の判断が必要になると思います。
猫風邪の子用に部屋を一つあけ隔離をしました。完璧な隔離は難しいところもありましたが、全く隔離しないのとは、感染スピードは違うと思います。
その1年後、クリスマスに苦しんでいたろくのくしゃみがまた始まりました。(みなさまも夜中の顔面くしゃみシャワーにはお気をつけて)前回より症状は悪くなく、しばらくすると治まったりしていたので病院はまだ大丈夫かな?と思っていました。
ある日帰って顔をみると鼻の横のぷっくらしたあたりに直径1?ほどの丸いハゲが。えぐったらしく毛も無く、赤く血も滲んでいてびっくりしました。
しろみを疑ったりしながら病院へ連れて行くと「猫風邪の初期症状で鼻がむずむずしたり、かゆくて自分で掻き毟ってこうなったのでしょう。しろみがこんなピンポイントで怪我をさせることはできないよ」と先生に言われました。
くしゃみが出ていても前回よりひどくはないからもうすこし様子をみようと安易に判断し、病院を先延ばしにしてしまったのが原因だったと感じています。
その日は注射をしてもらい(ウイルスの増殖を抑える注射だったと思います。)帰ってからしろみに平謝りしたことを覚えています。病院に行ってから比較的はやくに症状は良くなりました。やはり猫風邪には早めの病院。これが一番だと思います。
完全室内飼いだし大丈夫だろうと思っていたわが家の猫が、実際こんなに簡単に猫風邪になるなんて。感染力の速さや症状を目の当たりにし、改めて予防を考えるようになりました。
今まで加湿器の水がなくなってサインが出ていても面倒で補給が遅かった私ですが、加湿のためにすぐ水を補給するようになったり、ここ数年寒暖の差が激しいので昼間留守の間の温度管理を旦那さんと考えたり。
大好きな仲良しの野良猫ちゃんと遊んだ後は手を洗うことを徹底するようにしたり、ごはんの栄養面の見直しをしたり。それは自分の為にも愛猫のためにもなりますよね。
▼日頃から大切な愛猫が猫風邪に感染しないために、飼い主さんが生活の中で気を付けておくことが大事です
猫風邪は人や猫同士でうつる?気をつけるべき感染経路
愛猫との健やかな毎日の為に。くしゃみ鼻水でも見逃さないで
猫にとってくしゃみや鼻水は生理現象を除いて侮れない病気のサインです。安易に判断せず、できるだけ早く病院へ連れて行ってあげてくださいね。
そしてみなさんも今の愛猫との生活を今一度ふりかえってみませんか?そこにはちょっとした見直しがあるかもしれません。愛猫との健康で健やかな毎日をずっと送るために正しい知識を持ち、今できることから始めましょう!