猫の首輪を選ぶコツ!猫に安全な首輪を選んで猫の事故を防ごう

猫を飼う時、誰もが一度は気にするのが首輪についてではないでしょうか。

首輪をつけて歩く猫はいかにも飼い猫という風情で可愛らしいですよね。

ペットショップに行けばデザインや機能性に富んだ猫の首輪がずらりと並んでおり、飼い主としてはぜひ愛猫に似合う首輪を見つけてあげたいところ。

しかしその一方で、首輪をつけない方が猫はのびのび過ごせていいのではないかと悩む飼い主さんもいるかと思います。

そこで猫に首輪が必要になる理由や、安全に配慮した首輪の選び方についてご紹介します。

猫の首輪は迷子防止のためにある

猫の首輪の主な役割は2つあります。

ひとつは迷子防止、そしてもうひとつが飼い猫である証明です。

外を歩いている猫でも、首輪がついているのを見ると「あ、誰かに飼われている猫なんだな」と思いますよね。

しかし、もしその外を歩いている猫が

  • 首輪をつけているのに痩せこけていたり汚れている
  • 純血種など、どう見ても日常的に外を歩いているようには見えない

などの場合、「これはもしかして脱走して迷子になっているのでは……」と見当をつけることになります。

そんな時猫に慣れた人であれば、保護して首輪についた迷子札を見ることで飼い主さんのところへ猫を帰してあげることができるでしょう。

その昔、筆者が出勤のため自宅の玄関を開けたところ、目の前に純白のペルシャ猫がちょこんと座っていたことがありました……。かつおぶしで誘導して捕獲し、首輪を見ると迷子札を発見。

おかげで、この「おうちから出たのは初めてです!」という風情のペルシャちゃんは無事、迅速に数十m離れたおうちに住んでいた飼い主のもとへと帰還することができたのです。

また、首輪をつけていれば基本的に飼い猫ということになるので、外を歩く猫でも野良猫と間違われて拾われたり、保健所の人間に捕獲されたりといった可能性を下げることができます。

猫に首輪をつけないまま自然に生活させてあげたいという飼い主さんもいるかと思いますが、首輪はいざという時、猫の安全対策のひとつとなります。できる限りつけてあげるのがよいでしょう。

猫の首輪を安全につけるポイント

猫の首という急所に巻く首輪は、適切な付け方をしなければ猫にとってむしろ危険な存在になりかねません。

日常的にずっとつけていてもらうものですから、飼い主さんはぜひ安全なつけ方を知っておきましょう。

猫の首輪の適正サイズ「ヌードサイズ+4~6cm」の首輪を選ぼう

猫の首輪を選ぶ際、最も重要なのはサイズです。まずはメジャーや紐などを当てて猫の首回りのヌードサイズを計りましょう。

猫の首を覆う被毛がふわふわと膨らんでいるので、ヌードサイズを計るのは意外と大変です。注意しながらまずはぴったりジャストのサイズを確認してみてください。

そしてそのヌードサイズにだいたい4cm~6cm程度を足したサイズが、後述する「指2~3本入る程度」という条件を満たす、猫の首輪の適正サイズとなります。

猫の首と、首輪の間に指が2~3本入る程度の長さに調整しよう

猫の首輪をつける時は、指2~3本程度が入る程度の余裕を持ってつけてあげましょう。

首輪なのだからぴったりと猫の首に沿うサイズでつけた方がいいのではないかと思われるかもしれませんが、ぴったりとした首輪をつけていると猫が窮屈に感じてストレスとなる他、首回りの猫の被毛が痛みやすくなってしまいます。

緩めにつけてあげた方が痛みにくく、また被毛や皮膚が擦れ続けることによる皮膚病などの可能性を下げることができます。

かといって緩すぎるとなにかの拍子に猿ぐつわのような状態になることもあり危険です。

きつすぎず緩すぎない、適度なサイズの目安としてよく言われるのが、「隙間に指2~3本が入ること」なのです。

猫の首輪をつけた後は定期的にサイズをチェックしよう

特に成長期の子猫に首輪をつけてあげる場合、できれば毎日、最低でも1週間に1回は首輪のサイズを確認しましょう。

子猫の成長はとても早く、生まれてから半年足らずで手のひらサイズからほぼ成猫と変わらない大きさへと育ちます。

当然首回りもどんどん太くなりますので、成長に合わせて首輪を緩めるか取り替えてあげないと首が締まってしまいます。

また、成猫となっても首輪のサイズは定期的に確認しましょう。成長が止まっていても、痩せたり太ったりという変化がありますし、首輪は動いていると自然に緩んでくることがあります。

窮屈なのも問題ですが、緩みすぎると今度は体に引っかかって事故の原因となることがあるので、点検を怠らず猫に最適なサイズを維持しましょう。

猫が首輪を嫌がる時の慣らし方

神経質な猫であったり、大人になってから首輪をつけることになり慣れていない場合、猫が首輪を嫌がることがあります。

そういった時は決して無理に首輪をつけるようなことはせず、

  • 毎日時間を決めてその間だけ首輪をつけるようにする
  • 練習用としてできるだけ軽くシンプルなデザインのものを選んでつけてあげる
  • 普段から首輪を猫の近くに置き、首輪を猫にとって「見慣れた」存在にする

などして少しずつ慣らしていきましょう。

猫に安全で快適な首輪を選ぶコツ

ペットショップで猫の首輪コーナーを覗くと、実に様々なデザインがあり目移りしてしまいますよね。

また機能的にも、各社とも様々なこだわりで首輪を作っているので、どれを選んだらいいのかと悩むこともしばしばです。

そこで猫の首輪を選ぶ際、どういったことを基準に決めたらよいのかをご紹介します。

猫専用のものを選ぶ

猫の首輪を選ぶ際、まずはきちんと「猫用」と記載のある製品を選びましょう。小型犬用のものなど、サイズ的に猫に流用できる場合がありますがおすすめしません。

犬の場合は首輪にリードをつけて散歩させることもあり、首輪は猫のものよりかなり頑丈にできていることが多く、かつ後述するような、いざという時に外れるセーフティ構造になっていません。

猫に快適に過ごしてもらうためにも猫専用の首輪を選んであげましょう。

毎日つけても負担にならない軽い首輪を選ぶ

革など、猫の首輪の材質によっては猫にとって重かったり、硬かったりすることがあります。

重い素材は猫にとって負担になりますし、硬い素材は長期間つけていると猫の被毛、場合によってはその下の皮膚まで傷つけてしまいます。

よく、猫の毛がすり切れるから首輪はしたくないという方針の飼い主さんがいらっしゃいますが、布製などできるだけ軽く柔らかい素材の首輪をつけてあげればそのリスクを最小限に抑えてあげることができます。

筆者の以前飼っていた猫(長毛種・短毛種両方)は我が家に来てからずっと首輪をつけ続ける生活でしたが、柔らかい布地の首輪を緩めにつけていたせいか、首回りの毛が痛んだと感じたことは特にありません。

猫にとって安全なデザインかを考える

例えば縫製が甘く糸が出ているものや、デザイン重視でビーズなど小さな装飾がたくさんついているものはおすすめできません。

糸がほつれていると猫の爪に引っかかることがあり、また小さな装飾は万一とれた場合に猫が誤飲しやすく危険です。特に好奇心旺盛でなんでも口に入れたがる猫の場合はできるだけ避けた方がいいでしょう。

実際に首輪を手にとって、猫が首輪をつけたところを想像し、長期間つけても猫にとって安全そうかを確認するのが大事です。

セーフティ首輪がいざという時の保険になる

猫の首輪で最近主流となっているのは、過剰な負荷がかかると自動的に外れる仕組みになっている、「セーフティ首輪」と呼ばれるものです。

首輪が簡単に外れるという構造は、迷子になった時を想定すると不安かもしれません。

しかし外れないタイプの首輪をしていて、ひっかかったままとれずに首が締まり命を失うという不幸な例が実は数多く報告されています。

セーフティ首輪をつけていれば猫にとって多くの事故が防げるので、猫の首輪はできる限りセーフティタイプのものを選んであげましょう。

遠くからでも視認しやすい色にする

外にお出かけする猫の場合、蛍光色あるいは反射シートを取り付けた首輪を選んであげることで夜でも視認性が高くなり、車の事故に巻き込まれる確率を下げることができます。

また夜に猫が家の外に出てしまった時も探しやすく、いざという時安心です。

室内飼いの場合でも、例えば茶トラの猫に真っ赤な首輪をつけてあげると、フローリングの上など保護色になってしまう場所でも視界に入りやすいため居場所がわかりやすくなります。

「知らない間に猫が足元にいて、誤って猫を踏んでしまった」などの事故を防ぐことができるので、猫の首輪購入の際、色選びに迷ったらこういった基準で選ぶのがおすすめです。

猫に鈴をつけることのメリットとデメリット

「猫に鈴をつける」というたとえがあるほど、猫の首輪に鈴をつける行為はポピュラーなものです。

鈴をちりんと鳴らして歩く猫の姿はなんとも愛らしく、つい真似したくなりますが、実は猫にとってはストレスのかかる行為です。

猫の首輪に鈴をつけたい場合、そのメリットとデメリットをしっかり把握した上で検討しましょう。

【 猫の首輪に鈴をつけるメリット 】

  • 居場所がわかりやすい
  • 見た目や音でおしゃれを楽しむことができる

「猫の首輪に鈴をつける」というのは主に飼い主にとってメリットのある行為です。猫が動けば鈴が鳴るので、

  • 音もなく足元に来た猫に気づかず、猫の足を踏んでしまった
  • 動物病院に連れていかなければならないのに、逃げられてどこにいるのかわからない
  • 押し入れに猫が入り込んだことに気がつかず扉を閉めて猫を閉じ込めてしまった

などの事態を回避できます。また、室内飼いの猫が誤って外に出てしまった場合も探しやすいので、万一の場合の保険になります。

【 猫の首輪に鈴をつけるデメリット 】

  • 猫にとって鈴の音がストレスになる
  • 鈴の音で獲物を逃してしまう、あるいは敵に見つかってしまう

一方、猫の首輪に鈴をつける行為は猫にとっては迷惑なものです。

鈴が鳴っても気にならないおおらかな性格の猫であればともかく、神経質な性格の猫の場合動くたびに鳴り続ける鈴の音がストレスになり体調を崩すことがあります。

子猫のうちから鈴付きの首輪に慣れさせたり、猫が気になりにくい小さな音の鈴を選ぶなど、できるだけストレスを与えないように配慮して鈴をつけるべきです。

また、どうしても嫌がる場合は決して無理につけてはいけません。

おしゃれな首輪は撮影用だと割り切ろう

大ぶりのリボンやふわふわのレースなどがふんだんに使われた豪華でおしゃれな首輪が販売されていますが、普段使いにはそのような凝った首輪は避けた方がいいでしょう。

この場合問題となるのはリボンやレースそのものではなく、その飾り部分の大きさです。例えば大きいリボンなどのごてごてした装飾は食事の際に食器に入ることが多く、頻繁に濡れたり汚れたりするので衛生的に問題があります。

また猫は後ろ足で首もとをかきますので、後ろ足の爪がレースなどの装飾にひっかかってしまうと大変です。

普段使い用としてはリボンやレースなどの装飾は小振りなものを選び、大降りなものは撮影用としてここぞという時に使ってみてはいかがでしょうか。

犬と違って猫は普段洋服を着たりしませんので、飼い主が愛猫のおしゃれを日常的に楽しみたい場合主な手段は首輪になります。

つい派手にしたくなってしまいますが、装飾たっぷりのおしゃれな首輪はぜひ、飼い主さんが見ている間だけつけて楽しむようにしてあげてください。

首輪と一緒に迷子札やマイクロチップをつけよう

猫の首輪を選ぶ際、ぜひ一緒に検討してほしいのが迷子札の存在です。

たとえ完全室内飼いの猫であっても、十数年も飼っていれば1回くらいなにかのはずみで家の外に出てしまう可能性はゼロではありません。

また、地震などの災害時に離ればなれになってしまうことも考えられます。

そんな時大切な愛猫を守るのが、飼い主の連絡先を記入した迷子札です。

首輪にぶらさげるタイプの他、首輪そのものにとりつけてしまう一体化型タイプ、また直接連絡先を書き込めるタイプの首輪も販売されていますので、愛猫に合ったものを選んでつけてあげましょう。

神経質な猫ちゃんには一体型か直接書き込めるタイプの方が札がぷらぷらせずおすすめです。

また、もうひとつの保険としてマイクロチップも有効です。体内に直接埋め込むということに抵抗を感じる飼い主さんも少なくないと思いますが、マイクロチップは首輪が外れてしまった際の最後の保険になります。

また、最近ではペットショップに並ぶ猫だと標準でマイクロチップが埋め込まれていることも多く、普及率も年々高まっています。迷子札に不安を感じる場合は検討してみてはいかがでしょうか。

猫の首輪を正しくつけて、猫の安全に配慮しよう

猫の首輪による不幸な事故を防ぐため、最近では猫の首輪は非常に進化してきています。

セーフティ首輪の他にも抗菌加工、ノミ対策、中にはGPSがついているような高性能なものまで販売されるようになりました。

昔よりも選択肢が増えたことで、正しく首輪をつけた猫の安全は飛躍的に高まっています。

これから初めて猫を飼い首輪をつけようとしている飼い主さんはもちろん、以前猫の首輪をつけて駄目だったからつけないという飼い主さんもぜひもう一度、猫の首輪を検討してみてはいかがでしょうか。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ