猫の口臭は病気のサイン?いつもと違った臭いに注意して

  • 「あれ?もしかしてうちの子、口がにおうかも」
  • 「最近よだれが気になる……」
  • 「フードを変えたら口臭がきつくなった!」

など、愛猫の口臭が気になっている方も多いかと思います。

特に、シニアの猫や身体の弱い猫は口のなかの病気にかかりやすいので、口内環境の悪化から常によだれや口臭に悩まされてしまうことも。

口臭は体調不良のサインです。

「突然口臭が目立ってきた」「いつもとちがうにおいがする」など、猫ちゃんのお口の変化をしっかりチェックすることで、病気を予防しましょう。

今回の記事では猫の口臭の原因についてご紹介します。

あなたの愛猫は大丈夫?口臭をチェックしてみよう

ではさっそく、口臭をチェックしてみましょう。

顔を近づけるとにおいがする程度なら、まだ口臭の初期段階です。

  • となりにいるだけで口臭がわかる
  • 口から便のようなにおいがする
  • よだれに血が混じっている

もしこのような症状があるなら、口内環境がかなり悪化している証拠です。さらに食欲不振や嘔吐などの症状も同時に現れているときは、すぐにお医者さんへ連れて行きましょう。

口臭の原因を突き止め、できるだけ早くケアや治療をはじめることが大切です。

口内環境が原因!?たかが口臭と放置は厳禁

口臭の原因のひとつとして、口のなかの疾患があげられます。

ただの口臭だからと放置していると、疾患が悪化し、さらに重大な病気を引き起こすことも。

口臭の原因になり得る口のなかの疾患についてご説明します。

歯肉炎・歯周病は口臭の原因ナンバーワン!

人間と同じように、猫も歯肉炎・歯周病になります。

歯ぐきに炎症が起きている状態を「歯肉炎」、歯肉炎がさらにひどくなり歯を支える歯根膜や歯槽骨にまで炎症が広がった状態を「歯周病」とよびます。

口のなかの環境が悪化することで、雑菌が大量に繁殖し、きついにおいの原因となるのです。

愛猫の歯をチェックしたとき、歯の根元が黄色く黄ばんでいることがあります。これは、歯石が溜まっている状態です。

歯石は一度ついてしまうと歯みがきで取り除くことがほぼできないので、溜まってしまう前にケアしてあげましょう。

口のなかで発生した雑菌が、ご飯をたべるたび全身に運ばれ、

  • 腎臓病
  • 心内膜炎
  • 糖尿病

などの、慢性疾患や、命にかかわる病気へと発展してしまうことも。

特に、歯ぐきが赤く腫れ、かたいものを噛むと出血してしまう場合は要注意です。

進行すると歯周ポケットが深くなり、歯がぐらぐらしたり、抜け落ちてしまうこともあります。

痛くてつらい口内炎に注意して

私たちの思い浮かべる口内炎といえば、白くてぽつっとできるものですが、猫の口内炎は赤く腫れあがったり、潰瘍を引き超すこともあるやっかいな疾患です。

口臭だけでなく、よだれがひどく、ご飯を食べようとしないときは口内炎を疑ってください。

口をあけると痛いので、フードをこぼしたり、食事中に走り回ることもあります。症状が進行し痛みがひどくなると、食欲がなくなり、水さえ飲まなくなってしまうことも。

口内炎は猫にとってはもちろん、見守っている飼い主もつらい疾患です。

グルーミングができず、よだれがたくさん出て身体や口の周りが汚れ、顔まわりの毛がボロボロになってしまうこともあります。

口臭と同時に、体毛の様子やきちんとグルーミングできているかについてもしっかりチェックしてあげてください。

放っておくと歯肉が腫れ、ただれてしまいます。

ねばねばした血が混じったよだれをたらすこともあるので、痛がるかもしれませんが、よだれを拭くときに確認しましょう。

私たちは、口内炎になることなど日常茶飯事ですが、猫の場合は重大な疾患から発生していることもあります。

口内炎の原因は、口の中にできてしまった傷によるものや、ヘルペスウイルスや白血病ウイルスなどのウイルス感染症によって起こることがあります。

歯肉炎や歯周病だけでなく、さまざまな疾患と併発して引き起こされるケースが多いので、早めにお医者さんに相談しましょう。

その口臭、もしかして病気のサインかも!

口臭は口内環境の悪化だけでなく、体内の疾患によっても引き起こされる場合があります。

肝臓や腎臓の働きが悪くなると、分解・排泄されるべき物質が体内に残って、独特のにおいになるなど、猫の口臭は不調のサインでもあるのです。

口臭を引き起こす可能性がある疾患について、詳しくご説明します。

口から便のにおいがするときは、巨大結腸症・腸閉塞を疑って

  • 愛猫の口臭がなんだか便くさい
  • 長期間の便秘が続いている
  • 食欲不振で嘔吐も繰り返している

こんな症状が見られたときは、巨大結腸症や腸閉塞を疑ってください。

腸の機能が低下し、肛門のすぐそばにある結腸が大量の便でつまって機能しなくなる疾患を巨大結腸症とよびます。

自力で排せつすることができなくなってしまうので、どんどん便が溜まってしまい、腸管内で細菌が増殖。外科手術が必要な場合もある恐ろしい病気です。

排便の姿勢をとると、力んだ瞬間に吐いてしまうこともあり、猫にとって非常にストレスの大きな疾患です。

便秘と嘔吐、口臭に気づいたら、すぐにかかりつけのお医者さんで診察を受けてください。

また、腸閉塞はその名の通り、腸に何かがつまってあとからくる消化物をその場でブロックしてしまい、腸が正常に機能しなくなった状態を指します。

どちらも、長期間の便秘によって口からも便のにおいがすることもあるので、なんだかいつもとちがうにおいがするなと感じたら、病院で診てもらいましょう。

口から酸っぱいにおいがする!?口臭で気づく糖尿病

  • 多飲多尿が目立つ
  • 口から甘酸っぱいようなにおいがする
  • 体重がどんどん減量している

これらの症状が見られた場合、糖尿病の可能性があります。

糖尿病とは、ホルモンの一種であるインスリンの働きが悪くなり、身体のなかに取り込んだ糖をエネルギーとしてうまく利用できなくなってしまった状態を指します。

血液中の糖濃度が高くなった状態は長期的に続くと、身体のさまざまな部分に疾患を引き起こしてしまうのです。

糖尿病になると、ケトン体という物質が体内でつくられ、甘酸っぱいような口臭が確認されるといわれています。

口臭だけでなく、身体からも酸っぱいにおいがするそうなので、体重の減少や多飲多尿と共に、気をつけてチェックしてあげましょう。

猫がかかりやすい疾患NO1!その口臭、腎不全から?

腎不全は猫の死因のトップであるといわれている疾患です。

腎臓は、体内から老廃物を取り除き、血液をきれいに保つ役割をもっています。

その機能が低下し、身体のなかでつくられたアンモニアなどの老廃物を身体の外に排出できなくなり、腎不全を引き起こしてしまうのです。

腎不全になると、さまざまな症状を併発してしまう場合があります。そのひとつが尿毒症です。

尿毒症は、老廃物の蓄積によって引き起こされます。

腎臓の浄化機能が低下し、アンモニアが循環することによって、口臭がアンモニア臭になる特徴があります。

アンモニア臭のほかに、

  • 食欲不振
  • 多飲多尿
  • 貧血

などの症状がある場合、すぐにお医者さんに相談しましょう。

口のにおいで飼い猫の体調に気づこう

猫の口臭の原因について、さまざまご紹介してきましたが、このような恐ろしい病気だけでなく、少し体調が悪いときでも猫の口臭は変化します。

例えば、猫風邪のときなど、

  • くしゃみ
  • よだれ
  • 鼻水

と一緒に、口臭もいつもより悪化する傾向にあります。

口のにおいがいつもとちがう!と焦るのではなく、同時に出ている症状や食欲、便の様子など、毎日の生活をチェックし、体調を管理してあげてください。

早めに気づいて、お医者さんでの治療・家庭でのケアを行うことが大切です。

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