穀物フリーのキャットフードはおすすめできる!理想とされる理由とは

最近は猫を迎い入れるご家庭も増えてきましたね。

ひと昔前であればねこまんまと言えばご飯にカツオ節でしたが、それは猫が自由に外と行き来出来たから成り立っていた事で、室内飼育の場合は間違いなく猫の健康を害します。

今はキャットフードを与えているご家庭がほとんどだと思います。一口にキャットフードと言っても多様な種類があり、猫の健康を優先していないフードが多いのも残念ながら現実です。

本来、猫は穀物類を単体で食べる動物ではありません。そのため、キャットフードにも穀物フリー(穀物類未使用)が望ましいのです。

この記事では猫の食習慣とキャットフードの選び方、穀物フリーフードのメリットについて紹介します。

猫は穀物類の消化が苦手。理想の食事とはどんなもの?

まず、生物学的に猫(イエネコ)を分類すると、「哺乳網食肉目ネコ型亜目ネコ科ネコ属ヨーロッパヤマネコ種イエネコ亜種」となります。ここで注目していただきたいのは「食肉目」である点です。

つまり、猫はライオンや虎と同様、肉食動物なのです。では、果たしてライオンや虎が穀物類を好んで食べるでしょうか?答えは当然NOです。

皆さんも義務教育で習われたと思いますが、生物の三大栄養素である、タンパク質、炭水化物、脂質は猫にも必須です。その栄養素を肉食動物は草食動物を食べる事で全て得るのが本来の食習慣なのです。

冒頭にねこまんまの件を書きましたが、昔は完全室内飼育で飼われている猫は珍しく、半分以上は外で生活していました。その外での生活の中でネズミや小鳥などを狩猟し、必要な栄養素を得ていたのです。

現在、室内飼育で生活している猫は、野生のライオンや虎と同じ食生活は残念ながらできません。その代わりにキャットフードで栄養を補給する形になります。

猫に穀物は必要じゃないの?

上で三大栄養素のことを書きましたが、タンパク質と脂質は直感的に肉や脂肪から得られるのが分かると思います。では、炭水化物はどうでしょう?答えはやはり草食動物を食べることで得ている事になります。

今はあまり見かけなくなりましたが、昔はテレビで野生動物の生態を放送していました。それを見ると、肉食動物が獲物を仕留めてまず口をつけるのが内臓でした。では何故、肉からではなく、内臓から食べるのでしょう?

それは、内臓が腐りやすいこともありますが、草食動物の胃や腸には消化途中又は消化された炭水化物(穀物類)が含まれているためです。草食動物の内臓を食べる事で、肉食動物は炭水化物を摂取しているのです。

また、肉食動物の腸は草食動物や雑食動物の腸と比較すると短く、アミラーゼといった人間の唾液に含まれる、炭水化物を分解して糖に変える分解酵素も持っていません。そのため、猫は穀物類を消化するのが苦手です。

ですので、本来の食生活や猫の身体的特徴に立ち返って考えると、未消化の穀物は猫の食事には不向きであるだけでなく、猫に負担をかけていると言えます。

猫の理想的食事とは?

では、猫にとって理想的な食事とは何でしょう?やはりネズミや小鳥といった生きた草食動物が一番理想的なのでしょう。丸1匹のネズミは三大栄養素のみならず、塩分やミネラルも摂取できる猫にとっては完全栄養食です。

ですが、室内飼育で飼われている場合、毎食生きたネズミを用意するのは効率的ではなく、モラルの上でもどうかと思います。キャットフードはその代わりに与えるものですから、栄養バランスも考えられた物を与えたいですね。

ネズミと比較して考えると、当然タンパク質がメインとなり、脂質、炭水化物はさほど量は必要ではありません。

キャットフードに置き換えた場合、肉や魚といった動物性タンパク質が主原料になっているものが望ましいです。

フード選びで見るべきポイント。選ぶといいもの、選ばない方がいいもの

まず、市販のキャットフードを主食として購入する場合は、大前提としてパッケージに

  • 総合栄養食
  • AAFCO基準に適合

などと書かれているキャットフードから選びましょう。

なお、「AAFCO」とは「全米飼料検査官協会」の略です。「総合栄養食」とは日本のペットフード公正取引協議会が定めた基準に従ったペットフードにのみ記載されます。

どちらも、そのペットフードと新鮮な水のみでペットが健康的に生活できる様に基準を設けています。内容は日本がAAFCOを参考にしていますので、どちらも同じと考えて構いません。

また、「AAFCO」は認定機関ではありませんので、「AAFCO承認」や「AAFCO合格」などの記載があるペットフードは、怪しいと思って間違いありません。

次に着目するのは、原材料欄です。一番最初に肉または魚が記載されていないキャットフードは選ぶべきではありません。何故なら、一番多くあるべき動物性タンパク質が多く含まれていない事を意味するからです。

最初に肉、魚が記載されているキャットフードも、「家禽ミール」、「ミートミール」など曖昧な表現をしている場合も、避ける方が良いでしょう。これらは4Dミートが使用されている可能性があるためです。

4Dミートとは、Dead(既に死んでいる)、Diseased(病気にかかっている)、Dying(死にかけである)、Disabled(障害がある)の頭文字を取った略称で、問題がある動物を加工した肉の総称です。

この様な肉は原材料が安く、コストカットの目的でペットフード全般にしばしば使用されている様です。

最初にコーンや米などの穀物類が記載されているキャットフードは、上に書きました通り、猫は消化が苦手です。それに加えて、必要なタンパク質を摂取するのに必要以上に食べる事になります。

これは猫にとって負担以外の何物でもありません。良く食べるキャットフードが必ずしも良いキャットフードでは無いのです。

さらに、ビートパルプが含まれているものは、敬遠した方が良いでしょう。横文字に騙されがちですが、簡単に言えば、ビート(砂糖の原材料)の搾りかすです。

キャットフードメーカーは色々メリットがある様なことを書いていますが、個人的にはカサ増しとしか思えません。排泄物の量は増えるかもしれませんが、大部分は未消化のまま排泄されます。

また、排泄量が多いことも猫には負担になります。

また、合成着色料を使用しているキャットフードも選択肢から除外しましょう。猫は色ではなく嗅覚でご飯を選びます。カラフルな色合いは飼い主さんへのアピールに過ぎません。

さらに、酸化防止剤として、BHAやBHTと記載がある物も選ぶべきではありません。これらの物質は発ガン性物質として知られています。

食事選びは飼い主さんの責任!何がいいのか見極める力をつけて

注意してキャットフードの原材料を見ていただくと、最初に肉や魚が記載されていないキャットフードが多いことに驚かれるでしょう。各フードメーカーは穀物類の必要性を、わざとかもしれませんが難しく説明しています。

炭水化物が生命の維持に必要なのは当然なのですが、あえて未消化の穀物類から摂取する必要はありません。例えばイモ類からでも炭水化物は摂取できます。

素人の私が指摘するまでもなく、キャットフードメーカーは猫の生態に精通しているはずです。ですので、猫が穀物類の消化に向いていないのは当然知っているでしょう。

では、何故フードメーカーは穀物類、特にトウモロコシなどを多く使用するのでしょうか?それは、極論すればカサ増しの為です。どう言い繕うがコスト面を重視してるとしか考えられません。

カサ増しのキャットフードであれば、コストも下がるうえ、猫のキャットフード摂取量も増え、消費量も増えるという、メーカーにとっては良いことづくめです。

ですが、穀物類はアレルギー食材であり、長期間に不要に大量摂取を継続すると、穀物アレルギーを引き起こすリスクが高まります。これは、人間と同様です。

特に仔猫の時から大量に穀物類を摂取している猫の場合は、穀物アレルギーになる個体が少なくありません。但し、アレルギー物資の許容量は個体差があるため、必ずしもアレルギーになるとは限りません。

人間に例えたら、同じ環境で生活していても、花粉症になる人とならない人がいる事でも説明できます。また、穀物類のみだけでなく、鶏肉アレルギーの猫もいるので、キャットフードを選ぶのを難しくさせています。

また、穀物類を大量に摂取する事は、糖質を大量に摂取している事と同じです。糖質抜きダイエットが言われてから久しいですが、必要以上の糖質は猫にとっても肥満の原因になります。

理想論を言えば、猫のアレルギーチェックをした上で、キャットフードの原材料を選ぶのが一番良いのですが、現実的にはそこまで行う飼い主さんは少ないでしょう。実際、私もアレルギーチェックまでは行っていません。

ですが、猫の食習慣や身体的特徴を省みた場合、穀物から炭水化物を摂取する必要はないと考えています。少なくとも、理論的に納得できる説明を見たことはありません。

穀物フリーのキャットフードの場合、猫が必要な栄養素を摂取するために食べる1日の量は、穀物使用のキャットフードに比較すると少なくて済みます。これは猫の消化や排泄の負担が少ないことを意味します。

また、アレルギー物質が少ないので、生涯アレルギーが発症するリスクも低減できます。これらは、適切な食生活を送れる事と合わせ、穀物フリーフードの大きなメリットです。

但し、穀物フリーのフードは価格が高いのがデメリットです。ホームセンターの格安キャットフードと比較すると、グラム単価で数〜十数倍にもなります。

また、穀物フリーのフードは高タンパクな製品が多く、健康な猫にとっては理想的ですが、腎疾患を抱えている猫にとっては負担になります。ですので、腎疾患を抱えている猫のキャットフードとしてはお勧めできません。

ですが、ご自分の猫がアレルギーになったり、肥満になった場合をお考えください。その治療や療法食でいくらかかるでしょうか?おそらく、トータルコストで考えた場合は穀物フリーフードの方が低いのではと予想できます。

猫が生涯健康的に過ごすための出費として、おもちゃやキャットタワーを新調するばかりでなく、キャットフードにお金をかけるのも良いのではないでしょうか。

猫がどのように人間生活と関わってきたかの歴史を見直しても、猫が穀物類を好んで食べない事が分かります。

猫が家畜として日本に入ってきたのは古く、遣隋使など大陸から入ってきたと言われています。その目的は、倉に保存している書物や穀物を食い荒らすネズミの駆除のためと伝わっています。

西洋でも、例えばウイスキーキャットという名前を聞いた事がある方もいらっしゃると思いますが、ウイスキーの醸造所で、大麦を食べるネズミの駆除のため猫が近年まで飼われていました。

つまり、どちらも穀物倉庫の番人を猫が担っているわけです。もし、猫が穀物類を好んで食べるのであればこういった関係は生まれていないでしょう。

我が家の場合~こんなフードを食べて元気だニャ~

最初にお断りですが、以下固有名詞が出てきますが、それらのキャットフードを全否定する訳でも、無条件で推薦する訳でもありません。

あくまでも、我が家のケースのご紹介という事ですので、その点、ご承知おきください。

我が家では、ノルウェージャンフォレストキャットの避妊メス(6歳)を飼っています。仔猫時代はロイヤルカナンのキトン用を与えていました。

その後、避妊手術をしたこともあり、同じくロイヤルカナンのフィメールケアにしようと考えましたがBHAを使用しているため、除外しました。

色々比較検討した結果、価格と入手のしやすさなどからピュリナワンの避妊去勢用に切り替えました。その時点では猫の食習慣などはあまり気にせず、合成着色料、発ガン性物質の有無のみに注目していました。

その後、4年ほどピュリナワンを使用していましたが、現在は、カナガンに切り替えました。そのきっかけは定期健診の結果と知人からいただいた100%鹿肉のジャーキーを与えた事でした。

鹿肉のジャーキーを与えた所、一瞬で食べ終わり、おかわりを要求してくるくらい気に入ってました。我が家の猫はあまり食にうるさくない子だったのでこれは意外でした。やはり、猫は肉食なんだと気付かされました。

その後、健康診断で、コレステロールが高いとの診断を受け、食生活の見直しを促されました。そこから猫の医学書で食習慣や身体的特徴を調べたり、ネットの口コミでフードを調べたりしました。(本記事の内容はその時に調べた内容です。)

幸い、腎機能は正常なため、高タンパクで低炭水化物のフードを獣医さんから勧められた事もあり、まずはカナガンをお試しで1ヶ月試してみました。(直接カナガンを獣医さんから勧められた訳ではありません。)

口コミでは食べないとの情報もあり心配していましたが、我が家の猫の嗜好には合ったらしく、切り替え間もなく常食として気に入り、今も継続して利用しています。それどころか、ウェットフードやおやつにも反応しなくなりました。

お腹もタプタプしていたのが引き締まり、毛艶も主観的に良くなったように感じます。1日のフードの総量的にはピュリナワンの半分程度なのですが、必要な栄養素が取れているのか、おかわりも要求してきません。

なお、今はまとめ買いをしているので、定価よりは若干お安めで購入していますが、食費はだいたい1ヶ月当たり3000円強といったところです。以前はウェットフードやおやつも与えていましたので、月2000円前後でした。

穀物フリーフードはおすすめ

「穀物=悪」とまでは言いませんが、多くのフードの場合、コスト重視で肉の使用量を抑えてその代わりに穀物を使用しているのも事実でしょうね。フードメーカーも利益がないとなりませんから致し方ないところです。

ですが、本文中にも書きました通り、猫の食習慣や身体的特徴を考えると穀物類は少ないに越したことはありません。安いキャットフードにはそれ相応のリスクがあります。フードメーカーの情報を鵜呑みにするのも危険です。

穀物フリーのキャットフードは外国産が多く、不安視される方もいらっしゃると思いますが、ペットを取り巻く環境については欧米諸国の方が何歩も進んでいます。「国産=安心安全」ではないのが実情です。

たまに、ホームセンターなどで穀物類、添加物満載の安売りのキャットフードを買われている方を見ると、切なくなります。思わず、「もう少し、気を使おうよ」と声を掛けたくなる事もしばしばです。

経済的に余裕がある方は一度猫の健康を考えて、穀物フリーのフードを試されてみる事をお勧めします。我が家で使用しているカナガン以外にも、オリジンやアーテミスなど選択肢は色々ありますよ。

室内飼育の場合、おやつも含め猫が得られる栄養は全て飼い主さんに委ねられています。キャットフード選びには細心の注意をはらっていきましょう。

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