猫がかゆがる代表的な5つの原因。かゆみ以外の症状とその対策

猫が体をかゆがる原因はいくつかあります。

多くの場合は皮膚に何らかの原因で炎症が起こり、かゆみを発生させてしまいます。放置しておくと皮膚が傷つくまでかき壊してしまい、出血してしまい傷を悪化させてしまうこともあります。

たいていの場合はノミやダニなどの外部的要因が多く、これらを対策することで予防する事も可能です。

痒がるだけでなく、そこからさらに病状が悪化してしまうこともあるので、原因を早く特定し対策したいところです。

猫がかゆがる時に考えられる原因について、その対処法や予防法について考えていきます。

ノミやダニに用心しよう

動物がかゆがっているというと、まずノミやダニを想像する人も多いのではないでしょうか。

いずれもこれらの虫に寄生される事でかゆみを生じますが、虫によりかゆみが出る原因が異なります。

ノミはほっとくと無限に増えてしまう

ノミとひとくちにいっても、世界中で約1800種類にもなり、そのすべてがほ乳類などに寄生して吸血を行います。

ネコに寄生するのはネコノミという種類で、人間に寄生する事もあります。

気温18から27℃、湿度75から85%程度の環境、つまり日本の春先から夏にかけて、ノミにとっては一番活動的な環境となります。

ノミは1匹につき1日4個から20個の卵を産みます。卵は2日ほどで孵化してしまう為、あっというまにノミが増殖してしまうのです。

ノミが吸血するときに唾液を吸血する生物に送り込みます。これはノミの体の中で血が固まらない様にするためのものですが、この唾液がアレルギー反応を起こし痒みを生じさせます。

アレルギー反応による痒みのため、猫により痒みの個体差がありますが、わずかなノミに寄生されただけでも酷く痒がる猫もいます。患部をひっかいたりなめたりすることにより、被毛が薄くなったり出血したりします。

14世紀のヨーロッパやアジアでは毛皮製品についたノミからペストが媒介され、5000万人もの死亡者を出したという記録もあります。

ノミは他の病気も媒介する厄介な存在です。ノミに刺されることで感染する病気で代表的なものでは、赤血球が異常化することで貧血になってしまう、マイコプラズマ感染症(猫ヘモバルトネラ症)があります。

薬での治療と駆除を同時並行して改善しよう

ノミに寄生されて痒みが生じた猫は、投薬による治療を行います。病院で合成副腎皮質ホルモン剤や抗アレルギー剤などを処方してもらい、アレルギー症状を治療していきます。

同時にノミ退治を徹底的に行います。市販ではノミ取りぐしというものがあります。

ノミ取りぐし

猫の毛をとかすと、櫛の間にノミが挟まるというものです。定期的に猫の毛をとかしてノミを取り除きます。

取ったノミは水の入った器につけて溺死させます。この時、ノミを潰さないようにしましょう。

ノミを潰すと、プチ!という音がするために潰したくなってしまうのですが、潰すとノミの体内にある卵が飛散してしまいます。それによりまたノミが繁殖してしまうので注意しましょう。

また、ノミ駆除用の薬や首輪を使うのも効果的です。

スポットオンタイプという薬は、猫の首の後ろに薬を垂らすことにより薬が全身にいきわたっていくものです。一か月ほど効果が持続する為、夏場は一か月ごとに薬を使う様にします。

昔我が家でも使っていましたが、かなり効果があると感じました。

費用は1500円前後で、動物病院で処方してもらうことが出来ます。

ノミ取り首輪はペットショップやスーパーマーケットで購入することが出来、駆除薬に比べると効果が弱いですが補助的に使うのもよいと思います。

部屋を清潔にしノミを増やさない様にする

さらに部屋でノミを繁殖させないことが重要です。

ノミの卵や幼虫は部屋にも散らばっている為、掃除機をこまめに掛けたり粘着テープで絨毯やカーペットから取り除きます。ノミ駆除用の殺虫剤を部屋で使い、徹底的にノミを駆除していきましょう。

しかし、殺虫剤は人間やペットの体への影響も考えられます。

そのため、電子式や超音波式の害虫駆除装置というものもあります。電子や超音波でノミを引き寄せて退治するというものですが、効果がいまひとつという声もあるようです。いくつかの方法を並行し、ノミを駆除させていくのが良いでしょう。

外へ行く猫は特にダニにも注意しよう

ノミは昆虫の仲間ですが、ダニはクモの仲間で生物的にも異なります。全世界で2万種いるといわれており、多種多様なダニがいることが知られています。ダニの中でも大型の種類をマダニと言います。

猫に良く寄生するダニに、ミミヒゼンダニというものがあります。名前の通り猫の耳の中で増殖してしまうダニです。猫だけでなく犬にも寄生し、人間にうつってくることもあります。

ミミヒゼンダニに寄生してしまうと、猫の耳の皮膚を傷つけて吸血し、耳の分泌物や耳垢を食べて生活していきます。

そこで卵を産み、耳の中だけでなくあちこちに卵をまき散らすのです。卵は2~4日ほどで孵化し3週間ほどで成虫となりさらに繁殖を続けます。

激しい痒みを伴い、野生の状態だとかきむしって毛が無くなってしまうこともあります。頭を振ったり盛んにかき、出血をすることもあります。

耳にダニの分などが混じり黒っぽくカサカサした耳垢が溜まっていきます。放置すると、痒さのあまりストレスになったり、外耳炎を引き起こしてしまいます。

マダニは草むらの中で宿り主を狙っている

大型のダニであるマダニは、普段は草木の中で吸血対象となる動物や人間が来るのを待ち構えています。マダニにはほ乳類の体温や振動を感知できる機能が備わっており、それに反応して生物が近づくと草や木の上から飛び降りてくるのです。

マダニはノミや蚊などと違い、吸血対象を噛んで皮膚を切り裂くのです。貪欲に吸血し、血液を吸ったマダニは1センチほどに体が膨れ上がります。

そのため大量に寄生されてしまうと、痒みだけにとどまらず貧血をも引き起こしてしまいます。がっちりと皮膚に食いつくので、取り除こうとしてもなかなか取れない事もあります。

ダニに寄生されているのを見かけた場合は、無理に引きはがしたりせず、すぐに病院へ連れて行きましょう。

特にマダニはその体内に病原菌を保有している場合があり、マダニの体がつぶれることにより病原菌を猫の体内に注入してしまう恐れがあります。絶対に潰してはいけません。

家の中のダニを徹底的に駆除していくことで改善されていく

ノミの時と同様、投薬による治療を行っていきます。家の中のダニの駆除も徹底的に行います。

ノミと違い、家の中に住み込んでいるダニは目には見えません。畳やカーペットに、ダニがごっそりと寄生している場合もあります。

ダニ取りシートを使ったり、布団をこまめに干してダニを死滅させます。

ダニアースのような噴射式駆除薬も効果的ですが、ペットに影響が出ることも考え、使用中はペットを別室に移動させ近づけない様にしましょう。

終了後は薬が完全に乾いてから入室させましょう。

室内飼いを徹底させれば、ダニに寄生されることはほぼなくなります。

犬と同居している場合は注意が必要です。犬は散歩をする為に外に出て、草むらに入り込んだりしてダニを持ち込んでしまう可能性があるからです。

犬のダニの駆除も行い、定期的に犬のシャンプーをしてダニを駆除しましょう。

外に出る猫であれば、猫もシャンプーを行います。ダニは寄生する前に寄せ付けず、駆除するのが何よりの予防法になります。

猫も水虫に!皮膚真菌症

水虫は正式名称を白癬菌感染症と言います。

白癬菌というカビの一種が足や股などに寄生することでかゆみや痛みを生じさせる病気です。白癬菌は真菌と呼ばれる菌類のグループに属しています。

皮膚真菌症は人間の水虫同様、この菌を保有しているものと接触することで感染してしまいます。

この真菌はすさまじい生命力を持っており、一度感染すると免疫細胞が働くスピードよりも速く増殖してしまうため、自然治癒は難しいと言われています。

また、猫同士だけでなく、犬や人間からも移したり移されたりと言ったことがあります。外に出かける猫であれば、野良猫などとの接触により、さらに感染する可能性が高くなってしまうのです。

越冬までするしぶとい菌でありますので、一度症状が治まっても再発する可能性があります。

我が家の猫も若い頃、皮膚真菌症を繰り返したことがありました。

元々野良猫だった猫なので、昔は外へ遊びにいったりもしていたのです。喧嘩っ早い性格なので、おそらくはその時に野良猫などと喧嘩して感染してしまったのかもしれません。

室内飼いにすることで感染経路を断つことが出来る

症状としては幹部をかいたり舐めたりすることで出来る、小さなハゲが一か所、もしくは数か所に現れます。ハゲた皮膚に赤い斑点が出ることもあります。カサブタができたり、カサカサとしたフケが出ることもあります。

激しいかゆみは伴わない事が多いですが、上記の通り人間にも感染する可能性がありますので、根気よく治療をしたい所です。

治療は真菌を退治する薬を使います。

我が家の猫の時は、軟膏と肌を刺激しない素材のシャンプーが処方されました。内服薬やローションタイプのものもあります。

被毛を清潔に保ちつつ、菌を駆除していきます。ですが治癒までに半年ほどかかることもあります。

皮膚につける薬の場合、ねこが患部を舐めない様にエリザベスカラーを着用します。このエリザベスカラーは猫によっては大変負担となります。

これまで主流だったプラスチックのものの他に、布で出来た柔らかい素材のものもあります。

ストレスをためることにより免疫力が落ち、病状が再発してしまうこともあるので、ストレスをなるべく減らす様に長引かせない様に工夫をしたい所です。

上記の通り、猫から猫や人から猫といった具合に接触感染する病気なので、他の動物に接触させないことが一番の予防法になります。

我が家の猫は、室内飼いになってからは症状が再発する事はなくなりました。

複数の猫がいる場合は、症状が治まるまで別室で過ごさせるようにします。また、特に老猫や子猫など免疫力の低い猫がかかりやすいことから、栄養が十分にいきわたっている事も予防の1つになります。

食事の偏りがないか、確認するようにします。人間の水虫も同じですが、菌は高温多湿を好みます。部屋の掃除はもちろんのこと、猫のベットやイスなども清潔に保つようにしましょう。

アレルギー性皮膚炎は様々な原因で起こる

アトピー素因をもつ猫がハウスダストや花粉、カビなどを吸い込んだり皮膚に付着してしまう事により、アレルギー反応が起こり皮膚炎をおこしてしまいます。

花粉の様な季節性のものもあれば、ハウスダストのように季節に関係なく発症するものもあります。

痒みが発症してかき過ぎて毛が無くなったり、患部をかき壊してしまい皮膚が黒ずんだりすることもあります。

アレルギー性皮膚炎は何が原因で反応が起きてしまうのかを特定することが大事ですが、原因を特定するのは難しいのです。

ハウスダストや花粉などの外部的なものの場合もありますし、食事だったり体についたノミが原因になったりもします。

猫が暮らしている部屋、絨毯や使っている食器が原因になることもあります。

考えられる原因を除去していき、ヒスタミン剤や副腎皮質ホルモン剤などを使い症状を軽減させる治療を行います。

ノミやダニが原因の場合は、ノミやダニの項目で書いた通りノミダニを駆除していく方法が有効的ですが、その他が原因の場合は何がアレルギーの原因になっているのかをよく見極めていきます。

あらゆるものが原因になりえますので、食事の様子や部屋で過ごしている時の様子をよく観察し、スキンシップを行っていきましょう。

アレルギーが原因?好酸球性肉芽腫症候群

上記のアレルギーと合わせて発症すると考えられているのが、好酸球性肉芽腫症候群です。原因は詳しくわかっていませんが、アレルギーや免疫に関係して発症すると考えられています。

猫の皮膚に肉芽腫と呼ばれるしこりが出来てしまう病気です。しこりの他にも、脱毛や痒みが伴う事があります。この病気は白血球の1種である好酸球が増加する傾向があるため、このような病名がつけられています。

アレルギー反応の他、ストレスでも発症するとも言われています。

患部が盛り上がり脱毛したり、しきりにかゆがります。

原因がわからない病気のため、治療は難しいものとなっていますが、アレルギーの原因となる物を取り除くことが1つの予防法となります。

はっきりした予防法がなく、早期発見が効果的な治療にもつながっていきます。
普段から様子を見て、皮膚に異常があると感じた場合はすぐに獣医さんに相談するようにしましょう。

猫にも紫外線予防を。日光皮膚炎

太陽からの紫外線により、皮膚炎を起こしてしまう病気です。

日光に当たったからと言って、すぐ発症するというわけではありません。紫外線が強い地域や夏などの時期、体毛に薄い部分がある猫や特に白など色素の薄い猫に起こりやすいとされています。

外に行かない猫であっても、窓のそばで日向ぼっこする猫が発症することもあります。

毛の色が薄い猫は遺伝的に皮膚を守るためのメラニン色素が少なく、紫外線の影響を受けやすい為とも考えられています。

余談になりますが、猫の毛の色で背中側に柄があってお腹側が白い猫は沢山います。ですが、背中が白くてお腹に模様が集まっている猫はまずいません。

これは紫外線から体を守る様に、進化してきたための配色であるとも言われています。

猫の写真

例えば我が家の猫は写真の通り、茶トラですが白い部分もあります。この白い部分に日光皮膚炎が起こりえると考えられるということになります。

紫外線により痒みが起こる為、色素の薄い猫は注意

日光皮膚炎になると、鼻や耳など毛の薄い部分に痒みや脱毛、フケなどが発症します。自分でひっかいて傷になったり、最悪の場合、紫外線を浴び続けることによりガン化する恐れもまれにあります。

この病気の治療では炎症を抑える薬を使用したり、症状がひどい場合は抗生物質を投与します。またガン化している恐れがある時は、外科手術で患部を取り除きます。

紫外線対策が何よりも重要になってきます。被毛が濃い色で外に出ない猫はそこまで心配することはありませんが、夏でも外に出る猫で色素が薄めの猫は対策をしたい所です。

紫外線の特に強い時刻、10時から15時までは外出する事を控えさせます。猫が好んでひなたぼっこする窓には、UVケア用のフィルムを張るなどして対策をしましょう。

外に出さないことが一番ですがどうしても外に出たがる猫は、夏の間だけでも紫外線を受けないように対策するだけで効果があります。

痒みの原因は様々。早めの対策が大事

以上、代表的なかゆみを伴い病気をあげてみました。

一番かかりやすいのはノミやダニといえるでしょう。家での対策がかなり効果を発揮しますので、高温多湿の時期になる春先から予防を進めていく様にしましょう。

我が家では外に猫が出ていた時期はノミが出たこともありましたが、完全室内になってからはぱったりとなくなりました。外から持ち込んでしまう事がいかに多いかと感じています。

猫がかゆがる原因は1つだけではないかもしれません。

アレルギーも複数が原因になっていることもあるでしょう。猫が痒がっている事が増えたと感じたら、よく観察して原因を見極めていきましょう。

原因だと思ったものが間違ってしまえば、決して治ることがありません。専門家の判断が重要になります。自己判断せずに、病院で診断してもらう様にするのが正しい対処法となります。

痒がるだけでなく、時に深刻な症状へつながっていく場合もありますので、たかが痒みと考えない方が良いでしょう。

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