猫が脱走して無事に帰ってきた体験談。その時飼い主ができること

猫は飼い主さんにとって、愛する家族ですよね。毎日仲良く暮らしていた猫が、ある日いきなり居なくなってしまったら…その淋しさははかり知れません。

猫には個体差があるので、どうしても外に出たがるタイプがいるんです。

日頃から脱走をしないように飼い主さんがしておくことは1番大事なことですが、それでも脱走してしまったときはどうすればいいのでしょうか。

私自身の猫が脱走してしまったときの体験談をまじえて、飼い主さんができることについて考えていきましょう。

猫には帰巣本能があります

まず、うちで暮らしている愛猫のニセ蔵と先生です。

2匹の猫の写真

手前がニセ蔵(ミックス)、奥にいるのが先生(チンチラ)です。

ニセ蔵は好奇心が旺盛な性格をしていまして…この画像ではこんなにまったりとしていますが、今回この子が大変な脱走劇を繰り広げてしまったんです。

猫が脱走してしまった1日目

始まりは金曜日の夜でした。お届けものが届く予定があったので、玄関を開けて外を見た途端に、足元をすごい早さでニセ蔵が通り抜けてしまったのです…

あの時は本当に血の気が引きましたよ。それまで何度か脱走してしまったことはありましたが、さすがに夜の脱走はなかったんです。

しかもニセ蔵はシニア猫で、10歳。昔と同じような気持ちで脱走したのかもしれないけど…と気が気ではありません。

私はすぐに追いかけましたが、真っ暗で何も見えず(特にキジトラで暗めの色の猫ですし)…そのまま遠くに逃げてしまって捕まえることはできませんでした。

この時は真冬の1月。こんな寒い時に外に出ていくなんて…!

飼い主としては信じられない気持ちでいっぱいでしたが、家の中にずっといる猫はそんなこと分かるわけがないですよね。

もちろん猫の脱走は飼い主の責任です。完全に私の管理不足で逃がしてしまったことを心の底から後悔しました(家族にもこってり叱られました…)。

でも、今まで脱毛してしまった時にも翌日の昼までにはちゃんと帰ってきていたので、今回もきっとそうだろうと、それを期待して眠りについたのです…

猫が脱走した翌日

ニセ蔵は食いしん坊なのでお腹が空けばキッチンのある勝手口から帰ってくる、というのが今まで何度か脱走した時のパターンだったんですね。

しかし、翌日になっても帰ってきている気配がなく…私も子どもの学校行事がありずっと家にいることがどうしてもできず、心ここにあらずな状態で昼間を過ごしたのを覚えています。

帰ってきてからは何度も家の周りで猫の名前を呼び、子どもと一緒に近所を呼び歩きながら回りました。

車でも探しましたが、やはり歩いて回ったほうが見つけやすいと思い、この日だけでも5・6回は近所を歩きまわったと記憶しています。私の他にも、夫も探してくれたりしました。

私が家にいる時にはキッチンの勝手口を開けていたり、ご飯を置いていたりしたんですが全く音沙汰がなかったんです。

いつも帰ってくるこの日に帰ってこないとヤバイ…というのはかなり自分でも感じていました。

この時点でSNSにニセ蔵の写真と共に猫が脱走してしまったことを投稿して、近所で目撃情報がないかを聞かせてもらったんです。

するとここで近所の方から、「脱走した日の深夜遅い時間に、猫同士の激しい声を聞いた」という事を教えてもらいました。

だから、もしかすると喧嘩で強い猫に追われてしまって遠くまで行って帰れなくなったのかも!と考えたのです。

これだともうこの辺りにはいないかもしれないから、捜索範囲をもっと広げないといけないなぁ…と考えながら明日を待ちました。

そして月曜日になったら、保健所にまず電話してキジトラの猫が保護されていないかを聞こうと考えていました。

さらにニセ蔵の迷子チラシを翌日電信柱に貼りに行こうとしていて、夜にカラーコピーを大量にしましたね。

猫が脱走してから3日目…ついに帰ってきました!

この日は日曜日でしたが、朝から学校行事に家族で参加しなければならなかったんです。休むこともできず、後ろ髪を引かれる思いで外出しました。

もう、近所を運転するのが怖くて怖くて仕方なかった…そして家に帰ってきたのがお昼を過ぎた3時頃でした。

家に入る前に庭まで回っていつものように「ニセー!」と呼んだら、「ニャー…」という声がかすかに聞こえたような気がしたんです。え?!と思い、「ニセー?ニセー!」と呼び掛けるとまた返事が!

一体どこにいるの?と声がする方に寄っていくと、どうやらエコ給湯の室外機の中からするようでした。

ニセ蔵は恐怖や寒さもあってか、エコ給湯の奥深い部分に入り込んでしまっていたんです。

とても取り出せる状態ではなかったので、外からパーツをばらしてニセ蔵を救出することに成功しました。

ニセ蔵は肉球がボロッとなっていたくらいで、他には全く怪我もなく無事でした。他の猫から威嚇されて逃げ回ったのかもしれないですね。

本当に本当に、こんな元気な姿で家に帰ってきてくれて良かったです。

でもよくあの時鳴いてくれた!私がニセ蔵に気づいてあげられたのは奇跡だったと思っています。そして本当に、よく我が家に帰って来てくれました。

猫の写真

キレイにシャンプーをしたニセ蔵は、安心してモリモリごはんを食べてくれました。

この日、やっと家族全員に安堵と笑顔が戻りました。もう絶対に脱走なんてさせない!!と心に決めました。ニセ蔵、脱走させてしまって本当にごめんね。そして生きていてくれて心からありがとう!

猫が脱走した時に飼い主さんがするべきこと

今回はニセ蔵は、脱走してから3日目で帰ってきてくれたので良かったのですが、中には帰ってくるまでにもっともっと長い期間がかかってしまう猫もいます。

猫が脱走したら、とにかく早く動くことが猫を見つける鍵になるでしょう。

  • 近所を歩いて、いつもと同じように呼びながら探す(餌とネットを持って)
  • 近所の動物病院に運ばれていないか聞く
  • 家の外に置き餌をしておく
  • 家の周りに猫砂をまく(近隣の迷惑にならないように)
  • 保健所や警察・清掃事務所に電話して情報を得る
  • 猫の迷子チラシを作って電信柱・近所にポスティングする
  • SNSや迷子猫の掲示板を利用する
  • 家の周りを入念に探す(物置・車の下など)
  • 窓などを開けられる場合には開けておいて、いつでも入れるようにしておく

そして、大切なのは「何度も同じ場所を探す」ということですね。ニセ蔵も何度も庭は探しましたが、3日目に自宅の庭にある、エコ給湯の中に入っていたんですから。

猫は隙間があれば中に入って隠れますから、そのあたりをしっかり探す必要があります。

猫が脱走したばかりなら自宅の周囲50メートルから100メートルくらい。それから1ヶ月くらい経過した場合には1.5キロくらいまで捜索の範囲を広げましょう。

チラシを配るのも同じ範囲になります。チラシの配り方としては自分で配ることもできますが、どうしても時間がかかってしまいます。

猫を探すのは業者に頼むより、自分で行ったほうが猫が見つかる可能性が高いので、時間短縮のためにもチラシ配りだけをお願いすることをオススメします。

とにかく肝心なのは猫が帰ってきてくれることを信じて待つことです。飼い主さんがあきらめてしまうことなく情報収集、捜索を続けましょう。

猫が脱走しないために日頃からやっておくべきこと

そして、私にも言えますが普段から猫が脱走してしまうことがないようにしっかり飼い主さんが管理しておくことが大事です。

  • 玄関や勝手口を開けっぱなしにしない
  • 玄関を開けるときは必ず猫をケージに入れる
  • 網戸にする場合には、網戸ストッパーを使用する
  • 玄関前にフェンスを取り付ける
  • お客さんが来たときは、猫には別室かケージにいてもらう

夏場の暖かい時期や空気の入れ換えをする時には、猫が網戸を開けてしまう危険性も考えられます。

そうなると脱走に加えて怪我をするかもしれないので、網戸ストッパーを活用するようにしましょう。

これらは安価で買うことができますし、玄関のゲートも自分で作成している人も多いです。意外と赤ちゃん用のベビーゲートを2つ繋げて使用している方もいますよ。

このように、みなさん大切な猫のために試行錯誤してあげていて本当に素晴らしいですね。

飼い主さんのちょっとの油断が、猫の命を危険にさらしてしまうのです

ちょっとお客さんが来たときや、宅配の受け取りの時。「短時間だから~ほんの一瞬だからきっと大丈夫。」このように考えてそのまま玄関先に出て、その瞬間に足元を猫が脱走…

私自身を含め、この残念なパターンが本当に多いのです。本当に、猫というのは一瞬の間に逃げてしまう生き物だということを知っておいてほしいのです。

普段はおっとりしていても、これまで脱走したことがないとしても。安心してはいけません。

これまで外に出たことがない猫ならなおさら、初めて外に出てしまうとパニックになってしまい、家に帰ってこれなくなる可能性もあるのです。

そして1度でも外に出てしまった猫は、すっかり味をしめてしまうことがあるのです(もちろん個体差もありますが)。

外にさまざまな危険があることなどは当然猫には理解することができず、ただ単純に「家の外は自由で楽しいところ」だと認識してしまうのです。

やはり猫は野生なので、普段ゆったりしている猫でもいざとなるとすばやい動きをします。猫が脱走してしまって、後悔するのでは遅いのです。

大切な家族である猫の命を守るために、しっかりと日頃から脱走対策をしておきましょう。さらに自分だけでなく、家族全員で「脱走をさせない!」という強い意識を保っていくことも大事です。

猫の安全を守れるかどうかは、飼い主さん次第なのです

猫は基本的に、外が危険だということを自分で認識することはできません。猫が脱走してから慌ててしまうのでは遅いのです。

私自身、ニセ蔵が脱走してしまった時には何も手に付きませんでしたし後悔して落ち込むばかりでした。

こうならないために、日頃から猫が脱走できないように対策をしっかりとしておきましょう。

しっかりと家族みんなでルールを徹底することで、大切な家族の一員である猫を守っていくことができるのです。

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