猫の異食症でよく食べられるもの&異食症かどうかのチェック項目

猫の異食症ってご存知ですか?簡単に言うと、猫のいつものご飯だけじゃなく、他の明らかに食べられないものを食べてしまう症状のことなんです。

言葉がしゃべれない猫だからこそ、知らないうちに何かを食べてしまっていることもあるかもしれません。

しかも、その現場に居合わせないと飼い主さんは気付かないかもしれないですから、かなりやっかいな症状とも言えるんですよ。

今回は、そんな飼い主さんを困らせてしまう猫の異食症について考えてみましょう。

猫の異食症は、実は怖いんです

猫がご飯以外の物を食べてしまう症状と言えば誤飲があります。でも、これは異食症と似ているようで大きな違いがあるんですよ。

それは何かと言うと、誤飲の場合は「遊んだりしているうちに何かの拍子で誤って食べてしまう」ことに比べて、異食症は「猫がそれを食べようとして食べる」ことによって起こる症状だということです。

つまり、事故でも何でもなくて最初から「これを食べよう」として猫が向かっていくわけですから、食べるためにかかる時間も誤飲の時よりも短くなるでしょう。

だから、飼い主さんを困らせてしまうと言えるんですね。しかもこの異食症の傾向を持つ猫って、意外と多いのです。もしかしたらあなたの猫も可能性があるかもしれません。

猫が異食してしまったものは、嘔吐物やウンチに混ざっていたりします。

そのようにして体外に排出できればいいのですが、腸などで詰まったりした場合には最悪の場合手術で取り出さないといけなくなってしまうのです。

そうなると猫にとっても大変なことになりますよね。手術をすることは命にだって関わります。

だから「単なる猫の異食」と軽く捉えずに、真剣に向き合わなければならない問題だと言えるんですよ。

異食症の原因として考えられることがあります

猫の異食症の原因としては、まだあまりはっきりはしていません。いくつかあるのですが、

淋しい気持ちから異食症が始まる

考えられることとしては、猫が子どもの頃に早くから母猫と離されてしまったことで、淋しい気持ちから始まることが挙げられます。

さらに子猫の場合には、歯の生え変わりの時期で痒みがあることなども考えられます。

このような場合、大人になってしばらくすると異食症は治まることもありますし、反対に大人になってからいきなり始まってしまうことだってあるんですよ。

淋しい気持ちが強い猫は、飼い主さんに注目されたい気持ちから異食症になることもあると言います。

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単純にご飯の量が足りていないから

猫の1日に食べるべきご飯の量が足りていない場合、異食症が起こってしまうとも言われています。

ただ、猫がお腹が空いているからといって食べ物でないものを食べることはやはり普通では有り得ないことでもあるんです。

もしかすると、ご飯の中で不足している栄養素があってそれをおぎなう為に異食をしているのかもしれません。

心配な場合には、今食べているご飯の成分を今一度確認してみることをオススメします。

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ご飯の成分が大丈夫なら、お腹が空く時間が長すぎないようにご飯のタイミングを変えたり、オヤツを少しあげたりするのもいいかもしれませんね。

何かのストレスが異食症の引き金になることもある

猫を2匹以上で飼っていたり、引っ越しなどによる環境の変化によっても猫はストレスが溜まりやすくなってしまいます。

そして、それらのストレス発散のために異食に走ることがあるとも言われていますね。

異食症になりやすい猫種がある

猫種によっても、異食症が多くなる品種もあることも分かっているというから驚きですよね。

東洋から来ている品種の、バーミーズやシャム猫などの場合は統計的に異食症になる確率が高いと言われているんです。

これがどうしてなのかは分かっていないんですが、そうなると「遺伝」によって始めから異食症になりやすい…という説も浮き上がってきてしまいますよね。

最初は遊びがきっかけかもしれない

もともとは物を使って遊んでいただけかもしれませんが、それをちょっと噛んでみた時の感触が意外にも良くて、気に入ってしまう…ということもあるのです。

その場合猫が気に入っているだけに、なかなかやめさせることが難しくなってしまうかもしれません。

異食症の場合に食べることのあるものを知っておきましょう

猫が異食症になった場合、具体的にどんな物を食べてしまうのでしょうか。

これを知っておくことで、危ないと思ったら事前に猫から離して予防することができるかもしれませんよね。

  • 布などの繊維質のもの
  • 猫が使うオモチャなど
  • ゴムやプラスチック(コードや輪ゴムなど)
  • スポンジや段ボール
  • 紙製品(トイレットペーパーなど)
  • 石鹸

猫の異食には、こんなにたくさんの種類があるんですよ。トイレットペーパーや、猫砂までも食べてしまう猫がいるなんてかなりショッキングですよね。

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しかも、どれも家の中に普通にある身近なものばかりです。それだけ猫が異食をしてしまう可能性も高いと言えるでしょう。

飼い猫が異食症かどうかをチェック!日頃から見ておきたいこと

この記事を読んでいると、「うちの猫は大丈夫かな…」と不安になる方もおられるでしょう。そんな時は、日頃から飼い主さんができるチェックを知っておくと安心ですよ。

  • 本来食べ物ではないものを舐め続けている
  • 吐いたものやウンチに、ビニールなどが入り込んでいた
  • 猫がストレスで毛が抜けたりしている
  • 毛布や布に知らないうちに穴が空いていた
  • 最近、やたらと飼い主さんに噛みつくようになった
  • 以前より甘えてくるようにもなった
  • 神経質な性格になったような気がする

いかがでしょうか。猫の何気ない行動の中でこんな場面が見られたなら、ちょっと危険信号かもしれませんよ。

とにかくよく見て、猫の行動を知っておくことが大事です。飼い主さんと猫が仲良しなら状況も把握しやすいので、コミュニケーションをしつつ観察しておくようにしてくださいね。

猫の異食症を少しでも軽減するために、飼い主さんができること

うちには愛猫の先生とニセ蔵がいるんですが、ニセ蔵は異食症なんです。食べるものはビニール。どうしてかビニールがあると、すぐに食べようとするんですよ。

猫のニセ蔵の写真

それと、飼い主がブンブン振って遊ぶ猫のオモチャがありますよね。あの先っちょには毛が付いていたりするんですが、あれも確実に食べてしまうんです(野生に戻って興奮してしまうからかな、と思うのですが)。

猫じゃらしの先の草も食べてしまうので、猫じゃらしやオモチャで遊んであげる時には絶対にニセ蔵に取られないことが大前提です。

そして、遊んだあとに置きっぱなしにしないことも親子で話し合って決めています。

現在10歳のニセ蔵。この症状がいつからだったのかはっきり覚えていないんですが、もうこの猫の性格の一部として捉えているところはありますね。

お菓子のパッケージの切れ端やビニール紐、包装のビニールなどが床に転がっていたら危険…気づくとシャカシャカ音がして、駆け出して止めに行くこともあります。

床にビニールを見つけたら、すぐに取り除くようにしていますよ。

現在は、ニセ蔵の食べてしまうものがビニールだと分かっているので手に届く場所に置かないようにしておくことで、以前よりも大分被害は抑えられるようになっていると思っています。

このように、異食症をしてしまう猫の飼い主さんには、日頃から危険が少しでも減るように頑張る必要があるんです。

他にも、異食症にはいくつかの対策が考えられるんですよ。

ケージをうまく使って異食をしないようにする

異食症の猫は、飼い主さんが止めると食べることをストップしてくれることがほとんどです。

その代わり、飼い主さんが出掛けている間は「何でも自由」の無法地帯になってしまうわけですよね…普通の猫ならそれでいいのですが、異食をする猫はそうはいきません。

異食してしまう危険性を少しでも回避するために、お出かけの時にはケージに入っておいてもらうと良いでしょう。

夜寝るときにも、ケージに入ってもらうとさらに安心できますね。

日頃からたまにケージに入ってもらうようにしておけば、次第にその空間にも慣れてきて、落ち着いた表情を見せてくれるようになるでしょう(猫にとって狭い空間は落ち着きます)。

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猫が異食をしてしまいそうなものを、あらかじめ排除しておく

やはり、猫が生活するスペースには日頃から細々したものを置いておかないようにしておくことも大切でしょう。

もともとは異食症でなくても、ちょっとしたきっかけで発症してしまうこともあるのが怖いところなんです。

その可能性を無くすためにも、なるべく日頃から床に物を置かない空間作りを心掛けるようにしましょう。

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愛情不足が原因になりやすいので、愛情をたっぷり与えるようにする

猫自身が寂しい思いをすることによって、異食症を引き起こすこともあります。

猫がストレスを感じたり、寂しい思いをしたりしないように、かわいい猫と毎日たくさんふれあうように心掛けましょう。

猫のニセ蔵の写真2

ニセ蔵も、たまに猫じゃらしをお土産で持って帰って遊んであげます。

思いっきり遊んでくれる姿はやっぱりかわいいですよ(もちろん遊んだ後は、猫じゃらしを食べないように片付けるようにしています)。

猫のストレスが軽減されることで異食をも改善することができた、という症例も多いので、日頃からふれあいを欠かさないように気を付けていきたいですね。

悪いことだということを猫に根気よく教えて理解させる

猫は、自分がやっている異食を基本的に「悪いことだ」と認識することが多いんです。

まずは、ご飯以外の物を食べたらいけないんだと言うことを教えてあげる必要があるんですね。

異食をしようとしたら大きな声を出したりして叱ることで、「ご飯以外の物を食べたら飼い主さんに怒られてしまう…これはダメなこと」と理解してもらいましょう(叱るといっても、叩いてはいけませんよ)。

猫は異食をしようとしている現場を押さえて、その時に叱らなければ効果はありません。

これは飼い主さんにとってかなり根気や時間を要する作業になりますが、猫の健康のためにあきらめずに頑張ってください。

▼猫を叱った時にこんな反省のサインが見られるかもしれません。ちゃんと反省しているようならギュッとしてあげましょう
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猫の異食症の改善のためには、飼い主さんの努力が欠かせません

異食症になる猫は意外にも多いですが、その原因はまだはっきりとは分かっていないのが現状です。

でも、原因ではないかと考えられているものはいくつかあるので、飼い主さんが日頃から注意してあげることで異食することを少しでも減らしていけるように、努力していきましょう。

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