保健所で猫の引き取り。具体的な手順と事前に相談しておくべきこと

猫をこれから飼いたいと思われている方で、どこで猫との出会いを果たせばいいのか悩んでおられる方も多いと思います。

やはり一般的に多いのはペットショップでの出会いですが、他にも保健所でも猫を引き取れるという選択肢があることをご存知でしょうか。

ペットショップで出会う猫と、保健所で出会う猫との違いは一体何なのか…ちゃんと知っておられる方は少ないかもしれません。

保健所で猫を引き取ることは、猫の命を救うことになることを知っておられるでしょうか。

さらに保健所で猫を引き取るために事前にしておきたいことや、実際に飼い主になるために踏むべき手順について一緒に考えていきましょう。

ペットショップの猫と、保健所にいる猫との違いとは

では、まずペットショップにいる猫と、保健所にいる猫との違いについて考えてみましょう。

ペットショップで会える猫の特徴

ペットショップで会える猫の特徴は何でしょうか。
やはりペットショップで会えるということは、何かの血統が付いているということで、お値段もそれなりにします。

だから、飼い主になるためにその猫自体の金額が最初に必要となりますね。

ペットショップの猫はブリーダーさんが飼育しているので、ある程度はトイレなどのしつけなども行き届いていることがほとんどです。

さらに、生まれたばかりの頃から人間とたくさんふれ合っているので、人にもある程度慣れていることが多いです(もちろん個体差はありますけどね)。

性格で考えてみても、やはり比較的大人しい子が多いかもしれませんね。

そして、ペットショップで会える猫は予防接種や病気の検査などもしてあるので、そのあたりは安心と言えるでしょう。

そして、ペットショップで売られている(この言い方は個人的には好きではないのですが…)猫がなかなか売れずに大きくなったら、値引きされて安くなっていきます。

保健所で会える猫の特徴

さきほどのペットショップの猫と比べて、保健所で会える猫は基本的に雑種の猫になります。

なので当然ながら、血統などは付いていないということになりますよね。お店で購入するわけではないので、はじめに猫自体のお金を支払ったりすることはありません。

保健所で保護されている猫は、道端で捕獲されたりした猫なので基本的に野良猫です(野良猫が生んだ子猫もいますね)。

そのため野生で生きてきたので人間によるしつけなども、もちろんされていないです。

トイレなどのしつけについても飼い主さんが1から根気よく教えてあげないといけません。

もちろん猫によってすぐに覚えてくれる猫もいるでしょうし、なかなか覚えられない猫もいるかもしれません。

その面ではペットショップで会える猫も同じだと言えるでしょう。

そして、保健所の猫はどうしても人にはあまり慣れていないタイプが多いです。やはり、どちらかというと猫の血統的にも野性味が強くなるでしょう。

病気の面で考えてみても、野良として外で生活していた分何かの病気を持っているかもしれない可能性はあります。

施設によってはそれらの検査をあらかじめ実施している所もあるので、そのあたりは聞いてみるといいでしょう。

ペットショップで会える猫たちは、大抵が子猫です(売れ残っていれば成猫になりますが)。でも保健所の猫は、子猫から成猫まで色んな年齢の猫がいます。

猫は子猫の頃と比べて、成猫になるとまた性格が変わったりすることがあります。

保健所なら成猫を引き取ることができるので、性格をちゃんと見極めておくことができるのは助かりますよね。

そして保健所の猫の場合、「命の期限」というものが存在します。だから、最初に定められた期限までに誰も引き取り手がいなければ殺処分されてしまうのです。

ここが、ペットショップで会える猫との最大の違いと言えるでしょう。

ペットショップの猫と、保健所の猫…あなたはどちらを選びますか

うちにいる愛猫の先生とニセ蔵です。

猫の先生とニセ蔵の写真

先生はチンチラで、ペットショップで購入に至りました。ニセ蔵は知り合いから譲り受けたミックスのキジトラです。

飼い主さんになると誰でもそうだと思いますが、うちでも二匹ともとても可愛がっています。

確かにどちらかというと雑種のニセ蔵のほうが性格や行動からして野性味にあふれていますけど、それも含めてとってもかわいいんですよ。

日本ではペットショップで猫が販売されていますが、海外ではそもそも販売という形がないのも事実なんですよね。

毎年たくさんの野良猫が殺処分されているという悲しい現実を少しでも減らすために、ぜひ保健所での猫の引き取りをしていただきたいです。

ペットショップで売られている猫も、保健所に収容されている猫も、同じ大切な命。飼い主さんになることで、家族として迎えてあげることで少しでも救ってあげたいですね。

私も昔は保健所のことをそれほど知らなかったのでペットショップに行きましたが…私のように保健所で猫を引き取れるという仕組みを知らない人は多いと思うんです。

そんな方に、ぜひともこの記事を読んでいただきたいと思います。

猫の飼い主になるために、シミュレーションしてみることはとても大切

ではまず、猫を飼ったことがない人は猫が生活の中にいることをしっかりとシミュレーションしてみることから始めてみましょう。

実際に猫との暮らしを始めてから、「こんなはずじゃなかった」とか「思ったよりお世話がきつい」という理由で世話を放棄してしまう人が実際にいるからです。

猫を飼ったことがない場合にシミュレーションしてほしいのは、

  • 旅行の時にどうするのか
  • 猫を世話していくのにかかる費用
  • どんなに疲れていてもお世話しないといけない
  • 病気になれば治療をしないといけない
  • ペットOKの物件に住まないといけない

ことなどでしょう。猫の世話をしていく上で実際にかかる費用は、1匹なら年間で9~15万円ほどかかると言われています。

この他にも、猫が体調を崩せばその治療のためのお金がどうしても必要になります。

すぐに完治するかどうかも分かりませんし、病気を治していくために、少し高額な療養フードを食べさせ続けないといけないことだってあります。

さらに、ペットOKの物件って意外と少ないんです。犬はOKでも猫はダメ、という物件もあったりするほどです。

一戸建てを所持しているなら問題はありませんが、住居に関してしっかりと準備できてから猫を迎えるようにしてくださいね。

そして、毎日どんな理由があろうとも、「トイレの掃除」と「ご飯をあげること」は欠かすことができません。さらに猫は生き物ですから、それだけではなくたっぷりの愛情をも必要とします。

それは短期間ではなく、猫が生きている間ずっと続くのです。猫の寿命は15年程度と言われていますから、それと丸々引き受ける覚悟がないと飼い主さんにはなれないのです。

猫を実際に飼うシミュレーションを3ヶ月ほどしっかりとしてみて、それでも「猫と一緒に暮らしたい!」という強い覚悟があれば、ぜひ里親になってあげてください。

猫を飼っている私から言わせてもらうと、猫との暮らしは本当にかけがえのないものです。猫は私たちの毎日を幸せへと優しく導いてくれますよ。

保健所で猫を引き取るためには手順があります

さて、保健所で猫を引き取りたいと思ったらいくつか手順をふまないといけません。ここからは、その方法や流れについてご紹介します。

最初に、自分の管轄の保健所のホームページを調べましょう

まず自分の管轄の保健所に里親登録をするところから始めます。保健所には「動物愛護」の管轄があり、動物愛護センターなどがその業務を引き継いでいることが多いです。

民間の動物愛護の機関などの場合、猫を引き取るための細かい規定が定められていることもあります。

  • 保健所の管轄している地域に住んでいるか
  • 保健所で決められた年齢を超えているか
  • 猫を飼うための経済的、または時間の余裕があるか
  • 猫を飼える住居に住んでいるか
  • 猫を一生責任を持って飼えるか
  • 家族からの同意はきちんと得られているか
  • すでに動物を飼っているか
  • 完全室内飼いをすることが大前提

などが焦点になります。その機関ごとに色んな決まりがありますが、猫を引き取ったあとにも、定期的に猫の様子を報告しなければならない機関もあります。

このあたりも、「ただ売ってしまえば、それでおしまい」というペットショップの姿勢とは大きく違うと言えますね。

猫の譲渡会や講習会に参加しましょう

自分がこれらの規定の条件を満たしていることがチェックできたら、次はいよいよ保健所(動物愛護センター)が開催している譲渡会に参加してみましょう。

譲渡会のホームページや電話などで、事前に参加を申し込んでから参加することになります(譲渡会によっては予約が不要の場合もあります)。

この譲渡会は定期的に開催されているので、日にちや内容などを細かくチェックしてみてくださいね。

気になる猫がいれば、積極的にふれあいをしましょう

譲渡会に連れてこられている猫はみんなケージに入っていて、猫が怖がらないように布などが掛けられていることもあります。

気になる猫がいた場合にはスタッフさんにお願いして、ケージから出してもらってふれあいをすることができます。

無理矢理知らない人がケージに手を入れると猫が怖がってしまうので、猫と普段から接しているスタッフさんにお願いするようにしましょう。

猫とふれあいをしながら、スタッフさんから猫の気質などや保護された経緯などもたくさん教えてもらうことができるでしょう。

そして「この猫を引き取りたい」と強い決意をしたならば、スタッフさんに伝えて面談へと進むことになります。

この時に何人かが同じ猫を引き取りたいとなった場合には、アミダくじやジャンケンなどで決めることもあるようですよ。

猫を引き取れるのを待つ間にできること

譲渡会で猫を引き取れることがめでたく決まっても、そのまますぐに自宅に連れて帰ることはできません。

その猫を譲渡するための検査もあるので、それらを経てだいたい1週間後くらいの引き取りになります。

その間に、猫がこれから通うことになる行きつけの動物病院をしっかりと調べておいてくださいね。

機関によって去勢や避妊をされている場合がありますが、猫を引き取った後には検査などで通うことになるからです。

引き取りの当日はスタッフの方が自宅まで連れてきてくれるので、家で心を落ち着けてかわいい猫に会えるのを待ちましょう。

何かトラブルの際にもスタッフさんに相談することができます

初めて猫を引き取る場合には、まだ猫の世話になれていない分心配な点も出てくるかもしれません。

トイレトレーニングやご飯についてなどの疑問点があればスタッフさんに電話やメールなどで相談に乗ってもらうことができます。

猫が新しい飼い主さんのもとで幸せになることを深く願っているスタッフさんであるからこそ、新味に相談に乗ってくれるでしょう。

機関によっては、引き取ったあとの報告が義務化されている場合もありますし、そうではない場合にもその後の報告などをしていくこともできますね。

保健所の猫を引き取ることで、飼い主さんも猫も幸せになれます

ペットショップで会える猫と比べて、保健所や愛護センターで猫を引き取る際には多くの規約が定められています。

しかし、それは猫の一生を引き取る上で当たり前のことでもあるのです。

しっかりと猫を引き取れる環境を整えてから譲渡会に行くことで、運命の猫に出会うことができますように。

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