ハリネズミと猫の同居ポイント。お互いが負担にならない環境づくり

ハリネズミといえばとってもかわいいペットですが、多くの場合ハリネズミ単体で飼っていることが多いでしょう。

猫を既に飼っていてハリネズミをお迎えしたい場合、もしくはその逆のパターンの場合は共存することはできるのでしょうか。

そもそもハリネズミは「針」があるので痛いのではないか?という心配もあります。そのあたりも含めて、まずはハリネズミの生態から調べてみましょう。

まずはハリネズミの生態について知ろう

ハリネズミは、ハムスターのような感覚でとても人気のあるペットです。つぶらな瞳とトゲトゲな外観がミスマッチして、すごくかわいいんですよね。

ハリネズミを飼いたいと考えているなら、まずハリネズミの基本的な生態を知っておく必要があるでしょう。

ハリネズミはストレスを溜めやすい性質なので、細かく気を配ってあげよう

ハリネズミは夜に活動する夜行性の生き物ということで、その点では猫と同じです。

さらに基本的に群れではなく、一人で単独の行動をする傾向があります。他のハリネズミと一緒の空間にいるとストレスを感じやすくなるんですね。

そのため、一匹以上で飼育する場合にはそれぞれケージを分けておく必要があるでしょう。ケージの大きさは、60センチから90センチほどのものが適しています。

ハリネズミは、敏感で臆病な性格なので、常に隠れられる場所を作ってあげる必要があるでしょう。

ハリネズミの中にも色んなタイプがいるので、人間に慣れやすい子や怖がってしまう子など様々になります。

本来ハリネズミは神経質で臆病な性質を持っている生き物なので、始めはなるべくそっとしておくことが基本になるでしょう。

ハリネズミに適している飼育環境とは

ハリネズミは24度から29度までの気温で湿度は40%くらいが理想的です。暑すぎると夏眠してしまいますし、寒すぎても冬眠します(本来ならハリネズミは夏眠・冬眠はしません)。

そうなると命の危険も出てくるので、気温は常に変わりすぎないように注意しておく必要があるでしょう。ひんやりシートや保温マットなどが使えるようにしてあげてください。

ハリネズミのご飯は市販されているものがあるので、消化しやすくカロリーの高めのものを選ぶようにするといいでしょう。

栄養をプラスするために、ミルワームなどをおやつとしてあげるとさらにいいですね。

ハリネズミと猫が一緒に暮らすことはできるのか

さて、これまで挙げてきたように猫に比べると神経質な性質を持っているハリネズミですが、猫と共存することはできるのでしょうか。

本来、猫にとってハリネズミのような小動物は獲物という対称になってしまいがちです。

ハリネズミと猫が共存すること自体は可能ですが、それは猫がとても大人しい性質を持っている場合に限るでしょう。

ハリネズミと猫が仲良くしている画像なども、ネット上にはたくさんあって心が癒されますね。

しかし、猫は本来野生の環境で生きてきた動物でもあります。突然何かが引き金になって野生の感覚が戻ってしまい、ハリネズミを襲ってしまうことがないとは言い切れません。

ですから、ハリネズミと猫の空間は基本的に仕切っておく必要があるといえます。

さらにハリネズミと猫が同じ空間にいる時間は極力短くしておき、一緒にする場合には必ず飼い主さんが側にいて見守ってあげる必要があるでしょう。

ハリネズミの針っていつでも痛いの?

ハリネズミの背中には、5000本もの針がびっしりと生えています。

ハリネズミの事をよく知らない場合には、ハリネズミの背中を触るととっても痛いんじゃないの?と思ったりしますが実際にはどうなのでしょうか。

ハリネズミは外敵から自分の身を守るために針を背中に生やしているわけですから、当然ハリネズミが怒っている時に触ると痛いです。

でも常に針を立てているというわけではありません。ハリネズミの気持ちがリラックスしている時には背中の針はそのまま流れるような感じになっています。

この状態の時には、毛並みにそうようにして持てば痛くありません。

しかし、ハリネズミに何かのストレスがかかったりして機嫌が悪くなっている時には針を逆立ててしまいます。

かなりストレスが溜まるとこのように丸まってしまうんですね。

先ほどの状態と比べてみると、根元から毛が逆立っているのが分かります。人間で言ってみると「鳥肌が立つ」ような感覚でしょうか。

こうなると当然触ると痛いです。軍手をしていても針が突き抜けてきてしまう程でしょう。

世界にはハリネズミと猫が共存することができた心暖まる実際のエピソードもある

ロシアのサドゴラ動物園では、事故によってお母さんハリネズミを失ってしまった8匹ものハリネズミがいました。

哺乳類のミルクを飲むことができなかった赤ちゃんハリネズミ達は、少しずつ弱っていってしまいます…。

そんな時に黒猫のムーシャが現れ、母乳をもらうことで命を助けられたという実話があるんです。

ハリネズミと猫という、全く違う種であっても母親の愛はそれをも越えたということでしょうか。

ムーシャのミルクだけでなく、愛情をたっぷりと受けて赤ちゃんハリネズミ達はすくすくと成長することができたんですね。なんとも心がほっこりとする素敵なエピソードです。

ハリネズミと猫が共存するために注意しておくこと

それでは、実際にハリネズミと猫が共存する場合に飼い主さんが注意しておくべきこと3点をご紹介します。

ハリネズミも猫も、喧嘩をすることでお互い怪我をしないようにする

上項目にも記載していますが、ハリネズミはとってもかわいいですが針はとても痛いです。

例えるならばプラスチックの爪楊枝だと考えておくと分かりやすいでしょう。

猫がハリネズミを攻撃してしまう可能性はもちろんありますが、反対にハリネズミが猫を攻撃する可能性もあるのです。

その場合には、針が猫に刺さってしまうことにもなりかねません。

そんな大変な事態に陥らないためにも、ハリネズミと猫だけを同じ空間に入れてお出かけするなんて事は絶対にしないでおきましょう。

ハリネズミと猫の生活ゾーンは別にする

基本的に、ハリネズミと猫の生活ゾーンは別にしておくべきでしょう。

本来ハリネズミはストレスを溜めやすく神経質な性質を持っているので、いつも別の生き物である猫が同じ空間にいると、ストレスが溜まりやすくなってしまうのです。

ハリネズミと猫がお互いにどのくらい普段から仲良くしているか…ということは大きく関係してきます。

日頃から喧嘩をしやすかったりする場合には、なるべく二匹を引き合わせないようにしたりして、お互いがストレスを溜めてしまうことのないように気を配りましょう。

ハリネズミが皮膚病になってしまわないようにする

もともとハリネズミは肌がとても弱い生き物です。そのため、猫が持っているノミやシラミ・ダニなどがハリネズミの肌に寄生したりすると炎症を起こしてしまい、大変なことになるのです。

猫だけでなく人間からハリネズミに移ってしまうこともありますし、絨毯などにダニが付いていることだってありますからね。

ハリネズミの肌を危険にさらさないためにも、猫がノミやシラミを持っていないかを常にチェックしておく必要があるでしょう。

さらに家の中をいつも清潔にしておくことも大切です。ハリネズミの肌に異常が起きていないか、日頃から確認しておくと何かあった時にも素早く対応することができるでしょう。

さらに、ハリネズミの身体から抜け落ちた針を人間が踏むととても痛いので、そういった事故を防ぐためにも掃除は欠かさないで行いたいところです。

ハリネズミと猫が共存する場合には、飼い主さんの細心の注意が必要になる

自然界の中ならば本来は敵同士の間柄にもなりうる、ハリネズミと猫。二匹を共存させたいなら、まずお互いの性質やタイプをしっかり見極めることから初めていきましょう。

ハリネズミと猫でも、とっても仲良く暮らしている事例はたくさんあります。お互いに安心して暮らすことができるように、飼い主さんがしっかりと気を配ってあげてくださいね。

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