猫の鼻づまりの原因ごとの特徴。4つのおうちでできる鼻づまり改善法

いつも口が半開きだったり、呼吸するたびにプープーと鼻をならしている猫ちゃんは、鼻がつまっているのかもしれません。

私たちは鼻がつまったら自分で処理することができますが、猫は鼻がつまってもどうすることもできません。

環境の変化に敏感に反応する猫にとって、その不快感は想像もできないほどのものではないでしょうか。

今回は、猫のつらい鼻づまりについてくわしくご説明します。

猫の鼻の構造と鼻づまりの関係

まずは猫の鼻の構造について簡単にご説明します。

逆三角でかわいらしい猫の鼻ですが、なんと人間の1~10万倍もの感度をもっているといわれています。

猫の鼻の構造をあらわしたイラスト

猫の鼻の真ん中には鼻中隔(びちゅうかく)と呼ばれる壁があります。これによって左右の鼻腔が分かれています。

鼻腔にはそれぞれ鼻甲介(びこうかい)とよばれる突起があり、その表面を粘膜が覆っています。

鼻のなかは非常に入り組んでいて、空気中のゴミを取り除いたり、吸気の湿度や温度の調整をする役割があります。

鼻炎やしこりなど、鼻のなかに炎症・異常がでると鼻甲介が腫れ、空気の通り道が狭くなってしまいます。また鼻水が停滞しやすくなるので、鼻づまりを引き起こしていまいます。

鼻づまりは、ウイルスや菌をこれ以上体内に侵入させないようにするための自己防衛としての役割ももっているのです。

▼猫の鼻が濡れていることによって、驚くほどの機能が発揮されているんです
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鼻づまりによって起こるさまざまな弊害

鼻づまりによって起こるさまざまな弊害のイラスト

猫は基本的に口呼吸ができない生き物ですが、鼻がつまっているため口で呼吸をしなければなりません。

さらに、鼻がつまると、ごはんのにおいがわからなくなり、食欲不振になります。

呼吸が浅いので眠れなくなったり、いびきなどの症状も重なり、どんどんストレスがたまってしまうのです。

また、鼻づまりと同時に涙目などの症状がでることもあります。

これは、目で作られた涙が鼻涙管と呼ばれる管に押し込まれ鼻の奥に流れていくことによって鼻涙管もつまり、涙目になるのです。

食欲や元気がなくなった猫ちゃんは、見ているだけでかわいそうな状態です。すぐに原因を突き止め、対策をしましょう。

▼涙目になったり、猫の目が赤くなっていたりする場合も対処する必要があります
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鼻づまりの原因を突き止めて症状を改善しよう

では、このつらい鼻づまりの原因は一体何なのでしょうか。

鼻づまりの原因となる疾患や症状についてご紹介します。

口のなかの疾患が鼻づまりの原因!?

歯周病や口内炎などの口腔内疾患が原因で、口臭やよだれなどの症状とあわせて鼻づまりが引き起こされることがあります。

たかが歯周病・口内炎と思われる飼い主さんも多いかと思いますが、口のなかで発生した雑菌がご飯をたべるたびに全身へ運ばれた結果、

  • 腎臓病
  • 心内膜炎
  • 糖尿病

などの、慢性疾患や、命にかかわる病気へと発展してしまうことも。

口臭や食欲不振が続いたら、すぐお医者さんに相談しましょう。

その鼻づまり、猫風邪の症状かも?

私たちが風邪をひいたときに鼻がつまってしまうように、猫ちゃんの鼻づまりも猫風邪が原因かもしれません。

猫風邪の原因となる主なウイルスとして、

  • 猫ヘルペスウイルス
  • 猫カリシウイルス
  • 猫クラミジアウイルス

などがあげられます。

どのウイルスにも共通の症状として、

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 鼻水
  • 結膜炎
  • 口内炎
  • せき

などがあるので、特定することはむずかしいといわれています。

また、免疫力が低下しているときなどは二つのウイルスに複合して感染し、症状がさらに重症化してしまうこともあるので注意が必要です。

この鼻づまりは、元の原因となっている猫風邪を治療することで改善されます。

▼猫風邪の一部はワクチンを接種することで予防することができます
【猫のワクチンQ&A】予防できる病気と打ったあとの注意点

重症化する前に対策を!猫の鼻炎に気をつけて

猫の鼻腔の粘膜に炎症してしまった状態を鼻炎といいます。

鼻炎は鼻水や鼻づまりだけでなく、症状が進むと副鼻腔まで炎症が広がり、副鼻腔炎というひどい疾患になってしまうことも。

鼻から額にかけて腫れてしまうこともあるので、痛みで顔を触らせてくれなくなることもあります。

さらに悪化して免疫力が低下すると、ほかの感染症にかかってしまうリスクも高まるので、すぐ動物病院へ連れて行きましょう。

  • 涙目
  • 鼻水
  • くしゃみ
  • いびき
  • 元気・食欲の低下

といった症状が同時にあらわれたら要注意です。

▼鼻炎の症状に早く気づいて、対処いくことが大切です
猫の鼻炎の症状とケア。鼻炎の原因から猫を守る、家庭でできる予防法

鼻のなかの腫瘍が原因?慢性的な鼻づまりは危険

あまりにも長い期間鼻づまりが治らないときは、鼻のなかに腫瘍ができている可能性があります。

鼻のなかの腫瘍は主にシニアの猫にできるといわれ、鼻づまりのほかに

  • 鼻血
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 涙目

などの症状や、ひどくなると鼻や頬が腫れたり、目が飛び出るなどの顔面の変形がみられることも。

最悪の場合は、脳にまで腫瘍が広がり、死に至ることもある怖い疾患です。

症状からは鼻炎なのか腫瘍なのかの判断できないので、何か変だなと思ったらすぐに病院へ連れて行きましょう。

腫瘍の種類や発生している場所、進行状態によって治療方法も変わりますが、基本的には外科手術になるので、早期の発見が大切です。

▼猫が鼻血を出している場合には、まず腫瘍を疑いましょう
猫の鼻血は緊急のサインかも!原因となる病気と正しい対処法

猫のつらい鼻づまりをおうちで改善しよう!4つの対策

呼吸がつらそうだったり、不眠が続く姿は飼い主から見てもつらいものですよね。

鼻づまりの対策についてご紹介します。お家で簡単にできるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

鼻のお手入れのポイントは優しくゆっくり!

鼻づまりを治すもっとも簡単な方法は、鼻をふいてあげることです。

猫の鼻づまりのお手入れの方法のイラスト

まず、コットンガーゼをぬるま湯でぬらします。熱すぎても冷たすぎてもびっくりしてしまうので、必ず触っても違和感のない温度にしてください。

猫の鼻の周辺や穴を優しくふき、鼻の横にある溝などもなでるようにふきとります。

綿棒を使うと、猫ちゃんが突然動いてしまったときに鼻のなかを傷つけることもあるので、柔らかいガーゼやコットンを使いましょう。

声をかけながらリラックスした状態で行ってください。嫌がっているのに無理やり行うと、大きなストレスになってしまいます。

また、アルコールをふくんだ人間用のウェットティッシュは猫の皮膚には刺激が強すぎます。使用しないように気をつけてください。

室内の温度に気をつけて

猫の鼻づまりのお手入れの方法のイラスト2

猫も人間と同じで、寒くて乾燥した場所では鼻づまりがひどくなってしまいます。

特に猫は暖かい場所を好む生き物です。気温や乾燥に気をつけて、快適な環境をつくってあげましょう。

空気の乾燥は、慢性鼻炎の粘膜を刺激することがあります。適度な湿度を保つために、冬は加湿器を使うなど、乾燥した状態にならないよう工夫しましょう。

部屋が寒いときは、ペット用の暖房器具や湯たんぽなどもあります。免疫力が低下しているときは体温を調整しづらいので、身体を温められるようグッズをそろえてみてもいいかもしれません。

▼いつも過ごしている空間が猫に適した湿度になるように、飼い主さんがしっかり管理してあげましょう
猫の冬の寒さ対策まとめ。快適な温度湿度とあたためてあげる場所

鼻水吸い出し用具で鼻づまりをダイレクトに治す

猫の鼻づまりのお手入れの方法のイラスト3

鼻づまりが治らずつらそうな猫ちゃんには、鼻水吸い出し用の道具で直接治してあげることもできます。

成猫であれば赤ちゃん用の鼻水吸い出し用具で対処できる場合もあるので、薬局やインターネット通販をチェックしてみてください。

しかし、吸い出し用具を嫌がって、使わせてくれない猫ちゃんも多いかと思います。

無理せず、優しく声をかけながら行ってください。少しでも嫌がるようならすぐに使用を中止しましょう。

鼻の中に水を垂らしてあげる

猫の鼻づまりのお手入れの方法のイラスト4

どうしても吸い出し用具を使わせてくれない猫ちゃんには、鼻水を拭いてあげるフリをしながら鼻の中に水を1~2滴だけ垂らしてあげてください。

ドロドロに固まった鼻水が湿って、息がしやすくなります。

たくさん水を入れると気管に入って炎症などを起こす可能性もあるので気をつけてください。

鼻づまりによる食欲不振を改善する方法

鼻がつまっているとにおいがわからず、いつものごはんを食べてくれないことがあります。

そんな時は、ごはんを少しだけ温めて与えましょう。

ドライフードよりもにおいが強いウェットフードをレンジなどで軽く温めて与えると、より食欲を出してくれます。

猫用のおやつや鰹節などをいつものごはんにかけてあげると喜びます。

また、脱水症状を防ぐためにきちんとお水もあげましょう。

▼ドライフードの香りを良くして猫の食いつきを良くする方法は、こちらの記事をご覧ください
カリカリを食べない猫にひと工夫!簡単4つのカリカリ変身術

つらい鼻づまりを治して快適な生活を

鼻づまりは深刻な病気の場合もあれば、鼻くそ・鼻水がつまっていたり、植物のタネがつまっているだけの単純な症状までさまざまあります。

たかが鼻づまりと思うのではなく、症状が改善するまで外へ出すことは控え、安静に過ごさせてあげてください。

また、ペルシャやヒマラヤン、エキゾチックなど、鼻ペチャの猫ちゃんには特に起こりやすいので注意してあげましょう。

猫の左右の眉の中間地点から鼻の頭に向かって人差し指でゆっくりとなでることで、鼻づまりが多少改善することがあります。

愛猫とのコミュニケーションにもなるので、ぜひ試してみてください。

みんなのコメント

  • 匿名 より:

    とてもさんこうになりました。我が家の猫ちやんにためしてみます。ありがとうございました。

  • ネコ より:

    参考になります! ありがとうございます!

  • ネコ好き より:

    これを参考に頑張ってみます! ありがとうございます!

  • ゆーにゃん より:

    とてもとても参考になりました。うちのにゃんはスコティッシュフォールド、鼻ぺちゃさんです。鼻の辺りをマッセージしてみます。

  • より:

    絵が可愛くてとても分かりやすかったです!

  • みみちゃん より:

    うちの猫がこの症状に当てはまってるものがいくつかありました。
    か簡単に病院にいけないので参考にしてみます
    ありがとうございます‼

  • nikukyu より:

    ┏┻・・・・・・・・┻┓  ∧∧   鼻づまりで困ってました、  
     ありがとう♪  (。・ω・。)   とても参考になりました♪
    ┗━━━━━━┛  (oo)   それとなくやっていようと思います。

  • まーごママ より:

    食欲は減退せず、鼻水少しだけ、涙も少しだけ出ています。くしゃみも出ます。
    そして、ずっとぐーぐー苦しそうなのに、鼻詰まりのような音が聞こえます。
    獣医にリンパ腫か、発症してしまった猫かぜで、いずれにしても、ずっとぐーぐーは治らないと言われました。
    苦しそうなのに、一生治らないなんて、なんとかならないかと思います。5歳です。何か心当たりある方、教えてください。何もしてあげられないなんて、悲しすぎます。

    • お節介かもしれませんが、、、コメントしました。 より:

      ぼぼさん、マーゴママさん
      ハンドルネームが 違いますが、内容は同じですね。。

      諦めずに、色々 試してみてはいかがでしょうか。
      飼い主のあなた様が できることは たくさんあります。

      医者の言うことは 可能性のほんの一部。他にも可能性がたくさんあるはず。

      その前に、、少し気になるので、お聞きしたいのですが、、、、
      ぐーぐー と言う音は 猫ちゃんにとって 苦しい状態なのですか?
      獣医さんは どう言われましたか?
      もしも、音は 猫ちゃんの生活の質を下げたり、猫ちゃんを苦しめたり していないのなら、そのままで、何もしなくてもいいのでは?

      それより、、、、「リンパ腫」 「猫かぜ」 こちらの方が大きな問題なのではないでしょうか? ぐーぐーと言う音は 根本の問題である病気があるのなら、それをきちんと治療しないといけないのでは?

      質問が 「音」に 向いているのが、、ちょっと気になりました。

      リンパ腫 猫かぜ  なのですか?
      そちらを まず はっきりさせた方が良いか、と思います。

      獣医さんのの診断を聞いた、その上で、、、、
      以下、行動提案です。
      (1)ほかの獣医さんにみていただく。数人の獣医さんに聞いてみて、どういう診断されるか、どんな考え方の獣医さんか、など みてみる。ほぼおなじ診断なのか?
      (2)猫ちゃんの、だけではなく、ご自分やご家族の生活環境(水、空気、人間関係、ストレスの度合い、食べ物ー栄養)や 思考や感情なども改善していかれると良いか、と思います。このような猫ちゃんが お家に来られたのには意味があるはずですから。
      (3)サプリなど試す
      楽天などでも、サプリなどが売られています。ご自分で検索してみて、
      自分で試したい、と思ったものを試してみる。ただし、サプリは ゆっくりなので、即効性はない、ことを頭に入れておいた方がいいかもしれません。猫ちゃんが 大人しく 鼻の穴に液体を入れさせてくれるなら、鼻詰まり用の液体も 試されるといいかと、、、
      サプリになるか、わかりませんが、イベルメクチンを 人間用 一錠の8分の1を猫に飲ませて、病気が治ったという例もあるようです。
      うちでは 昔、セキセイインコが風邪を引いた時、人間用の風邪薬を砕いて 微量を飲み水に入れてあげて、なおしてました。この方法は獣医さんが教えてくれたものです。
      ネットなどで色々サーチしてくと 案外解決策が 見つかるかもしれません。
      (4)自然療法を試す
      漢方やホメオパシーなど自然療法を試されると良いかもしれませんよ。

      お節介かもしれませんが、コメントしました。
      猫ちゃんが リンパ腫 や 猫かぜ が まずは 治っていることをお祈りしながら、コメントしております。

  • ボボ より:

    食欲は減退せず、鼻水少しだけ、涙も少しだけ出ています。くしゃみも出ます。
    そして、ずっとぐーぐー苦しそうなのに、鼻詰まりのような音が聞こえます。
    獣医にリンパ腫か、発症してしまった猫かぜで、いずれにしても、ずっとぐーぐーは治らないと言われました。
    苦しそうなのに、一生治らないなんて、なんとかならないかと思います。5歳です。何か心当たりある方、教えてください。何もしてあげられないなんて、悲しすぎます。

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