猫がゴキブリを食べた!病原菌や駆除剤の影響&食べさせない対策

ついさっきご飯をあげたのに、どこで捕まえてきたのか生き物をもぐもぐと食べている、そんな猫の姿はよく見かける行動かもしれません。

床にころがるセミの羽やトンボの頭に「あああ」と思いつつ、ハンティングは猫の本能だからと自分を納得させる飼い主のあなた、では、猫の口の端からのぞいたものがゴキブリのひげ(触覚)だったらどうしますか。

ゴキブリ「なんか」食べて大丈夫なの!?と声のとがる人がいれば、「うちの猫はゴキブリハンターだから助かる」というつわものも、中には、「子猫がゴキブリにまでおびえている」と別な方向で心配している飼い主までいます。

さて、ゴキブリは食べてもいいのか悪いのか、猫のゴキブリ食について基本的なお話をしましょう。


ゴキブリを食べたら、さぁどうすべき!?

猫を飼っている人なら、虫を食べる猫の光景は日常的なことです。猫にとって周りにいる小さな生物は、ハンティングの獲物や遊びの対象になるからです。それがたとえゴキブリであっても、バッタやカマキリなどの昆虫と変わりません。

ただし、ゴキブリの場合、食べたあとに猫に変わった様子、たとえば、

  • お腹をこわしている
  • 吐いている

といった異変がないか、1、2日間は注意してあげるとよいでしょう。その理由は後で説明しますね。

ゴキブリを食べてほしくないと思っても、猫から獲物を取り上げることは難しいし、ネズミやヘビとちがって吐き出させるほどでもありません。それにゴキブリを食べてはだめと叱ったところで猫にはなかなか通じないでしょう。

猫の狩猟本能をおもちゃで満たす方法があります。たとえば、市販の「釣りざお式じゃらし棒」や手作りの類するものを使うという方法です。

「ネコ、ヘコ、トコ」という言い方を聞いたことがありますか?ネズミ、ヘビ、鳥のそれぞれを捕るのが上手だから、ネコ、ヘコ、トコと呼ぶといいます。

これには他説もあって、年に3回ある猫の出産シーズンと出没する生き物に合わせ、12~1月生まれはネズミ、3~4月生まれは鳥、6~7月生まれはヘビを好んで捕るとも考えられています。

いずれにしても、じゃらし棒を使う方法とは、ヘコにはヘビの、トコには鳥の動きを真似てみせて遊ばせるというわけです。効果のほどは保証できませんが、猫がこれで満足してくれたらしめたものです。

猫がゴキブリを食べたら起こる可能性があるリスク

普通の昆虫ハンティングと変わらないとはいえ、相手がゴキブリの場合、まったくのノーリスクとはいかない可能性もあります。

実は、猫がゴキブリと関わることで、3つのリスクが想定されます。

  • ゴキブリが寄生虫や病原菌をもっていた場合
  • ゴキブリがゴキブリ駆除剤に汚染されていた場合
  • 猫がゴキブリ駆除剤を食べてしまった場合

寄生虫に感染

ゴキブリには回虫・条虫という寄生虫が寄生することがあります。食べたゴキブリが寄生虫もちだったら、猫も寄生虫に感染します。感染したかどうかは、下痢や嘔吐の症状がでるのでわかります。

猫のうんちや吐いたものに白いものが混ざっていませんか?これが寄生虫です。お尻に付着していることも。もし、これを見つけたら、動物病院での駆除治療が必要です。

病原菌に感染

ゴキブリがサルモネラ菌を保有していることもあります。
猫に以下の症状はないですか。

  • 元気がない
  • 発熱している
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢

その場合、サルモネラ菌の感染が疑われます。重症だと、急性胃腸炎や敗血症になることもあります。

駆除剤の中毒

ゴキブリがエサタイプの駆除剤を食べている、あるいは、スプレータイプの殺虫剤を浴びていることもあるでしょう。そんな汚染された状態のゴキブリを猫が食べたら、

  • 吐き気
  • 下痢
  • 神経障害

という症状が現れることがあります。

さらに、猫自身がホウ酸団子をはじめとする毒性の強いゴキブリ駆除剤を食べないとも限りません。これらを摂取することはもっと深刻な事態を招きます。

  • よだれ
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢

このような中毒症状が出たら、動物病院に連れていきましょう。

ゴキブリを食べたら必ず起きるというものではないですが、猫に異変があったとき、こうした可能性があると知っていたら、あわてずに対処できそうですね。

猫のいる家でのゴキブリ対策とは

そもそも家にゴキブリさえいなければ、やっかいなことだって起こらずにすむはずです。次に、猫がいても安心して実行できるゴキブリ対策を紹介します。

ポイントは、

  1. 安全な駆虫剤を用いる
  2. ゴキブリを家に入れない

猫にも安心な駆除剤

基本的なこととして、以下に留意しましょう。

  • 中毒しない殺虫剤を使う
    (例:ブラックキャップ、ノーマット、体内で分解するピレスロイド系など)
  • 猫に向けて殺虫剤をかけない
  • 煙が出るタイプは猫がいない部屋で使う
  • 使用後に換気や床拭きを行う

より安全な駆除法として次のものがおすすめです。

  • アルコールをかけてゴキブリの動きを止めてから退治する
  • 猫がハーブを苦手でないなら、天然ハーブのゴキブリよけを予防用に置く
  • 超音波でゴキブリを寄せつけない、超音波式駆除機を用いる

注意すべきはゴキブリ駆除剤だけではありません。園芸をする家庭ならナメクジ駆除薬や肥料、農薬を置いていたりしますね。猫がこれらを口に入れないように、届かない場所にしまっておくとよいですね。

家にゴキブリを入れない工夫

自分の家で万全の対策をほどこしていても、よそからやってくるのがゴキブリです。とにかく寄ってこない環境を作りましょう。家内に侵入しないように、ゴキブリの侵入経路をふさぐ工夫が有効です。

  • 食べこぼしを掃除するなど、家を清潔に保つ
  • 生ごみ、排水口のごみ、猫のエサをこまめに片づける
  • 浴室の湿気をとり、猫の水も片づけておく
  • 侵入経路となる排水口やエアコン室外機ホースにネットやカバーをかける
  • 台所のシンク下などにすき間がないかチェックする

ゴキブリよりリスクが高い捕食物

猫が好んでハンティングする生き物の中には、ゴキブリ以上に危険なものがいます。捕食したときに特にリスクが高いのは、ネズミ、ヘビ、カエルです。屋外でよく出会うハチ、毛虫、ハエ、蚊にもある程度の注意が必要です。

ハチを食べたとき

刺されるとアナフィラキシーショックで呼吸困難、下痢、嘔吐を発症することがあります。よだれや失禁の症状が現れたらすぐに病院に行きましょう。

毛虫を食べたとき

毒をもつ毛虫を食べると嘔吐を繰り返して、脱水症状を起こす場合もあります。

ノミ・ダニを食べたとき

ノミ・ダニにかまれるとアレルギー性皮膚炎になります。口に入れてしまうのはグルーミング時が多いです。つぶしたノミからうりざね条虫に感染し、下痢や体重減少を起こします。

感染していたら、病院で条虫の駆虫とノミの駆除をセットで行いましょう。また、日頃からノミとりブラシやシャンプー、首輪を利用してノミを近づけないことが大切です。

ネズミを食べたとき

食べたネズミに条虫・回虫が寄生していると、猫も寄生されて下痢、便秘を発症します。食べているところを見たら、とにかく吐き出させましょう。

カエル・ヘビを食べたとき

カエルやヘビからマンソン裂頭条虫が感染すると腸などに寄生され、食欲不振、嘔吐、下痢、肛門のかゆみの症状が出ます。病院にうんちを持っていき、何を食べたのかを医師に伝えましょう。

さらに、毒性をもつ小カエルだと炎症を起こしたり、ヒキガエルの毒で呼吸困難、失神、泡を吹いたりすることもあります。

日頃のチェックで猫の健康を守る

ゴキブリを食べることはポイントをおさえれば何とかなりそうですね。他のリスクについても、ふだんから猫の様子に気を配っていると、異変に気づきやすくなります。

  • 目の色や皮膚の感じは平常かを確認する
  • 捨てる前にうんちの状態を見る
  • 体を触る

自由に屋外に外出する猫の場合、寄生虫に感染しやすいため、定期的に駆虫や検査を行うようにしましょう。

外に出すと心配なことが多いから、いっそのこと完全室内飼いにした方が安心、という考え方もあるかもしれませんね。

みんなのコメント

  • おおくぼさん より:

    いえネコがいれば、”ゴキブリ”は、近寄らないと思いますが。

    ネズミに関しても、よく聞きました。

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