猫と言えば〈ブラッシング〉というイメージがありますよね。そもそも、どうして猫はブラッシングをする必要があるんでしょうか。
私も普段は特別そこまで何も考えずにブラッシングをしていたんですが、その理由について改めて知ることでとても納得することができましたよ。
猫が自分でブラッシングをする理由
猫というのは犬と違ってほとんど身体の臭いがありませんし、いつも自分で身体を舐めてきれいにしていますよね。
本来猫は野生の中で生きるために、待ち伏せて狩りをするやり方をして生きていました。
ですから自分の臭いがすることで他の動物に存在がバレないように、いつもグルーミングをすることで清潔さを保っていたんですね。
グルーミングをする時には、ザラザラした舌や門歯をクシのように上手く使って行っています。
いつもキレイにしているので、いつも見ていて感心するものです(グルーミングは猫の本能なんですけどね)。
確かに、猫って臭いがないんですよね。うちの猫はなんだか〈ぬいぐるみの臭い〉がするなぁ~と常日頃から思っていたんですが(つまり無臭ということです)、そういうことなんですね。
基本的にお風呂に入れなくて大丈夫な猫は、人間にとってもとても助かる存在だと言えます。
毎日のブラッシングは猫の健康にとって不可欠です
短毛種の猫ももちろん普段からブラッシングは必要なんですが、特に長毛種の猫なら、飼い主がいつもよりもマメにブラッシングをしてあげないといけません。
長毛種の場合、短毛種に比べてどうしても毛を飲み込んでしまいがちだからです。
このようにして猫の身体の外に無事毛が排出されてくれたら問題ないんですが、もし身体の中からできずに溜まってしまったままだとしたら……
この状態は毛球症(もうきゅうしょう)と呼ばれているんですが、こうなってしまうと手術でお腹から出さないといけない……というとても大変な事態になってしまうんです。
ですから、特に長毛種のブラッシングは飼い主が普段から気を付けてあげることで、この病気のリスクを下げていくことが必須なんですね。
ブラッシングの頻度の目安としては、通常なら短毛種で週に1度以上、長毛種ならば1日に1度くらい。換毛期でしたら短毛種は1日に1回、長毛種は1日に朝と晩の2回と考えてあげてください。
ただし、短毛種は週に1度以上とはなっていますが……コミュニケーションとしては毎日ブラッシングをしてもいいかもしれません。
あまり力を入れて長時間やりすぎると毛がハゲてしまうこともあるので、適度に行うようにしてくださいね。
正しいブラッシングのやり方をマスターしよう
猫が自分の毛を飲み込んでしまう危険性を少しでも下げられるように、飼い主によるブラッシングが猫には欠かせないということがわかりましたね。
さらに、毎日ブラッシングをすることで、もし身体にブツブツなどの異物ができていたとしてもすぐに気付いてあげることができるでしょう。
長毛種の猫ならこのようなブラシを使うようにしましょう。うちの愛猫の先生はブラッシングがちょっと苦手なんですよね……
だからと言ってブラッシングを何日かしないでいると、すぐに毛玉ができてしまうんです。
こうなると取り除くのが大変です。基本的にはハサミでカットしますが、やっぱり嫌がって暴れるので危ないですね。
それからは、嫌がられてもなるべくブラッシングは欠かさないようにしています。
ブラッシングが苦手な猫の場合、なるべく早くブラッシングを完了させて切り上げてあげることですね。
こうしておかないと、〈ブラッシング、怖い!〉と猫の記憶に植え付けられてしまい、ブラシを見ただけで逃げるようになってしまうからです。
反対に、うちのもう1匹の愛猫の〈ニセ蔵〉はブラッシング大好きなので、ブラシをちらつかせただけで寄ってくるんですけどね。
猫の性格によっても全く違いますよね。まぁ、だからこそ面白いんですけれど。
基本的にブラッシングが大好きなニセ蔵にとって〈クシっぽい!〉と感じられたら何でもOKということなんでしょうね。
ブラッシング初心者なら順番通りやってみよう
では、ここからは猫のブラッシングするときの正しい方法について学んでいきましょう。
猫の毛というのは、場所によって毛の生え方が違います。この毛の流れを理解した上で、全体的に毛の流れに添うようにしてブラッシングをしていくことが基本になります。
強すぎず弱すぎず……適度な力を入れてブラッシングをすることで、〈ブラッシングって気持ちいいんだ!〉と猫に思ってもらえるようにしましょう。
そこから背中のラインに移り、つぎはぎ腰→しっぽ→お腹という順番にブラッシングしていきます。
自分ではグルーミングをすることができない喉の下部分も、最後にしてもいいし途中どこかにタイミングを見て入れ込んでもいいですよね。
上でも書きましたが、先生の場合はブラッシングはまさに時間との勝負。
抱っこ自体も相当甘えている時しかさせてくれないので、スピーディーに3分程度で終わらせられるように心掛けています。
いきなり本格的にブラッシングをすると、長毛種の猫の場合は毛が絡まってしまったりしてしまいます。
こうならない為に初めは軽くとかしていき、ブラシが無事に通るようになったら本格にブラッシングをしましょう。
猫には毛の生え変わりの時期が年に2回ある
猫の毛が生え変わる〈換毛期〉である、春先と秋の終わり頃は日頃に増して、特にたくさんの毛がごっそりと抜けてきますよね。
うちでも、床にカタマリで抜けた毛がポトッと落ちていることがよくあります。
猫には1年の間で二度換毛期が訪れます。
- 春先……暖かくなってきた3月頃。夏の暑い時期をしのげるように、冬用の毛がごっそりと抜けていきます。
- 秋の終わり……寒くなってきた11月頃。夏用の毛はごっそりと抜け落ち、冬を暖かく過ごすために〈ダブルコート〉と呼ばれるフワフワの毛が生えてきます。
同じ猫でも夏場はさっぱりしているし、冬場になるとモコモコしている……と感じるのは生えている毛の種類が違うからなんですね。
通常なら二週間から1ヶ月くらいの時間をかけて毛の生え変わりが完了するのですが、暑かったり寒かったりして変な気温差が続いたりすると換毛期も長引いてしまいます。
特に室内で飼われている猫の場合、エアコンなどを使うことで温度の差があまり感じられないので換毛期が長引いてしまう傾向にあるようです。
特に目立った換毛期もなく、1年を通して毛が抜けるタイプの猫もいるんだとか。この対策としては、窓をマメに開けてあげることで外の空気をしっかりと感じてもらうことが有効ですね。
しかし、この換毛期は本当に毛が抜けまくるので、床はもちろん人間の衣類にも毛がまとわりつくんです……
この頃は、猫のブラッシングをしてもしても追い付かない……といった状態になりますから、こうなってしまうのも納得ですよね。
換毛期にオススメのブラッシングアイテム
換毛期はいつもに増して毛が大量に抜けるので、〈とにかく少しでも楽にブラッシングをしたい!〉というかたには、こちらのブラシがオススメです。
フランスで開発・製造業された〈フーリー〉です。
このブラシは、トリマーや獣医師が愛用しているプロ御用達のアイテムなのでかなり抜け毛が楽に取れるようになるんだとか。
ただし、このフーリーは、〈ダブルコート〉が生えてくる猫専用のブラシなので、毛が少なめの猫種には向きません。
日本ではほとんどの猫がダブルコートの毛質ではあるんですが、ソマリやシャム猫、シンガプーラなどには対応不可なので気を付けてくださいね。
ブラッシングした後の毛の処理もきちんとしておきましょう
猫の毛がたくさん抜ける換毛期には、普段よりも踏み込んだ掃除をすることが必須になります。
床の状態ごとに毛が溜まる場所が違います。それによって掃除のやり方も変わってくるので、知っておくと便利ですよ。
カーペット・じゅうたん
この床の場合、抜け落ちた猫の毛が絡みやすくなっています。掃除機は毎日かけるようにしましょう。
掃除機のかけ方のポイントとしては、十字の形にかけていくことです。こうすることで絡んだ毛も取れやすくなります。
そして掃除機をした後に仕上げでコロコロをしておくと、さらに安心ですね。
畳・フローリング
フローリングなどの場合には、じゅうたんとは違って抜けた毛が人が歩く度にあちこちに動いてしまいます。
つまり、最終的には端っこに溜まってしまうということですね。階段などを見てみると分かるかと思います。
猫の抜け毛をそのままにしておくと、それが原因でダニやノミなどが大量発生してしまうこともあります。
そうなると、猫だけでなく人間にも被害が及ぶことになるので日頃からしっかりと掃除をしておくことはとても大切です。
うちでは、ダイキンの空気清浄機を常にかけています。
旦那はハウスダストだし、娘も猫アレルギーがあるんですが、これを付けてからは症状が出なくなったのでとても助かっていますよ。
毎日の愛情のこもったブラッシングで愛猫の健康を保ちましょう
猫にとって飼い主からしてもらえるブラッシングは、とても嬉しいコミュニケーションとなります。
毎日欠かさずブラッシングをすることで、愛猫の身体の健康作りにも大いに役立てることができるでしょう。
これからもブラッシングが飼い主・愛猫両方にとって、楽しいふれあいの時間になりますように。
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絵もかわいい