短足猫の種類まとめ。ちょこちょこ歩きが可愛い足が短い猫ちゃんたち

短い足でちょこまか歩き、その足から想像もできない俊敏なジャンプを披露する。一生懸命歩くようなその愛くるしい短足猫は、近年ではSNSの影響と共に、その日常風景が不思議と心惹かれて人気に火が付きました。

短足猫として一躍有名になったのはマンチカンという種類の猫です。しかし、短足猫はこの一種類だけではありません。マンチカンから派生したミックス達や、まったく異なる種類の猫もいます。

今回はそんな短足猫ちゃんたちを、簡単に紹介していきます。足が短めだけど元気いっぱいな短足猫ちゃんたちを知る、良いきっかけにしてください。

王道マンチカンとその仲間達

実は短足の猫は、短足の猫として人工的に確立させたマンチカンという品種から発生した一派と、元々存在していた足が短めの猫から生まれた2つのルーツに大きく分けられています。

今どき人気の短足猫は、主に前者に属する猫ちゃんが多いでしょう。

ここではそんな、マンチカンとそこから発生した短足猫ちゃん一派を簡単に紹介します。劇的なブームとなった短足猫ですが、実はその歴史はまだまだ浅い猫業界の新参者なのです。

マンチカン

その短い四肢が最大の特徴であり、短足猫の代名詞としてここ近年で知名度が劇的に上昇したのが、この「マンチカン」です。「猫界のダックスフント」とも呼ばれているほど短足で、膝を中心として上下の長さがほぼ等しく、特徴的なちょこまか歩きを見せてくれます。

マンチカンの歴史が浅いと言われている理由は、マンチカンの祖となる個体の発見が1900年の後半だったことです。極端に足が短い猫が発見され、当初は病気や奇形を疑われて多くの議論や検査が行われました。

これらの検査が長引いたことで、新たな品種として認定されるまでに長い年月がかかりましたが、この短足猫はブリーダーが譲りうけたことで、様々な猫と掛け合わせ「短足として生まれる猫」としてある程度の固定化に成功します。

TICA(血統登録機関の世界的権威)で正式な品種として認定されたのは、なんと1995年でした。ここで認定されたことを皮切りに、現在では多くの団体が品種として認定しています。

こうして、偶然発見された短足の猫を祖とする品種「マンチカン」が大々的に登場しました。

ちなみに「マンチカン」という名前の由来は、「オズの魔法使い」に登場する「マンチキン」という小人から来ているという説が有名のようです。

そんな「マンチカン」の最大の特徴は、やはり四肢が極端に短いという見た目です。しかし、実はあまり知られていないのですが、短足猫の品種と呼び声高い「マンチカン」の全ての足が短いわけではありません。

通常の交配では、短足ではなく足長で生まれてくる確率が高いのです。元々、短足猫の生まれてくる確率は、通常の足長猫に比べると2割から3割と少なく希少性があります。そのため、「マンチカン」であっても、短足ではないマンチカンも存在します。

性格は、人に懐きやすく、甘えん坊上手。そして穏やかな性格の個体が多い品種です。そのためすぐに飼い主さんに懐く猫も多く、躾がしやすいため初心者にも買いやすい品種です。また嬉しいことに抜け毛も少なめです。

ただし、やはり生き物。人間に個人差があるように、マンチカンの性格にも個体差はあります。用心深かったり、怖がりだったりする猫もいるので、一度先入観を捨ててその猫自身を見てあげてくださいね。

足以外の外観としては、毛の色や模様など多種多様にバリエーションが非常に豊かであり、其々にパッと見て分かりやすい個体差が生まれています。

短い脚から繰り広げられる俊敏ジャンプや猛ダッシュ、ちょこまか歩きとギャップも可愛さの秘訣。希少性も相まって、依然として人気が高い短足猫の王道種です。

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ここから先は、このマンチカンと掛け合わせて誕生したマンチカンミックスの一派である猫種を紹介します。

キンカロー

「マンチカン」と「アメリカンカール」という猫を掛け合わせて誕生した品種が、「キンカロー」です。この品種は正式にはTICAで認可されていませんが、マンチカンから派生した実験的な猫種の一つとして知られています。

最大な特徴はマンチカンと王道的要素である短い足と、アメリカンカールの特徴の一つである、後ろにカールしている耳です。其々に有名な特徴を強く表しており、良いとこ取りの猫種でもあります。

性格は、好奇心旺盛で活発的な個体が多い品種です。また、犬のような社交性と飼い主に対する忠実な一面があり、しっかりと躾をしたい方や、芸を仕込むとしたら考えたい猫種ですね。

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猫に芸を覚えてもらう方法。お手、お座りもストレスのないように!

バンビーノ

「マンチカン」と「スフィンクス」を兼ね合わせて誕生した品種が、イタリア語で赤ん坊を意味する「バンビーノ」という猫種です。

見た目の特徴は、短い脚を除けばその皮膚です。被毛がないスフィンクス猫種の特徴を受け継いでおり、もふもふの毛がない代わりに、赤ちゃんのような皮膚シワが沢山あります。小さい足の動きや体の動きを存分に見ることができる姿です。

ただし、被毛がないことから、寒暖差に対する耐性が低い面があります。特に寒さや日光に弱く、剥き出しの皮膚のため怪我もしやすいという点が気になるところ。日頃から皮膚へのケアが大切になります。

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毛がない猫の種類と飼い方。実は健康で人懐こいやんちゃな無毛猫たち

性格は、友好的で社交的。また、活発で運動や遊びが大好きなため、小さな子供とも相性がよいと言われています。

ちょっとお世話に手のかかるバンビーノ。小さい子供が世話をすれば、情緒面はぐぐっと大きく育つかもしれませんね。

ラムキン

「マンチカン」と「セルカークレックス」を掛け合わせて誕生した品種が、英語で子羊の意味を意味する「ラムキン」という猫種です。TICAで、正式に品種として公認されているマンチカン一派の一種です。

セルカークレックスの長い巻き毛の特徴を受け継いでおり、名前の由来となった「羊のような被毛」がこのラムキンの特徴の一つです。小さな短足にフワフワモコモコの被毛が、とても可愛らしい猫種です。

性格は、とても穏やかでおとなしく、あまり鳴き声を上げないことがあげられます。ふわふわな被毛にしては、お手入れもしやすいため飼いやすい猫でもあります。

ジェネッタ

「マンチカン」と多数の別種を掛け合わせて誕生した品種が、「ジェネッタ」という猫種です。掛け合った品種は基礎となる短足猫の王様「マンチカン」に、「ベンガル」「サバンナ」「オリエンタルショートヘア」 「オシキャット」と四種類が掛け合わされました。

ジェネッタの歴史はまだ浅いもので、2006年に誕生してから、まだ開発途上といえる猫種です。もしかしたら数年後には、また違う種が掛け合わされる未来もあるかもしれませんね。

性格は賢く友好的ですが、その反面として警戒心が強い部分もあります。活発で運動量が多く遊びが大好きです。つまり、やんちゃな子が多いかもしれません。

多数が掛け合わされたことで、複数の特性を受け継いでいる外見をしてます。中でもマンチカンの短い足、ベンガルやサバンナのような、野性味のあるワイルドな模様の被毛を受け継いでいる個体が多々見られます。

運動量が多いこと、そして被毛が非常に野性味を感じさせるため、やんちゃで可愛い姿がよくよく見られることでしょう。また、犬のダックスフントのように長い胴体や、長い尻尾も特徴としてあげられます。

スクークム

「マンチカン」と「ラパーマ」を掛け合わせて誕生した品種が、「スクークム」という猫種です。この品種のエピソードとして興味深いのが、明確な目的をもって作り上げられた品種だと言うことです。

1900年代に、ブリーダーが「カーリーヘアの短足猫」という特徴を目標に品種を掛け合わせ、最初に繁殖を始めたといわれています。現在ではTICAを初めとして、様々な団体で公認されている品種です。

その外観はもちろん、ラパームより受け継いだカーリーヘアの被毛。そしてマンチカンから受け継いだ短足です。目的の通りに生み出されたその姿と、大きなくりっとした瞳も愛らしいものです。

性格は、愛情深く人なつっこいこと、そしてとても社交的なことです。活発で遊び好きで、元気いっぱいな子が多いのも特徴でしょうか。

ミヌエット(旧名ナポレオン)

「マンチカン」に複数の品種を掛け合わせて生まれた品種が、「ミヌエット」という猫種です。和名に変換する都合上、表記揺れとして「 メヌエット」とも呼ばれることがあります。

マンチカンに掛け合わされた品種は、「ペルシャ」「ヒマラヤン」「エキゾチックショートヘア」の三種です。日本でもあまり知られておらず、まだまだ数も少ないためマンチカン一派の中でも希少価値の高い猫種です。

実は、この品種が誕生した当初は別の名前で呼ばれていました。元々の名前はなんと「ナポレオン」です。しかし、2005年に「ミヌエット」として変更され、ナポレオンの名は旧名となりました。

新しい品種ながら、既にTICAに正式に認可された品種であることも特徴の一つでしょう。

性格は、明るく陽気で甘えん坊。ですが決して甘えるだけではなく、飼い主に忠実な一面も持ちます。警戒心もそれほど高いものではなく、どちらかといえば社交的です。活発で好奇心旺盛なためによく動き回るのも特徴の一つでしょう。

見た目は、マンチカンの短い脚と顔の形。ペルシャから受け継いだエレガントな被毛と、丸っこい瞳です。ふさふさな被毛がゴージャスな雰囲気を演出し、その希少性も相まって優雅で愛くるしい姿です。

▼まん丸した目がかわいいミヌエットの特徴についてはこちらもどうぞ
ミヌエットはまんまるお目々の短足ロングヘアー。性格や飼い方を解説

猫の中でも足が短い仲間達

短足猫と言えばマンチカン。そう呼び声が高いものですが、実はマンチカンやマンチカンミックス達の他にも、短めの足を持つ猫種は存在します。

マンチカンほどに短い足ではありませんが、彼らも立派に短足と分類に入ります。

そこでここからは、マンチカンの流れをくまない、足が短い猫の一部を紹介していきます。マンチカンほどではありませんか、今回紹介する猫たちもまた、目的をもって生まれたり、偶然の奇跡により誕生した猫種です。

エキゾチックショートヘア

「エキゾチックショートヘア」という品種は、実は「ペルシャ」という品種から発生した猫種です。ペルシャの被毛のお手入れが大変であり、それを改善するために「被毛の短いペルシャ」という方向性から生み出されました。

「ペルシャ」を元に、「バーミーズ」「アメリカンショートヘア」「ブリティッシュショートヘア」という三種を掛け合わせて、現在の姿で確定しました。目的は達成され、1966年にはCFAで公認の品種となりました。

性格は、ペルシャの性格を色濃く受け継ぎ、その系統の品種だと印象深くさせてくれます。物静かで温厚、そして愛情深く甘えん坊な性格が強く出ます。また、人に撫でられたり、抱っこされたりするのが大好きな子も多いのが特徴です。

外見は、もちろん短めで太い脚です。筋肉質で丈夫なことも特徴でしょう。ペルジャ譲りの潰れた鼻や離れた目など、多くの外的要素をペルシャ猫から受け継いでいます。

▼ペルシャに似ているエキゾチックショートヘアの特徴については、こちらでもどうぞ
【ブサカワ猫】エキゾチックショートヘアの基本情報・性格や価格Catchu きゃっちゅ > 猫の種類

キムリック

「キムリック」という品種は、突然変異から誕生した経緯を持つ猫種です。1960年代に、現在は「マンクス」という品種の開発過程により、突然変異として生まれた長毛の猫。それが「キムリック」です。

突然変異から誕生した猫種ですが、1979年にTICAで公認されている品種です。名前の由来は、マンクスの由来となったイギリスのマン島近くにある、ウェールズ地方の別名キムリーが由来となっています。名前もマンクスに繋がっているのです。

性格は、穏やかで愛情深いことが特徴です。その反面、警戒心が強く慎重な面もあり、臆病な一面もあります。ただ、気を許した飼い主には従順になり良き家族の一員となってくれます。

見た目は、足が短いのはもちろんですが、前足が後足よりも短いのが最大の特徴です。通常の猫の様にすすっと歩くのではなく、兎のようにぴょんっぴょんっと跳ねるように歩く姿が見られます。

その独特の歩き方からか、身体は筋肉質でがっちりとしていながら、俊敏性に優れています。尻尾はある個体もいますが、あっても非常に短い尻尾をしているのも特徴です。

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スコティッシュフォールド

「スコティッシュフォールド」という品種は、1961年にスコットランドの農家で飼われていた「耳の折れ曲がった猫」が起源とされている猫種です。1978年には、CFAで公認されている品種となります。

この「耳の折れ曲がった猫」を中心として、「ペルシャ」「アメリカンショートヘア」「ブリティッシュショートヘア」などを掛け合わせてたことで交配が進み、現在のスコティッシュフォールドの姿になりました。

性格は甘えん坊で、人なつっこく人見知りもそれほどしません。そのため、初心者の人にも寄っていくので愛くるしい姿がよく見ることができます。そのため悪い一面として考えるならば、猫攫いには注意したい猫ちゃんですね。

遊ぶことが大好きな猫ですが、動きは活発ではなく静かに遊んでいる落ち着いた性質があります。

見た目としては、身体に比べると短い足に、小さくて丸みを帯びた可愛い肉球。前方に折れ曲がった、由来となった小さな耳と大きく丸っとした瞳。ふっくらとした印象を与える被毛と、筋肉質でずんぐりとした身体が特徴的です。

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ブリティッシュ

「ブリティッシュ」という品種の起源は、古くを遡れば2000年ほど前のイギリスに辿り着く、イギリス最古の猫種です。

とはいってもイギリス所以の猫ではなく、元々は古代ローマ人が、ネズミを駆除するためにイギリスに持ち込んだ猫が起源だとも言われています。1800年代からブリーダーにより多くの品種と掛け合わされ、長い年月の間に改良が進みました。

そして、1900年代にはCFAで公認の品種となりました。

身体に比べるとやや短い足を持ち、筋肉質で骨太ながっちした体つきをしています。丸っこい顔と大きな目が特徴的です。また、被毛の長さにより「ブリティッシュ・ショートヘア」「ブリティッシュ・ロングヘア」という呼び方で区別されています。

性格は、基本的に穏やかでマイペースです。しかしその祖先が古代ローマ人がわざわざ遠征先に持ち込む生粋のネズミハンターです。穏やかと言えども、自立心が強く勇敢で、外敵と戦える性格をしています。

ハンター由来の賢さと、誰とでも仲良くなれる社交性が混じり合った、可愛らしくかっこいい猫種です。

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ちょこまか歩きがかわいい短足猫は希少種の一つ

いかがでしたでしょうか?

可愛らしい短足猫は他にもいますが、今回紹介したことが短足猫を知る、一つのきっかけになってくだされば嬉しいです。

短足猫が生まれる確率は普通の猫より少なく、足が長い猫が生まれる確率は8割です。元々の猫種の始まりが偶然発見されたことから始まっていることを考えても、その希少性はまだまだ根強いものがあります。

かわいらしさ、希少性に目を奪われて、飛びついて飼うのはやめましょう。値段も環境も、その子自身の性格さえも吟味して、その子を家族として迎え入れる覚悟をもって飼ってください。

そして、ちょこまか歩きで可愛らしい、短足猫ちゃんたちを幸せにしてあげてくださいね。

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