暮らしのパートナーとして寄り添ってくれる猫。愛猫に元気で長生きしてほしいという願いは、飼い主のみなさんの共通したものだと思います。
私たちが安全な食材を求めるように、猫にも安全で良質なフードを食べてほしい。
猫もヒトと同じで、毎日の食生活が身体づくりや寿命に大きく関係しています。
さまざまなメーカーから販売されているキャットフード。たくさん種類がありすぎて、どれを選ぶべきか迷ってしまいます。
今回の記事では、安全なキャットフードの選び方についてご紹介いたします。
安全なキャットフードとはどんなもの?選ぶ基準になるフードの特徴
猫は、
- 年齢
- 種類
- 生活環境
などによって、必要な栄養のバランスが異なります。
毎日の食事に気をつけてあげることが、直接飼い猫の健康や長生きにつながります。
ではどのようなキャットフードを選べばよいのでしょうか?
無添加のものを表示からしっかり見極めよう
キャットフードにはさまざまな添加物がふくまれています。
添加物とは、食品の製造過程に加工や保存の目的で添加されるもので、バランスのとれた栄養素の品質を長期間維持したまま提供するために使われています。
- 香辛料
- 防腐剤
- 保存料
なども、添加物の一部です。
無添加のキャットフードとは、添加物や農薬を使わず、自然に基づいてつくられたフードを指します。
添加物を使っていないキャットフードは、添加物がふくまれているキャットフードに比べて食欲を増進させるにおいが弱かったり、長期保存ができないこともあります。
しかし、私たちの何倍も小さい猫の体は、添加物を体内から排出・中和する能力が弱いので、その分ダイレクトに添加物の影響を受けてしまうのです。
無添加のキャットフードは添加物によるごまかしができないので、人間の食材と同じものや無農薬の原料など、こだわりのつまった良い原材料が使われています。
普通のキャットフードに比べて、長期保存や食欲をそそるにおい、見た目のおいしさでは負けてしまうかもしれませんが、猫の健康を第一に考え、安全なキャットフードを選びましょう。
無香料・無着色とだけ書かれていても、保存料に関して記載がなかったり、天然保存料と書かれていても詳細が表記されていない場合もあります。
キャッチコピーが良くても、信頼できないフードもたくさんあるので、無添加の言葉に騙されず、しっかりと原材料や添加物について確認しましょう。
すべての添加物が悪いというわけではありませんが、不要な添加物は使わないにこしたことはありません。
オーガニックはちょっと高価だけどそれだけ効果がある
オーガニックという言葉をご存知でしょうか?
私たちの食材や化粧品でも使われるオーガニック。キャットフードもオーガニックにこだわってつくられたものがあります。
オーガニックとは、化学薬品や農薬などを一切使わず、自然栽培、自然飼育した肉や野菜のみで生産・加工されたものを指します。
オーガニックのキャットフードは、「3年以上化学肥料や農薬を使用していない畑」や「畜産物が餌として食べる飼料にもオーガニックフードを使う」など、厳しい条件のもとでの製造が求められます。
子猫の成長期にアレルギーの原因となる有害なフードを摂取し続けてしまうと、成猫になって毛並みや皮膚のトラブルに悩まされることもあります。
オーガニックのキャットフードは安全性が高い反面、価格も高い場合が多いのですが、人間の食品にオーガニックフードを選ぶように、飼い猫の身体に優しいフードを選びましょう。
穀物を消化できない猫のためのグルテンフリー
グルテンフリーのキャットフードとは、
- 小麦
- 大麦
- トウモロコシ
- 米
- 大豆
- 玄米
などの穀物を使っていないフードを指します。
もともと肉食の猫は、穀物の消化酵素をもっていないので、摂取することで消化器官の負担が大きくなります。場合によっては、アレルギーを引き起こしてしまうことも。
また、グルテンフリーのキャットフードを毎日食べることで炭水化物の摂取量が減少し、肥満や生活習慣病を避けることもできます。
一般的に、安いキャットフードは肉類よりも穀物の割合が多い傾向にあるので注意が必要です。
パッケージの表示に注目!キャットフードの選び方
猫の健康を保つためには、その猫にあった正しい食事選びが大切です。
もちろん無添加・グルテンフリー・オーガニックであることも重要ですが、パッケージで良質なフードかどうか判断する方法をご紹介します。
バリエーションが豊富なキャットフードだからこそ、健康状態や好みに合わせた安全なものを選びましょう。
「AAFCO」という基準はフードの良し悪しの判断材料になる
AAFCOとは、米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Official)の略称です。
いわゆるアメリカの飼料を管理する公的な協会で、ペットフードの栄養基準やラベル表示に関するガイドラインをつくっています。
この基準は世界的にスタンダードなものとして採用されていて、日本のペットフード公正取引協議会の規約はこのAAFCOの栄養基準に従っています。
AAFCOは基準を提示している機関なので、フードの検査や認定、承認は行いませんが、キャットフードの良し悪しの判断材料になります。
そのフードがAAFCOの基準を満たしている場合、「AAFCO合格」「AAFCO承認」ではなく、「AAFCOの基準クリア」「AAFCOの基準に適合」という表現になります。
AAFCOは原料の品質について細かい指定がないので、成分表で添加物などについてチェックし、さらに安全なフードを選びましょう。
厳しい安全基準で安心できるプレミアムフード
キャットフードにはさまざまな種類・値段のものがあります。どれも似たもののように思われるかもしれませんが、その中身は大きくちがいます。
キャットフードを選ぶときに「プレミアム」という文字を見かけることがあるかと思います。
プレミアムフードに明確な定義はありませんが、ペットショップに並んでいるフードのなかで比較的値段が高く、品質を重視しているフードを指します。
通常のフードからプレミアムフードに切り替えることで、
- 食いつきが良くなった
- 便秘・軟便が治った
- 毛のつやが良くなった
など、猫の健康改善も期待できます。
また、AAFCOの栄養基準をクリアしたフードを指してプレミアムフードと表示されることが多いので、キャットフード選びの参考にしてください。
プレミアムフードは厳しい安全基準によってつくられているので、安いフードよりも高い安全性が確保されています。
危険なフードもある?添加物や粗悪な原料に気をつけて
安全性の低いキャットフードを与え続けていると、
- 栄養失調不足による疾患
- 毛並みが悪く、つやが無くなる
- 腎疾患のリスクが上がる
- アレルギー体質になる
- 口臭、便臭が強くなる
など、さまざまな体調の不良がでてきます。
粗悪なキャットフードを見分けるためには、パッケージの原材料の成分表をしっかりと確認することが大切です。
成分表は使用量が多い順に記載されています。適当に購入するのではなく、飼い猫の年齢・体調・好みを考えて安全なキャットフードを選びましょう。
▼添加物についてはこちらの記事で詳しく解説しています
キャットフードに含まれる添加物の種類と、その危険性
愛猫に安心でおいしいごはんを食べさせるために
今では、室内で飼う猫は特に持病がなければ10歳を越えるのが当たり前になっていますが、30年以上前の飼い猫の平均寿命は6~8歳でした。
これはやはり、猫の栄養を研究して作られたキャットフードのおかげではないでしょうか。
愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、毎日食べるキャットフードの品質や原材料に気をつけましょう。
しかし、添加物や粗悪な原料を使ったキャットフードが存在しているのは事実です。
フードの品質を長持ちさせる保存性や、食いつきを良くするための人工香料、人間においしそうと思わせるための着色料など、キャットフードに添加物が使われる理由は私たち人間に向けてのものばかりです。
飼い猫の健康を一番に考え、体調や年齢にあわせた安全で良質なキャットフードを選びましょう。